【経緯】外伝4【立退き】
不動産関係の仕事をしていると、いろいろな不動産の話があります。
たしかに以前、
『お寺を買いませんか?』
という、話がありました。しかも・・・
『宗教法人セットでしかも、檀家さん付き』
という話でした。(檀家さんの評価額なんて出せないし・・・)
他にも『医療法人付き病院』や『営業権付きホテル』などはよくあります。
当時、収益不動産を扱っていた私は『病院』や『ホテル』は検討しました。しかし、さすがに、このお寺から、どんな収益が生まれるかを思いつかなかった私はその話を断りました。まぁ、普通に違法行為ですから、そんなことを考える訳もないのですが、こういうことに頭が回る人って時々、すごいなぁと思ってしまいます。もちろん、バカだなぁとも思うのですが・・・。
『ラブホテル』というところがちょっと笑えました。
さて、昨日の話の続きです。
警察署に連れて行かれた私は、本当に建造物不法侵入をしていたわけではありません。当然ですが、そのマンションは私が所属している会社が持っているものですから・・・。そのことを警察に確認してもらって、警察には理解してもらえました。
私が逮捕された理由は想像していた通り、Yさんが鍵を開けられたことで心配になり警察に通報したということでした。
逮捕までされた私は、タダで帰るほどお人よしではありません。私のことを逮捕した警察官に私が
『新オーナーで賃貸借契約書の作成と新賃料振込先の変更に来たら、なかなか連絡がとれなくて、心配になって鍵を開けた』
ということを、私と一緒に行ってYさんに説明してくれと言いました。
さすがに自分の仕事(立退き)に警察が協力してくれるわけないかなぁ・・・と思ったら、誤認逮捕に警察官も悪いと思ったのか、それともYさんに報告する義務があったのか快く承諾してくれました。
こうやって、私は無事にYさんと面識を持つことが出来ました。
・ 電話に出なかったのは知らない電話番号には出ない。
・ ドアホンに出なかった理由はセールスだと思ったから。
・ 郵便受けは見てなかった。
ということでした。
Yさんも悪かったと思ったのか、その後は私とは色々話してくれるようになりました。元々、身寄りのいない、ご老人です。寂しかったこともあるとは思いますが、その後はYさんの方から話してくれるようになりました。
ただ、寂しかったこともあるのでしょうか、Yさんのご都合の良い時間を聞くと、朝9時と言われます。
私の用件は玄関先で済むようなことなのですが、必ず、上がっていけと言われます。そして、
『果物は食べるか?お昼ごはんは食べるか?』
と聞かれます。こちらはYさんの機嫌を損ねるわけにも行かないのでなかなか断れず、いつもYさんの家を出るのは夕方です。上司にその旨を相談すると一言・・・・
『頑張れ!別に説得できれば何時までお茶しててもいいからな。』
『あっ、残業代は無理だけど!』
(残業代はつかないんかい!!!!)
以上でした。
そして、最終的な結論としては
・ Yさんの次のお住まいを私が責任を持って探す。
・ 次のお住まいの敷金と礼金などの初期費用をこちらが負担する。
・ 引越し代をこちらが負担する。
・ いらない物を置いていっても構わない。
という条件で立ち退いてくれることになりました。
Yさんも余程、私のことが気に入ってくれたのか
『相澤さんのお仕事の邪魔にならないように、住む場所が決まったらすぐに出て行くからね。』
と言ってくれました。
しかし、問題は次の住まいです。
実はこのマンションの家賃は、周辺相場に比べるとかなり安かったんです。ですから、同じぐらいの条件の物件を見つけることができません。
それと、Yさんは身寄りがありません。つまり、連帯保証人がいません。連帯保証人のいない、80歳過ぎの老人を受け入れてくれる物件がほとんど無いという問題にぶつかります。
なんとか、同じ条件の物件を見つけ、結局は私の勤める会社が保証人になるということで決着しましたが、そこまで行き着くのに半年ぐらいの時間を要しました。
Yさんによる教訓
・家賃が周辺相場より安い場合は代替物件が見つけにくいので交渉が難しい。
・老人を受け入れてくれる賃貸住宅は少ない。
・老人は話が長い。(結構、楽しかったけど・・・)
さて、次は「忙しい!」を理由に会ってくれない方に突入です。
契約書等によると賃借人は
名前:Sさん
年齢:30歳台
性別:男性
連帯保証人:保証会社
職業:IT企業らしき会社
同居者無し
家賃支払の遅延履歴等は一切無し
本物件居住者からのクレーム等も一切無し
まずは、務めている会社をネットで調べますが出てきません。「小さい会社なのかなぁ・・・」と思いつつも、書類上は怪しい点はありません。
Sさんは電話は何度掛けてもアポイントは取れないので、直接行って、
・電気がついている。
・水道メーターや電気メーターのまわり具合
などを確認して、中に人がいることを確認した上で
『近所まで来ました~』
という古典的な方法で挑戦です。同居者もいないということなので夕方以降に行くことにしました。
しかし、この部屋は不思議でした。
電気のメーターは激しくまわっていますが、外は暗くなっている時間なのに外から見てもこの部屋は電気がついているという様子がありません。というか、昼間でも暗幕?みたないもので部屋の中が全く見えません。
『なんだろう・・・』
と思いながらしばらく、通うのですが、呼鈴には絶対に出てくれませんでした。SさんはYさんに会ったときなど週に2回ぐらいずつは尋ねました。
通い始めて、かれこれ4週間・・・そろそろ、別の手を考えないと・・・と思っていた矢先、とんでもないことが起こりました。
このとんでもない出来事は明日に続きます。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。