資金回収期間とタワー離れ
最近、ある纏まった土地の仲介をしています。
場所は言えませんが23区内の私鉄駅から程近い場所で、最寄の地下鉄の駅までも1km以内の場所です。
山手線のターミナル駅まで電車に乗れば10分以内に着きます。
土地の大きさも細かくは書けませんが300坪以上はあります。
商業地域で容積も500%で、500%を消化できそうです。
見た瞬間に、ファミリーマンションやれば、相当売れるだろうな・・・。という立地でした。
そこで、ファミリーマンションをやる大手や電鉄系の不動産会社に持ち込んだところ・・・。
軒並み消極的な態度です。
実は、この場所にマンションを作って、容積率を500%使い切ろうとすると、10階建てないし、11階建てのマンションが出来上がることになります。
とすれば、設計期間と工事期間を併せると工期は約2年です。
デベロッパーはこの間に資金回収が出来ないことが、消極的になっている一つの理由です。
また、高容積率の場所はすなわち、商業地域です。
どんなに、マンション向きの土地であっても住宅地ほど、1種単価は安くありません。
※1種単価:容積率100%辺りの坪単価。例えば容積率500%の場所で土地代が300万円/坪ならば1種単価は60万円になります。
とすると、その分、土地代が高くなります。
故に、タワーマンションにして付加価値を付けて販売しようとしていた訳ですが、昨今の景気で専有単価が高いマンションの需要が激減しているために、高容積率の場所でのマンションが冒険になっているわけです。
一時は湾岸エリアなどのタワーマンションが流行っていたのですが、近郊の低容積率地域の土地の方が良いといいます。また、30戸~50戸ぐらいのマンションの方が良いというデベロッパーも多いです。これは儲からなくても販売不振だった時の損害が少ないからというのが理由です。
なんとか生き残ったデベロッパー達も、今は利益追求よりもリスク回避でローリスクローリターンの安全牌路線と言ったところの様です。
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