【経緯】外伝5【立退き】
私はここに、収益不動産の話どころか、立退きの話を書いていますが、実際には『住宅』の専門家です。しかも、住宅に関する技術系の人間です。自称ですが、ちゃんと一級建築士も持っています。(宅建他、不動産系の資格もいくつか持っていますが・・・)
私は、声を大にして言いたいんです。
私は住宅に関する技術の専門家だ!
と・・・
今日の仕事の依頼は
「相続に関する、遺産分割協議書と相続による不動産登記」
です。すでに万屋状態です。
さて、昨日の話の続きです。
なかなか会おうとしてくれない、Sさんの部屋に通うこと10回目ぐらいの時でした。
そろそろ、戦法を変えないといけないかな・・・
と、思いつつも、今日はYさんとお話しをした帰りなので、そのままSさんの部屋に立ち寄りました。呼鈴を押そうとした瞬間・・・・またもや、数人の男性です。
「この部屋の方ですか?」
と、聞かれました。さすがに2回目ともなると雰囲気で察しました。
「いえ、このマンションを所有している会社の者ですが、警察の方ですか?」
と聞き返すと、やっぱりそうでした。ドラマ通り手帳を見せられて・・・
「この部屋の方に少々、用事がありまして・・・」
(私もなんですけど・・・)と言おうとすると、
警察官の手に持っているのは家宅捜査令状です。
警察官は俺達の邪魔するなよ・・・と言わんばかりの態度です。
家宅捜査令状!
って、何したの?Sさん・・・・
というわけで、警察官は無理矢理Sさんをドア越しに呼びだし、ドアを開けさせました。私は側で見ているだけですが、黙ってみている訳にはいきません。何って言っても、このマンションのオーナーです。私だって、会社に報告しなければならない義務があります。
というわけで、警察官の最後尾から一緒に突入!
と、絶句な光景でした。
部屋には無数のパソコン。
モニターには永遠と流れる意味不明の文字・・・。
床はケーブルだらけです。
窓には真っ黒の紙が完璧に隙間なく貼られています。
警察官はSさんに何かを話していて、Sさんは観念したかの様にうなだれています。ほどなく、Sさんは警察に連れて行かれました。
そして、警察官は私に・・・
「ここにあるものは全て証拠品になりますので一切、触らないで下さい。」
『はい』で帰るわけには行きません。少なくとも、どうして、こうなったのかを会社に報告する義務がある私は、この部屋が何に使われていたのか、Sさんが何をしていたのかを聞きました。
ワンクリック詐欺の基地Sさんはその主犯
ということでした。
数日後にSさんの部屋にある殆どのものは警察が押収していきました。
私は、何もせずにSさんの立退きに成功しました。
さて、次回は言葉の通じないRさんです。
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