今、住宅を買うべきか、借りるべきか2
以前の記事で書いた内容では中期的~長期的にはデフレスパイラルを考えれば、現金の方が資産価値が下落する不動産よりも良い可能性があると言う事を書きました。
しかし、超長期的(10年以上)という単位で考えるとそうでも無いと、私は考えています。
最近、国会の予算編成に関して、国債発行額が問題になりました。今年の国債発行額を44兆円にするべきかどうかということが論点になっていました。
亀井氏の様に、国債発行額を増やしても財政出動して景気経済の建て直しを計るべきという意見もありました。個人的には全く反対という訳ではありません。経済論とは、掛離れますが、戦争戦術論から言えば、
『相手の戦力が分からない時は、全力を持って対処すべき』
という考えがあります。これは、小出しに戦力を出すことで、各個撃破されることを防ぐ為です。戦力を集中投下することの重要性から考えれば、一気に財政出動して、景気回復を図ることで、税収歳入を増やすことの方が財政の建て直しに繋がるという考え方は理解できます。しかし、問題は、そのタイミングです。グローバルな経済事情から考えれば、限りある財源を効果が薄い時に投入するのは効果的とは言い難い部分もあります。酷い考え方ですが、守る時はしっかり守って、攻める時に一気に財政出動するという方が効果的です。持ち堪えられれば・・・の話ですが。
さて、話がずれそうなので戻しますが・・・
国債発行が44兆円を超えるかどうかなどというのは、実はあまり重要ではないのかと考えています。大雑把に考えて、国債発行額は今後、40兆円~60兆円程度の幅の中で推移していくでしょう。現在の国民資産が1400兆円と言われています。実際にはその時点から見れば、不動産資産や株価の下落で1300兆円弱と考えるのが、適切だとは考えていますが、ここは1400兆円としましょう。
まず、日本は移民の受け入れ等をしなければ人口は絶対に減っていくでしょう。(これまた、亀井さんが頑張って外国人を阻止しそうなだけに!)これは即ち、労働人口の減少に向かいます。また、同時に高齢者が増えることによって、歳入が減っていき、歳出が増えるということになります。
つまり、税金歳入で賄えないから、国債発行で賄うことになります。当然ですが、民主党が行った、茶番劇でしたが、事業仕分けの様なことはこれからもやるでしょう。そして、多少なりとも消費税の増額などは行っていくとは思います。それでも、国債発行額を減らすまでには至らないでしょうし、それ以上のことをやれば、やった政党が選挙で負けるということを繰り返します。
私は小沢独裁政権や民主党一党独裁というのは非現実的だと考えています。現在の政治状況が続けば民主党の分離というのも将来的には十分考えられ、その場合には自民党他から賛同者が集まり、今の民主党でも自民党でもない形の二大政党もしくは、それに近い形に向かうと考えています。
特に政治家が国会議員であることに重きを置いている、もしくはそうせざる得ない状況である以上、志が薄い多くの議員が右往左往することになるでしょう。それにより、政党の分離併合が常套的(10年に一度もあれば十分に常套的と考えています。)になれば、日本の政治は経済とは掛離れて機能不全になることは必然です。
それによる、他の問題はさておき、前述の様な政治状況であれば、民主主義というよりも国民既得権の顔色を窺いながらでなければ、政治家であることが難しい以上、増税か国債発行かを迫られれば、多少の増税はあっても、多くは国債発行に傾向していくと考えられます。
もちろん、今回の予算審議の様に、ニュースステーションで古館一郎が・・・
「国債発行が44兆円、そして、それは将来の子供たちに借金を背負わせているのです!」
と、その瞬間だけ煽るものの、しばらくして、増税の話が出れば同じく古館一郎が
「国民無視の政治というわけですね!」
と吠えまくるでしょう。そして、その頃には、国債発行額も国債残高のことも、みんな忘れています。
こうして、次の一票の為に増税よりも国債を選ばざる得なくなります。
こうやって、国債発行額は60兆円に向かって増えていくと考えています。
もちろん、直線的には上がっていかないのですが、便宜上、直線的に上がると考えれば、国民総資産1400兆円に到達するのには、15~16年掛かります。しかし、人口減少や、デフレスパイラルを考えれば、余程、中国経済によって、日本市場が潤わない限り、資産の目減りも考慮しなくてはならず、総合的に考えれば、あと10年でそれを超えていくことになるでしょう。大きな戦争など、突発的なことが無ければの話ですが・・・。(あるから、怖いんですけど・・・)
国際的な日本の経済的立場を考慮すれば、日本の国債のデフォルトというのは殆ど考えられません。そこで考えられるのは、国債の日銀買取です。しかし、これは、貨幣増発を意味しています。
つまり、日本は不景気に面したまま、インフレを迎えることになります。
こうなると、前回、書いた、
『現金の方が資産価値が下落する不動産よりも良い』
という考え方は、無くなってきます。
必然的にインフレになれば、資産価値に変動のある資産のものの方が有効です。
10000円で牛丼一杯しか食べれない時代になれば、現金で持っているよりも、資産変動が追随してくる不動産で持っている方が良いでしょう。ましてや、不景気が続行していれば、金利上昇も見込めません。(この時点で金融破綻となると思いますが・・・)インフレとなればインフレ率よりも、利率が下回るのは、普通に起こる現象です。
この様に、超長期的視野で考えれば不動産は買っても損ではないと考えていますが、そういうスパンで考えると、もう1回、不動産価格が上昇して、それが下がってからでも全然、遅くはないとも考えています。
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