既存不適格と違法建築 PCBとアスベストの調査

カテゴリ:ブログ 不動産投資
連載シリーズ 【 既存不適格と違法建築 PCBとアスベストの調査 】 第 10 話 / (全 18 話)

私はすぐに物件情報を送ってきた仲介業者に電話して、1時間後に□□駅で待ち合わせをしました。

現場に行くと情報どおりの建物がそこにはありました。本来ならば、一人で物件を見に行っても良かったのですが、ことは急を要すと、考えていたので、私に物件を紹介した仲介業者に空室部分になっている部分の鍵、また、屋上に出るための鍵なども用意させました。

既に私の興味は、この物件を解体して、新しい建物を作るところにあります。

空室部分を見る必要があったのは、そこに新しいテナントを付けるためではありません。最上階である6階は、かなり長いことテナントが入っていなかったのか、窓から鳩が侵入した形跡がありました。

私が、空室の鍵を仲介業者に持ってこさせた理由は、アスベストの有無を調べるためでした。検査済証の無い建物なので、竣工図もありません。

まずは空室部分の調査です。

天井裏や給排水の点検口をあけて、アスベストっぽいもの(アスベストかグラスウール、ロックウールの判別が見ただけでは判らない)を採取します。もちろん、見ただけでは解らないのですが、これを検査機関に出せば2~3週間程度で結果がでます。

ところが、この2~3週間を待っていることもできません。この時間をショートカットしてこそ、このビルを他のデベロッパーに先駆けて『買付け』を入れることが出来るのです。

私は、そのビルから採取したものかどうかを検査機関に出さずにもアスベストかどうかを判別することができます。その方法は企業秘密です。

次は、屋上部分の調査です。

私は重度の高所恐怖症なので、あまり屋上には行きたくありません。そもそもオフィスビルなどは、屋上を利用していないことが多いので、パラペットはあっても、手摺(柵)が無いことが殆どです。しかし、屋上にどうしても行かなければならない用事があるのです。

この規模のオフィスビルになると、だいたいのビルが、キュービクルを使用しています。

※ キュービクル:高電圧のまま、キュービクルで受電して、それを100Vないし200Vに変圧して、ビルの各所の配電するための機械。

このキュービクルの古いものに、PCB(ポリ塩化ビニフェル)が使われている可能性があるからです。これも専門業者に調べてもらうのが通常ですが、私は自身でそれを見分けることができるので、ここも時間を短縮することができます。

では、なぜアスベストやPCBを調査するかというかと、アスベストに関してはその有無、有った場合のそのアスベストの付着の仕方によって、解体費や解体期間が大きく変動してしまうからです。

PCBは、今でこそ処理できるようになりましたが、当時はPCB処理施設を作っている最中で、PCBの保管義務がありました。所有者の保管義務ですから、私がこのビルを建った状態のまま買って、解体すると、PCBが存在した場合は、私が保管しなければならなくなります。

あとは、空室部分の残地物の調査でした。

だいたいのオフィスビルというのは概ねスケルトンの状態になっているのですが、過去に冷蔵庫、大型の壊れたエアコン、どうやっても使えそうもない業務用の机や椅子が山積み、そして一番やっかいなのがパソコンも置いてありました。

この類はいずれもリサイクル法などの兼ね合いもあり、処分するのに結構な費用が掛かります。ましてや、パソコンとなると、個人情報の問題もあり、安易に触れなかったりするのでやっかいな問題になるのです。

結果的には、アスベストの使用は僅かに認められましたが、PCBの使用はなく、残地物もほぼ無い状態でした。

私は、一応、会社で上司や役員に説明するための写真を撮りました。この場所、私自身はよく知っている場所なので、物件周辺の雰囲気は把握しているつもりでした。

次回以降は、この写真を撮ったことで、私が買おうとしている物件に重大な瑕疵があることに気がついていく話を書きます。

・既存建物を買うときに違法建築物かどうかを判断するのは、なかなか難しいものです。ですから、既存建物を買う前に是非、リデベにご相談ください。

・違法建築物を既に買ってしまって、お困りの方もリデベにご相談ください。(場合によっては、違法建築を解消できます。)

・既存不適格建物に関して、不安をお持ちの方もリデベにご相談ください。

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