戸建住宅の価格

カテゴリ:ブログ 住宅

 本日の日経新聞第12版15面に

積水ハウス、赤字106億円

2~10月最終 販売棟数が落ち込む

と出ています。

積水ハウスは売上げ高1兆3800億円で、ダイワハウス程ではありませんが、やはり戸建住宅以外の分野や、海外進出もしているので、純粋に売上げや純利益が、戸建事業によるものとは言えません。

そして、その積水ハウスの左下にちょっと小さい記事ですが

飯田産業、純利益26億円に 5~10月

飯田産業はハウスメーカーというよりもパワービルダー(分譲住宅専門業者)です。売上高も527億円と積水ハウスと比較することはちょっと難しい会社です。また、エリアも殆どが関東中心の会社です。

飯田産業は、飯田建設工業(現在の一建設(09年11月上場))から分離した会社で、そういう意味では同業の東栄住宅等と親戚筋にあたる会社です。

私も同じエリアのハウスメーカーにいたことがあるのですが、飯田産業や東栄住宅が有名になりだした頃(平成10年ごろ)には、

「あんな家、売れるのかなぁ・・・汗

と、思うぐらい安普請な家でした。(今も決して高級とは言えませんが・・・)

しかし、その値段は驚異的な値段であったことを思い出します。

分譲住宅と言うのは、土地付き一戸建てですから、ぱっと見た目では、土地の値段と建物の値段がわかりにくいですが、消費税が出ているのでそこから逆算すれば、建物の値段がわかります。

当時の値段で、私が勤めていた会社と、同じ大きさの家で、坪単価で20万円ぐらい、価格にすると600万円ぐらい、比率にすると30%ぐらい違いました。

戸建住宅と言うのは、簡単にコストを下げられるものではありません。色々な材料費を削ったり、工法を改善して工期を短縮して人件費を圧縮したりと、それを一生懸命やっても坪単価で3万円下げるのは気が遠くなる話です。そこに於いて、20万円/坪というのは決定的な差と言っていいでしょう。

もちろん、仕様も間取りも決定的に違うもので、同じ客層で勝負するものではありませんでしたから気にしませんでした。また、クレームなどの対応の問題点もあったとは思います。

しかし、現在の様にデフレスパイラルが続き、また、所得も減少傾向にある中で、ある程度のシェアを獲得しようとすれば、ユニクロではないですが、低価格化を進めることは必然のことだと思います。

その、コストダウンの手法は飯田産業ではなく、上記の親戚会社の方から聞きましたが、老舗のハウスメーカーが簡単に真似できるものではありませんでした。

今の日本の住宅コストというのはいずれにしても高いと考えています。

これは、所得に対する住宅に掛ける費用が先進国の中でも高いことからもいえます。その割りに供給過多という状況もあります。建設業界そのものが多様な問題を抱えているだけに、一筋縄で解決できるとは考えていませんが、遵法性を守りながらコストダウンをしていけば、そこに勝者が現れると思います。

その為には古い概念に囚われない住宅メーカーの出現が必要なのかもしれません。

元住宅の技術屋だけにこんな記事になったけど・・・

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