建築基準法適合状況調査の流れ(検査済証の無い建物を適法化する方法)

本内容は2014年12月6日に掲載されたものの修正版です。

① 確認済証の副本と確認申請時の図面の有無を確認する。

副本と図面がある場合は②へ進む。無い場合は③へ進む

② 一般木造住宅2階建て200㎡未満の建物以外の場合は構造計算書の有無を確認する。

構造計算書が無い場合は④に進む。

一般木造住宅2階建て200㎡未満の建物、もしくは構造計算書がある場合は⑤に進む。

③ 建築士事務所(出来れば一級建築士事務所)に依頼して、現況図面の作成を依頼し、現況図面作成後に④に進む。

④ 現況図面をもとに構造計算を実施する。

⑤ ①の確認申請時の図面もしくは③で作成した現況図面が、建物が建てられた時点の建築基準法に適合しているかを一級建築士に確認してもらう。

この時点で、建築基準法に大きく違反しており、是正するのに建て直す方が、経済的に有利な場合には、建築基準法適合調査を中止する。

概ね建築基準法に適合している、もしくは軽度の違反(建て直すよりも是正する方が遥かに経済的に有利な違反)がある程度である場合には、⑥に進む。

⑥ 依頼した建築士に『建築基準法適合調査』を第三者機関に依頼してもらう。

この時点で依頼された建築は特定行政庁との協議を行い、第三者機関に議事録で報告を行う。⑦に進む。

⑦ 第三者機関が『建築基準法適合調査』を行い、『建築基準法適合調査報告書』のドラフトを作成する。

不適合箇所が無ければ、『建築基準法適合判定合格状況調査報告書』が発行されます。

不適合箇所がある場合は⑧に進みます。

⑧ 依頼した建築士に不適合箇所についての是正方法等を第三者機関と協議して貰い、不適合箇所を是正する工事を行う。その是正箇所を依頼した建築士に写真などを取って貰い、第三者機関に報告してもらう。是正完了を第三者機関が認めてもらえば『建築基準法適合判定状況調査報告書』が貰えます。

建築基準法適合判定状況調査報告書は、不適合でも貰えますが、報告書の中に『不適合』箇所の指摘が残ったままになると、その効力がありません。 この場合は違反建築物である証明書にしかなりませんので注意が必要です。

ただし、『建築基準法適合調査』が出来るようになったのは、平成26年7月2日の国土交通省発表のガイドラインからで、すべての建築士事務所が引き受けてくれる訳ではありません。

価格については、建物の規模、築年数、構造、確認済証の副本の有無、確認申請時の図面の有無、建築基準法の技術的指針への違反の程度によって大きく異なります。

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放課後等デイサービスの開設については建築士に相談を

放課後デイサービスの設計について、最近、事業者の認識が間違っているケースが見受けられます。放課後デイサービスは下記の点は厳守しなければなりません。

・児童福祉法

・建築基準法

・消防法

・高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)

この、法律にはそれぞれ国の定める法律の他に都道府県、さらには市区町村の定める条例や規則があるので注意しなければなりません。

事業者は、児童福祉法に関する法令については、営業許可や補助金の関係から、行政の担当窓口と相談されているケースが殆どで、ここについては殆どの事業者が守っています。

また、消防法に関しては、消防検査の定期検査に義務などから、多くの事業者が事前相談をしっかりされています。

 しかし、建築基準法の用途変更に関して、特に用途変更の必要性が法改正により200㎡以上になってから、多くの事業者が、建築基準法の確認を怠り、また、それに付随して発生するバリアフリー法を守ってないケースが見受けられます。また、勘違いをされている事業者が多くいることが、確認されています。

 まず、大前提として、「200㎡以下であっても法律は遵守しなければならない。」ということです。

 では、遵守されていないかの事例を紹介します。

・そもそも、放課後デイサービス等の事業をやってはいけない場所でやっている。

・採光や換気が十分に足りていない建物を使用している。

・排煙設備がない建物を使っている。

・防火区画などが守られていない。

・耐火性能などが守られていない。

・バリアフリー法に関する、地域で定められている条例を守っていない。

・200㎡以上あるにも関わらず、申請する部分を200㎡未満にしている。

一部の行政では、建物の設計などについて建築士に確認しないと、そもそも事業の申請そのものを受け付けていない行政もありますが、多くの行政では、法令を遵守していることを前提に事業許可を出しています。

そのことから、建築士に相談しないで事業所を開設されたり、また、確認申請が不要なため、なるべくコストを押さえるために、法令を遵守しないことにより、前記したような、建築基準法を違反しているケースが散見されています。

しかし、法改正により用途変更の確認申請が200㎡以上になっても、200㎡未満の事業所も開設後3年を目処に後日、調査が入り、違反している場合には是正を求められることがあります。(令和3年11月現在、コロナ禍もあり、遅れている様です。)

※小規模建築物を対象とした医療・福祉施設、宿泊施設、集客施設等を所管する関係部局との連携について(https://www.mlit.go.jp/common/001294996.pdf

開設後に是正となると、費用も開業時よりも多くのコストを要しますし、何よりも是正工事をしている期間は休業を余儀なくされます。また、悪質な場合には罰則規定があることも注意が必要です。

当社で相談を受けたケースの中では、そもそも是正が出来なくて閉設を余儀なくされたものもあります。

 

このことから、まず、開設する場所を決定(物件の賃貸借契約の締結や購入)前に、その場所で開設することが出来るか、出来るとして費用が予算内に収まっているかなどを事前に建築士、できれば、福祉施設の設計の経験のある一級建築士事務所に相談してください。

当社では、放課後デイサービスをはじめ、有料老人ホーム、老人デイサービスセンター、認可保育所、企業主導型認可外保育所などの多くの福祉施設の設計を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

 

業務エリアは基本的に日本全国です。(電話及びメールでの相談は全国一律無料)

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検査済証が無くてお困りの方へ(融資実行・用途変更や増築も出来る場合あり!)

まずは、建物のあるエリアの所轄の行政庁に問い合わせて「建築確認台帳」で検査済証が発行されているかの有無を確認してください。

「検査済証がなくてもあきらめないでください!」

検査済証がなくても融資を受ける方法はあります。

検査済証がなくても増築・用途変更を行う方法はあります。

 

1.検査済証とは?

検査済証とは、まず、建物を建てる前に、建築基準法やその他の関連法令に合致しているかどうかを図面にします。そして、その図面通りに建てられているということを、行政や国土交通省指定の民間確認検査機関が検査して、合格したものに発行されます。

 

2.検査済証はいつ発行されるのか?

検査済証は、建物が出来てから4日以内に検査の申請をして、申請到達後7日以内に検査を受けなければなりません。また、この間、建物の使用もできません。(引越しなどで家具を入れるのも使用とみなされます。)したがって、建物を利用して、しばらくしてから、検査済証が無いからと言って、検査を依頼することはできません。

 

3.検査済証がなくて金融機関から融資が受けられない場合

平成30年4月1日より、不動産売買の際、重要事項説明書に検査済証の有無の記載が義務付けとなりました。それ以前から、各金融機関とも検査済証の無い建物に対しての融資が大変、厳しくなり、場合によっては融資が実行されないことが増えてきました。

そこで、平成26年7月2日に発表された「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」(国土交通省)というものがありますが、これはハードルが高く、特に建物を利用している状況では、なかなか検査ができなかったりします。また、このガイドラインはそもそも、検査済証のない建物の増築や用途変更を可能にするために策定されたもののため、かなり厳しい検査をするので、かなりの費用が掛かります。しかし、金融機関はそこまでのものを求めていないことが多く、当社から、遵法性を明らかにした証明書でも、融資実行がされたことは多数あります。この証明書については金融機関の求めてくる内容によって異なるので、一概にいくらで出来るとは言えませんが、木造1戸建てであれば、税別50万円~(平均税別100万円前後)で出来ます。

 

4.検査済証がなくて用途変更や増築ができない場合

前述の通り、検査済証が無いとガイドラインを利用して調査をするか、建築基準法第12条5項による調査を必要とします。ただし、法第12条5項の調査は、行政が提出を求めないと行うことができません。したがって、基本的にはガイドラインになる場合が多くなります。(当社では、ガイドラインの検査も法第12条5項の検査もどちらも経験があります。)

このガイドラインに従った構造の調査の場合、破壊検査(建物の一部を壊して、鉄骨や鉄筋の接合部を露出させる)や非破壊検査(建物の構造をレントゲンで撮る)などの調査をするので、建物の規模によりますが、最低でも税別200万円~となります。

 

5.検査によって違反箇所が発見された場合

検査済証のない建物の多くは、当社の経験によると、検査を受けない何らかの理由が存在することが多く、その殆どが建築基準法に違反していることが多いです。違反箇所は是正するしかありません。しかし、場合によっては、物理的に是正ができない、もしくは是正をすることが経済的に困難なケースもあります。

 

6.新築時の図面があるかどうかが鍵

当社に依頼される場合で新築時の図面が全くないというケースがあります。後日、不動産会社が作った様な間取り図は、建築図面ではないので殆ど役には立ちません。この場合、図面の復元が必要になりますが、地中杭など再現が、かなり困難な図面もあります。建築図面が全くない状態からでも、用途変更や増築を行った実績はありますが、費用も時間も図面がある場合よりも掛かります。

 

7.まずはお手元にある資料を揃えてお電話ください。

前述の通り、実際の調査となると、かなりの費用が掛かります。そこで、お手元にある資料を揃えて、お電話でご相談ください。お電話での相談は無料で行っております。

そこで、可能性がある場合には予備調査(現地調査・行政調査・約10万円~)を行い、実際に調査に掛かる費用などのお見積り及び工程表を作成させて頂きます。

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新型コロナウィルスの影響による設備機器や建材の納期遅延に関してのお知らせ

カテゴリ:アナウンス / 業務案内

日頃より、格別のお引き立て賜り、厚く御礼申し上げます。

 中華自民共和国を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大しているなか、我々建設業界にも影響が出始めております。
 国内メーカーの製品の一部に海外で製造されている物(またその製品の一部の部品等)があり、工場の閉鎖等により製品納期に一部遅延が生じ始めております。また、部品の輸入に際しても船便を使用する事から、更なる影響が懸念されております。
 当社が設計し、現在、建設中の現場にも建材の搬入が遅れる、もしくは納期未定という事態が発生しており、一部の商品を在庫のある代替品に切り替えるなどで地王しておりますが、それでも工期に遅延が発生しており、お客様には多大なご迷惑をお掛けしておりますことをお詫び申し上げます。
 今後の新規、受注案件につきましては、当社は設計は出来ますが、工期につきましたは施工会社様とよくご相談をして、商品の在庫の確認、工期に対する影響を確認して頂ければと存じます。
 また、工期のお約束が出来ないにも関わらず受注してくる施工会社様が出てくることが予想されます。その場合、工事請負契約で、新型コロナウイルスによる(災害時に該当)工期遅延の場合等の特約をよく確認されることをお勧めします。

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200㎡未満の用途変更について

連載シリーズ 【 200㎡未満の用途変更について 】 第 14 話 / (全 14 話)

令和元年6月25日より、建築基準法の改正により、200㎡未満の用途を変更する場合「確認申請の手続き」が不要となりました。

 

1.手続き不要でも法律遵守は義務

手続が不要になっただけで、建築基準法及び関連法令を守らなくて良いという訳ではありません。これは、改正前の100㎡未満の用途を変更する場合「確認申請の手続き」が不要だった時と何も変わってはいません。

もともと、用途変更をする場合には、用途変更をする建物に対して、現行法に合わせなければいけないのは、用途を変更する部分の「室内の環境」「バリアフリー」「防火」「耐火」「消火」「避難経路」などのことが大部分でした。ところが、これが建築士でないとなかなか理解が難しいところだったのですが、用途変更の手続きが200㎡以上になったことで、200㎡未満であれば、好き勝手にやっても良いと勘違いされるだろうというのは、法改正前から予想がされていたことでした。

用途変更の際に法律を守らなければならない部分で特に「防火」「耐火」「消火」「避難経路」は、火災や天災の際に即座に命に関わることです。

 

2.手続不要の建物に対するチェック体制

前述のため法改正前後から、特に消防署の検査(※1)等が厳しくなりました。

また、変更した用途によっては、国土交通省住宅局から各行政に対して法改正時に、消防署や保健所などに用途の変更が行われた建物の存在を建築当局(※2)報告する通達があり、建築当局は用途の変更が行われた建物に対して、用途によっては、3年後を目途に建築基準法が守られているかの報告(※3)を建築主に求めるように通達がでています。(※4)

東京都の様に用途変更の工事着手前に「防火対象物の工事計画の届出等」(※5)を出さなければならない行政区の場合には、工事着手前に違反状態にあれば、消防署や消防署の指導で建築当局に指示を仰ぎに行くこともできますが、そうでないと事前にチェックする機関がどこにもないことになる(※6)ので、用途変更の工事完了後に消防検査の時点で違反を指摘されて、違反箇所を是正したり、使用を開始してから違反を指摘され是正するようなことになると施工者も大きな費用負担が発生したり、建築主も営業開始を延期したり、営業をしていれば営業を停止しなければならない場合も発生します。場合によっては、使用そのものが出来ないというようなことすら発生します。(「違反を指摘された事例」を参照してください。)

 

3.手続き不要の建物に対する建築主の対策

当社では、どんな面積であっても、建築基準法及び関連法令などが自分で判断できない場合には、用途変更に詳しい建築士などに事前に相談をして、必要であれば、その建築士に図面や書類を作って貰うことを推奨しています。

消防検査の時点で違反が発覚したり、使用開始後に違反が発覚したりすると、使用開始が遅れたり、違反が改善されるまで建物が使用できなくなったり、場合によっては違反の是正そのものが出来ないなど、経済的損失は計り知れないものになります。

 

4.手続きが不要になったことで変わったこと

そもそも、用途変更の確認申請手続きが200㎡以上になったことは、不動産(特に空き家)の流動性を高めるためです。用途変更の確認申請手続きで問題だったのは

① 確認済証が発行されるまで工事が着手できない。

② 新築時の建築図面が無いと、その復元が必要。

③ 検査済証(建築基準法第7条第5項)が無いと、手続きが煩雑になるか、場合によっては用途変更ができない。

この3点が緩和されたことでこれにより、確認済証が無くても、出来るところから工事を始められ、用途を変更する部分以外のフロアの図面などが不要(立面図や断面図は必要)となり、検査済証がなくても、その建物の遵法性や安全性を確認できれば、用途の変更が出来る様になりました。

しかし、その建物の遵法性や安全性の確認、用途を変更した場合に守らなくてはいけない法律を怠ってよいという訳ではありません。

 

5.手続不要の用途変更の設計依頼を受けた建築士の方

建築士の方は委任状、確認申請書の1面~6面と新築時の図面、工事完了届以外の書類は用意しておかなければならないことを注意してください。(法第12条5項報告を求められた時に後から用意するのは至難の業です。)

また、手続が不要なだけに確認してくれる機関がありません。(※6)したがって、建築基準法に抵触した場合、建築士がすべての責任を担うということを十分に心掛ける必要性があります。

 

※1:各行政の火災予防条例に定める「防火対象物使用開始届」に対する検査。

※2:その用途の変更を行おうとする建物を所管する特定行政庁における「建築指導課」等

※3:「建築基準法第12条5項報告」違反建築もしくはその可能性があるものに対して行政は建築主等に報告を求めることができます。その際には、その部分の遵法性等を証明する書類が必要となってくるため、用途変更の確認申請とほぼ同様な書類や図面を報告書に添付する必要が発生します。

※4:国土交通省住宅局建築指導課長発、令和元年6月24日国住指第661号(http://www.mlit.go.jp/common/001294996.pdf

※5:東京都の火災予防条例第56条第1項に基づく届出で、建築基準法の確認申請に必要な図面以上の図面などが求められます。

※6:用途変更の確認申請の手続きが無い場合、細部の規定を質問すれば、その規定は教えてくれますが、行政も民間確認検査機関も図面をまるごとチェックはしてくれません。

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用途変更の確認申請が200㎡に緩和された件

令和元年6月25日から、用途変更の確認申請が200㎡に緩和された。これは国土交通省が空き家問題を解消するために、現在ある空き家の有効利用を図る為に、建築基準法の用途変更の確認申請の手続きを省略することを目的としたものである。

 しかし、早くも多くの問題がここにきて露呈している。

 当然だが用途変更の確認申請の手続きを緩和したとしても建築基準法を放棄してよいものではない。昨今の火災や多くの天災で一般の人でさえ建築基準法にたいする意識は高鳴っている上に、企業コンプライアンスや金融機関の姿勢も法令順守の方向に向かっている。

 ここで、この法改正によって大きな問題が発生している。

 今までは、用途変更の確認申請を行い、その内容通りに建物を作れば、確認申請を行った検査機関(民間確認検査機関や特定行政庁)がその遵法性に対して担保してくれていた。

 しかし、ここにきて遵法性に関して、民間の建築士に寄せる傾向が強まっている。

 宅地武者取引業法改正で、重要事項説明で完了検査済証の有無の記載が義務付けられるようになった。また、賃貸に於いても、契約後に違反建築が発覚して用途変更ができない場合、貸主や仲介業者が責任を取らなければならない判例もでていることから、政府の思惑とは別に民間レベルで、より一層の法令意識が高まっている。

 一般の方が事業を行おうと思って借りた物件について保健所や消防署に確認に行くと、特定行政庁の建築指導課に行って、建築基準法違反が無いかを確認して、議事録をもってきてくれと依頼をうけ、結局、当社に依頼をする方が増えている。

 今までは用途変更の確認申請があったので計画段階で違法性をクリアできていたが、用途変更が200㎡になったことにより、200㎡未満の物件に関しては依頼を受けた建築士が責任をとらなければいけなくなる。

 新築の物件や住宅ばかりをやっている設計事務所にそれを依頼しても、その責務を負うのはかなり厳しいこととなるであろう。

 一つ、勘違いしてはいけないことは200㎡未満であれば用途変更の確認申請を行わなくて良くなったが、それに対して違反建築を容認していることではないことである。

 200㎡未満だからと言って違反を行ったことにより、その建物の他の部分が影響をうけることも十分に考えられる。

 私はこの法改正に対して、この改正案を作った国土交通省住宅局建築指導課長に意見を述べたがタイミングの問題もあって受け入れてもらうことが出来なかった。

 用途変更の確認申請は200㎡未満になったが、手続きが緩和されただけで、他の要件は変わっていない上に、民間確認検査機関や特定行政庁は責任をとってくれない。

 よって、下記にある特定建築物を行う場合には、必ず、それを専門をしている建築士に相談するべきである、

 

(い)

(ろ)

(は)

(に)

 

用途

(い)欄の用途に供する階

(い)欄の用途に供する部分((一)項の場合にあつては客席、(二)項及び(四)項の場合にあつては二階、(五)項の場合にあつては三階以上の部分に限り、かつ、病院及び診療所についてはその部分に患者の収容施設がある場合に限る。)の床面積の合計

(い)欄の用途に供する部分の床面積の合計

(一)

劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場その他これらに類するもので政令で定めるもの

三階以上の階

二百平方メートル(屋外観覧席にあつては、千平方メートル)以上

 

(二)

病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎その他これらに類するもので政令で定めるもの

三階以上の階

三百平方メートル以上

 

(三)

学校、体育館その他これらに類するもので政令で定めるもの

三階以上の階

二千平方メートル以上

 

(四)

百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場その他これらに類するもので政令で定めるもの

三階以上の階

五百平方メートル以上

 

(五)

倉庫その他これに類するもので政令で定めるもの

 

二百平方メートル以上

千五百平方メートル以上

(六)

自動車車庫、自動車修理工場その他これらに類するもので政令で定めるもの

三階以上の階

 

百五十平方メートル以上

 

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用途変更が200㎡からになります。

連載シリーズ 【 用途変更が200㎡からになります。 】 第 13 話 / (全 14 話)

令和元年5月23現在、まだ法律が施行されていませんが、令和元年6月中には、法律が施行されることが確定している建築基準法改正があります。それは

「用途変更の確認申請義務が100㎡以上だったものが200㎡以上になる。」

ということです。

これは、現在の日本の空き家が物凄く増えていることに対してストック住宅をより活用しやすくしようとしている為のものですが、用途変更の多くはビルの一部だったり、していて空き家の戸建てをすることは少ないのですが、実はこの法律改正には大きな罠があります。

用途変更の確認申請手続きは確かに200㎡未満の建物について行わなくてよくなりますが、建築基準法を守らなくて良いということではありません。

当社にお問い合わせがあるときに

「自転車は免許不要で乗れますが、もちろん法定速度は守らなくちゃいけないし、飲酒運転をすれば、道路交通法違反で、捕まって処分されるのと同じで、確認申請が不要でも、違反建築が、ばれれば、是正処置を求められます。」

 これは100㎡以下の時も同じだったのですが、当社には用途変更の手続きが不要だからということで、建築士等に確認をしないで、自分で適当にデザインを考案して、内装工事業者に施工して貰ったけど、違反建築を指摘されて是正を求められているという相談が月に数件はやってきます。

違反建築をしていると、こんな手紙が突然おくられてきます。もう、この手紙が来たら、元通りに戻すか、建築士に依頼して是正してもらうしか方法がありません。

 

 ここで大変なのは違反建築を是正するのが、意外に大変ということです。

 例えば1時間準耐火構造で作らなければならないところを、普通の壁で作っちゃいました・・・。みたいなことになると、内装工事で作った間仕切り壁から全部やり直し、みたいなことになって、作り直すためには、営業を何週間もとめてやり直さなければならないし、解体が発生するので、当初の工事費を上回ることになることも平気であります。

 また、そもそも、その場所でやってはいけない事業をやっていたりすると、是正というより、辞めるか移転を余儀なくされるというケースも多々あります。

 そして、これを放置すると、突然、次のような看板を建物の前に貼られてしまうことになります。

こうなって、しまうと、少なくとも是正しないで使用すると本当に逮捕されたりします。

 

 違反建築は以外とばれます。ばれるケースは

 ・ 建築指導課監察係(行政によって呼び方が違います。)のパトロール

 ・ 消防署の検査で、消防署員が気が付いて、行政に通報

 ・ 一般の方からの通報

 これは、自分の感じていることですが、最近は消防署の検査で消防署員が行政に通報するケースが増えています。最近の消防署の方は、かなり、建築基準法を勉強していて、完了検査で国土交通省指定民間確認検査機関(通称「民間」)が見落としって行ったことを指摘されたりということもあります。

 

 ここまでのことを整理すると、今回の法改正での

メリット

 ・ 完了検査を受けていない(検査済証が発行されていない)物件でも200㎡なら容易に用途変更ができる。

 ・ 確認申請の手続きが無いので、確認申請から確認済証が発行されるまでの期間が短縮できる。

 

 デメリット

 ・ 建築士等の建築基準法を解っている人を介さないで作ってしまって、違反建築になって、発覚すると、思わぬ出費や事業停止がある。

 

 しかし、本当に危惧しなければならないことは、

これは私が、本改正の前に国土交通省住宅局建築指導課長にと話し合ったことですが、その課長さんは

「200㎡未満の小さな建物ならば、違反があっても是正しやすいし、仮に事故があっても被害は少ないから・・・」

と説明されましたが、私は

「200㎡の保育所って想像したことがあります?40人からの児童が預けられる保育所ができてしまうんですよ。それなのに建築基準法が守られてない建物が乱立する可能性があるんですよ。消防法や児童福祉法に定める施設基準は建築基準法が守られていることが前提なんですよ。

 火事になっても建築基準法が守られてないために避難できない児童がでるかもしれないんですよ。40人の児童の命は、あなたにとって小さな被害なんですか?」

 その課長さんはそれっきり黙ってしまいました。

 

 用途変更の確認申請の手続きが200㎡未満になったことで、今まで使えなかった検査済証のない建物で100㎡から200㎡未満までが用途変更ができるようになったということだけでも、ありがたいということで、建物利用者の安全を守るという意味からも、用途を変更する場合には、必ず建築士に相談することをお勧めします。

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「日経スペシャルガイアの夜明け」に出演しました。

2019年3月26日22時~放送「日経スペシャルガイアの夜明け」に出演しました。
「企業再生決断のとき~さらば平成 君は夜明けを見たか③~」

界壁(建築基準法施行令第114条の区画)についての解説です。

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用途変更の価格比較について

連載シリーズ 【 用途変更の価格比較について 】 第 11 話 / (全 14 話)

用途変更の確認申請の難しいところは、建築基準法上、現在の法律のどこまでを守らなければならないかの判断をするところにあります。おそらく、用途変更を請負った建築士の方の多くがここで悩んだと思います。そして、国土交通省指定確認機関(役所や民間機関)に聞いても、多くのミスリードを見かけます。

先日、ある建築主から、

「事務所の2階部分を飲食店に用途変更したいから、建築士に用途変更を依頼したら、エレベーター全ての扉に遮煙という機能を付けなければならず、何百万という費用とそれだけで3ヶ月ぐらいの工期が必要だと言われたんだけどなんとかならないでしょうか?もう、物件も借りて家賃も発生しているのに用途変更の申請期間や内装工事期間だけでも辛いのにとてもじゃないけど・・・」

という悲鳴に近い問い合わせがありました。

もちろん、用途変更時にこのエレベーターの扉に遮煙の性能を附加する必要性はありません。現行法ではエレベーターの扉には、遮煙の性能が付いているのですが、平成12年より前の建物だと、その性能はありません。これは、既存不適格として建てられた当時の法律が守られていれば、そのままで良いのです。

話を聞いてみると、指定確認機関の民間機関の担当者が設計者にその様に伝えたとのことでした。その設計者が、「エレベーターの遮煙」=「防火区画」については既存不適格で良いということを理解していない故に発生してしまった話です。

しかし、この建築主、私と話をするのは2回目でした。よくよく、当社の問合せ履歴を調べてみると数カ月前に同じ物件の用途変更の問合せが来て、当社の概算金額(約140万(税別))を伝えてありました。その後、音沙汰が無かったので当社も別の方に頼んだのか、用途変更をしなかったのか・・・。正直、問合せだけなら1日に何件もくるので、全ての問合せ内容を覚えている訳ではないので、そのままにしてありました。

そこで経緯を聞いてみると、当社に概算金額を聞いた後、数件に電話をすると、やはり、200万円前後~300万円近い金額を提示されたが、1社だけ100万円税別でやってくれるところがあったので飛びついたとのことでした。

結果的には用途変更の経験の浅い建築士が値段だけで引き受け、指定確認機関に言われるままに用途変更をするから、設計費は安くても工事費や期間がとんでもないことになってしまったという事例です。

当社は豊富な経験から指定確認機関言われるままになどと言うことは絶対になく、不要な工事により建築主の負担を増やすようなことは絶対にありません。

当社の場合、基本的に設計業務しか受託しませんが、必要とあれば工事業者もご紹介します。当社のご紹介する業者は、用途変更の確認申請が必要な工事ばかりをやっているので、工事のスピードも格段に速いですから、一度、設計費と合わせて見積を取って頂くと良いかもしれません。

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