違法建築物に出店してよいか?
まず、大前提になりますが、
違法建築物は、存在そのものが違法です。法では行政処分により、使用禁止や除去(取壊し)、さらに悪質な場合は、刑事処分や罰金刑という場合もあります。これは完了検査を受けていない、各行政の定める条例に違反している等も含めます。
悪質な場合とは
・ 違法建築物に対する行政指導に対し、それを無視する、もしくは度重なる勧告に従わない。
・ 営業を目的とする複数の建物で同様な建築基準法・条例違反を繰り返す。
・ 建築基準法・条例違反であるということを認知していて、それを故意に行う。
実際に、行政処分があるのかと言われると、事例は非常に少ないのですが、いずれも見たことがあります。
そのことを前提に読んでください。
Q.違法建築物に出店してよいか?
【解答】
出店してはいけないとは、言い切れません。
【解説】
『違法建築物を賃貸してよいか?』でも、書きましたが、違法建築を賃貸することは不可ではありません。同様に出店するのも、違法建築物を賃貸すること自体は、建築基準法、借地借家法、民法さらには、消防法、食品衛生法、大規模小売店舗立地法にも定義が無いので、不可とは言い切れないという曖昧な解答になってしまいます。
ただし、『違法建築物を賃貸してよいか?』でも書いたことと同様なリスクが付いてきます。
簡単に言えば、違法建築物は行政処分によって、是正、使用停止さらには除去(取り壊し)命令が出る場合があります。その場合、出店していたとしても、営業を止めなければならない可能性があります。
さらに最大の問題は、違法建築(完了検査を受けていない建物を含む)の場合、用途変更が出来ません。用途変更を必要とするにも関わらず、用途変更をしないで出店した場合は、建築基準法での罰則規定もありますが、火災や地震などによって人身事故が発生した場合は、業務上過失致傷や業務上過失致死などの罪に問われます。
用途変更が必要な状況にも関わらず、用途変更を出したくても出せないのが、違法建築物です。
ですから、
「出店は出来るが、その後、行政処分の対象になる可能性もある。」
ということになります。
出店する場合には違法建築かどうかをしっかり確認する必要性があります。
さらに、違法建築でなくても、居抜き物件などで、
「自分が出店する前も飲食店だったし、自分も飲食店で出展するから用途変更は必要はないだろう。」
と考える人がいるようですが、それは最初から、その建物の用途が飲食店だったか、前の占有者が用途変更を出していたらという条件が付きます。ですから、居抜き物件の場合は、用途が自分の出店する業態になっているか、もしくは用途変更が出されているかを確認する必要性があります。
注意しなければならないのは、一般的な不動産屋さんでは、建物が違法建築物かどうかの判断はできないことが多々あります。用途についても謄本(登記情報)に書かれているものと違うこともよくあります。
建物が違法建築かどうかの調査はリデベにご相談下さい。
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