【開発】L字溝 第5話

カテゴリ:ブログ / 不動産開発
連載シリーズ 【 【開発】L字溝 第5話 】 第 5 話 / (全 10 話)

※ 前回、メッセージで解答を下さった方、有難うございました。さすがに設計関係の方しか解答はありませんでしたが、正解はありませんでした。っていうか、正解を導く為の状況説明が足りなかったと反省しています。

さて、前話の様な内容で無事に確認申請も合格したのですが・・・。このエリアは商業化が進んでいるエリアと言っても元々は住宅街です。ですから、小さいとはいえ、店舗を作ることに周辺の反対がありました。実施設計はすでに設計事務所(設計担当はM氏です。)に任せていましたので、私の仕事は近隣対策とリーシングに移行していました。

もう、細かい計画のことは頭から抜けていたのです・・・。

近隣の方にもようやく、ご理解を頂き、近隣の方とは仲良くなっていました。

リーシングも一棟で借りてくれる物販を見つけることができました。外資系の物販店で内装の打合せに、その会社の本国から明け方に電話が掛かってきてやり取りをするのに、少し、うんざりしていましたが、それも終って、後は竣工を待つばかりでした。

竣工まであと3週間。建物も殆どできて、既にテナントのB工事に入っていました。A工事の範囲はあとは外構と外部階段の塗装を残すぐらいになっていた頃・・・

※ A工事・・・施主負担の工事。

※ B工事・・・テナント負担でテナントの為に施主が工事してあげること。

注 C工事・・・テナント負担でテナント自信が工事すること。

現場監督のYさんから電話が掛かってきました。この現場は大手ゼネコンのO建設に発注していましたが、実際に工事をしていたのは下請けのF建設で、YさんはF建設のベテラン監督です。

「相澤さんですか?隣地との境界の仕上げはどうすればいいですかね?」

「は?細かいことはM氏に聞いてください。」

「いや・・・Mさん、ここにいるんですけど・・・汗

なんとなく、困った様子が電話の向こうから伝わってきます。

「M氏に替わってもらえますか?」

すぐに設計のM氏が電話に出ました。

「相澤さん、すいません・・・。大きな見落としがありました。しょぼん

「どうしたんですか?えっ

「隣地と私道の部分の仕上げを忘れてました。しょぼん

その時、私はM氏が、私道と隣地の仕上げを忘れていて、ゼネコンがその部分を見積に入れてないものなのだと、まったくの勘違いをしていました。

「ん?それで、いくら追加が発生するんですか?得意げ

この物件は当初の予算よりも多少の余裕があったので、あっさりとこの言葉が出ました。

「いや、予算は見てるんですが・・・」

「じゃあ、何を忘れてたんですか?」

「仕上げの厚みを・・・、あ、これから相澤さんの所に伺って説明します。あせる

「いや、私がそっちに行きますよ。別件もあるので・・・」

テナントとの打合せがあったので実際にその物件に行く用事がありました。

私は電車の中で図面(製本)を広げて、敷地と隣地の間の部分を確認してみました。

ちゃんと、擁壁の図面が入っています。厚みも細かく指示してあります。展開図を見てもおかしな点はありませんでした。(今、考えればこの時点で気がつかなかったことが恥ずかしいです。もっともこの時点ですでに手遅れだったのですが・・・)

私道(2項道路)と隣地の計画はこうでした。

平面(サムネイルになっています。クリックすると拡大します。)
『Dr.相澤の住宅情報館』の館長のブログ

立面(サムネイルになっています。クリックすると拡大します。)
『Dr.相澤の住宅情報館』の館長のブログ

「一級建築士の割に毎回々々、随分とチープな絵を描くねぇ」というご批判もありますが、なにしろ、パワーポイントで描いていますのでご容赦ください。

「はい!そこの貴方、CADを使え!とか無茶を言わないように!」

電車の中でこの絵を見ていても私はまだ気がついていませんでした。

ここまで来ると、何がミスなのか気がついた方もいるかもしれません。

私も、この絵を眺めた30分後には気がつきました。

現場を見て・・・汗

次回は、ようやく何をミスったかに入ります。

やたらと長い話だけど・・・

株式会社リデベはプロも御用達の不動産・建築の総合コンサル会社です。
店舗物件、テナント賃貸、投資、空家対策、開発、地上げ等、貴方の問題を解決します。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。
無料電話相談
03-5389-6082
(営業時間:平日10時~18時30分)
・無料メール相談はこちら
・弊社サービス概要はこちら

建築業界における積算という仕事

建築業界には積算という仕事があります。

設計事務所にいる方なら『見積チェック』ぐらいはしたことがあると思います。デベロッパーの方ならば、競合見積で積算書の比較ぐらいはしたことがある人もいると思います。

しかし、チェックはできても、実際に積算をすることができる人は限られています。

※ゼネコンやハウスメーカーの営業マンがやる、営業積算(概算見積)は誰でもできます。

図面から、コンクリートの立米数や鉄筋の重さ、それにそれを運搬するためのトラックの台数・・・もちろん、外壁のタイルの㎡数や内壁のクロスの㎡数、配管の長さに電線の長さ、コンセントの数、トイレの数、水栓金具・・・などなどの材料費。その他にも足場などの仮設に、掘った土を捨てるための運搬費に産業廃棄物処理費・・・もちろん、各工事に掛かる職人さんの手間賃に現場事務所や現場の仮設トイレのリース費用まで計算しないといけません。値段だけではなくて、施工過程までの全てを理解していないと、出来ないのが積算という仕事です。

私がやってきた建築の仕事の中でもっとも難しいのがこの積算という仕事です。また、建築の仕事の中では一番、奥が深いかもしれません。また、デベロッパーをやっていた時には設計の知識よりも積算の知識の方が役に立ちました。

建築関係以外の方だと、設計や現場監督なら誰でもできると思っているかもしれませんが、積算ができる人は本当に極僅かの人しかいないんです。

よく、建築の値段を出すのに坪○○万円などと単価で話ますが、同じ面積でも建物の仕様だけではなく、形状によっても値段は全然変わるんです。(私も単価で話ますが・・・)だから、私は土地の形状から、建物の形状を想定して、単価も使い分けています。

また、積算が出来ると、コンクリートが何%上がったとか鉄筋が何%上がったなどという情報(日経新聞にも値段は出ています。)で、その費用が建物全体に占める割合が解っているので、概ね値段が解ります。

ちょっと、勉強して出来るものでも無いですし、参考書もほとんど無いので、建設会社の積算部にでも入らないと実際の建物の積算はできませんが、一度、どんな世界なのかを眺めてみると、建築コストに関する世界観が変わるかもしれません。

積算ポケット手帳 建築材料・施工全般〈2009前期編〉/建築資料研究社 出版部
¥3,000
Amazon.co.jp
初めての建築積算
¥2,940
Amazon.co.jp
株式会社リデベはプロも御用達の不動産・建築の総合コンサル会社です。
店舗物件、テナント賃貸、投資、空家対策、開発、地上げ等、貴方の問題を解決します。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。
無料電話相談
03-5389-6082
(営業時間:平日10時~18時30分)
・無料メール相談はこちら
・弊社サービス概要はこちら

最悪の賃貸管理

カテゴリ:ブログ / 住宅

賃貸物件でいろいろな相談を受けるのですが、やはり、一番多いのは退居時のトラブルです。

その中でも一番酷かった事例です。

物件そのものは、築年数も15年ぐらいのアパートだったのですが、まぁまぁ、小奇麗で住人も入居時などは喜んでいました。もちろん、この方は家賃の滞納などもなく、迷惑行為も一切ない人で貸主からしてみれば優良な借主だったと思います。

しかし、管理会社の実態が少しずつ解ってきたそうです。

管理会社は東京の新宿にある、株式会社バジリカという会社です。

まず、台所のコンロが壊れたときに、その旨を言ってもなかなか、修理に来ない・・・。

結果的には何度か連絡して、修理はしてくれました。

そこまではよくある話です。

しかし、結果的にはこれが原因で退居することになるのですが・・・

ゴ キ ブ リ ガーン

です。

私が相談の依頼を受けて、物件に行った時には絶句しました。

その数は尋常な数ではありません。特に部屋を汚くしているわけではなく、むしろ綺麗で残飯などがあるということも一切ありませんでした。

まずは、害虫駆除です。

バルサンなどのくん煙式殺虫剤を炊いてみると・・・

部屋の見えるところだけで数十匹の死骸・・・。それに天井裏や台所の収納などにまた、数十匹の死骸、その他にもダウンライトの照明器具をはずせば、バラバラと落ちてくる始末です。

しかも、2日もすれば元の状態に戻り、

『これは、アパート全体で駆除をしなければ対処不能』

ということで、管理会社に連絡しました。

しかし、管理会社は一度見にきましたが、その後は連絡しても対処しません。

結局、この住人は泣く泣く、この物件から引っ越すことになりました。

しかも、この後が・・・・

「ゴキブリが発生したのは、あなたの責だから、クリーニング代と害虫駆除で敷金では相殺できないから、追加でお金を払え!」

というものでした。

私は管理会社に言いました。

「東京都の不動産取引特別相談室に電話しますよ爆弾

しばらくすると、住人本人に電話があって・・・

「敷金は全額、返却します。あせる

結局、それで事なきを得ましたが、素人相手なら黙ってお金を払うと思ったのでしょう。そこにプロが出てきたので撤退・・・。

その後、しばらくすると、系列会社の株式会社スマイルサービスという会社がニュースに出てました。家賃滞納の借主に対して、無茶なことをした様です。その後、その会社は、株式会社バジリカと同じ住所で株式会社ハウスポートという会社に事業継承して営業してます。

このスマイルサービス、バジリカ、ハウスポートの関連は私より詳しく書いている方がいるので省略します。

入居費用が安い物件は要注意です。


稚拙な不動産屋もいるけど・・・

株式会社リデベはプロも御用達の不動産・建築の総合コンサル会社です。
店舗物件、テナント賃貸、投資、空家対策、開発、地上げ等、貴方の問題を解決します。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。
無料電話相談
03-5389-6082
(営業時間:平日10時~18時30分)
・無料メール相談はこちら
・弊社サービス概要はこちら

家賃保証業務、許可制など想定

カテゴリ:ブログ / 住宅

 前回のブログ(『最悪の賃貸管理
』で非常にタイムリーなことを書いてしまいました。

Yahooを見ていたらトップのNewsに「追い出し屋」被害で規制へ=家賃保証業務、許可制など想定-国交省
が出ていました。この追い出し屋被害の加害者こそ
前回のブログに書いた株式会社スマイルサービスです。

ちょっと、タイムリーな記事になったと思いました。

まぁ、この会社の手口を読んでると、同じ業者から見ても、あまりに稚拙で悪質が故に、情けなくなりました。

家賃滞納自体もダメな話ですが、この「追い出し屋」の手口も情けないです。

貸主は貸主なりのリスクヘッジも大切です。

そして、借主も借主なりのリスクヘッジが必要です。

賃貸住宅を貸す時も借りる時も管理会社選びは重要です。

タイムリーだったから・・・

株式会社リデベはプロも御用達の不動産・建築の総合コンサル会社です。
店舗物件、テナント賃貸、投資、空家対策、開発、地上げ等、貴方の問題を解決します。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。
無料電話相談
03-5389-6082
(営業時間:平日10時~18時30分)
・無料メール相談はこちら
・弊社サービス概要はこちら

住宅用地の需給バランスと値段

カテゴリ:ブログ / 不動産開発

最近、こんな話がよくでます。

「大至急、住宅用地を探してくれ・・・」

ほとんど、毎日聞くのですが・・・目ぼしい物件が無いのが原状です。

マンション用地でも戸建用地でもそうなのですが、最近はめっきり物件が減っています。土地そのものが無いわけではなく、単純に価格バランスが崩れているのが現状です。新築住宅の価格は一時、アウトレットマンションなどが出回り、マンション価格が値崩れをした為、普通の値段のマンションは売れ行きが芳しくありません。そこで業者が求める値段が恐ろしく安くなっているんです。

例えば、東京の城西地区で2年前は、200万円/坪で土地30坪、建物30坪で8500万円ぐらいで売れていた物件が最近は概ね7000万円前後まで価格が下がっています。

もともと、建物の工事費の値段と言うのは、急激に上がったり下がったりするものではありません。とすると単純に土地の値段で調整するしかありません。とすると、この土地の場合、2年前は6000万円だったものが4500万円になったということで、売値が約25%下落していることになります。そして、土地の原価を考えると、分譲住宅業者の仕入れ値は、造成費(固定費)や税金、利益などを差引いて、5100万だったものが3750万ぐらいになります。つまり、業者の土地仕入れ値は26.5%も下落しているのです。これでは余程、お金に困っていないかぎり地主さんは売りません。

ある上場している、関東エリア中心の分譲住宅を専門的にやる会社のIRを見ると125億円の評価損を計上しました。この会社は注文住宅や法人からの受注を除くと600棟ぐらいを販売しているので、1棟当り2000万円ぐらいの評価損を計上したことになります。この125億円のうち、どの程度が住宅用地の評価損かは解りませんし、1年分の棚卸し資産の評価損とも限らないのですが、相当な価格下落であることは間違いありません。

※2000万円/棟の下落はちょっと考えにくいですし、高値の時に将来の棚卸し資産を買い込んだことも考えにくいことから、収益不動産などの棚卸し資産があったものと考えられます。そうでなければ、余程、経営センスが無いか、用地仕入れが下手だったかのどちらかになります。両方の可能性もありますが・・・

通常の考え方で行けば、供給不足になれば値段は上がるのですが、住宅を買う側の所得が上がってこないと需要自体が回復しないので、しばらくの間は非常にパイの小さい需給バランスが保たれることになるのではないかと思います。

不動産の売却なら、リデベにご相談下さい。

リデベの不動産価格査定はこちらをどうぞ

※リデベの不動産査定は、当社から査定をされた方の個人情報を出さずに査定します。

その為、他の仲介業者、デベロッパー、買取業者からの営業など査定をされた方にご迷惑を掛けることはございません。

株式会社リデベはプロも御用達の不動産・建築の総合コンサル会社です。
店舗物件、テナント賃貸、投資、空家対策、開発、地上げ等、貴方の問題を解決します。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。
無料電話相談
03-5389-6082
(営業時間:平日10時~18時30分)
・無料メール相談はこちら
・弊社サービス概要はこちら

【贈与税】新非課税枠

カテゴリ:ブログ / 住宅

 

日曜日はだいたい家にいて、まったりとしてることが多いです。

ネタについても時事ネタは少ないです。

さて、今日の日経新聞に『贈与税の新非課税枠』について記載がありました。

パターンは2つあります。

相続時清算課税パターン

簡単に言うと、今までは住宅を購入する場合、親から、贈与を受ける場合、3500万円までの贈与は非課税となるものが4000万円まで非課税枠を拡大。しかし、相続時に清算しなければならない。

相続の前倒しみたいなものですかお

例)5000万円の家を買うに当って、親に4000万円を出してもらって1000万円をローンで自腹で払う。この場合の4000万円に贈与税はかからない。(今までは3500万円だから500万円の20%=100万円の贈与税が発生した。)

ただし、4000万円は先に相続したものと考えられるので、もし、この購入者しか相続人がいなかったとして、親(被相続人)が亡くなって相続が発生して相続財産が7000万円あった場合は

4000万円は先に相続していると考えられるので、相続財産は11000万円となる。

6000万円までは非課税なので(5000万円+相続人の数×1000万円は相続税非課税)

11000万円-6000万円=5000万円が相続税の対象となる。この場合の税率は20%で控除額が200万円なので

5000万円×20%-200万円=800万円が課税されるということになる。

暦年課税パターン

今までは、親(祖父母も可)から110万円/年を贈与されるのは非課税だった。(おこずかいとみなされる)それを住宅購入資金にあてる場合はさらに500万円を非課税として年間610万円まで非課税にする。

というものです。

どちらが、得かは、相続財産がどれくらいあるのかによって決まります。

っていうか、相続人が大勢いる場合、揉めないのかの方が心配です。汗

もともとは景気対策の一環で行っているのですが、この手のものの効果は始めた時の一瞬と終るときの駆け込み需要で終わると言うことが多いです。しかし、景気が良くならなければ延長されることが多いし、景気が上向き始めても、止めれば景気回復の足枷になるといってなかなか止めないのが過去の実績です。

他の景気対策と連動して、景気刺激策になれば良いですが、アメリカとヨーロッパの景気回復が本格化しないと苦しいかもしれません。新興国の景気上昇でどこまでいけるか・・・。

宅建の試験に出そうな内容かもひらめき電球

日経のオチも『税理士に聞けビックリマーク』だけど・・・

株式会社リデベはプロも御用達の不動産・建築の総合コンサル会社です。
店舗物件、テナント賃貸、投資、空家対策、開発、地上げ等、貴方の問題を解決します。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。
無料電話相談
03-5389-6082
(営業時間:平日10時~18時30分)
・無料メール相談はこちら
・弊社サービス概要はこちら

【開発】L字溝 第3話

カテゴリ:ブログ / 不動産開発
連載シリーズ 【 【開発】L字溝 第3話 】 第 3 話 / (全 10 話)

さて、前回、L字溝の話を書いてるのに、一度もL字溝の話が出てこなかったという、お叱りを頂きましたので、今回はちょっとだけ、L字溝の話を書きます。

随分前ですが、ある不動産(駐車場)を見にいきました。その不動産が売りに出ているという噂だけで見にいっているので、物件概要はありません。謄本だけは取り寄せているので地積は解っているのですが、地積測量図などはありません。その頃の仕事は設計です。その土地に

「どんな分譲住宅が設計できるかを検討してくれ」

というのが依頼内容でした。

私に依頼した営業のK氏と一緒に土地を見に行き・・・

「あのさぁ、地積測量図ないの?」

「ないんだよなぁ・・・」

「じゃあ、ロングテープで計ろうか・・・」

※ロングテープとは30m以上ある巻尺のことです。

「あ、ダメなんだよ。所有者から、土地に入るなと言われてるんだよ」

「そっか・・・。じゃあ、ちょっと適当なプランになるよ。」

と言って私がその不動産のL字溝と囲まれてる万年塀を数えだしました。

※万年塀はこちらです。

『Dr.相澤の住宅情報館』の館長のブログ

「それは仕方がないとして・・・なに、やってるの・・・」

「土地の寸法を計ってるんだよ」

「どうやって?」

「L字溝は600㎜、万年塀は1810㎜だから枚数数えれば大体わかるでしょ。4辺の長さが解れば後は地積から概ねの敷地形状は解るでしょ。」

「へ~」

「ブロック塀の場合は3個で概ね1mだから覚えておくと得だよ」

ということがありました。

敷地測量図がないとボリュームプランが作れない・・・わけじゃありません。

さて、本題になります。

前回の話で平面計画を立てましたが、今度は高さ関係です。

今回の物件の特徴は道路幅員が最低の4mしかないということです。つまり道路斜線が厳しいということにあります。ですから道路からなるべく、建物を離さないと建物の高さが稼げません。

しかし、前回の話の通り、なるべく建蔽率をいっぱいいっぱいに使って2階建てで容積率を消化しなければならないという矛盾点にぶつかります。

※ここで道路斜線について解説します。

道路斜線とは都市計画区域内において、道路の日照を確保する為にある法律です。もし、4m道路の両側に30階建て(高さ100mぐらい)の建物が、道路境界線いっぱいに建っていたら、道路は真っ暗になってしまいますし、異様な圧迫感を感じるでしょう。それを避ける為の法律です。

下の絵を見てください。

(サムネイルになっているのでクッリクして拡大して見て下さい。)

『Dr.相澤の住宅情報館』の館長のブログ

道路斜線とは道路の幅員と道路敷地境界線から建物を離した距離Aの2倍の高さに係数を掛けたところまで建物の高さを作れるという法律です。

その係数は

住居系の場合で1.25(上の図で赤い点線の部分)

住居系以外の場合で1.5(上の図で青い点線の部分)

となります。

つまり、住居系地域以外だと黄色の部分だけ建物が高く作れます。

※容積率の範囲内ですが・・・。

もし道路幅員が6mで道路から建物を1m離して、そこが住居地域であれば

(6m+1m×2)×1.25=10m

となり、10mまでは建物が建てられます。

※実際には斜線なりに上がっていけば、それ以上の高さの建物が建築可能です。

ここで、もし、道路からみて、土地の方が高ければ、その分、建物の高さは低くしなければなりません。

このことを踏まえて次回は、本物件で高さ関係の計画を立てます。

今回も計画概要に到達できなかったけど・・・

株式会社リデベはプロも御用達の不動産・建築の総合コンサル会社です。
店舗物件、テナント賃貸、投資、空家対策、開発、地上げ等、貴方の問題を解決します。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。
無料電話相談
03-5389-6082
(営業時間:平日10時~18時30分)
・無料メール相談はこちら
・弊社サービス概要はこちら

現場で知る不動産価値と『官僚たちの夏』

カテゴリ:ブログ / 不動産投資

『官僚たちの夏』というドラマの第一話を見ました。

公式サイトはこちら・・・TBS「日曜劇場 官僚たちの夏」

あらすじはネタバレになるので書きませんが・・・

物づくりに掛ける熱い思いや、現場の大事さを感じさせられます。

今の日本が高度経済成長期並みの発展をとげられない理由は多々あります。

社会的構造の問題もあるとは思います。

しかし、現場に出ないで、机の上で仕事をすることの方が収入が良かったり

たまに現場を見ても、視察するだけで要点が解らない人が増えていると思います。

時代の変化と言えばそれまでですが・・・。

製造業だけではなく、不動産や建築の業界も現場を見なければものは解りません。

それが、投資目的であっても同じです。

現場が解らなければリスクも解らないはずです。

数字や技術屋のレポートを見て投資判断をする。

話をすると、大して建築も不動産のリスクも解ってない人が殆どです。

そして、職業を「不動産金融系」と言っています。

ノンリコースでも抵当権でもいいけど、不動産の本当のリスクを知らない。

だから、収拾がつかないことになってる訳ですが・・・。

私の会社にいる若い社員の言った言葉です。

※この社員は設計が専門ですが、商業マーケティングも出来ます。

「私はネットで調べたデータや本で読んだ知識も大事かもしれないけど、自分の足で現場に行き、自分の目で町を見て、初めて、その価値が解ると思います。」

その言葉を思い出しました。

株式会社リデベはプロも御用達の不動産・建築の総合コンサル会社です。
店舗物件、テナント賃貸、投資、空家対策、開発、地上げ等、貴方の問題を解決します。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。
無料電話相談
03-5389-6082
(営業時間:平日10時~18時30分)
・無料メール相談はこちら
・弊社サービス概要はこちら

【開発】L字溝 第1話

カテゴリ:ブログ / 不動産開発
連載シリーズ 【 【開発】L字溝 第1話 】 第 1 話 / (全 10 話)

「『L字溝』って、聞いたことがありますか?」


聞いたことがなくても、外を歩いたことのある人なら絶対に見たことがあるはずです。



『Dr.相澤の住宅情報館』の館長のブログ-L字溝


これがL字溝です。道路の脇の水が流れるところです。


『だから、なんだ?かお


と思われる方もいるかもしれませんが、最終的にはL字溝になるまでに物凄く苦労したことがあるので、その事を書こうと思います。(←意味不明)


今回はかなりの建築的専門知識を要します(大学の建築学科レベルではちょっと無理かもしれません。)ので、それについての解説も書きます。一級建築士試験を受ける方が読んでも役立ちます。(試験まであと3週間だから、今から新しいことを勉強するぐらいなら、これを読んで息抜きしてください。)


また、経緯から書くので、ハリー・ポッター並に長くなりますので何回かに分けて書きます。覚悟して最後まで読んでください。(一級建築士の学科までに終るか・・・自信なし汗


もう、5年程前の話になりますが、私は都内S区のある場所に目をつけていました。そこは、都市計画上は住居系の地域(第二種住居地域)ですが、少しずつ商業地化している場所でした。その頃は、まだ、その周辺の土地の値段もそんなに上がっていませんでした。しかし、周辺の家賃は1階で既に4万円/坪に届こうとしています。一番高いときには6万円/坪までいきました。これだけ下がった不動産市場の現在から見ても、不動産価格はおおよそ2/3ぐらいでした。


私が注目していた土地の形状はこんな感じです。

(サムネイルになっているので拡大して見て下さい。)


『Dr.相澤の住宅情報館』の館長のブログ

売買の対象地は水色の部分とオレンジ色の部分です。水色の部分の面積は約60坪でオレンジ色の部分は私道(422項道路)でその部分を含めると、概ね80坪程度の土地です。東側の私道も水色の部分の所有者と一緒の持ち主でした。また、土地の断面を見ると、こんな感じです。

対象土地部分を南北(XX’)と隣接地を南北(YY‘)に切った断面

(サムネイルになっているので拡大して見て下さい。)


『Dr.相澤の住宅情報館』の館長のブログ

 

私道路部分を南北に切った断面

(サムネイルになっているので拡大して見て下さい。)


『Dr.相澤の住宅情報館』の館長のブログ

 

と、こんな土地です。


「なんか、一級建築士試験の参考書みたい・・・汗


という意見もありますが・・・。


さて、この土地に商業建築を計画します。


(去年、一級建築士の学科試験に合格して、今年は二次試験だけで良いという方は計画してみてください。都市計画で定められる建ペイ率60%、容積率400% ちなみに防火地域です。当然ですが、値段の高い土地ですから、土地は有効に使ってください。不動産屋さん的には当たり前ですが商業ビルというのは一般的には路面階(低層階ほど)が一番売上げが上がります。つまり、無理やり、建物を高くする必要はありません。規模は一級建築士二次試験よりも全然小さいですが、難易度はこちらの方が上かもしれません。)

次回はその計画概要です。



ちゃんとL字溝オチになるから・・・



株式会社リデベはプロも御用達の不動産・建築の総合コンサル会社です。
店舗物件、テナント賃貸、投資、空家対策、開発、地上げ等、貴方の問題を解決します。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。
無料電話相談
03-5389-6082
(営業時間:平日10時~18時30分)
・無料メール相談はこちら
・弊社サービス概要はこちら

不動産会社の上場

「デベはなぁ、上場すると苦しいんだよ。金があるなら、上場なんかしない方がいいな。」

これは、随分前に先輩に教わった言葉です。

上場のメリットは

・株式市場から資金を調達できる。

・知名度が上がる。

デメリットは

・上場を維持するのにお金が掛かる。

・株主に左右される。

などがよく言われます。

景気のいい時(土地の値段が上がっている時)には、余程のバカ以外は資金力さえあれば、儲かる業界です。簡単に言えば、買って、売れば儲かります。

景気の悪い時(土地の値段が下がっている時)には、物凄いプロでもなかなか、儲からない業界です。

『稼げる時に稼いで、悪い時にはじっとしている。』

というのが、基本スタンスになるのですが上場していると、なかなか上手くいきません。

平成18年の秋口ぐらいから、そろそろ潮時というのは、この業界の人ならみんな感じていたはずです。リーマンショックの1年ぐらい前から・・・。

しかし、それでも高値の不動産に手を出したのは上場企業故の目標があったからでしょう。もちろん、上場してなくても、上場を目指していた会社も同じです。耐力が無く、派手にやりすぎた、新興系の不動産が片端から逝くのは、この辺が原因でしょうか・・・。人材の問題も大きかったと思いましたが・・・。(人材については後述します。)

株式会社リデベはプロも御用達の不動産・建築の総合コンサル会社です。
店舗物件、テナント賃貸、投資、空家対策、開発、地上げ等、貴方の問題を解決します。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。
無料電話相談
03-5389-6082
(営業時間:平日10時~18時30分)
・無料メール相談はこちら
・弊社サービス概要はこちら
1 47 48 49 50 51 54
カンタン見積もりシステム
株式会社リデベのカンタン見積もりシステムは、お見積り内容を細かく選択でき、 簡単にお見積り作成・送信ができます。
金額の参考にもご利用ください。