レーサムのIRで見えるもの

株式会社レーサムが上方修正を発表しました。

平成21 年8 月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ

簡単に言うと、当初の予定では当期純利益276億円の赤字だったものが、267億500万円に赤字が減ったという内容です。赤字幅が当初の予定より8億9500万円減っただけなので、利益ベースでは大勢に影響のある話ではないのですが・・・。

問題はその売上げです。当初の予定では233億1000万円の売上げがある予定が、171億3800万円しかない。つまり、売上げは当初の予定よりも61億7200万円も少ないという事になります。

これが何を意味しているかと言うと・・・

233億1000万円の売上げに対して276億の赤字という事は、物件ごとの評価があるので単純には言えないのですが売上げ1億円に対して1億1840万円の赤字が出ると予想していたわけです。

ところが実際には171億3800万円の売上げに対して267億500万円の赤字ですから、1億円の売上げに対して、1億5582万円の赤字が出てしまったということになります。本来なら171億3800万円の売上げの段階では202億9100万円しか赤字が出ていない予定だったはずです。

今期の初めに不動産の評価損を計上し、それに基づいて不動産の売却を進めていったが、評価損を計上して簿価を減らしたにも関わらず予定通りに物件の売却が進まない。ところが、物件の売却をしてみると、思った以上に安くしか売れず、当初予定していた赤字幅に171億3800万円売った時点で到達してしまった。現在の赤字幅で物件を売却し続けると、あと5億7400万円程度の売上げで予定の赤字幅に到達します。(おそらく、都合のいい物件がないか、さらに粗悪な物件が残っているのかのどちらかでしょう。おそらく後者だと想像しますが・・・。)

売りやすいものから売却したことは間違いないと思います。

それでいて、この状況ですから、まだまだ酷い物件があるのかと思います。

・ 立地がイマイチな物件

レーサムの多くの物件は商業不動産が多いと認識しています。現在の商業系の不動産は銀座や表参道であっても、大通りに面しているか目抜き通りに面していなければ、まともな価格では取引されません。大通りや目抜き通りであっても、物件相場は半値?というような惨状です。一本、裏に入れば半値八掛け五割引なんて、状態です。そして、個人投資家が相手になってきます。

今までレーサムが売却できている物件を見ると、渋谷の駅前や明治通りに面している様な比較的好立地の場所です。

・ 好立地でも一番高い時に買った大型物件

原宿などの大型案件の場合、その頃は利回りで3%台を確保すれば・・・、等と考えていた場合、現在ではとてもそんな利回りで買ってくれるところはありません。その様な大型案件の場合、売却するととてつもない赤字が出るので売るに売れないという物件を持っているはずです。

この会社の場合、結構、権利関係の複雑な物件を自分達で綺麗にして売却するということをやっていたのですが(簡単に言えば地上げをして整形に、立退きをして更地に・・・)、この様な案件の中には自分達が考えていた以上に時間が掛かったり、上手くいかない場合もありますから、そういう物件はまだまだあるものと想定できます。

もし、レーサムのCFが周っているか、相当な内部留保があるのであれば、今は底値と見て、売り渋っているとも考えられますが、そんな悠長なことを言っている場合ではないと思います。

実際にはレーサムに限らず、倒産しないで頑張っている収益不動産に手を出していた多くの会社が同じ様な状態だと思います。IDUの様に全ての物件を手放して、会社規模を10分の1ぐらいにして、頑張っている会社もありますが(オークションも悲惨な結果になってそうですが・・・)、ジリ貧であることは同じだと思います。また、上場していないので、その状況がよく解らない会社もあります。

底値かもしれませんがこの状態がもう少し続くと、再び不動産会社の倒産が始まると思います。


おやすみなさい~~~

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『両手取引禁止』は見直し ~続報~

続報と言うか・・・

さて、民主党前原国土交通大臣が見直すと言った根拠は・・・

 

・中小零細の不動産業者から相当数のクレームが来た。

『当然でしょ・・・』

・実際にやったら(法律を施行したら)、やっていけなくなる業者がでる。

『それも、当たり前だろ・・・』

それでも

『複数の業者で仕事を回せば、成立はするのでは・・・』

とも言っています。

ということは、即座に全面撤回するという訳でもなさそうです。

どうも民主党がやりたかったのは提案者である長嶋氏の『双方代理の禁止』(利益相反)よりも、『両手取引を業者が狙い、物件情報の囲い込みにより流動化が妨げられている』ということにメスを入れたいようです。

たしかに、大手不動産仲介業者にはそういう傾向が見られます。

例えば、半民半官が持っている物件をバルクで処理しようとします。

その場合、その組織は大手不動産仲介業者にいくら位で売却できるかのプレゼンテーションをさせます。

※もし、情報が本当に広く開示されれば、誰が仲介しても一緒のはずと思われるかもしれませんが、実際にはそうでもなかったりします。買主へ、物件の利用方法などのプレゼンテーションが如何に出来るかなどが重要なポイントになります。

そして、そこで選んだ業者に専任で物件を渡します。

この専任で物件を渡すところがポイントなんですが、よくあるのが売り側の仲介手数料ゼロです。

なぜなら、赤字大放出だからです。

とすると、専任で落とした業者はなんとか、買いの手数料は満額欲しいので、他の仲介業者を入れないように情報を買主に絞って開示します。また、細かい情報については『購入意思のある守秘義務契約書』を入れさせます。この様にして情報の囲い込みを行っていきます。

上記の例は実際に、つい最近、あった話なんです。

そして、ある物件を欲しいと思っているお客さんがいたので、その物件の所有者(半民半官みたいな組織)に問い合わせたら、「仲介業者に聞いてくれ」と大手仲介業者を紹介され、「手数料は渡せませんよ・・・」と・・・。

これでは、うちは商売にならないので、私は買主さんに情報の提供が出来なくなってしまいます。

では、この場合、何が問題なのかというと・・・

この大手仲介業者はたしかに買い側の手数料を分けてしまうと、あまりに妙味の無い仕事です。ですから、なんとか自分のところで客付けをしようとする気持ちは解ります。

しかし、ここで最大のポイントは売主側が高値で売って欲しいと思うのに仲介業者に手数料を払わないところから、問題が発生しています。

せめて、成功報酬になるような契約にしておかなければ、絶対に高く売れないことは必至です。

もっとも、これを避ける為にプレゼンによる仲介業者の選別をしてるのかもしれませんが・・・。(効果はありません。)

この様にたしかに片手取引にすると弊害が出るのですが、逆に言うと、売主もしくは買主が仲介手数料を出さない場合など、どの様に対応するのだろうという疑問が発生します。

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『両手取引禁止』は見直し

日経ケンプラッツの記事より

不動産仲介の「両手取引禁止」は見直し、前原国交相

※閲覧する為には会員登録(無料)が必要です。

私も有料会員ではないので全文は読んでいませんが、前原国土交通大臣への取材で「両手取引禁止」の方針を全面的に見直すとのことでした。

民主党も政権を取ったことで、少し実状が解ったということでしょうか・・・。

もっとも『全面的に見直す』とある様に、単純に従来通りにするのか、それとも新たな方向で進むかはわかりません。今のあり方が全て正しいという訳でもないので、なんらかの方策が出てくるような気もします。

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不動産市場 大底打ちVS二番底

今週の週間東洋経済は

差し迫る構造大転換

マンション

ゼネコン

不動産

と文字の色も真似て見ました。

・・・真面目に書きます。

書いてあることは業界にいる人間なら殆ど知っていることなので驚くことはないのですが、そこで面白いのが今後の不動産業界の予想です。

(ゼネコンの将来はもう真っ暗という感じで筆舌につくしがたいという感じです。って、ちゃんと書いてあるけど・・・)

で、不動産業界の予想は

『大底を打った!』Vs『二番底がある!』


の双方の予想があることです。


業界側の人の意見を要約すると・・・

「大底は打ったが、大きな市場回復は当面の間、見込めない。」

調査会社やマーケティング会社は

「政府の景気対策息切れで、所得が回復しなければ二番底はある。」

という見解でした。

まぁ、どちらとも捕らえることができるのですが・・・

自分の意見を書くと、まずは

実需の市場にはやはり二つの可能性があります。

日本の製造業市場は中国経済が堅調であることが確認されたことから、急激な悪化は避けられると思うし、ブラジルにオリンピックが決まったことでBRICsのBが経済発展を約束された感じがありますから、アメリカ合衆国の経済も上向いてくる可能性は高く、円高懸念さえ払拭できれば、景気そのものは落ち着いてくると考えるのが自然です。

たしかに、CMBSなどの金融不安はあるものの、実需面が回復してくれば、所得が落ち着いてくることから、オフィス市場やマンション市場の実需面は東京から回復してくると思われます。

問題は亀井さんが吠えているモラトリアム法案です。

たしかに中小企業などで借金に苦しんでいる会社は救われる感じがしますが、金融機関は必然的に貸し渋りをせざる得なくなります。住宅ローンも、査定が厳しくなることは必死です。また、同様に新規の設備投資に対し、金融機関の査定が厳しくなれば、オフィス市場も苦しくなるでしょう。

メディアなどが報道している、モラトリアムの間の金利等を政府が補償すれば、その財源の確保そのものが危うくなることも十分に考えられ、結局は優良資産が動かなくなることは必至です。

そのことから、実需面での二番底は『亀井さん次第』と言ったところではないでしょうか・・・。

投資用不動産市場は二番底があると考えています。

現在のJREITは官民ファンドの効果もあって、少し落ち着きましたが、その効果もそろそろ息切れ気味だと思います。個人的にはJRIET同士の合併などで、拡大しすぎた市場をある程度、安定させる方向に民間の力で向かわせるべきだったと思うのですが、そこに政策投資銀行という実質上『官の力』を投入したことで、延命処置をしてしまいました。景気さえ、回復すれば、その延命処置により、自然回復すると考えたのかもしれませんが、結局のところは、それが実態経済に即してなければ、その『官の力』が無限でない限り、息切れします。

日本の不動産市場の場合、外資による制限がないですから、外資が大量に流れ込んでくれば別ですが、欧米市場から大量に日本の不動産市場に資金が流れ込んでくることについてが懐疑的です。もっとも中国などの新興国の資金やアラブ系の資金が流れ込んでくる可能性はあります。

しかし、先のダヴィンチのPCPの様にデフォルトするケースも多発することが考えられます。そうすれば、その物件が格安で出回ることとなりますから、それに向かって二番底が十分に考えられます。

この事から、実需市場で無理をしないということが現在の不動産業界の生き残る道かと思います。投資用不動産市場はニッチな世界で細々と・・・と言ったところでしょうか。

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鞆の浦景観訴訟

最近のニュースには時々、驚かされるものがあります。

ポニョの件はさて置き、公共事業に対して、景観を理由に差し止めの判決が出るというのは・・・。

記事をコピペしておきます。

 万葉集に詠まれ、昨夏大ヒットしたアニメ映画「崖(がけ)の上のポニョ」の舞台ともされる瀬戸内海の景勝地・鞆(とも)の浦(広島県福山市)の埋め立て架橋事業をめぐり、反対派住民らが知事の埋め立て免許差し止めを求めた訴訟の判決が1日、広島地裁であった。能勢顕男裁判長は「鞆の浦の景観は住民だけでなく国民の財産というべき公益で、事業により重大な損害の恐れがある」として原告側の請求を認め、免許差し止めを命じた。

 歴史的景観が地元住民にもたらす「景観利益」保護のために大型公共事業を差し止める初の司法判断。免許認可をめぐる国の判断に影響するのは必至で、県と福山市の計画策定から26年の同事業は見直しを迫られることになる。

 能勢裁判長は判決理由で、事業について「公有水面埋立法には住民らの景観利益を保護する目的があり、慎重な政策判断がない限り計画は不合理」と判断。「侵害された景観利益は事業が完成すれば復元が不可能だ」と指摘した。

 そのうえで県側の主張していた渋滞解消や下水道整備といった利便性向上について「必要性、公共性の根拠について調査、検討が不十分。埋め立ては行政の裁量権の範囲を超えている」とし、差し止めが必要と結論付けた。

 住民側は常夜燈の残る港や古い町並み、島々を一体的にとらえ「良好な景観を享受する利益がある」と主張。県側は利便性向上を根拠に必要性を主張し「景観利益は公共のもので、住民ら個々人は対象外」と反論していた。

 判決などによると、県と市は港の一部を埋め立て、湾を横切る全長約180メートルの橋の建設を計画。県は昨年6月、埋め立て免許について国に認可申請したが、審査は中断している。

出典 産経新聞


事前に書いておきますが、判決そのものを批判するものではありませんし、この判決そのものには、ちょっと賛同するところもあります。

しかし、ポイントは「鞆の浦の景観は住民だけでなく国民の財産というべき公益で、事業により重大な損害の恐れがある」という部分です。

「○○の景観」というのは、どこにでも存在します。

鞆の浦の場合は『国の名勝』『国立公園』にも指定されている場所ですから、本判決が、この部分の景観が国民の財産であるという評価であるのならば、この判決は極めて限定的なものになります。

しかし、この鞆の浦問題に『国の名勝』や『国立公園』という言葉はあまり出てきていない。どちらかと言えば、『歴史的な景観』という言葉が目立つ。

この『歴史的な景観』の定義が曖昧なために、今後、この判決が乱用される可能性があるのではないかという懸念もある。

私が、本判決を支持する理由はこの架橋計画そのものが四半世紀も前の計画で、鞆の浦地区の人口が既に9000人から5000人に減少し、そもそも計画を立てたときと状況が全く違うことにあるからである。もちろん、景観を守らなければならないことは重要だが、公共事業を含める、再開発の計画などは時間が掛かることはよく解るのだが、経済環境や人口動態の変化などをよくよく考えるべきではないだろうか?

八ツ場ダム問題もそうだが、公共事業というのは一度始めると、その保障、自然景観の破壊など取り返しが極めて難しい。ただ、長期に渡る計画の公共事業は、例えば「5年おき」になど、定期的にその計画の必要性や内容の妥当性を検討していかなければならないのではないだろうか?

民間事業者が例えば、大型の再開発事業を行う場合は当然だが、販売価格や事業内容は常に見直しながら行っている。これは民間事業者が常に収益と戦っているからである。公共事業が目先の収益と戦ってはいけないのは当然だが、日本の経済環境や人口動態に合わせた最低限の見直しはしなければならない。

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抵当権と不良債権

本日、首都圏マンション販売戸数が出ていましたが相変わらずの2000戸割れでした。

理由は消費の落ち込みによる販売不振と、在庫処理による新規の差し控えによるとニュース記事には出ていますが、そこそこ元気なマンション業者は来期以降の販売用不動産が無くて困っています。

しかし、土地はあるのに販売用不動産が無くて困っているというのは・・・

現状の市況に合致する販売価格の土地が無いという事です。

実際に不動産価格が底値に近い状態だと言う事は解っているのですが、問題はこの底値に近い状態がどの程度続くかは解りません。

最近、こんな話がありました。

現在進行形の案件の為、場所と値段は話せませんが・・・。

その案件は業者Aが立退きを行って、マンションを作る為に平成19年に購入した物件でした。

ご存知の通り平成19年から土地の値段は下落を始めます。

立退きを行っている間にその土地は大幅に値下がりをしてしまいました。

業者Aはノンバンク系金融機関Bから、抵当権による融資を受けて、その物件を購入しました。

しかし、金利もあるし、現在事業化しても利益を見込むことが極めて難しい状況であることから土地の売却を検討しました。

そこで、今年の初めに仲介業者を介して、多くのマンション業者に打診すると、概ね10億円(仮)程度の解答しかありませんでした。当然ですが、借入額ははるかに高い金額です。そして、10億円で抵当権を外すように業者Aは金融機関Bに交渉しました。

結果は門前払い・・・

「14億円以下では抵当権は外せない!」

でした。

しかし、金利負担も大きく、業者Aはなんとか土地を売却する為に再度、その物件の売却を図りました

あまり、結果は変わりませんでした。どの大手も前よりも低い金額を言ってくるのですが・・・

1社だけ12億円!という価格を出してきました。

この価格は私が見ても採算ベースギリギリかな?と思う価格でした。

14億円には届いていませんが、これだけの業者に当って、1社だけ飛びぬけた高い金額です。このチャンスを逃せばしばらくこの物件は売却できないだろうな・・・と思いました。きっと、金融機関も納得するのでは?と思い、業者Aは再度、金融機関Bと交渉しました。

結果はさすがに門前払いではなかったのですが・・・

※まだ、交渉中です。

「来年になれば不動産価格は上昇に転じます。だから、焦って売却するのは辞めましょう。どうしてもというなら、やはり14億円で・・・」

という回答でした。

実は、この類の話はバブル崩壊後の平成5年ごろから平成14年ぐらいにかけて、沢山あった話です。

金融機関が損切りしたくないから、抵当権を解除しない・・・

その結果、持っている業者も破綻し、金融機関も不良債権処理が遅れ、結果としては金融破綻に繋がったのですが、なんの反省もありません。

というか、もうバブル崩壊後の不良債権処理が遅れたことを忘れてしまったのか、知らないのかもしれません。たしかに、バブル崩壊から、もう20年経っていますから、その事を知らない人も大勢いると思います。

その金融機関の言うとおり、来年になったら土地の価格が上昇に転じるかもしれません。それは否定はしません。実際に底値に近い状態であるとは思います。

しかし、それが上昇に転じなかったら・・・。

いずれにしろ、現在の混沌とした状況では極めて予想は難しいと言ってよいでしょう。

とするならば、現在の状況下でベストの価格で売却し、不良債権は処理しておくべきなんですが・・・。

現在、交渉中の話ではありますが、その金融機関がその事に気がついてくれることを切に願います。

ちなみにバブル崩壊後、日本の土地の値段が底を打ったのは平成11年ごろです。しかし、土地の値段が上昇に転じ始めるのは平成16年~平成17年ごろです。つまり、底値の状態が5~6年間続いたわけです。

金融機関の責任で多くの人達が疲弊したということをもう一度よく考えて欲しいと思います。

高値の土地を掴んだ業者も責任はありますが、金融機関は金融機関の本来の社会的責任と社会的存在意義を認識してもらいたいものです。

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資金回収期間とタワー離れ

最近、ある纏まった土地の仲介をしています。

場所は言えませんが23区内の私鉄駅から程近い場所で、最寄の地下鉄の駅までも1km以内の場所です。

山手線のターミナル駅まで電車に乗れば10分以内に着きます。

土地の大きさも細かくは書けませんが300坪以上はあります。

商業地域で容積も500%で、500%を消化できそうです。

見た瞬間に、ファミリーマンションやれば、相当売れるだろうな・・・。という立地でした。

そこで、ファミリーマンションをやる大手や電鉄系の不動産会社に持ち込んだところ・・・。

軒並み消極的な態度です。

実は、この場所にマンションを作って、容積率を500%使い切ろうとすると、10階建てないし、11階建てのマンションが出来上がることになります。

とすれば、設計期間と工事期間を併せると工期は約2年です。

デベロッパーはこの間に資金回収が出来ないことが、消極的になっている一つの理由です。

また、高容積率の場所はすなわち、商業地域です。

どんなに、マンション向きの土地であっても住宅地ほど、1種単価は安くありません。

※1種単価:容積率100%辺りの坪単価。例えば容積率500%の場所で土地代が300万円/坪ならば1種単価は60万円になります。

とすると、その分、土地代が高くなります。

故に、タワーマンションにして付加価値を付けて販売しようとしていた訳ですが、昨今の景気で専有単価が高いマンションの需要が激減しているために、高容積率の場所でのマンションが冒険になっているわけです。

一時は湾岸エリアなどのタワーマンションが流行っていたのですが、近郊の低容積率地域の土地の方が良いといいます。また、30戸~50戸ぐらいのマンションの方が良いというデベロッパーも多いです。これは儲からなくても販売不振だった時の損害が少ないからというのが理由です。

なんとか生き残ったデベロッパー達も、今は利益追求よりもリスク回避でローリスクローリターンの安全牌路線と言ったところの様です。

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不動産の底値・・・

最近、不動産投資を行う会社の方に、

「そろそろ、底値ですかね?」

と、聞かれます。

非常に難しい質問です。

たしかに下落幅が少なくなってきたのは事実なのですが、去年のペースで今年も来年も落ちたら、不動産価格がゼロ以下になってしまう場所まで出てきそうです。

つまり、価格が低くなってきたこと、取引事例が少ないこと、また、取引が路線価付近で行われることで、土地の下落が落ち着いてきたのだと考えられます。

そこで、この質問には・・・

「現在の不動産価格は不動産の投資利回りで決定しているのではなく、実需、つまり住宅の市場によって決定される部分が大きいと考えています。とすれば、雇用と所得に不動産価格が連動すると考えています。」

「では、そろそろ、底値と考えていいですかね?」

『今の回答から、どうしてそういう結論に達するんだ?かお

とも思うのですが・・・

「雇用と所得を決定するのは私じゃないですから、なんとも・・・」


「相澤さんはどう思われますか?」

「普通に考えれば、底値に近いのでしょうね。ここからは私見になりますが、政権交代とインフルエンザがどう影響するか・・・」

そろそろ、底値になってもらわないと、こちらも大変なのですが・・・不動産の仕事をしていると、どうしても景気に左右されがちです。

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パシフィックホールディングス

そろそろ、のりピーのニュースにみんな飽き飽きしているとは思うのですが、今だにのりピーのニュースでどの番組も盛り上がっているのは・・・。と、そんなのりピーのニュースに隠れて、先週はこんなニュースがありました。

8月18日 日本レジデンシャル投資法人とアドバンス・レジデンス投資の合併

8月21日 米不動産大手、日本市場に参入=破綻の運用会社買収、国内最大級に

まず、日本レジデンシャル投資法人はパシフィックホールディングスが運用していた住居系のJ-REITで、それを伊藤忠商事が運用する会社が買収するという。

そして、8月21日のニュースはちょっと驚いた。

内容は・・・(時事ドットコムより転載)

米国の大手不動産サービス、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドが、経営破綻(はたん)した国内不動産運用大手のパシフィック・インベストメント(東京都)を買収したことが21日、分かった。取得額は明らかにしていない。クッシュマンが国内企業を傘下に収めるのは初めてで、日本の不動産市場への本格参入となる。24日に正式発表する。
 買収後の資産運用規模は約2300億円に上り、単独企業としては国内最大級。クッシュマンは「日本の不動産市況は底打ちが近いとの指摘もあり、運用事業に進出するには最もいいタイミングだ」と話している。
 会社名は「クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド・アセットマネジメント」とする。パシフィック社は経営不振のため3月に会社更生手続きの適用を東京地裁に申請。関係者によると、買収は6月に完了し、事業開始の準備を進めている。(2009/08/21-17:23)


アメリカでは、まだまだサブプライムローンの問題で担保行使されている様な状態にも関わらず、不動産会社が買収してくるというのだから驚きました。

日本の不動産会社でパシフィックホールディングスを買収できる会社は無いだろう・・・。あるとすれば、商社系かな・・・と思っていたら、アメリカのアセットマネジメント会社・・・。日本の金融機関と比較するとアメリカの金融機関は転換期に来たと見ているのでしょう。

これは、前回のバブルの時にも同じようなことがありました。

平成7年にケネディウイルソンは日本に上陸。平成11年には日本国内初のノンリコースを・・・と我々がまだバブルの爪痕に苦しんでいた時にすでに、市場参入をして一番美味しいところに投資を開始していました。

今回の不景気が前回のバブル崩壊と違うのは、前回よりも急激に景気が落ち込んだということです。不動産価格の下落もバブル崩壊の際には10年掛けて落ちていきましたが、今回は僅か2年で・・・。という具合です。

スパイラルのタームが短くなっています。

日本はまだまだ、金融機関が蛇口を開かないので積極的な投資は難しいかもしれませんし、前回、積極的に投資をしていた会社はまだ不良債権の処理に苦しんでいます。

滅びかけた大きな爬虫類が苦しんでいる間に、小さな哺乳類が少しずつ動き出しているのも事実です。

たしかに、まだまだ苦しい時代だと思います。

賃料の下落、空室率の増加、消費の低迷・・・。

しかし、動き出すと一気に行きます。

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事務所ビルの底打ち・・・

さて、今日の日経不動産マーケット情報にちょっと明るい記事が出ていました。

【調査】小規模オフィスの取引が増加、市況に底打ちの兆し

たしかに、最近は大型ビルの取引事例はあまり聞きませんが

小型のオフィスビルの取引は少し増えたような気がします。

もっとも、パターンは

新興系不動産が借入金の返済、金利負担に耐えられないなどの理由から完全損切りで放出

平成19年まではあまりハデに買っていなくて怪我をしなかった法人が購入、個人投資家が購入、もしくは実需目的(自社ビルに使うなど)での購入

というパターンが多いです。

しかし、東京山手線内側でNET10%以上

価格も10億円未満

という、市況です。

ですから、

『底打ちといえば底打ちに近いかもしれませんが、まだまだアップトレンドになる様な気配は感じられない。』

という状況です。

ニッセイ基礎研究所の8月11日のレポートでは

底値は近い?東京都心部Aクラスビルのオフィス賃料

こんな記事も出ていました。

たしかに底値に近いでしょう。

もう、これ以上、下げれば賃料収入があっても、金利を含む支出に絶えられなくなるビルが多数あります。

また、安い賃料で入居させてしまえば、少し景気が上向いてきた時に賃料アップをしたくても交渉しなければならないというリスクから、空室であっても賃料が下げられないという現象が発生しています。

『底値には近いが空室率の改善がまだ見込めない・・・。』

という状況かと思います。

必ずしも、手放しに喜べる記事ではありませんが、底打ち感は拡がっています。

あとは、景気そのものの回復がキーポイントになりますが・・・

選挙とインフルエンザ・・・怖いなぁ・・・と思う次第です。

業界はまだまだ苦しいから、せめて・・・

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