需要の二極化
今日の日経不動産マーケット情報にこんな記事が出ていました。
【調査】「市況に明るい兆し」、ニッセイ基礎研の不動産実務家アンケート
2009/11/02
今後の不動産市況について「やや良くなる」との見方が増加した――。ニッセイ基礎研究所が不動産分野の実務家、専門家を対象に実施した不動産市況アンケート調査で、このような結果が明らかになった。調査は毎年実施しており、今年で6回目となる。
現在の景況感については「悪い」と答えた人が58.8%と最も多く、次いで「やや悪い」(38.2%)となった。両者を合わせると97%に及ぶ。今後6カ月後の市況見通しについては、「変わらない」(46.1%)、「やや良くなる」(38.2%)の順に多かった。1年前の調査では「悪くなる」、「やや悪くなる」との回答が合計で90%を超えていたが、今回は15%弱に激減した。「やや良くなる」との回答は、昨年の3.9%から大幅に増加している。こうした結果について、ニッセイ基礎研究所は「市況にやや明るい兆しも見えた不動産投資市場」と表現している。
6カ月後に「良くなる」、「やや良くなる」と答えた人に、その理由を尋ねたところ、「J-REIT市場の不安払拭(ふっしょく)」が55.0%と半数を超えた。「投資資金流入の持続」(50.0%)、「金融機関の融資姿勢の改善」(45.0%)といった回答も多かった。
不動産投資市場が持続的に成長するために必要な政策も聞いたところ、「J-REITなど不動産証券化市場の信任回復政策」が65.7%で最も多かった。「海外からの不動産投資資金流入策」(47.1%)、「総人口増加政策」(44.1%)に対する期待も高い。このほか、アンケートでは「環境規制強化が不動産投資に与える影響」についての調査結果もまとめている。
調査は不動産会社や建設会社、金融機関、保険会社、不動産仲介、不動産管理、ファンド運用会社、投資顧問などの業務に携わる専門家200人を対象にアンケートを実施し、102人から回答を得た。
この記事を読んだ時に、ここまで下落してくれば、さすがにこれ以上悪くなると予測する人は少なくなってくるだろうとは思います。
株式投資でもそうですが、投資というのは『買う人がいなくなった時が最大の投資のチャンス』と言いますから、ここまで買う人がいなくなれば投資のチャンスと考える人が出てくることも事実だと思います。
現実問題、実需ではにその傾向が出ていると思います。
これだけ、不動産価格の下落がメディア等で言われればマイホームを取得するチャンスと考える人はいると思います。
特に、自身の勤める組織の業績が安定しているか、もしくは上向きであれば、今は買い時です。
実際にマンションにしても戸建にしても、公務員や世で言う勝ち組企業の社員の方がお客さんには多い様です。昨年から続いた不動産価格の下落も底値安定状態に入ってきたので、そういう人達から見れば買い時かもしれません。ただ、実際には、昨今の景気から見れば絶対数が少ないので、本格回復までは行っていません。
問題はその『絶対数の少ない人』たちの需要が一巡した際の二番底かもしれません。
投資用マンションにも一定の傾向が見られます。
一時期は東京主要5区辺りの高級賃貸マンションが良く売れたのですが、最近はちょっと外れた場所の中級立地、中級グレードに需要回復の傾向が見られます。これは、投資用マンションに対して、不動産の価値を度外視して、金融機関の評価の上限が2200万円前後だからという傾向が見られます。
つまり、その上限ギリギリのある程度の立地の場所のみに需要が集中しているという傾向があります。
また、デベロッパーにもある傾向が見られます。
これは以前のブログでも書きましたが財閥系と電鉄系を除けば、平成19年までに収益物件にあまり手を出さなかったデベロッパーです。
この様に数少ないですが芽吹いていることは事実ですから、少しずつ回復しているのかもしれません。ただ、圧倒的に少ない回復組がどこまで牽引できるか、静観したいと思います。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。