日本の空家率13.1%
総務省から、日本の住宅の空家率等の住居系不動産に関する統計が発表になりました。
総務省サイト内:平成20年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の概要
他にも興味のあるデータはあるのですが、今回は空家について書きます。
空家というのは、賃貸マンションなどの共同住宅も含まれています。そしてこれが圧倒的に多く、409万戸です。その実態がどの様な内訳かはわかりませんが、恐らく、築年数が古いもの程、空室率が高くなっているものと想像できます。
日本の賃貸住宅の場合、利用者が新築もしくは築浅の方が良いと考えます。もちろん、住宅設備の進化などが著しいこともあるので当然なのですが、貸主が利用者のニーズに応える管理をしていないことが大きな要因と言えます。
ちなみに私も賃貸住宅に住んでいますが築27年のRCのマンションです。一応、新耐震であることから選んだ理由ですが、貸主の方が非常にマンションを大切にしていて、私が入居したときにはキッチンとユニットバスが新しいものが入っていました。その他の設備も定期的に入れ替えています。当然にほぼいつも満室という私の住んでいるエリアでは人気の賃貸マンションです。
ところが、日本の共同住宅でここまでの管理をしているのは少なく、これは家賃をそのまま収入にしてしまっていて、敷金で原状回復するのが精一杯ということに起因します。また、投資用分譲マンションでも修繕積立金はあるので、共有部のメンテナンスはある程度されることが想像できますが、専有部のメンテナンスがどこまでできるかは疑問ですし、各戸の個人がそれぞれリフォームをすればコスト的にも高くつくので将来的な目線からみると不安の方が大きいです。
また、絶対数が少なくはなりますが、売却用の住宅が32万戸あるとありますが、今年度の新築の分譲住宅が概ね19万戸になりそうですから、新築供給量に対して170%程度のストックがあることになります。こちらの場合、需要の高い都市部では空家率が少ないことから、地方における人口減少などが大きな問題ですが、今後の少子高齢化や人口減少の問題を考えれば都心部でも同様の問題を抱えることになるのは時間の問題でしょう。
日本はこれから建てる建物に対しては建築基準法改正などで一生懸命対応しますが、既存の建物は旧法によって合法とするので既存不適格の建物だらけになり、その建物の資産価値を下げる要因にもなっています。また、その既存不適格の是正や耐震化をする為の所有者の費用負担割合が大きい為に是正工事が進まないことの要因にもなっています。
中古住宅の流通を盛んにする為には、建物の安全性を調査する人や取引業者の質を高めるソフト面も重要ですが、『取引される物』自体の質を高めることが遥かに重要と考えます。
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