バーチャル原野商法

歴史は繰り返します。

これは犯罪の歴史でも、悪政の歴史でも同じです。

おれおれ詐欺

おれおれ詐欺も最近では、手法を変えて、振込制限額を回避する為に、バイク便を使ったり、アポイントを取る為に最初に携帯の電話番号が替わった旨を伝える電話をしたりする様に形態を変化させていますが、昔は、

「お宅のご主人が電車で痴漢をしまして、示談金が・・・」

などという、似たような犯罪がありました。

モラトリアム法案

名前が変わっただけで、鎌倉時代から続く、徳政令以外の何ものでもないです。

徳政令は当時の経済危機に対して起こった、一揆を収めるためのものでしたが、現在の一揆は選挙による政権交代と考えれば、まったく同じです。

その後、信用収縮でもっと大変なことになったのは歴史の通りです。

さて、掲題の『バーチャル原野商法』ですが、そもそも『原野商法』という言葉を知っている方が大分減ったと思います。おそらく、原野商法という言葉を知っているかたは30代後半以上の方だと思います。

そこで、軽く原野商法について説明します。

原野商法とは簡単に言えば、二束三文の土地、例えば北海道の道路も鉄道も整備されていない様な土地を実際には全くそんな計画が無いのに、

『今後、政府が新幹線を通す計画があるので、土地の値段があがる』

などと騙して、土地を売りつける詐欺商法のことです。

「なんで、そんな詐欺にひっかかるの?」

と思われると思います。

しかし、その当時は今のようにネットがここまで発達しているわけでもなく、情報が限られていて、事件が完全に発覚するまではメディアも取り上げないので、多くの被害者が出るまで、それが詐欺商法だということが解りにくいということもありました。

そして、何よりも高度経済成長期で列島改造論からバブル経済までの間に日本はどんどん、大規模開発が行われ土地の値段が上がるのは当然のことだと思っていたわけです。

また、芸能人を使って、宣伝したり、大企業が協賛しているというネタで信用させたわけです。

こうやって、平成初期までに多くの人がこの原野商法に騙されたわけです。

実際に私も原野商法に騙された人に、その土地の処分を依頼されたことがありますが、買ったときの値段の3%ぐらいの値段しかつきませんでした。その土地が原野ではなく、農地であったことから買値の3%の値段がつきましたが、それが北海道の原野なら0.1%も難しかったかもしれません。

本日の日本経済新聞14版39面に・・・

仮想空間でマルチ商法

 業者に業務停止命令 消費者庁

という記事が出ています。

概要は

消費者庁は27日、インターネット上の仮想空間で土地に投資すれば確実に利益が得られるかのような勧誘をしたなどとして、連鎖販売取引(マルチ商法)会社、ビズインターナショナル(さいたま市)に対し、特定商取引法違反(不実告知など)で6カ月の業務停止を命令した。

 消費者庁によると、会員は2万数千人に上り、集めた金は約100億円に上るとみられる。国民生活センターには2008年以降、計千件以上の相談などがあったという。

 同社はネット上に日本全国の街並みを再現する3次元の仮想空間を開設し、土地を貸したりすれば収入が得られるほか新会員を獲得すればボーナスがもらえるなどと各地で会員を募集。07年6月から今年5月にDVDなどが入った「ビジネスキット」を約40万円で販売するなどしていた。

NIKKEI NETより

簡単に言えば、インターネット上の仮想空間を使った原野商法です。

たしかに、今の世で原野商法をやるのは至難の技です。土地の値段が上がる根拠に乏しく、また、それに騙される人も少ないと思います。しかし、よほどの大金持ちでなければ、不労所得を得たいと思うのは世の常です。

実際にこのアメーバブログの中にも、『不労所得を得られる』に近い内容のブログもあります。

つまり、人の基本的な心理を利用することで、ちょっとだけ形態を変えて今の世の中に適合するようにすれば、騙される人は出てくるわけです。

しかし、不動産屋として、驚いたのは、詐欺であっても不動産投資の投資対象物である『不動産』までもがバーチャルになったことです。

そのうち、バーチャルリフォーム詐欺だとかが出てくるのでしょうか・・・。

バーチャル不動産の地上げをしてくれという依頼が出てきたらどうしよう・・・汗


って、出てくるわけないかガーン

被害に遭われた方はかわいそうですが、ちょっと驚いたニュースでした。

また、時事ネタだけど・・・

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