今、住宅を買うべきか、借りるべきか

カテゴリ:ブログ 住宅

「住宅を買うべきか、借りるべきか?」

という質問を色々な人から聞かれます。実はプロの方からも聞かれます。

関東ローカルのアイダ設計のテレビCMで美川健一さんが

「いつまで、家賃払うつもり~」

と、言って、分譲住宅のCMをやっています。

ローンと家賃を比較したら、買った方がお得ですよ。と言うCMです。

たしかに、ローンは支払終えれば、不動産という資産は完全に自分のものですが、借地借家はいつまでたっても自分のものにはなりません。

同じ質問を10年ぐらい前によく受けました。

中短期的に見ると、この質問を多く聞かれるようになると、地価は下げ止まっていると感じます。完全に地価が上昇している時には、バブル時の『住宅すごろく』ではありませんが、買った方が絶対に得と全員が思っていますから、この質問をする人はいなくなります。また、土地の値段が右肩下がりの時には、もっと下がるだろうと皆が思っているので、これまた、この質問をする人はいません。

ところが、ある程度下がってきて、下げ幅が小さくなれば、「そろそろ買い時なのかな・・・」と思うのは自然の摂理です。そして、全く需要が無かったところにポツポツと需要が出てくれば下げ止まるという現象です。

株式や商品先物を投機で行う場合、完全な底値や上値を捉えることは難しいです。しかし、完全な底値や上値を捉えなくても利益は出せます。

例えば、大豆の値段が35000円から23000円まで下がったとします。

「そろそろ買い時かな?」

と思って、23000円で買いで参戦したが、まだ下がって21000円まで下がっていったとします。(その時点で追証きちゃうけど・・・)それでも、21000円から反転して、30000円まで回復すれば、底値を捉えてなくても十分に利益は出せます。つまり、23000円は完全な買い時とは言えないまでも、概ね買い時だったわけです。

特に、不動産の場合は

『一気に下がってさらにゆっくり下がって、一気に上がる』

という傾向が強いので余計にこれが当てはまります。

そういう意味では概ね買い時なのかもしれません。個人的にはエリア別でもう少し下がると考えていますが・・・。

ところが、これが中長期的に考えると全く、違った答えが出ます。

日本の経済は長期的にはすごく緩やかなデフレスパイラルに陥っているし、当面は超低金利が続くと考えられます。日本は1990年以降~今日まで、2006年~2008年ぐらいに掛けては一時、デフレスパイラルが止まりましたが大きな流れからみれば、止まってはいません。

この場合、資産変動のある不動産を買うべきかどうかという問題です。

家賃は、大きな流れからすれば不動産価値に合わせて上下します。

しかし、一度買ってしまった不動産は、その買った人から見れば、買った時点で価値が決定されてしまいます。つまり、買った時点でのローンを払い続けることになるのです。

人口減少や過剰供給を考えれば、長期的に不動産の価格は下がるエリアは多数あると考えています。そういうエリアでは買うよりも、借りた方が得というケースは十分に考えられます。

私に質問した方が、どの辺のことを聞きたいのかが解らないので回答に困ることが多々あったりします。

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