一級建築士試験 Vol.2
1ヶ月以上前に書いた一級建築士試験の話の続報です。
前回の記事はこちら・・・一級建築士試験
一級建築士試験を受けた方や受けようと思っている方はご存知と思うのですが、一応、受けたことの無い方や受ける予定の無い方の為にザクッと概要を書くと
一次試験 学科試験(今年度から5科目4択、前年度までは4科目5択)
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一次試験の合格者のみ二次試験へ(前年度及び前々年度の一次試験合格者も可・・・前年度までは前年度合格者のみ)
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二次試験 実技試験(製図試験)
概ね最終的な合格率は7%~11%ぐらいの試験です。
さて、今回の学科試験の結果は
合格点数 97点(125点満点)
合格率 19.6%
でした。去年までは100点満点だったのですが概ね70点ぐらいが一次試験の合格ラインだったのですが、今回は97点/125点=77.6点ですから問題自体は相当簡単になったと考えられます。また、4択になった影響が大きかったものとも考えられます。
合格率ですが姉歯問題以降、10%~15%で推移していたのが今回は20%に近いラインになっていることも特徴です。
さて、製図の実技試験ですが、一級建築士の実技試験というのは与えられた課題に対して図面を描きます。
前年度までは試験時間が5時間半で、与えられる課題は
『○○のある×××施設』
の様に複合施設が多く、また、『△△室を100㎡』という様に、かなり細かい指定が入ります。
その為、余程の大型プロジェクトでないかぎり、実務でもあまり無いような複雑な機能と動線計画を配置する試験でした。この5時間半という時間の中で、その複雑な機能と動線計画をどうやって纏めるかに時間を取られ過ぎると、図面を描く時間がなくなります。
二次試験に落ちる方の大半は『時間切れ』で落ちる方が多かったと思われます。結局は如何に図面を速く描ける様にして、計画に当てる時間を取れるかが、勝負の分かれ道になります。ちなみに、私も受験した頃のことを思い出すと、
『よく、あんなに速く描けたもんだなぁ』
と思います。
しかし、今の実務ではCADで図面を描くことが(私の場合はCADで描いて貰う)殆どなので、図面を速く描ける能力はあまり役に立ちません。
今回の二次試験は
『1階に展示用貸しスペースのある、貸事務所ビルです。』
はっきり言って、これだけだと、複雑な機能も動線計画もあまり無い様に感じます。
しかし、今回から
- 耐力壁等の位置、柱・梁等の断面寸法
- 設備機器等の位置、設備シャフト等の位置
を描きなさいという項目が追加されています。
実際に一級建築士を取得して、実務を何年か経験されている方ならば、構造や設備の専門でない方でもある程度は解るので、驚きはしないのですが、これが実務経験の少ない受験生となれば、結構、苦戦するのではないだろうかと思います。
今までの二次試験は実務から、ちょっと掛離れた感じがあったのですが、少し実務に近づいて来た様な気がします。蓋を開けてみないと解りませんが、姉歯問題後の試験改革の最中で今後、色々な問題は出てくると思いますが、より社会の役に立つ資格になると良いと思う次第です。
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