【開発】L字溝 第8話
前回、『擁壁』が一部、『様壁』になっていました。ご指摘くださった方、有難うございました。
さて、昨日、一昨日と水槽のレイアウト変更をしていて更新がほとんど、できませんでした。今日は三連休最終日ということで時事ネタも殆どありません。というわけで、L字溝の続編です。
さて、二進も三進も行かない状態になってしまった我々は廃道できるかを二項道路に隣接している近隣の方に聞くことにしました。無駄だろうなぁ・・・と思いながら・・・
まず、一番、南側の方です。この方はもともと、今回の工事が始まるときの近隣挨拶の時から仲良くなっていました。案の定、O.Kしてくれました。
南から二軒目ですが、ここは80歳は超えていると思われるお婆さんが一人で住んでいます。人と接するのを嫌がるお婆さんでした。それでも、なんとか会っていただく事はできて、話したら・・・
「ここは私の持ち物じゃなくて、兄の物なのよ・・・」
「え?ではお兄さんはどちらにお住まいですか?」
「北海道の・・・・」
「ホ・・・ホッカイドウですか・・・。ちなみにお兄さんはおいくつですか・・・?」
「大正3年だから・・・」
一応、電話番号だけ聞いて撤退しました。普通なら、すぐに電話を掛けるのですが、相手は90歳の老人です。事情を電話で話してご理解いただけるとはとても思えません。三軒目の了解が貰えてから対策を考えようということになりました。
というわけで、三軒目に行くことになりました。
二軒目の件で実際の所有者じゃない方が住んでいるといけないので、今度は謄本で確認してから行きました。謄本をみると、つい三ヶ月ぐらい前に相続登記がされています。近隣挨拶の時に40歳ぐらいの方が対応してくれていたのですが、この方が亡くなったのかな・・・?と思いつつ、たずねてみると、同じ方でした。
「あ~、三ヶ月前に親父が死んだんだよ。ず~っと、病院にいてね。」
『なるほど・・・』
「でも廃道の件は困るな。」
「そこをなんとかお願いできないでしょうか?」
場合によってはハンコ代も覚悟はしていたのですが・・・
「親父が死んでさぁ・・・。この建物、建て直すんだよ・・・。それで、そちら側の道路にも出られるようにしようと思ってさ。今、設計中なんだよ」
『最悪・・・』
こちら側の道路を切り下げて、この方の土地と道路に高低差が出来ていることをこの方は忘れています。現場は二項道路を含め、工事しているので周囲を囲っていて外から見れません。しかし、道路を切り下げることは近隣にも説明していますし、役所にも届けてはいます。しかし、ここで高低差があることなどを説明すれば、二項道路側の利用を諦めるよりも、自分の敷地内に階段を作って、二項道路側に降りれる様にすると言い出しかねません。この擁壁は照明を入れる計画もあるし、建物の外観と合わせて計画しているので余計なことを言って、擁壁が作れなくなると困ります。
というわけで、我々は話だけ聞いて撤退しました。
「これで、相手側の土地に擁壁を作ることも不可能だな」
「なんでですか?」
「だって、新築して、こちら側の二項道路を利用しようと思っている人がいるわけだろ。仮に、作らしてもらっても相手の土地に作って、擁壁を相手に提供すれば相手は勝手に壊すぞ。もし、相手の土地に擁壁を作らしてもらって、擁壁の所有権をうちのままにしようとすれば相手は壊せないから作ることそのものを拒否するだろ。」
「でも、じゃあ、このまま計画をすすめても相手は擁壁を壊そうとしませんか?」
「二項道路と言っても私道でうちの土地だ。そこにうちが作ったものを相手は壊す権利はない。ましてや、相手はちゃんと公道に面しているわけだから・・・。だから、相手が工事を始める前に擁壁を作る必要があるな。」
「でも、こちら側の土地には、このままでは擁壁は作れないですよね?」
「よし!S区役所に行って、道路内に擁壁を作っていいかを聞きに行こう。」
「認めるわけないでしょ!それより、このまま、黙って作っても役所は気がつかないのでは・・・?」
「道路幅員の為にセットバックしているだろ。こういう時、役所は絶対に当初の計画どおりにセットバックをしているかを確認する。だから、今回は100%バレるよ。もし、黙って、作ってバレたら収拾がつかないぞ。」
「しかし、役所が認めますかね?」
「ダメもとだが、この計画で建築指導課は許可を出したんだ。相手もこのミスに気がつかなかったんだから、多少は協力してくれるだろ。」
というわけでS区役所の建築指導課に我々は行きました。
建築指導課の人に相談すると・・・
「道路課行って!」
と、言われてしまいました。
役人は縦割りだけど・・・
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。