【開発】L字溝 第2話

カテゴリ:ブログ 不動産開発
連載シリーズ 【 【開発】L字溝 第2話 】 第 2 話 / (全 10 話)

さて、皆さんは、どんな計画を立てましたか?

では、ここで建築基準法と今回の敷地条件から基本的な考え方を書きます。

① まず、一番大事なことは土地の値段が高いということが前提条件になるので、建築費を抑える為に建物を小さくするというのはナンセンスです。容積は最大限に消化することを考えます。

② 東側の42条2項道路(前回のオレンジの部分)が3.8mしかないので10cmのセットバックが必要です。


※基本的に建築基準法の道路とは4m以上(地域によっては6m以上)の道路のことを言います。しかし、この法律が定められる前から道路そのものはありました。当然、その中には4m未満のものもあります。その中で一定条件を満たした道路を2項道路(建築基準法422項に定められている為、そう呼びます。)と言います。2項道路は当然ですが4m未満です。その場合、その2項道路に面する場合、道路の中心線から2mの場所までを道路として提供しなければなりません。

今回の私道は422項道路で幅員が3.8mですから、

2m-(3.8m÷2)=10cmとなり、

道路中心線から2mセットバックすると10cmは道路として提供しなければなりません。


③ 本物件の都市計画上の最大容積率は400%です。しかし、②によって、本物件は4mの公道と私道に接道している土地となります。そして、本物件は住居系の地域(第二種住居地域)にあることから、法定容積率は160%となります。


※都市計画上の容積率とは別に法定容積率は接道する道路幅員によって変化します。道路幅員が12m以上の場合は法定容積率は都市計画で定める最大容積率となります。本物件が12m以上の道路に接道していれば400%の容積を使っていいことになります。しかし、本物件は道路幅員が12m未満しかありません。その場合は・・・

道路幅員×A×100と都市計画上の最大容積率を比較して大きい方が法定容積率となります。(Aは住居系の場合は0.4、住居系以外の場所は0.6)

本物件は4m×0.4×100=160<都市計画上の最大容積率400%となるので160%が最大容積率となります。つまり、土地面積の1.6倍の床面積の建物を作ります。


④ さて、次は建蔽率の考え方です。本物件は、都市計画上の建蔽率は60%です。

  この時点では

  160%÷60%=2+α

  となるので3層の建物を計画しないといけません。


⑤ しかし、この物件は角地です。2方向の道路に囲まれた土地の場合10%の建蔽率の緩和を受けられます。

  60%+10%=70%

⑥ さらに、本物件は防火地域上にあることから、計画建物を耐火建築物にすることにより、さらに10%の建蔽率の緩和を受けられます。

  70%+10%=80%

⑦ したがって、

  160%÷80%=2

  となり、上手くやれば2階建ての建物で済むわけです。前回の記事どおり、商業ビルの場合は路面階から近いほど収益があがるので、2階建ての計画を立てます。

そこで、私が考えた平面計画はこんな感じです。

(サムネイルになっているので拡大して見て下さい。)

『Dr.相澤の住宅情報館』の館長のブログ

(普通・・・汗

ここまでは、一級建築士を取得している方や、不動産業の経験の長い方はできると思います。

さて、次回は高さ関係について、考えます。

L字溝までの道のりは長いけど・・・

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