国民年金・生活保護システムの崩壊

カテゴリ:ブログ 政治経済

今日の日経新聞に「年金、50代半ば以下は負担超 27歳は712万円赤字」という記事が出ていました。タイトルどおりの内容なので、詳しくは書きませんが、納めた額よりも貰える額の方が、少ないと言うことです。

そもそも、年金の主旨とは・・・

国民年金法第一章第一条
国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によつて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し、もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。

日本国憲法第二十五条第二項:国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

とあります。

つまり、高齢者が定年退職後(もしくは働けなくなった後)に貯金が無ければ、生活がままならなくなります。勿論、定年退職後に生きる年数がわからないので、いくら貯金があればいいか解らないから、国家で保障していきましょう。という理屈はわかります。

しかし、この様な状況では、年金未納者が増えるのは当然のことだと思います。
つまり、制度の崩壊と言っても過言ではないでしょう。

もっと酷いのが生活保護制度です。

生活保護とは
「日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長すること」
に基づいて成り立っています。

・国家責任の原理
・無差別平等の原理
・最低生活維持の原理
・補足性の原理
という原理があります。

昨日(H24年2月5日)の「Mr.サンデー」という情報番組で、20歳~64歳の単身女性のうち、3人に1人が貧困層であるという話がありました。番組内の説明では、収入から家賃を除いた金額が、生活保護を下回れば、貧困ということになるとありました。

町中でインタビューを受けていた女性は収入も家賃もバラバラで比較が難しく、挙句の果てには、主旨をすり替えて、「幸せ度」の話になり、本質的な問題にいたりませんでした。

実際に、どれだけ給料があれば生活保護を上回るかを検証してみます。

東京都の場合(単身者・障害なしの場合)
家賃保証 53,700円
生活保護 83,700円
です。生活保護を受けていると医療費は掛かりません。もちろん、税金も掛かりません。

ちなみに、家賃の53,700円とは・・・西武新宿線の花小金井(JR新宿まで30分)で徒歩10分ぐらいで築5年、風呂トイレ別のワンルーム(20㎡)のマンションを想像してもらえれば良いと思います。

さて、この生活と同じ水準の生活をする為には・・・
月額給与が179,610円無いとダメです。ここから、住民税、所得税、雇用保険、厚生年金、社会保険を引いて、一般的な被保険者の医療費負担分(4,257円/月)を引くと、手残りが83,703円になります。つまり、単純に家賃を引いただけでは、生活保護と同じレベルとは言えません。

この179,610円ですが・・・

時給換算する(160時間/月と考える)と時給1,123円/時間です。
因みに東京都が定める最低賃金は837円/時間。
最低賃金って、最低限の生活を送るために必要な賃金ですが、この賃金では憲法第25条に違反していることになります。

では、実際に最低賃金を1,123円/時間に引き上げると・・・
おそらく、飲食業、小売業、介護事業、中小企業の製造業などは一気に経営が悪化するでしょう。

生活保護受給者が優遇されているとは言いませんが、相対的には優遇されていることになります。また、月額給与が179,610円の場合、年金の話に戻りますが、生活保護よりも遥かに安い年金しか貰えません。

もはや、システムそのものが崩壊していることに気がつかないと、さらなる、少子高齢化社会は絶対に乗り越えられないでしょう。

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