空室率
時々、都内のビルを外から眺めていると空室が多いなぁ~と思います。4月に大阪に行った時に大阪も酷いなぁとは思いました。
では、実際、どれくらいの空室があるかというと・・・。
2009年5月の都心5区の空室率は6.96%です。
かなり、酷い状況です。
これを既存と新築に分けてみると
既存6.47% 新築30.83%
という状況です。
ちなみに私が景気のピークと思っている、金融商品取引法改正(2007年10月1日施行)の翌月の都心5区のオフィス空室率は2.49%で2003年以降、最低の数字でした。
既存2.46% 新築3.58% という状況です。
私がこの頃、オフィスの開発をするときの収支は想定空室率は5%で考えていましたが今では30%で収支を組むと思うとゾッとします。
たしかにオフィスというのは景気に大きく左右されるものです。特に新築に至っては経済的に余裕のある企業が無い限りは入りません。経営状態の悪い会社がコスト削減を狙って、事務所を移転する場合でも、わざわざ新築に移転するということはありえません。
また賃料の相場ですが・・・これはしっかりとした統計はありませんが私のイメージとしては
西新宿の新築オフィスビルで床面積が100坪以上あるという条件だと
2007年10月の段階で30000~40000円/坪でこの半年後ぐらいまで伸びて35000円~45000円/坪ぐらいまでは行っていました。ところが最近だと25000円/坪で決まったら『余程、営業力のある賃貸の仲介が入った』か『外資系(アジア系)の企業をだまして?入れたか』などと考えてしまうぐらいです。
家賃の下落率は新規の成約事例を見ると現実には40%ぐらい下落していると思われます。実際に、統計で出ているのは既存のテナントが高い家賃を払っているのでそこまでは下がっていないということなのでしょう。
この状況で新築のオフィスを開発するのってバカじゃなかろうか?と思います。完全に供給過多にも関わらず、未だに作り続けている理由はいくつかあります。
・デベロッパーが売上げを上げるために作らざるえない。
・用地を仕込んでいたのでほっぽておくわけにはいかない。
・デベロッパーが破綻してゼネコンが引き継いで作っている。
などなど・・・引くに引けないみたいな理由が多いと思います。
さて、下の写真ですが西新宿(青梅街道沿い)にある、今年の4月にオープンした西新宿住友ビルです。
住友不動産が開発し、大手ゼネコンのT建設が施工した地上33階というビルです。
ちなみに2~14階までが住宅、15~33階までがオフィスです。
作ってるときは立派だなぁと眺めていました。
写真は6月25日19時ごろの写真ですが見てのとおりの空室状況です。オープンしてほぼ3ヶ月でこの惨状です。
じつは上の方の電気は先週になってやっと点いたのでそれまでは16階部分だけがポツンと光っていて、ビルがベルトを巻いている様に見えたのでうちでは
『ベルトビル』
と呼んでいました。この写真の状況になって
『ベルトビルがハチマキを巻いた』
と言って揶揄しています。
実際にここから、200mぐらいで同じ駅から青梅街道を反対側のうちの事務所(駅からうちの事務所の方が近い)はちなみに管理費込みで9900円/坪(築20年12階建ての6階)ですが立地条件が変わらないで家賃がいくらなのか・・・
ちょっと、気になります。
空室だらけだけど・・・
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