多忙
昨日は弁護士と3時間程、話をしてきました。
娘に
「パパ、幼稚園お休みなのに、お仕事?」
と言われつつ、出かけることとなりました。
不動産や建築の仕事をしていると弁護士と話さないといけない
場面は、多々あります。
できれば、そうはなりたくないものですが・・・
仕事は時にして、選ばなければなりません。
あと少し頑張らないと!
宅建を妻が受験
そういえば、今日は宅建の試験日です。
自分は取得してから随分経つので、試験日そのものを知らないことすら多いのですが
今年は、妻が受験しています。
10年ぶり(?)ぐらいの2度目の挑戦らしいです。
まぁ、勉強の仕方ややってる時間を見る限りでは
絶対に受かると思いますが、合否を決めるのは主催者側でしょうから
今は何とも言えません。
しかし、正直言えば、合否よりも何点で受かるかに興味があります。
私は基本的に資格と言うのは、受かれば良くて
多くの点数を取るよりも、ギリギリで受かる方が時間を有効に使うと思うタイプです。
しかし、妻は本気で受けに行くタイプです。
同じく、一級建築士を持っていますが、
受かった年が違うにせよ、私よりもはるかに高い点数で受かっています。
たのしみです。
経営者のブログ
今日はちょっと生意気なことを書きます。
経営者のブログを読んでいて、あることに気が付いたことがあります。
経営者と言うのは、大抵に孤独なものです。
特に創業から間もない時というのは、その苦労を誰かに分かち合えるものではありません。
経営者のブログは・・・
1.誰にも理解してもらえない孤独を誰かに聞いてもらいたい。
2.単に会社の宣伝として経営者のコメントを発したい。
(自分の成功や手法を自慢したい物を含む)
大別すれば、この2種類です。
自分は、この2つを書かないようにと心がけています。
ブログの使い方は人それぞれなので、どの様に活用しても良いと思います。
しかし、私は自分の経験が次に繋がれば良いとは思いますが
自分の孤独感や宣伝をしようとは思いません。
時々、自分自身に言い聞かせることを書きたくもなりますが
それも、堪えて書かないことにしています。
人は経験の積重ねによって進歩すると自分は思っています。
だから、後世に伝える経験を文字にするのは、間違っていないと思います。
そんなブログが書ければ良いと思います
公示地価と相続税
まずはニュースより
国土交通省は20日、2011年7月1日時点の都道府県地価(基準地価)を発表した。全都道府県の住宅地、商業地が3年連続で下落し、1年前に比べ下落した地点は91・5%に達した。東日本大震災で激しい被害を受けた地点は調査対象から外したが、震災後に関東・東北を中心に取引が落ち込んだことが響いた。特に東京電力福島第1原発事故の影響で、福島県の下落率が顕著だった。
回の調査地点は2万2460地点。東北被災3県と液状化被害の大きかった千葉県の一部地域など93地点は「判定不能」などとして調査対象から外した。
住宅地の全国平均は、マイナス3・2%(前年はマイナス3・4%)と20年連続で下落。商業地はマイナス4・0%(同マイナス4・6%)で4年連続で値下がりした。ただ、下落率は前年から縮小した。低金利や住宅ローン減税を背景に震災前まで、住宅需要が堅調だったため。
下落は2万564地点に上った。一方、地価は88地点で、前年の27地点から約3倍に増え、横ばいも863地点と、前年の302地点から約2・5倍になった。
【産経新聞 2011年9月20日 より抜粋】
公示地価が、実際の取引価格ではない。しかし、一つの指標となっていることは間違いない。
今回の公示地価から見ると、東日本大震災の被災地を除くと、大方の予想通りの結果となった。日本の不動産価格はバブル崩壊(平成元年)以降で言うと、平成17年~平成20年の4年間を除けば、ほぼ一方的に下がっている。この上昇した4年間と言うのも、三大首都圏を除けば右肩下がりの状態だった。
私は今後、当面の間(向こう30年以上)、日本の不動産価格が大幅に上昇することは無いと考えている。と言うよりも、下がっていくと考える方が賢明だろう。投機目的で不動産を買おうと考えている人がいればお勧めはしない。実需や投資(イールドギャップ)でしか不動産は買えないだろう。
しかし、規制緩和等があれば、瞬間的には上昇するチャンスはあるが、それでも上昇率は余程の一等地(東京主要3区の商業地)で30%程度の上昇で逆に反動で下がる方が大きいだろう。
日本の不動産価格が上昇しない理由の一つに相続税の問題が挙げられる。
相続が発生するから不動産を手放す人がいて、不動産の流動化が進み、不動産価格が上昇する様に感じられるが、これは人口が増加していたり、景気が上昇している場合で、実際には、需要が減少している時に相続で不動産が出てくれば供給量が増えるだけで、不動産の価格は下落する。
現在の税制改革の一環で相続税を上げる方向で調整が進んでいる。基礎控除額も引き下げる方向でほぼ話がまとまっている。
日本で相続税を支払う人と言うのは基礎控除額があることから、一定の富裕層である。日本は民主国家であるから、その富裕層から税金を徴収する案に反対する人は少ない。だから、増税しやすい項目ではある。
ところが、相続税というのは税収の僅か1兆円程度で、全体の税収の2%程度でしかない。逆に固定資産税や都市計画税は、10兆円もある。
もちろん、国税と地方税の差があるのだが、国家であれ、地方であれ、国に動かす税収であることは大差はない。
相続税、固定資産税や都市計画税は全てが土地に掛かるものではない。建物にも掛かるし、金融資産、現金など様々なものに掛かる。しかし、不動産が占める割合が圧倒的に大きい。
今、相続税を上げて、供給を増やし、不動産価格を下落させれば、固定資産税や都市計画税も下がり、結局は財政を悪化させ、富裕層以外の人の負担も増える。そして、基礎控除額を下げていき、今まで相続税の支払い対象者以外の人にも相続税が及んでいく。
しかも、都心の一部を除けば、相続税として物納された土地が財務省所有のままになっているものが沢山ある。(もちろん、都心にもあります。)
中には馬鹿な経済評論家がいる。基礎控除を下げて(例えば2000万円にして)、課税対象の税率を100%にしてしまえば53兆円の相続税が出るなどと言っているが、税率が100%になれば(近づけば)、資産2000万円以上の部分は生前に使ってしまおうとか考えるし、資産が2000万円を超えそうになれば、その人は働くのを辞めるだろう。この意見はすでに不動産価格下落以上の問題を抱えている。
相続税を上げるということは、僅かな税収と引き換えに、大きなものを失うということを少しは考えて欲しいと思っているが、今は、相続税を上げ、基礎控除額を下げる方向に進んでいる。
日本ホームインスペクターズ協会?
超久々の更新です。
今年に入って、忙しく・・・
ちょっと余裕が出てきた頃に震災になりました。
私は、震災時にお台場にいて、帰宅難民になっただけなのですが、
その後、震災とは関係なく仕事が忙しくなり、
ブログの更新が出来なくなっていました。
さて、久々のブログ更新なのですが・・・
つい最近、管理建築士定期講習というのを受けてきました。
姉歯問題から、建築士に関する規定が色々厳しくなり、
ついに、建築士も定期講習(試験有り)になりました。
講習を受けていて「ふっ」と思ったことがありました。
管理建築士定期講習というのは、建築の技術に関することは殆どありません。
「建築士事務所がどうあるべきか?」とか「建築士法に関すること」などがメインです。
そこで、建築士法第21条に関することがでました。
建築士法第21条
建築士は、設計(第二十条の二第二項又は前条第二項の確認を含む。第二十二条及び第二十三条第一項において同じ。)及び工事監理を行うほか、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査又は鑑定及び建築物の建築に関する法令又は条例の規定に基づく手続の代理その他の業務(木造建築士にあつては、木造の建築物に関する業務に限る。)を行うことができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。
つまり、建物の鑑定や調査を業(報酬を貰う)とする場合は、建築士じゃないといけないということです。
さて、この日本ホームインスペクターズ協会というのは・・・
http://www.jshi.org/ (リンク切れの模様 2013/6/17)
どうも、受験資格は誰でも受けられる様です。
(この団体の理事長さんはちょっとしたハウスメーカーの部長さんだったと記憶しています。時々、テレビで欠陥住宅の解説なんかもしていました。住宅についての技術的知識もそれなりにあるとは思います。)
実際に、この資格を持っている人の中には建築士もいる様です。
しかし、建築士の資格を持ってない人もいます。
持っていない人は「業」として、建物の調査をすることは立派な違法行為です。
資格というのは、取ろうと思えば、試験勉強さえ上手ければ受かる試験って多いのが実態です。
ところが、難しいのは受験資格です。典型例が、建築士や医師です。
それは、専門的知識を学ぶのに試験だけでは語ることができない、技術的経験や知識があるからです。
「内閣府認証NPO法人」となっていますが、そもそもNPO法人そのものが、内閣府が認証するものです。
悪意があるとは思いませんが、如何にも、政府公認団体の様に強調するあたりは、建築士法に違反していて、この団体を既成事実として合法化しようとしている様にも見えます。
ホームインペクションを依頼する時は、ホームインスペクターという資格?を持っているかよりも、ちゃんと、この業務を行える資格(建築士)を持っているかを確認してからの方が良いと思います。
来年の不動産業界の景気
今年1年を振り返ると・・・
最初は昨年末から取り掛かっていた大型案件が崩れてしまい、
苦しい出足となりました。
夏ぐらいまでは閑散とした感じでしたが、
秋からはポツポツと仕事が入り始め、ちょっと忙しくなり始めました。
来年に関しても、色々な予想がありますがもちろん、
景気が良くなって欲しいと思うのは当然ですが
不動産業界の景気は回復基調には乗らないと考えています。
不動産業界の景気回復には、
① 投資環境が整って日本の不動産に投資しやすくなる。
② 景気全体が回復基調に入って、住宅の販売が好調になる。
この2点が必要です。
①に関して言うと、中国人などの個人投資家などが、一部の高級マンションや別荘を購入する動きがありましたが、全体としては大きな話ではありません。不動産ファンドなどが、動ける環境になってこなければ、『投資』という意味から、日本の不動産市場の回復は難しいと考えられます。
外資系のファンド参入を考えた場合、円ドル、円ユーロは来年も円高水準で推移すると、私は考えています。
もし、円高方向に推移すれば、日本の物件は、キャピタルの部分で為替損が出てしまいます。そのことから、投資しにくいと言えます。元の様に自由変動相場にはないにせよ、元が高くなっていくのが当面の間は固いと思われるような国からすれば、投資しやすいかもしれませんが、国家自体が不動産投資を規制していたりするので、大きな資金流入は無い様な気がします。
②に関して言えば、自動車や家電と同じで、今年はやや需要の先取りをした感じがあります。しかし、自動車や家電ほどの落ち込みが考えにくいのは、供給量が需要に対して追いついて無かったと考えられるからです。しかし、それも東京都心に限った話で、もともと東京以外の部分では、多少の上向きはあったものの、本格的回復には遠く及ばない感じでした。
しかし、住宅販売の成績というのは、個人の所得と税制の優遇と借り入れ金利などに依存するところが大きいものです。ECOポイントなどで他の業界が需要の先取りをした分、落ち込めば、先行き不安から、住宅の販売量も落ちてくる可能性もあります。
しかし、住宅に関しては、供給量が多くなかったことから、大きな落ち込みは考えにくく横ばいと考えています。(都心部は若干上昇、地方都市は横ばいもしくは下落)
たとえば、再来年新春から消費税アップなどの話が出てくれば、駆け込み需要があるかもしれません。
この様な状況にあるので、来年もピンポイントで商売になるものを探さなければならないと考えています。
来年はもう少し、頻度をあげて記事を書きます。
尖閣諸島問題2
先日のブログで・・・
『中国政府は、日本との経済外交に於いて、直接的に利益を享受している人を傷つけない様にしながら、圧倒的多くの国民の不満をここに散らせるようにしていると考えるのが自然です。』
と書いたのですが、どうもそんな簡単にはいかなくなってきました。
レアアースの禁輸処置やフジタ社員の監禁など、尖閣諸島の漁船船長拘束とは、両政府とも関係ないとは言っているものの、客観的には、誰の目にも報復処置にしか見えない様な対応を中国政府は取ってきました。
それに対して、このタイミングで漁船船長を釈放したのですから、明らかに水面下での交渉があったと考えるのが自然かと思います。
もっとも、ここまで来ると、中国も上げた拳を降ろす場所が無くなっているし、日本としても経済的損失を考えれば、前回のブログで書いたように
『日本の法律に従って粛々と処理をしながら、最終的には「国外退去処分」で後は、中国に任せるぐらいの対応を素早くすることで、あとは、日本から見れば、日本経済にはあまり影響の無い中国国民が騒いでいるだけという環境は作れます。』
ということになるのは自然の状況だったと思います。
また、これ以上やれば、中国も南シナ海に面する他国だけではなく、国際的非難の対象にもなりかねないし、せっかく、親中派の民主党政権になったのに日本がアメリカとの軍事関係をさらに親密にするという弊害も出てきます。
中国からしてみれば、ある程度の圧力をかけた段階で日本が漁船船長を釈放したので、国民に対してのアピールはできたと思います。
日本に対するレアアースの禁輸処置を解除、フジタ社員を解放すると、お互いの政府が弱腰と自国民に揶揄されるかもしれませんが、中国政府は
「日本が尖閣諸島の中国領有権を認めたから船長を釈放した。」
とアピールし、日本政府は
「日本の法律に則って処置した結果、処分保留で釈放した。」
とアピールするだけでしょう。
当面の間はこれで良いのですが、今回の事態で中国の焦燥感というのが、はっきりしたと考えられるのではないでしょうか?
たしかに、領有権を双方が主張している場所というのは他にもあります。
例えば北方領土付近で日本人がもしくはロシア人が双方の国に拿捕されるということもあります。
しかし、拿捕されたことは報道されても、それが即時に領土問題に発展したり、報復処置に繋がると言う事はありません。大体が「大人の対応」で収束するのが普通です。
しかし、それに対して中国が今回の件で「大人の対応」をしてこなかったのは何故でしょうか?
前回のブログでは・・・
経済格差問題などで不満を持っている人の気持ちを外に向けさせる為
というニュアンスのことを書きましたが、それも一つの理由だとは思いますが、レアアースの禁輸処置やフジタ社員の拘束など、将来に渡って、日中間の民間レベルでの経済縮小が懸念される様なことの行動を起こすとまでは考えていませんでした。
これは、中国がその他の部分で焦燥感を抱いているからだと私は感じます。それは何かと言うと・・・
中国の経済発展を支えている最大の理由は、「人件費の安い大量の人口」によって支えられる「世界の工場」が外貨を稼いでくれることと、どう考えてもおかしい、元レートにあります。ところが、国内の経済格差問題で賃金は毎年10%以上の上昇を続け、「人件費が安いか中国に工場」と言う時代は終わり、如何に、中国から周辺国に工場を移転するかという時代に突入しています。そして、元レートにしても、必死に中国政府は抑えているものの、対外圧力は強まるばかりです。
この状況は日本も1970年代以前(オイルショック前)までは同様だったのですが、(「アメリカの工場」であり、「1ドル360円」という固定相場に支えられていた。)当時の日本と今の中国では少しだけ違う点があります。
それは日本は製品を独自で開発していたのに対し、中国は技術そのものも外国の企業誘致などで独自開発力が圧倒的に弱いという点にあります。当時の日本も模倣品が多かったのは事実で「猿真似ばかりのイエローモンキー」などと揶揄されましたが、中国はそれと比較しても酷すぎます。
もし、中国の人件費が高いことを理由に、外国企業がこれ以上、海外に流出すると民間レベルでの技術進歩も止まるでしょうし、大きく経済が停滞することになります。
また、経済発展によって、中国国民の生活レベルが上昇したことで、食料や化石燃料の海外依存度も非常に増えているのも事実です。もし、「世界の工場」の地位を失い、元レートが高くなれば(変動相場制に移行するなど)、中国は単純に貿易赤字国に転落します。今の段階で、中国が貿易赤字国に転落すれば、中国の経済先進国への転換は、藻屑となるでしょう。
さらに中国には、これから経験をしたことの無い、一人っ子政策による人口減少が経済に与える影響というハードルを迎えるでしょうし、また、細かな問題ですが、一人っ子政策によって育った世代がこれから中国を支える時代になるという問題があります。
そこで、中国は、大きな経済発展はあきらめて、内需政策に切り替えるにしても、ある一定の資源の確保と、地政学的に見た海洋権の確保が必要になります。中国にとって、南シナ海は唯一の海洋玄関です。南シナ海の資源だけではなく、世界の海洋に自由に出るためには、どうしてもここを通らなければならないので、少なくとも自国の海域に完全にする必要性はなくても、『公海と同程度』にして、自由に航行できる権利を確保したいのでしょう。
その為に、少なくとも尖閣諸島は自分に領有権があることは主張しておかないとならないのは理解できますが、「大人の対応」を捨てた今回の行動を見る限り、急速に中国国内経済が変化していて、政策転換に対する焦燥感が相当なものだと言う事が伺えます。
民間レベルで考えればチャイニーズマネーを当てにするビジネスは遠くない将来に終わるということを意味しています。
ただ、今回の一件は中国にとっての方がマイナスに作用することの方が大きかったのではないかと推測します。
客観的に見て、少なくとも、尖閣諸島は圧倒的に多くの諸外国が日本の領海上にある島だと認識しています。その領海内で起こった事件にも関わらず、中国は「尖閣諸島問題とは関係ない」とアピールしたものの、客観的には完全に報復処置と思われる行動を取りました。
これにより、中国国内でビジネスを展開しようとするには、相当なリスクを取る必要性があるということは、日本人だけでなく感じたはずです。「世界の工場」である地位からの脱落を加速させてしまった可能性があります。
また、レアアースの問題も中国が独占しているだけに、中国以外の場所で採取できないのか、代替品の研究などを加速させ、レアアースの独占という地位を失う可能性を高めてしまっています。
日本にとってのマイナスは、米軍の必要性を認識させられたことによる、米軍基地維持などの予算を割かなければならないことぐらいでしょう。むしろ、日本政府(民主党)からしてみれば、普天間基地移設問題の失態を中国のお陰で取り返せ、こじれたアメリカとの関係を取り返せるという千載一遇のチャンスかもしれません。社会党はご愁傷様ということかもしれませんが・・・。
熱くなった方が損をするという典型的な事件でしたが、チャイニーズマネーがあまり早く撤退すると自分の商売にも影響がでるだけに、困りものです。
結局は自分の商売が心配なんだけど・・・
追記
この記事を書いている間に下記ニュースが・・・
『那覇地検の鈴木亨次席検事は釈放の理由について「我が国国民への影響や、今後の日中関係を考慮した」と述べる一方、・・・以下略』
事実だとしても、
「日本の法律に則って処置した結果、処分保留で釈放した。」
と言うのが普通だと思います。情けない・・・
尖閣諸島問題
最近、私の仕事でも、チャイニーズマネーは、少なからずとも直接的に関与しています。日本の大口の不動産投資には、チャイニーズマネーはあまり大きな影響を及ぼしていないように感じますが、5億円未満のマンション投資などにはちらほらと、チャイニーズマネーが動いています。
そんな状況の中で、最近、ニュース等で話題になっている尖閣諸島の問題が大分、大きく報じられる様になってきました。
日本の報道ですから、実際に中国国内が騒然とするほど、騒いでいるとは思ってはいません。おそらく、一部の人が騒いでいるだけだろうと、思っています。中国には、日本系の企業が多数、入っていますが、そこが攻撃されたとかなど、直接的な中国国民による攻撃は今のところ確認されていませんし、バブル時のアメリカ合衆国内であった様なジャパンバッシングも今のところ感じません。
しかし、実際に、閣僚級の交流もしくは国交が停止されていることや、文化交流団などの受け入れ中止、8000人規模の観光集団(企業の慰安旅行らしいですが・・・)中止になったり、SMAPのコンサートが延期になったりと、政府絡みだったり、規模が大きい交流などは中止もしくは延期されているのは事実です。
これだけ、大きな問題になって、大規模集団の観光客が来日するのを辞めている様ですが、新宿にいる中国人観光客が減った様子はまったくありません。新宿西口付近にある家電量販店も、相変わらず中国人観光客で盛況です。
これだけ、騒ぎになっているのだから、随分と報道された、富士山の五合目にいた中国人観光客も、さぞかし、減っただろうと思うのですが、なぜか報道されません。おそらく、マスコミ的に『いい絵』が撮れなかったからだと思います。
日本に来ている中国人観光客は、ビザの要件緩和があったにせよ、それにしても中国では明らかに中流プラスαぐらいの人が来ています。もちろん要件緩和によって、初めて日本観光に来れるようになった人たちと言うのは、日本では最低所得層にも満たない所得しかありませんが、そもそも物価が全然違う国ですから、単純に比較することはできません。
たしかに、要件緩和の前の観光客は表参道のブランドショップを梯子する能力があり、今の観光客の購買能力はせいぜい、化粧品をマツキヨで買う程度かもしれません。
しかし、中国では、明らかに中流以上の人たちだと思います。
おそらく、この中流以上の人にとって、尖閣諸島問題での対日圧力などは、ほとんど、問題視されることの無い問題で、それよりも自分に与える経済的マイナス要因の方が心配されることだと考えているでしょう。
現在、日本のサラリーマンで、最も稼いでいる上位5%の人の正確な平均年収は解りませんが、私の知る限りでは、2000万円弱だと思います。実際には1800万円ぐらいではないでしょうか・・・。逆に、最低賃金はというと、都道府県や職種にもよりますが、時給800円ぐらいですから、月間実働時間が160時間とすれば、12万8千円が月給で、年収では153万6千円ということになります。(なんか、生活保護の方がいいかもしれない年収ですが、それは別問題なので、ここでは長く書くことはしないでおきます。)
ということは、経済格差は約12倍ということになります。
では、中国ではどうかというと・・・。はっきり言って解りません。
しかし、一部の実例で比較してみます。先日、日本の中間管理職を中国企業が引き抜きに掛かっているというニュースがありました。日本の中間管理職(課長クラス)の年収は、おそらく、600万円~800万円でしょう。ちなみに、その中国企業は社員3500人で、求めている日本の中間管理職は30人程度とのことでした。これが、何を意味しているかと言うと、中国でもサラリーマンで上位5%に入る高所得者は、この程度の給料は貰えるということを意味していると考えられます。
では、中国の最低年収はというと・・・。これまた、よく解りません。
主要都市の最低賃金は大幅に改善されて950元~1100元(約1000元とします)で1元=12.7円程度ですから、12,700円/月で年収ベースで15万円程度となります。
しかし、中国の内陸部や農村部ではもっと恐ろしく低いことになっています。ある中国人労働者を派遣する団体の人に聞いたところによると約8000円/月が相場だとも言っています。実際に、それでビジネスが成り立っているので嘘ではないと思います。ということは年収ベースで約10万円程度が本当のところでしょう。
ということは、経済格差で約70倍ということになります。
すでに、この国は共産主義という言葉を撤回するべきだと考えられる経済格差です。
中国政府がもっとも恐れていることはなんでしょうか?
中国は直近の過去の歴史を振り返ると、天安門事件やチベット問題がネットで検索しにくい様に規制したりして、先日Googleともめていました。
所得が上がると言う事は、国民の教育レベルも、それなりに上がってくるということです。中国国内の問題が先進国と対比した時に、どれだけかけ離れているかとということの報道規制をするぐらいの国です。
もし、この経済格差の問題が、大きくクローズアップされたらどうなるでしょう?
デモで済むような問題ではありません。
私が想像するに、国際取引の経済的恩恵に直接的に与れない人の中にも、僅かながらにハイレベルな教育を受けていて、リーダーシップを取ろうとする人が出てくると想像します。そういう人が政府の目をかい潜ると、経済格差に不満を持っている人の思いが爆発することになるでしょう。
中国政府は、世界経済の中心に躍り出るために、経済成長を遂げることに躍起になっていますが、その反面、急激な経済成長における経済格差という国内問題抑制に必死になっています。この相反する問題を解決できずにいます。
因みに、最低賃金を一気に引き上げる様なことをすれば、中国は「世界の工場」としての地位をその瞬間に失うことも解っているはずです。
そういう状況において、尖閣諸島問題は、大変に好都合だったと思います。
国際取引の経済的恩恵を直接、享受できない圧倒的多くの中国国民が不満を外に目を向けてくれたら、こんなに好都合なことはありません。特に、北京オリンピックや上海万博など、国民が注目するイベントが終わり、何かネタが欲しい時だけに、尚更、好都合でしょう。
あまりに、タイミングが良すぎて、中国政府が故意に今回の問題を引き起こしたのではないかと考えてしまうぐらいです。
中国政府は、日本との経済外交に於いて、直接的に利益を享受している人を傷つけない様にしながら、圧倒的多くの国民の不満をここに散らせるようにしていると考えるのが自然です。
日本から見れば、領土問題をこれ以上こじらせない様にしながら、経済損失を出さない様にすることが肝心です。
日本の法律に従って粛々と処理をしながら、最終的には「国外退去処分」で後は、中国に任せるぐらいの対応を素早くすることで、あとは、日本から見れば、日本経済にはあまり影響の無い中国国民が騒いでいるだけという環境は作れます。
これで、当面の問題は解決できるでしょう。
しかし、この様な問題を抱えている国です。
人口13億人、世界の5分の1の人口がここにいます。
この問題や民族問題が顕著化したら、この国は平和であることは、人類の歴史を遡れば、極めて不自然な状況です。
中国バブルの崩壊は経済破綻よりも、もっと酷い形で終わると考えているのは私だけでは無いと思っています。
オフィス市場の不動産投資
金曜日の日経新聞の夕刊に、
清水建設
不動産開発を再開
130億円投資 市況底入れ見込む
という記事が出ていました。
この土地、もともとアーバンコーポレーションが持っていた土地ですが、今年の初めに清水建設が取得していました。この新橋2丁目の不動産は大成建設が解体工事を行っていて、ちょうど、その頃にアーバンコーポレーションの資金繰り悪化が取りたざされていました。
解体も技術的な問題で遅れていると発表されていたものの、実際にはアーバンコーポレーションの資金繰りの問題だったと認識しています。
また、当時、東京スター銀行が、本物件を担保に66億円を融資していました。
当時のアーバンコーポレーションは商業施設とオフィスの複合施設を検討していました。
これに対し、清水建設がいくらで取得したかは解りませんが、実際に取得したのは半年以上前の話ですから、『130億円』というのは建築費なのか・・・と、思いそうですが、発表による延床面積は9241㎡(2795坪)ですから、100万円/坪で施工したとしても建築費は28億円程度です。
つまり、不動産の取得価格は100億円前後だったことが想像できます。
ちなみに取得した土地の面積は1135㎡(343坪)、商業地域の容積率800%のエリアですから、2915万円/坪、一種364万円/坪で取得したのか・・・と想像できます。
ちなみに、発表されている延床面積が9241㎡ですが、土地が1135㎡で容積率が800%ですから、建築基準法的には9080㎡しか、建てられないので、発表されている延床面積は施工床面積(容積率に参入されない、塔屋や外階段なども含まれている面積。)です。
ということは、実際の専有面積は9080㎡の85%~90%程度で、最大でも8172㎡(2472坪)と考えられます。
このエリアの新築オフィスの賃料は、3万円/坪程度ですから、年収で8億9千万円、表面利回りで6.8%程度、Net利回りは5.5%程度と想像できます。
平成18年ごろのミニバブルと言われた時代なら、まずまずの物件ということになりますが、昨今ではちょっと厳しいかもしれない物件です。また、賃料が3万円/坪は募集平均賃料ですから、実際に決まる賃料はもう少し厳しいかもしれません。
現在、中型~大型のオフィスビルの投資をしているのは、財閥・電鉄系の不動産会社と大手のゼネコンぐらいが実態です。一部、シンガポールなどの国家資金を運用するファンドが行っていますが、外資系の投資会社は、あまり、日本の不動産に投資を積極的に行っていないのが現状です。
リーマンショック後、日本の不動産価格は大幅に下落し、投資対象としては、さほど悪くないように感じますが、理由は大きく考えると3つあります。
1.ここ数年の中国やインドの発達を考えると、東京がアジアの拠点であるという魅力がなくなっていること。
2.人件費や不動産価格の高騰および人口減少等で日本自体が経済的発展という意味において、限界に達していることから、日本の不動産投資の魅力が無くなっていること。
3.円高により、海外の資金を日本に投入することが難しくなっていること。
などが上げられます。
この状況下に於いて、前述の様な不動産会社やゼネコンが不動産投資をするのには、一つは上場会社としての売上増加を考えなければいけないこともあるでしょう。また、底打ちと読んでいる側面も見えます。
しかし、外資系投資会社が上記の様な理由で日本の不動産投資を見送っている限りは、シンガポール系のファンドマネーをあてにするにも限界があるでしょうから、出口戦略なき迷路に迷い込んでいるとも考えられます。
東京の都市開発は民間主導にて行われていますが、将来性を考えた都市形成はされていません。また、アジア経済の発展に伴う、行政の都市計画対応はまったくできていません。なにせ、30年も前に立てた計画道路をのんびりと、進めるぐらいしか能力のない対応です。急激な変化に対応ができる人たちとは、とても思えません。
清水建設の新橋のビルが開発されたとしても、如何にも規模が小さく、日経新聞に書いてある様な、このエリアを大きく変えることには、勿論ならないでしょう。汐留エリアとの比較が書かれていましたが、全体の開発規模等を考えれば、比較すること自体が馬鹿げています。
東京に限らず、日本の各都市は、何十年も前に計画した幻想を見直していかないといけない時期に来ていることは、前線にいる人はみんな気がついていると思います。ただ、その幻想に身を委ねていないと困る人たちが実権を握っていることが問題なんでしょう。
製造業が人件費の安い海外に生産拠点を移しています。日本(東京)がアジアの拠点としての地位を完全に失えば(私はこのまま行けば、遠くない将来に失うと思っています。)、家賃の高い東京から本社機能を移転する法人は増えてくると考えています。
個人的には不動産投資が盛んになってくれる方が儲かるのですが・・・。
日本の不動産の行方
昨日から、Yahoo!の経済ニュースに「弁護士業界も熱視線!?賃貸住宅の更新料の瀬戸際」という記事が出ていました。
まぁ、更新料のニュースが出た頃から、ハイエナ弁護士がたかるだろうことは、想像はしていたので、これ自体は驚くことでもなんでもありません。
東京では、エイ○ルやら藤○不動産やら・・・みんな、更新料を取っています。
どちらかというとオーナーのためと言うよりも、不動産会社のためです。更新料が無ければ、この業界で生きていけない不動産会社って沢山あるのが現状です。
特に、街場の小さな不動産会社で、管理物件が少なく、流動性が少ない物件しか持っていない不動産会社にとっては、尚更のことでしょう。
今の日本の住宅産業がどうやって支えられていたかと言えば、安い労働力(職人)を使って、現場で手作業で家を作ることで成り立ってきました。これは、木造の一軒家に限った話ではなく、建築業界全体に言えた話です。
そもそも、戦後の復興期(昭和25年~35年)に
「とりあえず、人の住める家を・・・」
で、建てられた家というのは、それは当時の技術を考えても、かなり、粗末なものでした。当然に、住宅の寿命にも限界があり、バラつきはあるものの、30年程度が限界だったと考えられます。人口の増加と戦後復興期に建てられた家の建替え需要で、今まではそれなりに、住宅の需要はありました。しかし、これからの住宅寿命は50年~70年はありますから、次の建替え需要による、住宅ラッシュは今世紀の後半、2070年~2090年ごろと想定されます。
※ 材木は生きていた年数、建築材料として保つことが出来ます。鉄筋コンクリート造の場合なら、セメントが中和されるまで保ちます。それが50~70年の根拠です。
問題は、これからです。最近、マンションの建替えをやり安くする為(経済対策の一環として)に容積率の緩和を行うことが発表されていましたが、実際にどの程度、必要があるのだろうかと思いました。
住宅の需要が多ければ、当然に有効な手法かもしれませんが、住宅自体は、完全に供給過多で、余っているのが現状です。人口は確実に減る訳ですから・・・。
そこにマンションの緩和を使って、新たにマンションを販売しても、そのマンションを買う人たちが、住んでいたところが空室になります。
また、建物だけではなく、日本の建設産業や不動産業というのは、いずれにしろ、需要に対して、人間が多すぎるのは間違いありません。
不動産業というのは、一応、不動産会社の5人に1人は宅建の免許を持っていることが条件となっています。これは、建設業と比較すると意外に厳しい条件ですが、持ってない人には失礼ですが、宅建の試験とは、扱う商品の額や実務レベルで必要な知識と比較すると、おそろしく簡単な試験です。
実際に、宅建など、不動産未経験者の主婦が試験を申し込んでから勉強しても、やり方さえ間違えなければ、受かってしまいます。
宅建を持ってたら不動産のことが解っているかというと、それもぜんぜん違います。
建設業に至ってはもっと甘いのが現状です。
例えば、一級建築士が一人いれば、あとの実務担当が無資格でも、その設計事務所はやっていけます。極論を言えば、一級建築士が一人で、あとの100人が全員無資格でも、設計事務所として成立するのです。
これでは、一級建築士になるのが、どんなに難しくても意味がありません。
この辺りは改善していかないと、本当の意味で知識のある人や技術力のある人が生きていけなくなってしまいます。
挙句の果てに、建築士でも無い人間が、なんちゃらインスペクターなどという、資格を作って、住宅を診断していたりします。もっとも、この資格を持っていないと今のところ、住宅の診断が出来ないと言う訳ではありませんがアホらしい話です。
簡単に言えば、欠陥住宅を素人が診て、金儲けをしようという資格です。
もっとも、設計で食っていけない建築士がこの資格を取得しているという話も多々聞くので、あながち、素人じゃな方もいるかもしれません。
※ ちなみに、住宅の性能を評価する資格に、住宅性能評価員という資格もあるのですが、こちらは、建築士が前提条件の資格です。
また、建設業や不動産業のGDPに占める割合が大きく、経済効果が大きいのはよく解ります。
しかし、建物や不動産というのは、目先の経済よりも長期的に考えないといけないものです。
景気浮揚のために容積率を緩和して、マンションを一定地域に大量に作れば、保育園や小学校が足りなくなります。しかし、その子供たちが成長すると、今度は中学校が足りなくなります。そして、作った、保育園や小学校は、今度は一転、生徒が足りなくなり、教室が余ったり、私立の保育園は廃業になります。
その子供たちが同一エリアに住む余地は、おそらく無いでしょう。
そして、40年後には高島平団地の様な高層マンション群が出来たりします。
50年後に東京ベイエリアが、限界集落なんて言われているかもしれません。
もっとも、それより前に温暖化で海水位が上がり、とても住める場所では無くなっている可能性もあります。
本来の都市計画とは公共のサービス(学校や図書館、病院、公民館、役所etc)を中心に、循環型の住居地域を形成しなければ、長期的に見れば破綻することになるの必然です。こんなことは、大学で都市計画を学んでいる人なら1年生でも知っていることのはずです。
今、日本の景気はバブル崩壊以降、立ち直っていませんが、おそらく、今後、劇的に改善されることは無いと私は考えています。ある一定のところまで人口が減って、そこから増えだせば別ですが・・・。まぁ、私の目の黒いうちには無理でしょう。
建築や不動産を、そして経済をもう少し、まじめに考えていかないと、将来の日本に暗い影を落とすと思う最近です。