商業地の賃料1

カテゴリ:テナント賃貸 / ブログ
連載シリーズ 【 商業地の賃料1 】 第 1 話 / (全 2 話)

【店舗賃料/表参道】出店需要の減退続く、テナント募集件数は前年同期の3倍近くに

表参道という場所は、東京の銀座、新宿、渋谷に次ぐ、商業地なんですが、つい20年ほど前までは、今ほどの商業地ではありませんでした。また、実際には表参道という住所はありません。

もっとも表参道・・渋谷・原宿は一くくりで見ることが多いのですが、今回言う場所は

表参道駅を中心とする、青山通りの南青山三丁目の交差点~南青山五丁目の交差点(約600m)

同じく、都道413号線の神宮前の交差点~表参道の交差点(通称:表参道通り・約600m)、都道413号線の表参道の交差点~南青山四丁目の交差点(通称:みゆき通り)

付近のことを、表参道エリアと言います。

渋谷区と港区にまたがった場所です。

わかりにくいので、地図のリンクを貼って置きます。

表参道駅を中心としたGoogleMap

このエリアは不動産プチバブルと言われた平成15年ぐらいから平成19年ぐらいに掛けて、地価が一気に上がった場所です。

では、どの程度上がったかを公示地価で見てみると、

港区南青山3-3-5

(単位:円/坪)

平成14年 1537万

平成15年 1553万

平成16年 1580万

平成17年 1619万

平成18年 2082万

平成19年 2975万

平成20年 3537万

平成21年 3074万

渋谷区神宮前5-5-2(表参道ヒルズの向い)

(単位:円/坪)

平成14年 1388万

平成15年 1520万

平成16年 1669万

平成17年 1811万

平成18年 2363万

平成19年 3371万

平成20年 4727万

平成21年 4461万

※公示地価は、データを基に割り出しますので1年遅れの価格になります。

港区南青山3-3-5は最初に書いた表参道エリアの中ではギリギリの場所です。下の渋谷区神宮前5-5-2は表参

道駅まで100mもない場所です。

見てもらえれば解るように平成14年ぐらいから、じりじり上がって行き、平成16年~平成20年で一気に2倍~3倍になります。

私も、この頃、デベロッパーとして、この辺りで商業施設を開発しまくっていました。平成15年頃はほぼ公示地価かそれより、やや安い価格で買えました。

しかし、平成18年の表参道ヒルズがオープンする頃になると、

「7000万/坪か~・・・ちょっと高いですかね?汗

「公示地価の2倍までは許す!買って来い!!DASH!

などという言葉が頻繁に聞こえる様になりました。

しかも、作ればテナントにも困りません。外資系の高級ブランドが黙っていても来てくれます。そして、2社から声が掛かれば高い方で決めれば良いだけで、賃料も想像できないような賃料になります。

冒頭の通りに面しているところで、表参道駅から200m以内で新築の1階なら、家賃は20万/坪以上と銀座、新宿を凌ぐ勢いでした。

この界隈でよく聞いた不動産会社は・・・

明治建物(実質的にはメリルリンチ)

ピーエムシー(パシフィックホールディングス)

アーバンコーポレーション

アイ・ディ・ユー

クォリケーション

スルガコーポレーション

細田工務店

ジョイントコーポレーション

セントグランデ

ミヤビエステック

レーサム

まだまだ、あると思いますが主だったところです。

見ての通りですが・・・

半分が倒産、残りの半分が休眠、そして残りが瀕死という状態です。

この会社が競い合って不動産を買っていたわけですから、全員が居なくなった今、ほとんど実需での不動産需要しか無くなっています。

※実際にはオリックス不動産が少し・・・、また、それまでは聞いたことも無かった会社(何故か社長の名前だけは知っている会社)が少しずつですが買い始めています。

最近では平成21年の公示地価では5~10%の下落ですが、実際には平成16年ぐらいの価格まで一気に下落しています。ですから、路線価ですら売却できないという場所もあります。

しかし、これだけ一気に下がれば、実需や投資目的としても、かなり割安感がある様な感じもするかもしれませんが・・・。

表参道の物件をお探しの方はぜひ、お気軽にご相談ください。

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商業地の賃料2

カテゴリ:テナント賃貸 / ブログ
連載シリーズ 【 商業地の賃料2 】 第 2 話 / (全 2 話)

前回、書いたように土地の値段がここまで、下がれば実需目的(自分でそこで営業する目的)もしくは、投資目的として購入者が出てきても良さそうなのですが、実際にこのエリアに出店しようというテナントが少ないのです。

理由は2つあります。

1.高級ブランド品の需要が一気に悪化したため、高級ブランド店の出店意思が弱い。

2.出店できるテナントが激減したため、テナントからみると、物件に対するライバルがいない。それにより、賃料交渉が容易にできる。

しかし、前回のニュースを読むと賃料は平均で6%しか落ちていません。

これは『募集賃料』です。

募集賃料と成約賃料は全く違います。

簡単に言えば、大家さんが

「100万円/月で貸したい」

と言っても、誰も借りてくれず、しばらくたってそこに、ひょっこり、一人だけ借りたいと言ったテナントが現れて、

「60万円/月しか出せない。」

と言ったとします。他に誰も借り手がいなければ、そこで貸すか、それとも意地で空室にしてでも頑張るかのどちらかになります。

お金がいっぱいあり、当該不動産の簿価が殆ど無い大家さん(つまり、昔からの地主さんみたいな方です。)は賃料下落を防ぐ為に、頑張ろうとします。しかし、その不動産を借金してでも入手し、絶対に家賃が欲しい方(ノンリコースローンを使い・・・以下略)は賃料を下げざる得ません。

つまり、ここに出ているので実際の契約賃料よりも遥かに低い賃料で決まっています。

ただ、平均賃料はこれに近い賃料かもしれません。

曖昧な言い方をしているのは詳細なデータがないからです。

というのは、現在の成約賃料は低いかもしれませんが、高い時に定期借家契約で入居しているテナントが高い賃料を払っているからです。

では、実際の成約賃料はどうなっているかというと・・・

半値とまではいかないまでも60~70%程度にはなっています。特に地価が高騰した銀座、表参道エリアはその傾向が顕著です。

また、地方の商業都市でも一部のエリアでもそういう傾向があると思います。(事例が少なすぎて正確なデータが取れません。)

例えば、仙台のアーケード、名古屋駅周辺、熊本のアーケードなどなどがその例です。簡単に言うと新興不動産会社が東京に投資する場所が無くなり、ターゲットにして地価が上がった場所です。

リンク記事にもある様に募集件数が増えているということは、それだけ空室が増えているということですから、賃料の下落には、もう少し時間が掛かると思います。しかし、地価と賃料の連動を考えれば、地価そのものはバブル崩壊後の最も安い時期に近づいています。株価がバブル後の最安値を更新した様に、地価もバブル後の最安値を付ける可能性は十分にありますが、それにしてもかなり底値には近づいていると考えられます。

ただ、消費が上がらなければ、商業は成立しません。つまり、商業地の需要は上がってきません。

今しばらくの時間が必要かもしれません。

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伊勢丹が上海進出

昨日の日経の朝刊に伊勢丹が上海進出というニュースが出ていました。

何を今更?と思いました。というのは、伊勢丹はすでに上海には出店しているからです。しかも、上海の中でももっとも良い場所のひとつに出店していると聞いたことがあります。もっとも私は上海のどこが良い場所だとかはよく解りません・・・

そこで、よくよくニュースを読んでみると30000㎡(9000坪)と言うのだから大きいのですが・・・。ということは、上海在住の日本人をターゲットにしているのではなく、完全に中国人をターゲットにしているということです。

たしかに、伊勢丹以外の日本の百貨店は中国進出に対して出遅れ気味です。そこで、中国にこの規模の百貨店を出すということは、日本の百貨店に対しては優位に立てると考えられます。

また経済成長を続けていて、日本よりも遥かに市場規模の大きい中国はたしかに魅力的です。

しかし、日本と同じ戦略で上海で成功するとは考えにくいです。

上海の実質人口は約1800万人です。それに対して、上海の1人あたりのGDPは約90万円弱です。日本の1人当たりGDPが約340万円ですから、平均所得は日本人の26%強ということになります。

また、中国人の貯蓄率は日本人よりもはるかに高いので無駄遣い(見栄を張る)率は日本人よりも低いと考えられます。ただ、仮に上海が10%ずつの経済成長を10年続ければ1人当たりGDPは200万円を超えてきます。(と言ってもまだ今の日本の2/3以下ですが・・・)ただ、10%の経済成長を10年というのは『奇跡の復興』と言われた日本の高度経済成長と同じです。その事を考えたら、かなり厳しいと思われます。

また、諸外国の百貨店の中国進出状況はよくわかりませんが、アメリカのウォルマートやフランスのカルフールなどのGMSは10年ほど前からすでに進出しています。カルフールが先導して、ウォルマートがやや苦戦と言った感じです。しかも、上海だけで見ると外資系のGMSが約半分で中国系のGMSがまだ半分あります。

『上海は魅力的な市場に見えるが、実際には競争が激しくて商売にならない。』

と中国人は言います。

GMSと百貨店は日本ではある程度の住み分けができています。

たしかに、GMSの包装紙で包まれた引き出物はちょっと・・・と思う方が多いと思います。

つまり、日本では百貨店というブランド戦略でかろうじて存在していると言っても過言ではありません。しかし、それも専門量販店やGMSに押されていて、一部の富裕層、もしくは『見栄を張って』『自分へのご褒美』『お祝い』的な極限られた消費場所になっています。

中国でそこまでのブランド戦略ができるのか、また、ある程度成功したとしても、上記の様な所得と『日本』のブランドがそこまで浸透するかは微妙です。

一時、日本のブランド米が中国ですごく売れているといったニュースがありましたが、超富裕層に向けた商品ということは解ります。ということは全体量からすれば経済に全く影響の無い話で、物珍しさでマスコミが話題にしたのは誰しもが、わかったことです。

そして、一番怖いのが『日本ブランド』ということです。

2008年のカルフールの中国での非買運動を覚えているでしょうか?

チベット騒動に対するフランスのサルコジ大統領が火種になり、あっという間に広がりました。それが収まったのは四川大地震のカルフールの寄付金?だったと認識しています。

ということは、日本は首相が靖国参拝する度に、もしくは失言する度に非買運動が起こりそうな感じです。

しかし、この様な大規模小売店が日本での市場が苦しいことは昨日書きました
結局、日本に市場が無い以上苦しくても海外に行くしかないのでしょう。

百貨店という世界的に見ても厳しい業態が新興市場で通用するのか、答えが出るのにある程度の時間が掛かるとは思いますが、しばらく注視してみたいと思います。

個人的な私見ですが同じ記事にファーストリテイリングも中国進出と出ていましたがこちらは成功する様なきがします。

昼から文字だらけだけど・・・

※「いつものことじゃねーか!」と言わないように。

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【グッピー】ちょっと癒しを

カテゴリ:ブログ / 趣味・雑学

今回は不動産・建築・時事ネタではありません。

趣味の世界です。

あまり、硬い話ばかりでも・・・

という訳で、うちの子たちです。

※クリックすると大きな画像で見れます。
『Dr.相澤の住宅情報館』の館長のブログ

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結構、自慢の子たちですが・・・

数え切れないぐらいいます。

ほぼ、毎日産まれています。

グッピーですがブルーグラス系です。

ブルーグラス系しかいません。

一番上の画像は同じ親から産まれたレッドグラスです。

真ん中はブルーグラスのリボンです。(♂ですが繁殖能力はありません。)

そして、一番下が普通のブルーグラスです。

アクアリウムはなかなか癒されます。

さて、今日も水槽洗わなきゃ・・・

まったくの趣味のですが・・・

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空室率増加

空室率の増加、賃料の下落に歯止めが掛からないです。

日経新聞もしくはNIKKEI NETあたりに出ているのでそちらで見てもらえば詳細は詳しく解るとおもうのですが・・・

2003年の空室率に迫る勢い・・・

2003年と言えば六本木ヒルズや汐留の再開発が行われ、そちらに一気に事務所を移転したため、1990年代前半よりも以前に建てられた、オフィスビルに一気に空室が出ました。

これは需給バランスの問題もあったのですが、それ以上にOA対応されてないビルが急激に人気が無くなったということもあります。現在はコンピューターの小型化やOA機器の進化で完璧にOA対応されてなくても、そこそこ使えるようになり、古いビルでも需要はそれなりにあります。

新築のビルはどちらかと言うと、OA対応よりもセキュリティー面や光熱費などのランニングコストの方が重視されます。

しかし、今回の空室率は2003年のそれとは質が明らかにことなります。

天空率、容積緩和、総合設計制度などなどの建築基準法の改正や、ファンドによるオフィス投資の拡大などにより、需給バランスの悪化・・・そこに来ての景気悪化が原因です。

新築オフィスを作れば、入居してくれると思っていたデベが多かった様に思います。

まだまだ、東京都心、特に東京駅周辺地区や西新宿地区でのオフィス建築は続いています。

土地を買っちゃった、もしくは計画しちゃったので開発を止めることができないなどの理由があるとは思いますが、苦戦必至かと思います。

まぁ、賃料が下がってくれること自体は企業にとっては嬉しいことかもしれませんが、全てにおいてデフレスパイラルに陥ることが、経済にとって良いかは微妙です。

商業系のビルが苦しいのはちょっと前にブログで書きましたが、オフィス系もかなり苦しい時代が続きそうです。

よく、転売系のデベやファンド系の人達が

「オフィスは商業と違って、賃料が読みやすいから」

と言っていましたが、これからはオフィス系も賃料の読めない時代になるかもしれません。

政治に期待できないので、しばらくは新興国と欧米の景気回復に期待するしかないか・・・。

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ハザードマップの入手方法

昨日、台風9号の被災地のニュースがやっていました。

避難警報が出て、避難している最中に濁流に飲み込まれて非難にあった方がいるそうです。本当に可愛そうな話です。

実は私も4年前に洪水被害にあったことがあります。

と、言っても床下浸水程度ですが・・・

※2005年の東京都杉並区の洪水被害です。

近所の造園屋さんから土嚢を借りて積んだりしました。

当時の自宅前の道路は完全に冠水して、マンホールが浮いていました。

別に台風じゃなくても最近はゲリラ豪雨などで、本当に大変なことになります。当時の自宅は私の生家で、30年以上住んでいましたが、そんな事は一度もありませんでした。床下浸水とかの洪水被害はテレビの中の話だと思っていたのですが、気がつけば自分が被災者になってしまったのです。

そこで、私は自宅周辺や会社周辺、また良く行く場所のハザードマップを見ておくようにしています。

※不動産の売買の時に重説に付けることが多いので私は知っていました。

ハザードマップってなんだ?

と思われる方にハザードマップを少し説明します。

ハザードマップとは洪水などの被害を事前に予測して、その被害の発生度合いや発生した場合の被害状況を地図化したものです。簡単に言うと、大雨になった時にどこに洪水が発生するかが地図上に描かれています。

詳しくは・・・Wikipedia『ハザードマップ』

つまり、大雨の時にその被害が発生しそうな場所に近寄らなければ良いわけです。

では、ハザードマップがどこで手に入るかと言うと・・・

国土交通省 ハザードマップポータルサイト
で入手できます。

ネットで公開されてないエリアもありますので、その場合は役所で入手します。

自宅や会社が安全なエリアなのかの確認と避難しなければならない場合の避難所までの想定していたルートに危険な場所がないかの確認を一度してみると良いと思います。

「備えあれば憂い無し」だから・・・

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首都圏マンション発売戸数

本日のニュースで・・・

<新築マンション発売>減少幅1ケタに…7月の首都圏9%減

不動産経済研究所が13日発表した7月の首都圏の新築マンション発売戸数は、前年同月比9.1%減の3230戸だった。前年割れは23カ月連続だが、減少幅は3カ月ぶりに1けた台に縮小した。同研究所は「底が見えない状況からは改善してきたが、劇的な回復はあり得ない」と分析している。

しかし、本当に底が見えない状態から改善してきた・・・のでしょうか?

この前年同月比9.1%減という数字だけを見ると、先月が前年同月比23.1%減との比較で考えれば、発売戸数の減少に歯止めが掛かっているような感じもします。

しかし、去年のこの頃のニュースを見ると・・・

前年同月比44.5%減、1996年10月以来の下げ幅・・・

全部読みたい方はこちら・・・http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33256520080814

とあります。

つまり、去年のこの時に、物凄く減って、そこから、さらに減ったということです。しかも、去年のこの時点で価格の下落が問題になっていて、価格も、そこからさらに12%下がっているのですから、底が見えないところから脱したと言われても・・・

ただ、ある意味、「底が見えない状態からは改善してきた」のかもしれません。

そりゃ、発売戸数がマイナスになることはないから、底が見えないというより、

「ほぼ、底辺に張り付いた。」

というのが、現状でしょうか。

ありえないことですが、発売戸数が100戸/月になって、翌年の同月の発売戸数が100戸/月になっても「前年同月比で変わらず、景気回復へ!」と見出しに出るとはとても思えません。

このまま、推移すれば1993年を割り込むのは必至です。つまり、過去20年の中で最悪になります。

※これより、前になると、単純に景気動向でのマンション供給戸数が比較できなくなります。人のマンションに対する嗜好性が現在とは全然違い、戸建の方が圧倒的に人気があったためです。また、首都圏人口の差もあります。

所得の安定もしくは向上が見込めないと、回復軌道には乗ってこないでしょう。

まだ、アウトレットマンション(だいぶ聞かなくなりましたが・・・)の在庫が少しあったりもします。そこら辺の損切り赤字マンションが出払ってしまうと、データ的には余計に苦しくなるかもしれません。

ただ、価格も底値に近づいているのかもしれません。

マンションの専有辺りの施工原価は100万円±α/坪ぐらいです。(仕様にもよります。)

とすればデベの利益を考えても20坪で2200万円±αは絶対にします。

あとは土地代ですが、最近のマンションの広告を見ていると

「これって、土地代でてるか?」

と思うようなものもありますから、まさに価格は下げ止まりに入っているかもしれません。


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【開発】大規模小売店舗立地法2

カテゴリ:ブログ / 不動産開発
連載シリーズ 【 【開発】大規模小売店舗立地法2 】 第 2 話 / (全 6 話)

前回の話で、大規模小売店舗立地法(以下、「大店立地法」といいます。)について、説明して、大店立地法の概要はご理解いただけたと思います。

大規模店を開発する場合に実際の開発の話の前にもう一つ、書いておかなければならないことがあったのでそちらを書きます。

前回もちらと書きましたが、『まちづくり三法』の一つである、改正都市計画法です。

実は我々の頭を悩ませたのは、大店立地法よりも、建築基準法改正と都市計画法の改正でした。前回も書いた通り、建築基準法の改正により、大店立地法を申請して許可を貰ってからでないと、確認申請がだしにくくなったという話を書きましたが、それ以上に、2006年に施行された改正都市計画法は対処のしようがなくなりました。

改正都市計画法

10000㎡を超える大型店舗の出店できる地域が

・商業地域

・近隣商業地域

・準工業地域

に限定されてしまったのです。

それまでは、上の3つの地域以外にも

・第二種住居地域

・準住居地域

・工業地域

での出店は可能でした。

この法律のややこしいのは、これだけでもダメージが大きいのに、各都道府県行政が準工業地域での出店も条例で規制していることです。

※全ての都道府県で規制しているかどうかはわかりませんが、少なくとも愛知県や長野県では実際に準工業地域での建築は認めてくれませんでした。

ではこれの何が問題かというと・・・

大店立地法は許可制度ですが、こちらは許可制度ではなく、10000㎡以上はダメということです。

都市計画法で定める都市計画地域というのは、そこに工業地帯を作りたいとか、そこに商業地域を作りたいとか、住居地域を作りたいという行政の思惑があります。

これは、公共施設を有効に配置したり、公害問題であったり、都市計画道路の計画であったりと、色々な問題が絡んでいます。また、地方行政が企業誘致(工場誘致)による税収の確保なども、そこにはあります。

しかし、往々にして起こることが、都市計画とは関係なく、物事が進むことがあります。

それはいくら、そこに工場を建設してほしくても、民間企業は物流コストや人件費などの問題などで工場用地として魅力がなくなれば、そこに工場を出さなくなります。また、既に準工業地域でもロードサイドに小売店や飲食店が建ち並ぶようになれば、地価そのものが工場に適さなくなる場合もあります。

では都市計画の用途地域そのものを変えてしまえば・・・と思うかもしれませんが

これがまた、物凄く大変なんです。

私は東京都下のある場所で工業専用地域から、準工業地域への変更を申請したことがあります。

申請した場所は準工業地域に隣接する場所で、隣接地にはスーパーマーケットや住宅で既に工場と呼べるものは一つもありません。当該地は数十年前に工場になり、現在は倉庫として存在します。

6m道路を挟んで、準工業地域と工業専用地域だったのですが、既に工業専用地域と言っても工場としての事業採算はどうやっても取れない場所です。

ですから、準工業地域に変更してもらって、別の事業を行う方が有効に活用できると考えたので、用途地域の変更を依頼しました。そこで言われたことは

「どんなに短期間でも10年は掛かるよ・・・」

でした。つまり、用途変更と言うのは経済事情にはまったくと言って良いほど、追随できないものなんです。しかし、街というのは一日一晩でできるものではないから、ちょくちょく計画を変更して良いものではないことは理解できます。

色々な手法を考えたのですが、こちらは何をやってもダメでした。

一番簡単な手法が、土地を二つに割って、10000㎡に届かない建物を2つ作ることです。しかし、改正都市計画法だけなら、それで済むのですが、条例で「一団の敷地に・・・」という縛りを儲けているところが多いんです。

つまり、隣接する二つの土地でショッピングモールの様に作るということが規制されてしまいます。

そこで、隣接してなければ良いだろうと考えて、間に開発道路(位置指定道路)を一本入れて、土地を分けます。唯一の方法がこれなんですが、その開発許可を通してくれるかが協議になります。もし、用地を取得してからその開発許可が通らないと、その土地は活用できなくなってしまうというリスクを抱えるわけです。

※用地を取得する前に相談すると、実際に開発申請をしてからの協議と言われます。

この法律により、商業地域や近隣商業地域という地価が高いところでしか大型店の出店を規制することになるのですが、それにより、それ以外の用途地域でのロードサイドで出来るのは10000㎡未満の小売店だけです。

これにより、大型の物販店は国内地方での展開を諦めることになってしまうわけです。

その結果、物販店は国内での産業拡大が見込めなくなり、市場を求めて海外に行くことになっていきます。

しかし、東京23区内などの都心部では、この改正都市計画法に抵触するほど、大きな土地はあまりありません。10000㎡以上の住宅地や工業地域を探す方が大変かもしれません。つまり、都心部に於いては、改正都市計画法よりも大店立地法との戦いになります。

※ちなみに昨年の宅地建物取引主任者試験で改正都市計画法の問題が出ていて、各掲示板サイトで話題になっていました。受験者の皆さんは、ちゃんと読んでおいた方がよいです。改正都市計画法についての過去問題は昨年しか事例がありません。ですから、過去問だけでなく、しっかり把握しておかないと問題が解けない可能性があります。

次回からはいよいよ大店立地法との戦いの成功例、失敗例の話を書いていきます。

次回から事例を書くから・・・

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お盆休み

今日の東京は暑そうです。

しかし、仕事です。

以前は8月15日を挟むjこの時期は、一斉休暇となることが多かったのですが

フレックスになり、みなさんがバラバラに休むので

こちらがそれに合わせると、なかなか、まとまった休みが取れません。

まぁ、仕事は無いより、あった方が良いので文句は言えませんが・・・

今日は物件紹介で大手マンションデベと打合せです。

実れば、いいですが・・・。

まぁ、不動産の世界は千三つなので、がんばります。

暑いけど・・・

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商業ビルのテナント賃貸 リテール系の場合

カテゴリ:テナント賃貸 / ブログ

商業ビルのリーシングで一番難しいのが・・・

新築で1階だけ決まって、空中階が全て空いているパターンです。

これは貸主が大手の不動産仲介会社もしくは事務所系や住宅系の仲介会社に依頼した時のパターンが多いです。商業系ビルの賃貸の難しさを何も解ってないとこのパターンに陥ります。

どんな、商売をされている方でも1階の路面に出たがります。

理由は簡単です。目立つからです。

ですから、商業ビルの場合、新築ができるとすぐに1階の申込が入ります。

しかし、そこでその申込を受けてはダメなんです。

まず、ビルを作る時に、この場所の客層はどんな客層なのかをちゃんとリサーチします。

その上で、2階よりも上層階で商売が成立するテナントのリストを作ります。そのテナントが必要とする専有面積がどれくらいなのかのリサーチをします。そして、空中階のテナント構成を決めた上で、1階のテナントを決めます。

商業系の新築ビルで大手不動産仲介会社が自社のホームページ、アットホーム、レインズなどを使い、さらに他の仲介会社を介するなどのバラマキ営業を最初からしている場合がありますが、このパターンが最悪です。

そして、1階しか決まらない状態になってからしばらくすると、うちの会社に泣きついてきます。最初から任せてもらえれば、決められたものを・・・と思うこともあるのですが、それでもその状況から、なんとかしようとは思います。

例えば1階に・・・

ユニクロやZARAなどのお店が、ど~んっと入ると、どんな物販店も2階には入りたがりません。(デパートや大型ショッピングモールは別です。)これは理由が簡単です。彼らが目立ちすぎるからです。神戸の元町の商店街の様にユニクロとZARAが隣り合わせになるのは問題ないと思います。同じ条件で出店していれば、むしろ相乗効果が狙えます。

しかし、ユニクロの上にZARAは出店してくれません。もちろん、その逆もまたしかりです。

彼らが出店してくれるとなれば、貸主は大喜びです。なぜなら、安定した量販店が入れば賃料収入も安定するからです。だから、出店申込があるとすぐに受け入れてしまいます。彼らが1棟丸ごと借りてくれればいいのですが、当然ですが必要な面積しか借りてくれません。

彼らが入ると、どんなに力のある商店街でも空中階は辛いことになります。

良い例が京都の四条通りにあるZARAです。2階より上は物販店ではなく塾です。これでも賃料収入が得られる状態になっているので最悪の状態ではありません。

商業ビルのオーナーの方は商業ビルのリーシングがちゃんとできる仲介業者を選ぶことが肝心です。

ちなみに、うちの会社では日本のかなりの広範囲の物販業、飲食業、美容室、カラオケ、ネットカフェ、アミューズなど様々なテナントで複数店以上の店舗を持っている法人が、どういう立地で家賃がいくらで・・・という条件を各テナントにヒアリングしたデータがあります。

そして、その場所にあったテナントに物件を紹介します。

オフィス賃貸専門の仲介業者がいます。

※三幸エステートさんやCBREや三鬼商事さんが有名です。

彼らには彼らなりの住宅とは全く違う、賃貸仲介の手法があります。

それと同じように商業には商業独特の賃貸の手法があるということを覚えておいてください。

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