不動産業界のちょっとダークな話
今日は朝からちょっとダークな業界の話を書いてみようと思います。
名前は伏せます。(察してください。)
新興不動産と呼ばれる会社がこの2年ぐらいの間に多々、倒産したのですが・・・。
その中にA社という上場会社がありました。
そもそもA社はグレーな会社です。
A社は予め、その会社の役員を使ってB社を作ります。
不動産業界では平成19年10月の金商法改正で一気に資金繰りが悪化しはじめるので、リーマンショックの前にこの不景気は察知できていました。
そこで、B社は都心のどうしようも無い不動産を安値で買って、高値でA社に売ります。
もちろん、A社とB社は仲間なのでA社はその不動産を購入します。
その後、A社は倒産(会社更生法なり民事再生法なり・・・)・・・。
しかし、B社はA社から多額のキャッシュが流れているので、ひっそりと営業。
そして、A社の債権を破格に安い金額で、また仲間が引き取るなどをします。
最近、時々、出てくる会社の社長の名前を見ると
「あれ?この人、A社の役員だったよな・・・」
で気が付くことが出来ると思います。
A社の債権をさらにグレーな債権回収会社が買っていたりと・・・。
もっとも、この類の話は不動産業界以外でも多々あるのでしょうが、私が不動産業界なので不動産業界の話しかわかりません。
不動産の底値・・・
最近、不動産投資を行う会社の方に、
「そろそろ、底値ですかね?」
と、聞かれます。
非常に難しい質問です。
たしかに下落幅が少なくなってきたのは事実なのですが、去年のペースで今年も来年も落ちたら、不動産価格がゼロ以下になってしまう場所まで出てきそうです。
つまり、価格が低くなってきたこと、取引事例が少ないこと、また、取引が路線価付近で行われることで、土地の下落が落ち着いてきたのだと考えられます。
そこで、この質問には・・・
「現在の不動産価格は不動産の投資利回りで決定しているのではなく、実需、つまり住宅の市場によって決定される部分が大きいと考えています。とすれば、雇用と所得に不動産価格が連動すると考えています。」
「では、そろそろ、底値と考えていいですかね?」
『今の回答から、どうしてそういう結論に達するんだ?』
とも思うのですが・・・
「雇用と所得を決定するのは私じゃないですから、なんとも・・・」
「相澤さんはどう思われますか?」
「普通に考えれば、底値に近いのでしょうね。ここからは私見になりますが、政権交代とインフルエンザがどう影響するか・・・」
そろそろ、底値になってもらわないと、こちらも大変なのですが・・・不動産の仕事をしていると、どうしても景気に左右されがちです。
緊急地震速報の誤報
今日の朝(6時37分41秒)、私の携帯が今まで鳴ったこともない音がしました。
『なんだなんだ?』
と夢から現実に戻らないまま、携帯を開くと
千葉東方沖で地震発生
強い揺れに備えてください。
(気象庁)
とあります。
初めての、『緊急地震速報』メールです。
とっさに、飛び起き水槽を押さえました。
(バカです。)
しかし、待てども、ちっとも揺れず・・・
恐る恐る手を離し・・・テレビのリモコンを取り、テレビをつけると
「ただいま、緊急地震速報が入っております。揺れは感じませんが、強い地震が来る可能性がありますので、身の安全を・・・」
と言っていますが・・・、その内、お天気お姉さんが出てきて、のんびりとお天気の話を始めました。
その頃には現実に戻り・・・
『緊急地震速報って、たしか、地震の波動の相違を利用するから、速報の直後に地震が来るはずだよなぁ・・・』
じゃあ、なんだったんだろう・・・と思いながらまた二度寝しました。
そして、ネットでニュースを見たら
『誤報』
まぁ、実際に大きな地震が来るよりかは良いのですが、誤報も困りものです。
民主党政権とまちづくり三法
現在、『開発』のテーマで大店立地法について書いていますが、ふっと思ったことを書きます。
大店立地法の最初の趣旨は前のブログで書いた通りなのですが、現在のまちづくり三法の主旨はイオンなどの大型店舗による、地方都市の商店街のシャッター化を防ぐ意味が強いです。
イオンの社長と言えば・・・民主党幹事長のO氏の実兄です。
以前、大店立地法や都市計画法が改正されて、規制が厳しくなった時に
「イオンの出店を防ぐ為だろ・・・。なにせ、民主党代表の実兄の会社だからなぁ・・・」
などと噂されたぐらいです。
※それが事実ならイトーヨーカドーにとっては迷惑な話だなぁ・・・。
そんなことで法律を改正できないと思うので、嘘だとは思っているのですが
これで、民主党政権になって、法律改正が行われたら、穿った目で見てしまいます。
あと、選挙まで1週間・・・。民主党が圧倒的に有利な様ですが、さてどうなるやら・・・。
【開発】大規模小売店舗立地法3
さて、大規模小売店舗立地法の続きです。
商業系のデベをやっていて、一番困るのがこの大店立地法と改正都市計画法であることは、前回までの内容でご理解頂けたと思います。
これから6回(予定)で実際の3つの事例を書いていこうと思います。
さて、今回の話は東京のある場所での商業開発に挑み、実際に行った大店立地法逃れを行った事例です。
物件概要
土地面積:約200坪
用途地域:一種住居地域
建蔽率:60%
容積率:300%
その他の規制:防火地域・第一種文教地区(東京都)
既存建物:違法建築(違法増築)の全室空室の共同住宅
場所は、山手線の内側で、土地の値段は当時で1200万円/坪です。
当時の賃料相場は1階で6万円/坪、地下1階と2階で4万円/坪、3階より上で3.2万円/坪です。
当時の周辺のCAPレートは5.7%ぐらいです。ですから、売却した時の利益を考えるとネット利回り6.3%ぐらいの利回りは欲しいところです。
※CAPレート・・・Capitalization Rateの略。簡単に言うと、収益物件として投資家が期待する利回りのこと。投資家が期待する利回りに達していればJ-REITなどのファンドへの売却が期待できる。例えばCAPレートが5%のエリアであって、純収益が5000万円の物件であれば10億円で売却できることになる。
※純収益・・・収益物件に於いて、収入が賃料収入や共益費であるならば、支出は管理費や固定資産税、都市計画税で、『収入-支出=純収益』となる。
※ネット利回り・・・『純収益÷(物件価格+諸経費)×100』となります。純収入が5000万円で10億円(諸経費込み)の物件価格であればネット5%ということになります。この場合の諸経費とは、不動産取得税、登録免許税、仲介手数料などです。
※純収入が5000万円でネット利回り7%にする為には不動産取得価格は諸経費込みで約71400万円です。この時、キャップレートが5.7%であれば、約87700万円で売却できる計算となります。つまり、利益が16300万円の利益が出るわけです。
今回の物件は周囲及びその通りには既に外資系のアパレルなどの高級ブランドが進出しているエリアです。
土地の形状は下の絵を見てください。
※クリックすると拡大します。
都市計画上は住宅地域ですが、周辺には外資系のアパレルショップが進出し、住宅は殆どありません。
道路幅員は狭いですが、土地は整形で、間口もそれなりにあります。また、都心の商業地の場合はゆったり歩ける方が商業地域として優れていることが多く、どんなに道路幅員が広いよりも、歩道がしっかりしていることの方が重要です。
しかし、今回の土地は道路幅員が4.7mしかありません。その為、都市計画上の容積率は300%ですが、法定容積率は188%です。
※法定容積率・・・道路幅員が12m未満の場合、住居系地域の場合は『道路幅員×0.4×100』、その他の地域に於いては『道路幅員×0.6×100』となります。
つまり、今回の土地では
土地が約200坪(約660㎡)なので
床面積が660㎡×1.88=1240.8㎡の建物が建てられます。
また、今回の物件の都市計画上の建蔽率は60%ですが、防火地域なので耐火建築物を作ることで70%まで使えます。今回の土地には
建築面積が660㎡×0.7=462㎡の建物が建てられます。
ここで問題になるのが大店立地法です。
大店立地法は売り場面積が1000㎡を超えると適用されます。
デベロッパー側の考えとしては、床面積全てを専有面積にしたいところです。もちろん、専有面積=売り場面積ではないのですが(バックヤードやトイレ・洗面所などがあるため)、テナントに1240㎡を貸しておいて、1000㎡しか売り場面積として使えません。とは極めて言いにくいところです。
この物件の場合、1240.8㎡の最大容積率を消化してしまうと、大店立地法に掛かります。その場合、駐車場を18台設けなければなりません。18台の駐車場を設けようとすると、平置きの場合は最低でも247㎡は必要です。しかも道路に面した部分に駐車場を持ってこなければなりません。今回の土地は間口が19mですから、18台を横並びで止めることは厳しくなります。(駐車場の1台の幅員は2.5m以上は必要です。)
機械式の駐車場を使う場合は敷地の中で待ちスペースを作らなくてはなりません。3台式の機械駐車を6機使えば足りますが、待ちスペースを考えると、やはり216㎡の駐車スペースが必要となります。
実際の土地の面積が660㎡で最大建築面積が462㎡ですから、198㎡の建物の建ってない部分があるのですが、実際に建物を作る為に隣地から約50cmぐらいは空けたいところです。
と考えると、この土地の場合、隣地と接する部分を50cm空けると
(19m+34.5m+34.5m)×50cm=44㎡が必要となります。つまり、駐車場として使えるのは154㎡しかありません。
とすると、必要駐車場を用意すると機械式を使ったとしても建築面積を62㎡減らさないといけません。
しかし、実はこれがもの凄く大きいことなんです。
減らした62㎡は空中階に振り分ければ良いのですが、1階と2階では賃料の差が2万円/坪あります。
つまり、1階の面積が62㎡(18.8坪)減ると、月の家賃が37.6万円、年間で451.2万円の収入減となります。また、最終的な売却価格としては、
451.2万円÷5.7%=7915万円(約8千万円)の減となります。
希望としては
1階 462㎡(139.75坪)
2階 462㎡(139.75坪)
地下1階 316.8㎡(95.83坪)
の建物を作れば、1780万円/月、年収21360万円となり、諸々の経費を除いても年辺りの純収入は19000万円ぐらいになります。
とすれば33億3千万円で売却できます。
では取得価格はというと・・・
土地 200坪×1200万円=24億円
諸経費 =2億円
建築コストが =3億8千万
となるので合計29億8千万円です。
つまり、期待通りに言って3億5千万円の利益です。
(開発リスクを背負って、この利益率で良いのか)
つまり、大店立地法をクリアしようとすると3億5千万円の利益が2億7千万円になってしまします。
そこで、なんとか、大店立地法に抵触しないようなことを考えるわけです。
では、次回はどんな開発を行ったかを書きます。
パシフィックホールディングス
そろそろ、のりピーのニュースにみんな飽き飽きしているとは思うのですが、今だにのりピーのニュースでどの番組も盛り上がっているのは・・・。と、そんなのりピーのニュースに隠れて、先週はこんなニュースがありました。
8月18日 日本レジデンシャル投資法人とアドバンス・レジデンス投資の合併
8月21日 米不動産大手、日本市場に参入=破綻の運用会社買収、国内最大級に
まず、日本レジデンシャル投資法人はパシフィックホールディングスが運用していた住居系のJ-REITで、それを伊藤忠商事が運用する会社が買収するという。
そして、8月21日のニュースはちょっと驚いた。
内容は・・・(時事ドットコムより転載)
米国の大手不動産サービス、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドが、経営破綻(はたん)した国内不動産運用大手のパシフィック・インベストメント(東京都)を買収したことが21日、分かった。取得額は明らかにしていない。クッシュマンが国内企業を傘下に収めるのは初めてで、日本の不動産市場への本格参入となる。24日に正式発表する。
買収後の資産運用規模は約2300億円に上り、単独企業としては国内最大級。クッシュマンは「日本の不動産市況は底打ちが近いとの指摘もあり、運用事業に進出するには最もいいタイミングだ」と話している。
会社名は「クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド・アセットマネジメント」とする。パシフィック社は経営不振のため3月に会社更生手続きの適用を東京地裁に申請。関係者によると、買収は6月に完了し、事業開始の準備を進めている。(2009/08/21-17:23)
アメリカでは、まだまだサブプライムローンの問題で担保行使されている様な状態にも関わらず、不動産会社が買収してくるというのだから驚きました。
日本の不動産会社でパシフィックホールディングスを買収できる会社は無いだろう・・・。あるとすれば、商社系かな・・・と思っていたら、アメリカのアセットマネジメント会社・・・。日本の金融機関と比較するとアメリカの金融機関は転換期に来たと見ているのでしょう。
これは、前回のバブルの時にも同じようなことがありました。
平成7年にケネディウイルソンは日本に上陸。平成11年には日本国内初のノンリコースを・・・と我々がまだバブルの爪痕に苦しんでいた時にすでに、市場参入をして一番美味しいところに投資を開始していました。
今回の不景気が前回のバブル崩壊と違うのは、前回よりも急激に景気が落ち込んだということです。不動産価格の下落もバブル崩壊の際には10年掛けて落ちていきましたが、今回は僅か2年で・・・。という具合です。
スパイラルのタームが短くなっています。
日本はまだまだ、金融機関が蛇口を開かないので積極的な投資は難しいかもしれませんし、前回、積極的に投資をしていた会社はまだ不良債権の処理に苦しんでいます。
滅びかけた大きな爬虫類が苦しんでいる間に、小さな哺乳類が少しずつ動き出しているのも事実です。
たしかに、まだまだ苦しい時代だと思います。
賃料の下落、空室率の増加、消費の低迷・・・。
しかし、動き出すと一気に行きます。
底値が近いというのは間違いないと思います。
【ドラマ】再生の町
ちょっと、面白そうなドラマが始まります。
NHK 8月29日(土曜日)21:00(連続5回)からの
再生の町
内容はこれからなので細かいことはわかりません。
詳しいことはこちらを見てください。
http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/6000/19418.html
オリジナル作品なので小説は無いようです。
私は見ようと思っています。
他愛も無い話ですが・・・
マクドナルドのコーヒー無料化
昨日、マクドナルドが再び、コーヒーを無料にするという記事が出ていました。
マクドナルドは飲食業界の中で一人勝ちの様相になってきています。この御時勢ですから、元気な企業があることは良い事なのですが・・・。
昨年、表参道店(すでにありません。)で、サクラを並べて行列を作ったことは記憶にあるかと思います。これも、なにもそこまでしなくてもと思いました。
今回の無料コーヒーなんですが、実際にその時間帯の周辺のコーヒーショップは大打撃だと思います。
しかし、これは
『不当廉売』
に該当しないのだろうか?
大資本が市場に対して赤字覚悟で不当に安く売ることは不当廉売に該当するはずです。たしかに、短期間のお試しという意味合いだから大丈夫と判断したのかもしれません。
独占禁止法に詳しい訳ではないのでなんとも言えないのですが・・・。
事務所ビルの底打ち・・・
さて、今日の日経不動産マーケット情報にちょっと明るい記事が出ていました。
【調査】小規模オフィスの取引が増加、市況に底打ちの兆し
たしかに、最近は大型ビルの取引事例はあまり聞きませんが
小型のオフィスビルの取引は少し増えたような気がします。
もっとも、パターンは
新興系不動産が借入金の返済、金利負担に耐えられないなどの理由から完全損切りで放出
↓
平成19年まではあまりハデに買っていなくて怪我をしなかった法人が購入、個人投資家が購入、もしくは実需目的(自社ビルに使うなど)での購入
というパターンが多いです。
しかし、東京山手線内側でNET10%以上
価格も10億円未満
という、市況です。
ですから、
『底打ちといえば底打ちに近いかもしれませんが、まだまだアップトレンドになる様な気配は感じられない。』
という状況です。
ニッセイ基礎研究所の8月11日のレポートでは
こんな記事も出ていました。
たしかに底値に近いでしょう。
もう、これ以上、下げれば賃料収入があっても、金利を含む支出に絶えられなくなるビルが多数あります。
また、安い賃料で入居させてしまえば、少し景気が上向いてきた時に賃料アップをしたくても交渉しなければならないというリスクから、空室であっても賃料が下げられないという現象が発生しています。
『底値には近いが空室率の改善がまだ見込めない・・・。』
という状況かと思います。
必ずしも、手放しに喜べる記事ではありませんが、底打ち感は拡がっています。
あとは、景気そのものの回復がキーポイントになりますが・・・
選挙とインフルエンザ・・・怖いなぁ・・・と思う次第です。
業界はまだまだ苦しいから、せめて・・・
居抜きの希望
最近、飲食店やエステなどのサービス系のテナント側の要望で異常に多いのが居抜き店舗の希望です。
不動産関係ではない方のためにちょっと解説を・・・
居抜きというのは、不動産において賃貸と売買の時で意味合いが違います。
【賃貸の場合】
前のテナントが残していった、造作や設備をそのまま、次のテナントがその造作や設備を利用する状態で借ります。
【売買の場合】
・ 前の居住者が経済的価値のある家具を残した状態で売却する場合
・ 賃借人が居る状態で不動産を売却する場合
となります。
今回の話は【賃貸の場合】の話です。
ちょっと、前の話ですが・・・テレビ東京系ワールド・ビジネス・サテライトで、飲食店の居抜き店舗ばかりを狙って借りる飲食店オーナーの話が出ていました。
内容としては・・・
前の飲食店が倒産ないし撤退し、その際に原状回復が出来ない(もしくはしない)で行く。賃貸人は原状回復を自分でするのだが、その費用もバカにならないから、次のテナントである、この飲食店オーナーは、その不動産を安く借り、さらには開業時の設備投資も安く済むという、一石二鳥的な話がやっていました。
このとき、私はちょっと疑問に思いました。
そもそも、建物を新しくしたり、隣接する別の土地と合わせて再開発を行うなどをすれば別ですが、飲食店が存在した場所には、やはり飲食店が適切であるケースが多いです。
とするならば、前のテナントが残していった、厨房設備や家具などの造作はそれなりの経済的価値があると考えるのが普通ですし、前テナントの残置物とはいえ、現在は賃貸人の所有物ですから、厨房設備や造作家具もリースか販売すれば良いはずです。
などと、考えていたら、普通に居抜き店舗はオークションされていました。
ところが、最近は飲食店よりもエステや美容室がやたらと居抜き店舗を求めてきます。
単純に初期設備投資を抑えたいからなのですが、これが都内などであればあるのですが(供給過剰なので、どんどん潰れるため)、地方都市に行くとなかなかありません。そもそも、20万人以下の地方都市ではエステが町に1店しかないなどという町も沢山あります。ということは、そのお店が移転、撤退、廃業するかをしなければ、居抜き店舗はないということになります。
そして、やはり、あるエステ系の会社から、
「○○市に出店したいんですが、居抜き店舗じゃなければ困る。出店は慌ててないから、時間が掛かってもいいから探してください。」
というオーダーがありました。
そこで調べてみると・・・・
『この町・・・エステが過去も現在も無い・・・。』
一応、報告しました。
「○○市にはエステが無いんですよ。」
「解っています。だから出店したいんですよ!」
「でも、居抜き店舗でないとダメなんですよね?」
「○○市の人口などを考えれば設備投資にお金を掛けると回収できなくなる可能性が高いですから、居抜き店舗じゃなきゃダメです。」
「しかし、過去にもエステが無いんです。」
「ええ、慌ててはいません。」
『解らない人だな!』
と思ったのですが押さえて・・・
「いえ、というよりも、○○市の場合、居抜き店舗はよそのエステ会社が出店して、その会社が撤退しないと、居抜き店舗が登場しないということになります。それも、その出店した会社の事情で撤退しないと、ダメです。」
「あああ、そっか・・・困りましたね。なんとか、なりませんか?」
『なるわけないだろ!』
と声を大にして言いたかったのですが
「こればかりは不動産屋の力では無理ですね。出店されるエリアを再検討されるか、御社で設備投資をするしかないです。」
「上司と相談してみます。」
とこんなやりとりでした。
居抜き店舗が流行るのは解らなくもないし、設備や造作をそのまま使えばエコだとも思います。
しかし、猫も杓子も
「居抜き店舗!」
と言うのも困ったものです。
特に商業系ビルをお持ちのビルオーナー様は原状回復をされる前に一度、ご相談していただけると良いかもしれません。
こりゃ、新築物件が苦しいわけだ・・・。
それに、ホシザキやタカラベルモントなんかも苦しいんだろうなぁ・・・。
※ホシザキ・・・外食系の厨房機器メーカー
※タカラベルモント・・・美容室やエステの設備メーカー
と思ってしまいました。