【用地購入】~額縁?~【後編】
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N氏から、電話が掛かってきました。
もう、鳴る電話すべてがN氏ではないかと思い、掛かってくる電話を全て私が取るような3分間でした。
「あ、相澤さんですか?」
「額縁なのか?」
「ガ・ク・ブ・チ?・・・その意味が解りませんが・・・その細い2筆も売買対象地ですね。」
額縁の意味を説明するには時間が無かったので無視して・・・
「へ?だって、物件資料には水色の土地の部分以外は物件資料にはどこにも出てないよ?」
「ええ、私も気が付きませんでした。共担にも入ってないですから・・・」
「売主はこの細い筆は別売にするつもりなのか?」
「いえ、一緒に売ろうとしています・・・。」
N氏はなかなか、要点を言おうとしません。
「じゃあ、その2筆を入れたら、値段は上がるだろ。」
「いえ、最初の価格で問題ありません。というよりも土地の面積が増えたってことで勘弁してもらえませんか?」
N氏かなり、テンションが低いです。
「土地の面積が増えたって・・・。もう、稟議も回してるのにそんな説明で納得すると思うか?うちの上の連中は絶対に額縁だって思うぞ!」
「ガ・ク・ブ・チ?の意味がわかりませんが・・・。え~っとですね。怒らないで聞いてくださいね。」
「すでに怒ってるよ。」
「うちのこの物件の担当はUって言うんですよ。プロパーで入社4ヶ月目なんですが・・・。」
「U氏の紹介はいいよ。」
「そのUに聞いたら・・・。売主からは3筆とも預かってきたらしいんですが、面積も少ないし、全ての筆を物件概要に記載して、謄本を取るのが面倒だったから、一番大きい筆を記載したって言うんですよ。」
「×○※△★×※」
その理由を聞いて私は言葉にならないことを発しました。
そうこうしているうちに、執行役員Fが戻ってきました。
「お~い、社長も買っていいって言ってたぞ」
さすがに説明しないわけにもいかないので・・・
「あの~。土地の面積が増えちゃいまして・・・」
「はぁ?値段があがるのか?」
「いえ、値段はそのままで土地の面積が増えました。」
「ん?公簿と実測の差かなにかか?」
「いえ、単純に隣接する筆を売主が同じ値段で付けてくれました・・・。」
(こんな言い訳が通じるわけないよなぁ・・・)と思っていると
「よかったなぁ!今どき気前のいい売主もいるもんだなぁ!」
(こいつ、絶対にバカだな・・・)
と思いましたが社内はなんとか大騒ぎにならず、通り過ぎました。
この後、N氏に額縁について超長々と説教して、U氏の教育をちゃんとするように言いました。その際にN氏は
「だから、Uが担当の物件を相澤さんに紹介しなかったんですよ・・・」
最初に物件には『たぶん問題ない・・・』とN氏が言ったのは物件には問題ないが担当に問題があるということを言いたかった・・・ということでした。
おしまい。
面倒くさがりな仲介もいるけど・・・
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。