相続案件 大きな土地価格の算出方法

連載シリーズ 【 相続案件 大きな土地価格の算出方法 】 第 2 話 / (全 4 話)

 この条件を見た瞬間に、この土地は戸建て用地だなと考えました。

 まず、周辺が戸建てだらけということもありますが、都市計画や容積率から、集合住宅を作ろうとすると2階建(頑張っても3階建)です。また、絵からも解る様に、分譲戸建て住宅地にしても減分(※2)が殆ど無くて済みます。もっとも、この細長い土地を見て、マンションを建築しようとは、なかなか思わないと思います。

 ※2 減分:土地区画整理事業などで、宅地所有者の土地が減少することを言います。

 土地が大きい場合、それを細かくして、販売しようとすると、接道してない敷地などが出来てしまいます。それでは接道してない敷地の人は困ってしまうので、宅地内に道路を作ります。当然に道路の部分は宅地として販売できませんから、その面積は減分になります。また、ある一定以上の大きさの土地を細かくする場合(開発行為)は、公園などの設置が義務付けられたりするので、それも減分対象になります。

 さて、この案件の場所ですが、私のよく知っている場所でした。周辺の新築戸建て分譲の価格も良く知っています。

 概ね、売れ筋は、土地120㎡~130㎡(約35坪~40坪)、建物約100㎡(約30坪)ぐらいで、価格は3800万~4200万(税別)ぐらいです。

 この時点で、私はこの物件は今の段階では、まず買い手が付かないなと考え、営業をしないことにしました。しかし、謄本だけは見ておこうと考えました。この売主は、指値をしても絶対に売らないだろうと考えたからです。

 理由はこうです。

 まず、売れ筋の分譲住宅の価格帯から、購入希望者の土地の値段を割り出してみると・・・。
建物の販売価格は、外構・設備(インフラ)を入れて税別55万/坪ぐらいです。(都内の高級エリアだと仕様が良くなるので65万/坪ぐらいが売れ筋になりますが、都下ならばこれくらいが売れ筋)
とすると土地の販売価格は

 平均4000万円-(55万円/坪×30坪)=2750万円

 販売坪単価は

 2350万円÷37.5坪=62.6万円/坪

となります。

 前述の様に分譲マンションの場合は土地の公示地価や路線価はあまり気にしませんが、戸建て分譲の場合は購入者の殆どが気にしています。

 景気の良い時には、公示地価に近い価格でも売れるのでしょうが、昨今の状況ではこの程度になってしまいます。(これは、地価の上昇下落のトレンドを購入者が感じているからです。)

 ところが、この土地を一括で購入し、分筆して、販売する業者は、土地の取得経費、営業経費や広告宣伝費なんかも掛かります。戸建て分譲をやる会社の粗利益は18%~22%ぐらいは必要になりますから

 62.6万円/坪÷1.2=52.1万円/坪

 で、購入しないと割があわないと言うことになる訳です。

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