刹那

本日の記事は決してエコ活動や、温暖化対策、介護事業を私が卑下しているわけではないことを予め書いておきます。

掲題は、仏教用語で時間の最小単位を表す言葉です。

今日のWBSで『エコ疲れ』の特集をやっていました。

当然のことだと思います。

そもそも、エコと経済の連動性というのは難しい話です。

私の中で・・・

エコや温暖化対策というのは、人類が今までやってきた、環境破壊の報いを受ける時代に突入したことに対して、環境破壊によって享受した利益に対して、今度はどうやって、それに対して、人類が犠牲を払い、それに対処するかである。

と考えています。

太陽光発電を例にとって考えてみます。

私は住宅を作り売る仕事をしていました。

太陽光発電そのものは、ここ2,3年で登場したものではありません。太陽光発電というと、最近のものの様に感じますが、太陽電池と聞けば、皆さんも

「昔からあるな・・・」

と、思うと思います。

事実、太陽電池は、19世紀には、その原理は発見されていましたし、20世紀半には、実用化されていました。(と言っても人工衛星とかですが・・・)私達、民間がそれを利用したのは、計算機やデジタルの腕時計など、液晶が登場したことによるものだと思います。そして、それが小電力であることと同時に、今まで乾電池や水銀電池という電力コストが、太陽電池を上回るものでした。

ところが、環境問題が言われるようになると、太陽光発電が注目を浴びるようになります。

太陽光発電の住宅も最近は、非常に売れているようですが、10年前は1000軒に1軒売るのでも大変な時代でした。最初は、環境問題を考える方でも、お金持ちの方が、

「私は地球環境を考えると太陽光発電が・・・」

と言って、屋根に太陽光発電を設置してくれました。

では、何故売れるようになったのか・・・。

これは、太陽光発電の設置を何年で回収できるかという問題になります。現在は、概ね10年で回収できます。

太陽光発電の設置時の助成金と買取り価格の電力会社の負担が大きくなったおかげです。

考え方の問題ですが、もし、太陽光発電の設置(初期投資)に200万円掛かったとします。これを10年で回収できるとすれば、毎年20万円の収入があるのと一緒です。

とすれば、これは10年間引き出し不可能の定期預金で金利が10%と同じ計算になります。この低金利時代ですから、随分と美味しい話です。

ところが、実際に、この利回り10%を支えているのは何でしょうか?

税金です。

しかし、その税金を払っているのは、太陽光発電の恩恵を現在得られない人も支払っています。

では、自分もその恩恵に与ろうとして、全員が太陽光発電を自分の家に設置すると、その設置にかかる助成金=税金は、だれが支払っているのかというと、自分自身が支払っていることになります。つまり、太陽光発電そのものをミクロ的に見れば、高利回り商品ということになるのですが、実際には、その分、税金が上がることになるか、それを赤字国債に頼ることになるので、結果的には税金に頼ることになるので、実際には高利回り商品でもなんでもないことになります。

ところが、自分もその恩恵に与ろうとしても、できない人もいます。つまり、初期設備投資をできない人です。このエコビジネスは、初期設備投資をできない人たちが、初期設備投資をできる人たちを支えるシステムと、私は考えます。

仮に、初期設備投資をできない人たちに、その費用を貸し出せば、この高利回りは、前述の通り、理論が瓦解します。

無限エネルギーは、人類の夢ではあるが、それは実現不可能であることと一緒です。

しかし、地球温暖化問題は考えなければならない問題です。

エコはビジネスにしようとした時点で、人類は負けです。

エコビジネスによって、雇用を創出できるかもしれませんが、その費用は誰が出すのでしょうか?

この話は高速道路の公共事業とは全く違います。高速道路によって劇的に運搬が改善されれば、それは大きな経済発展に繋がります。

しかし、地域の人が不便だからと言って、そこに高速道路を作っても、この設備投資は回収されません。

エコビジネスによって、刹那の期間、雇用の創出ができても、それは現在生きている人間が回収できる経済発展には繋がることはなく、遠い何世代も後の人類が、『そのおかげで生きていられる』と言う事になるだけなのです。

つまり、エコとはビジネスにするものではなく、人類が平等に犠牲を払うものでなければ、成功はしないものなのです。

もし、これをビジネスにするならば、さらに大きな犠牲をエコビジネスに関わってない人が支払うか、地球温暖化を含めるエコ活動を人類が辞めてしまうことに繋がると私は考えています。

Facebook にシェア
Pocket

株式会社リデベはプロも御用達の不動産・建築の総合コンサル会社です。
店舗物件、テナント賃貸、投資、空家対策、開発、地上げ等、貴方の問題を解決します。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。
無料電話相談
03-5389-6082
(営業時間:平日10時~18時30分)
・無料メール相談はこちら
・弊社サービス概要はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

カンタン見積もりシステム
株式会社リデベのカンタン見積もりシステムは、お見積り内容を細かく選択でき、 簡単にお見積り作成・送信ができます。
金額の参考にもご利用ください。