一番抵当権と二番抵当権の差は何か
4.一番抵当権と二番抵当権の差を答えよ。
【解答】
一番抵当権は、その不動産を担保に最初にお金を貸したということです。二番抵当権は、その不動産を担保に二番目にお金を貸したということです。
【解説】
当然ですが、お金を借りた人がお金を返せなくなって、その担保物件を売却してお金を回収した(これを「抵当権の行使」と言います。)時に、一番抵当権が優先されます。例えば、ある不動産を担保に一番抵当で1億円、二番抵当で3000万円を借りたとします。
残債(返し終わってないお金)が一番抵当に9000万円、二番抵当に2500万円ある時点で、返済不能になったとします。ここで抵当権を行使するのですが、その不動産が1億円でしか売却できなかった場合、その1億円のうち、まずは一番抵当の残債9000万円に当てられます。つまり、一番抵当権者は、貸したお金を全て回収できましたが、二番抵当権者は、まずは500万円を実際に返してもらい、抵当権行使によって一番抵当権者が回収したあとの残り、1000万円を回収します。つまり、1500万円が回収しきれなかったことになります。
二番抵当権者は、回収しきれなかった1500万円を債務者に請求することになるのですが、そもそも、この債務者は、お金が返せなくなったから、抵当権を行使されているわけですから、この1500万円を回収することは不可能になるのです。
では、なんで二番抵当権者は、お金を貸したのでしょうか?
結論だけ書けば・・・
不動産の評価に対して、一番抵当権で設定された価格が安かったからです。
10億円の評価額の土地で1000万円しか借りてなければ、二番抵当権者が1000万円を貸しても二番抵当権者はリスクは少ないと考えられます。
ところが、一番抵当権者が10億円の評価額の土地に対して8億円の抵当権設定をしたとします。その後、景気が良くなり土地の評価額が上がり、土地の評価額が15億円になったとします。この時点で二番抵当権者がさらに3億円の抵当権設定をしたとします。最初は順調に返済もされていたものが、景気が悪くなり返済が滞り始めます。そして、その頃には景気のせいで、土地の評価額が8億円になってしまうと、前述のような事態に陥るわけです。
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