【立退き】ラシントンパレス
新宿2丁目と聞くと皆さんはどんなことを思い出しますか?一般的には・・・
『ゲイの街』
と答える方が多いと思います。私も以前はそう思っていましたが、今では、私が立ち退きにチャレンジしようとして会社の許可が出なかったところとして記憶に残っています。
その場所はタイトルの『ラシントンパレス』というホテルでした。
※同じく新宿にある『ワシントンパレス』とは全く関係有りません。
新宿駅東口を出て、新宿通り(アルタや伊勢丹のある通り)を新宿を背に歩いて行って、丸の内線の新宿3丁目駅を過ぎた右側にありました。私のところに物件情報が入って見に行くと、残っているテナントは1つだけ。しかも、小さな飲食チェーン店です。事前に売りに出ていた価格とで収支を組めばバッチリ合います。むしろ、安いぐらいでした。
そのテナントは『餃子の王将』です。
この手のチェーン店展開しているテナントというのは、通常の場合、金銭解決できるのが一般的です。なにしろ、相手も完全な営利団体ですから、相応の対価を用意すれば話に乗ってきます。
しかし、よくよく考えてみると、あと『餃子の王将』を立ち退きすれば、解体して更地で売却できるはずです。更地にすれば相当の高値で売却できるのに、なぜ自分で立退きしないんだろう・・・。
そこで私は当時、付き合いのあった、立退きで有名なゼネコンのI氏に相談に行きました。
「あはは、相澤さんもチャレンジしようとしてるわけね。」
「えええ、『も』ということはIさんもですか?」
「いやいや、相澤さんがチャレンジするならうちは手を出さないけど、一筋縄ではいかないよ。」
「でも、『餃子の王将』だけですよね。」
「今の所有者だって、なかなか(立退きが)上手いんだよ。」
「それは、知ってます。だから、相談に来たんですよ。」
「簡単な話さ。今の所有者じゃ、出せなかったってことさ。」
「え?資金繰り的にタイムリミットで手放すとかじゃないんですか?」
「そんな、(今の所有者は)会社じゃないだろ。」
「じゃあ、Iさんとこでやっても大変だと思いますか?」
「いや、うちなら出来るよ。そうだ、うちがやって、更地にしてやるから、そうしたら、今の価格に○○億円乗せて、相澤さんが買ってくれよ・・・」
「えええ・・・・。高いっすよ・・・。」
という訳でその話を会社に報告すると、
「スルガのIさんが大変だって言ってるんだろ。辞めとけば・・・」
の言葉で却下となりました。そうです。立退きで有名なゼネコンとはスルガコーポレーションだったんです。
その後、ラシントンパレスは本当にスルガコーポレーションが購入して、餃子の王将も退去して、同社の手で更地となり、建築のお知らせ看板が出ていました。
スルガコーポレーションが暴力団関係会社と組んで立退き等をやり、関係者が逮捕されるニュースが出たのは、その直後のことでした。スルガコーポレーションの立退き手法は知ってはいたのですが・・・。
※この件について知りたい方は『スルガコーポレーション 光誉実業』でGoogleで検索してください。
古い話だけど・・・
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