日本の不動産の行方
昨日から、Yahoo!の経済ニュースに「弁護士業界も熱視線!?賃貸住宅の更新料の瀬戸際」という記事が出ていました。
まぁ、更新料のニュースが出た頃から、ハイエナ弁護士がたかるだろうことは、想像はしていたので、これ自体は驚くことでもなんでもありません。
東京では、エイ○ルやら藤○不動産やら・・・みんな、更新料を取っています。
どちらかというとオーナーのためと言うよりも、不動産会社のためです。更新料が無ければ、この業界で生きていけない不動産会社って沢山あるのが現状です。
特に、街場の小さな不動産会社で、管理物件が少なく、流動性が少ない物件しか持っていない不動産会社にとっては、尚更のことでしょう。
今の日本の住宅産業がどうやって支えられていたかと言えば、安い労働力(職人)を使って、現場で手作業で家を作ることで成り立ってきました。これは、木造の一軒家に限った話ではなく、建築業界全体に言えた話です。
そもそも、戦後の復興期(昭和25年~35年)に
「とりあえず、人の住める家を・・・」
で、建てられた家というのは、それは当時の技術を考えても、かなり、粗末なものでした。当然に、住宅の寿命にも限界があり、バラつきはあるものの、30年程度が限界だったと考えられます。人口の増加と戦後復興期に建てられた家の建替え需要で、今まではそれなりに、住宅の需要はありました。しかし、これからの住宅寿命は50年~70年はありますから、次の建替え需要による、住宅ラッシュは今世紀の後半、2070年~2090年ごろと想定されます。
※ 材木は生きていた年数、建築材料として保つことが出来ます。鉄筋コンクリート造の場合なら、セメントが中和されるまで保ちます。それが50~70年の根拠です。
問題は、これからです。最近、マンションの建替えをやり安くする為(経済対策の一環として)に容積率の緩和を行うことが発表されていましたが、実際にどの程度、必要があるのだろうかと思いました。
住宅の需要が多ければ、当然に有効な手法かもしれませんが、住宅自体は、完全に供給過多で、余っているのが現状です。人口は確実に減る訳ですから・・・。
そこにマンションの緩和を使って、新たにマンションを販売しても、そのマンションを買う人たちが、住んでいたところが空室になります。
また、建物だけではなく、日本の建設産業や不動産業というのは、いずれにしろ、需要に対して、人間が多すぎるのは間違いありません。
不動産業というのは、一応、不動産会社の5人に1人は宅建の免許を持っていることが条件となっています。これは、建設業と比較すると意外に厳しい条件ですが、持ってない人には失礼ですが、宅建の試験とは、扱う商品の額や実務レベルで必要な知識と比較すると、おそろしく簡単な試験です。
実際に、宅建など、不動産未経験者の主婦が試験を申し込んでから勉強しても、やり方さえ間違えなければ、受かってしまいます。
宅建を持ってたら不動産のことが解っているかというと、それもぜんぜん違います。
建設業に至ってはもっと甘いのが現状です。
例えば、一級建築士が一人いれば、あとの実務担当が無資格でも、その設計事務所はやっていけます。極論を言えば、一級建築士が一人で、あとの100人が全員無資格でも、設計事務所として成立するのです。
これでは、一級建築士になるのが、どんなに難しくても意味がありません。
この辺りは改善していかないと、本当の意味で知識のある人や技術力のある人が生きていけなくなってしまいます。
挙句の果てに、建築士でも無い人間が、なんちゃらインスペクターなどという、資格を作って、住宅を診断していたりします。もっとも、この資格を持っていないと今のところ、住宅の診断が出来ないと言う訳ではありませんがアホらしい話です。
簡単に言えば、欠陥住宅を素人が診て、金儲けをしようという資格です。
もっとも、設計で食っていけない建築士がこの資格を取得しているという話も多々聞くので、あながち、素人じゃな方もいるかもしれません。
※ ちなみに、住宅の性能を評価する資格に、住宅性能評価員という資格もあるのですが、こちらは、建築士が前提条件の資格です。
また、建設業や不動産業のGDPに占める割合が大きく、経済効果が大きいのはよく解ります。
しかし、建物や不動産というのは、目先の経済よりも長期的に考えないといけないものです。
景気浮揚のために容積率を緩和して、マンションを一定地域に大量に作れば、保育園や小学校が足りなくなります。しかし、その子供たちが成長すると、今度は中学校が足りなくなります。そして、作った、保育園や小学校は、今度は一転、生徒が足りなくなり、教室が余ったり、私立の保育園は廃業になります。
その子供たちが同一エリアに住む余地は、おそらく無いでしょう。
そして、40年後には高島平団地の様な高層マンション群が出来たりします。
50年後に東京ベイエリアが、限界集落なんて言われているかもしれません。
もっとも、それより前に温暖化で海水位が上がり、とても住める場所では無くなっている可能性もあります。
本来の都市計画とは公共のサービス(学校や図書館、病院、公民館、役所etc)を中心に、循環型の住居地域を形成しなければ、長期的に見れば破綻することになるの必然です。こんなことは、大学で都市計画を学んでいる人なら1年生でも知っていることのはずです。
今、日本の景気はバブル崩壊以降、立ち直っていませんが、おそらく、今後、劇的に改善されることは無いと私は考えています。ある一定のところまで人口が減って、そこから増えだせば別ですが・・・。まぁ、私の目の黒いうちには無理でしょう。
建築や不動産を、そして経済をもう少し、まじめに考えていかないと、将来の日本に暗い影を落とすと思う最近です。
経済政策と外交 民主党の代表選について
民主党の代表選についてです。
結果から書くと、どっちがなってもなんの改善もされないと思います。
クリーンな菅さんか、なんかしてくれそうな小沢さんか・・・
ということが、論点になっています。
この選挙、不思議な感じがします。
政治家の行う経済対策というのは一般的に総需要管理政策にもとづきます。
しかし、この総需要管理政策は景気が悪いときに、財政出動しているときは、民主主義国家の政府は人気(支持率)が高まります。
しかし、好景気の時に金融引き締めを行ったり、大きな財政赤字を抱え、不景気にも関わらず、増税をしなければならなくなれば、その人気は下がるのが一般的です。
ところが、菅さんは増税&財政出動の縮小(子供手当等の削減等)を言い、小沢さんはそれを牽制する発言をしているのに、民主党以外では国民の支持は菅さんが圧倒していると言って良いでしょう。
これは何を意味しているか・・・
「簡単に言えば、どちらがなっても似たようなものだ、ならば、クリーンな人の方が・・・」
というのが国民心理だと思います。
個人的には長期的な経済対策等に関しては、小沢さんの方が菅さんよりも良いと思います。
短期的には財政出動、長期的には内需依存社会の構築。
これは概ね正しいと思います。
菅さんは経済観に関しては知識もゼロに近いのではないかと思います。
オバマさんのグリーンニューディールの真似だったり、介護ビジネスに財源を注ぎ込み、そこに雇用が生まれるから景気が回復するとか・・・。挙句の果てには林業が・・・。
エコビジネスは技術が伴って、化石燃料よりも安価な代替エネルギーが出現しなければ、その差額を税金で補うしかありません。
介護ビジネスのもとのお金は、年金と税金から発生します。ただでも足りない、年金や税金をあてにするビジネスですから、年金や保険料の料率アップや増税を行わなければ成り立ちません。
住宅需要に限界のある中で林業が、経済に与える影響って・・・
(エコや介護に税金を使うこと自体を批判している訳ではありません。また、林業そのものを批判しているものでもありません。)
ただ、経済政策だけの問題なら小沢さんなんでしょうが、小沢さんの一番怖いのは外交です。
親中国というよりも、国家間バランスや、近隣諸国の動向にあまりに疎い感じがします。それにセンスも皆無の様な感じがします。
菅さんも解ってないでしょうが、この人の場合、自分の意見なんて殆どなく、単に政治家として、上に行きたいだけの人みたいですから、周りの言う事を聞くタイプなので、外交に関しては、乱暴なことはしないと感じます。
刹那
本日の記事は決してエコ活動や、温暖化対策、介護事業を私が卑下しているわけではないことを予め書いておきます。
掲題は、仏教用語で時間の最小単位を表す言葉です。
今日のWBSで『エコ疲れ』の特集をやっていました。
当然のことだと思います。
そもそも、エコと経済の連動性というのは難しい話です。
私の中で・・・
エコや温暖化対策というのは、人類が今までやってきた、環境破壊の報いを受ける時代に突入したことに対して、環境破壊によって享受した利益に対して、今度はどうやって、それに対して、人類が犠牲を払い、それに対処するかである。
と考えています。
太陽光発電を例にとって考えてみます。
私は住宅を作り売る仕事をしていました。
太陽光発電そのものは、ここ2,3年で登場したものではありません。太陽光発電というと、最近のものの様に感じますが、太陽電池と聞けば、皆さんも
「昔からあるな・・・」
と、思うと思います。
事実、太陽電池は、19世紀には、その原理は発見されていましたし、20世紀半には、実用化されていました。(と言っても人工衛星とかですが・・・)私達、民間がそれを利用したのは、計算機やデジタルの腕時計など、液晶が登場したことによるものだと思います。そして、それが小電力であることと同時に、今まで乾電池や水銀電池という電力コストが、太陽電池を上回るものでした。
ところが、環境問題が言われるようになると、太陽光発電が注目を浴びるようになります。
太陽光発電の住宅も最近は、非常に売れているようですが、10年前は1000軒に1軒売るのでも大変な時代でした。最初は、環境問題を考える方でも、お金持ちの方が、
「私は地球環境を考えると太陽光発電が・・・」
と言って、屋根に太陽光発電を設置してくれました。
では、何故売れるようになったのか・・・。
これは、太陽光発電の設置を何年で回収できるかという問題になります。現在は、概ね10年で回収できます。
太陽光発電の設置時の助成金と買取り価格の電力会社の負担が大きくなったおかげです。
考え方の問題ですが、もし、太陽光発電の設置(初期投資)に200万円掛かったとします。これを10年で回収できるとすれば、毎年20万円の収入があるのと一緒です。
とすれば、これは10年間引き出し不可能の定期預金で金利が10%と同じ計算になります。この低金利時代ですから、随分と美味しい話です。
ところが、実際に、この利回り10%を支えているのは何でしょうか?
税金です。
しかし、その税金を払っているのは、太陽光発電の恩恵を現在得られない人も支払っています。
では、自分もその恩恵に与ろうとして、全員が太陽光発電を自分の家に設置すると、その設置にかかる助成金=税金は、だれが支払っているのかというと、自分自身が支払っていることになります。つまり、太陽光発電そのものをミクロ的に見れば、高利回り商品ということになるのですが、実際には、その分、税金が上がることになるか、それを赤字国債に頼ることになるので、結果的には税金に頼ることになるので、実際には高利回り商品でもなんでもないことになります。
ところが、自分もその恩恵に与ろうとしても、できない人もいます。つまり、初期設備投資をできない人です。このエコビジネスは、初期設備投資をできない人たちが、初期設備投資をできる人たちを支えるシステムと、私は考えます。
仮に、初期設備投資をできない人たちに、その費用を貸し出せば、この高利回りは、前述の通り、理論が瓦解します。
無限エネルギーは、人類の夢ではあるが、それは実現不可能であることと一緒です。
しかし、地球温暖化問題は考えなければならない問題です。
エコはビジネスにしようとした時点で、人類は負けです。
エコビジネスによって、雇用を創出できるかもしれませんが、その費用は誰が出すのでしょうか?
この話は高速道路の公共事業とは全く違います。高速道路によって劇的に運搬が改善されれば、それは大きな経済発展に繋がります。
しかし、地域の人が不便だからと言って、そこに高速道路を作っても、この設備投資は回収されません。
エコビジネスによって、刹那の期間、雇用の創出ができても、それは現在生きている人間が回収できる経済発展には繋がることはなく、遠い何世代も後の人類が、『そのおかげで生きていられる』と言う事になるだけなのです。
つまり、エコとはビジネスにするものではなく、人類が平等に犠牲を払うものでなければ、成功はしないものなのです。
もし、これをビジネスにするならば、さらに大きな犠牲をエコビジネスに関わってない人が支払うか、地球温暖化を含めるエコ活動を人類が辞めてしまうことに繋がると私は考えています。
食料と経済
終戦から65年ということで、戦争に関する番組が多々やっていました。
皆さんは『芋粥』を知っていますか?
芥川龍之介の小説ではありません。
この場合は『芋弦粥』と言った方が正しいでしょう。
私の叔父(父の兄)は未婚で70歳を過ぎています。その人に電話をして、自分の父親が病気であることを伝えると・・・
「芋粥しか食べないで育ったからねぇ・・・」
と言い出しました。私が電話をしたのは叔父が心配だったからでしす。老人の孤独死とかよくニュースで聞くから定期的に連絡をするために・・・。
私の父は確かに、現在、病気で入院していますが、とても芋粥しか食べないで育ったような体格はしていません。
しかし、祖母にも私の父に
「芋粥しか食べさせて上げられなかった」
という話は聞いたことがあります。
きっと、食料が本当に少なかった時代というのは、想像ができます。
さて、今日、ロシアが穀物輸出禁止を発動するというニュースがありました。
これにより、穀物価格が10%~20%値上がりする。とありますが・・・
この問題はここに留まる問題ではありません。
日本は『米』こそ、過剰生産していると言われています。
中には、
『本当に美味しい米を作れば儲かる』
という人もいます。
大事な問題はなんでしょうか?
食料とは、国力を揺るがす最大の問題です。
経済という、『玩具』の材料ではありません。
経済的に儲かる食料を作るのは自由です。
しかし、本当の意味で我々の食料を維持するために必要なのは・・・
時に、ボーダレスを楯に、
『日本が食料自給率を上げる必要性は無い』
という人がいます。
では、聞きます。
『貴方が自分の畑を持っていて、自分の食べる物以上のものを生産できなくても、隣人に売りますか?』
今、この問題は目の前に迫っています。
『衣食住』と言いますが、究極の選択ですが、一番大事なものはなんですか?
『食』は『衣住』よりも大事なものです。
この問題を軽薄に考えて、私利の為にだけ生きる人を私は侮蔑します。
日本の農業を本当に支えているのは、改善の余地があることを承知で言いますが、兼業農家を含む農家です。
日本人が自分たちの力で生きていくために、厳しい世界に目を背けないことも大事ではないでしょうか?
ツイッター
今日、Yahoo!JAPANのトップにこんなニュースが出ていました。
「オレのつぶやきに誰も反応してくれない」 「ツイッター疲れ」でやめたい人々
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100815-00000000-jct-sci
そもそも、個人的には、ツイッター(ミニブログ)もブログもSNS(会員型閉鎖型ブログ)も何がどう違うのかの区別がよくわかりません。
もっとも、どれもSNSだろうとも思っているのですが・・・。
確かに、ツイッターはコミニケーションという部分に於いては、フォローされている人が多ければ、リアルタイムにやりとりができる様に感じます。
しかし、実は、ブログであっても、読者登録などをしていれば(されていれば)、相手に記事が更新されたことは伝わります。
この議論は既に色々とされているんだと思いますが、個人的には、ネットでのコミニケーションをバカにするつもりはありませんが、程度の問題が重要だと思います。
リストラ ~第16話~
そんなこんなで3年の月日が経ちました。平成14年ごろになると、一方的な住宅不況という感じはあまりしなくなってきました。前年同月比の比較でもさほどの落ち込みは感じなくなっていました。
その時は
『去年より悪くなるわけ無いだろ・・・』
と言うほど、悪かっただけで、景気の悪いのに慣れてしまっていたのかもしれません。
平成12年ごろにITバブルと言われた頃に、一時的にマンションブームはあったものの、戸建はマンションほどの好景気はありませんでした。
しかし、その頃から、割安の新築戸建分譲住宅をやる会社が流行り始めました。
一つはトステムなどが展開したフランチャイズ系の会社と、仕様をかなり落としても安く売る、飯田産業グループ系の会社です。H建設と比較すると、建物代だけなら80%ぐらいの価格でした。
『安かろう悪かろうの家なんて売れないさ』
と、高をくくっていたのですが、それが正に団塊ジュニアの購買層に合致したせいもあって、売れに売れました。そんなこともあって、成功しているハウスメーカーと伸び悩んでいるハウスメーカーに二極化されました。この頃でしょうか・・・パワービルダーなどという言葉がよく言われる様になったのは・・・。
この年の6月の株主総会でR会長の退任が発表されました。理由は定年でした。
私も商品技術開発で4年目を迎え、その年度も下期に入りました。
規格型の新商品の開発などに追われて、新春の売り出しまでに新商品の開発をしなくてはならず、毎年のことでしたが11月を過ぎると忙しい毎日でした。
そんな忙しい毎日を過ごしていると、新規事業部のN課長から、メールがやってきました。エクセルのファイルが添付されています。
メールの内容は
『AX47のセルの式のせいか、どうしても循環関数と出てうまくいかないけど原因わかるか?』
という内容のものでした。
そこに使われている関数は『IRR関数』でした。この『IRR』はこの時、初めて見るのですが、この後、今日に至るまで、ずっと付き合うこととなります。
※IRR関数について
キャッシュフローとは、月や年などのような一定期間をおいて、必ず発生するものでなければなりません。内部利益率とは、一定の期間ごとに発生する支払い (負の数) と収益 (正の一連の定期的なキャッシュ フローに対する内部利益率を返します。個人年金などの投資では、キャッシュ フローの差し引きが 0 である必要はありません。ただし、キャッ数) からなる投資効率を表す利率のことです。
Microsoft Excelのヘルプより
って、これだとさっぱり解らないと思います。というわけで、一番解りやすそうなサイトを紹介しておきます。
http://www.nsspirit-cashf.com/inv_st/irr.html
こちらを読んでみてください。
まぁ、その時の私にとって、IRRなど、どうでもいい話でした。
とりあえず、N課長から、循環エラーが起こっているのを直しさえすれば良いと思い、ただ、それを直すのにIRRの意味が少し解らないと、直せなかったので少しだけかじりました。直すこと自体は30分程度で終わりました。
代償 第4腰椎及び第5腰椎横突起骨折
前回の記事で、猫を救助した際に腰を打ったことを書きましたが・・・
1週間以上経つのに、痛みがまったく治らないので病院に行きました。
診察結果は・・・
腸骨稜不全骨折(骨盤にヒビ)
第4腰椎及び第5腰椎横突起骨折
とのことでした。
もっとも、どうすることのできる場所でもないので、
痛み止めとシップで様子を見るとのことです。
腰が痛い・・・
救助した子猫は至って元気です。
子猫の救出劇
※ 不動産・建築とは一切関係のない記事です。
現在、私は激しい腰痛に悩まされています・・・
先週の木曜日、東京は朝から激しい雨が降っていました。
午前中、会社でボチボチ仕事を始めると・・・、自称美人女性社員が・・・
「社長、どっかで猫の鳴き声しませんか?」
雨の音もあるのですが、うちの会社は6階です。なかなか、猫の声など聞こえるはずもないのですが・・・、たしかに、微かに猫の鳴き声が聞こえます。
私は、それが子猫の鳴き声だとすぐにわかりました。
私は、17歳の時から、今日に至るまで、10匹以上の猫を飼っていました。家で生まれた子猫もいます。だから、その声が子猫だということはすぐに解りました。
しかし、うちの会社は一応、西新宿です。うちの会社は12階建てですが、道路の反対側には44階建ての高層のオフィスビルもあります。そんな、場所で子猫を探すことなど果てしなく不可能に近いし、仮に探す意味もわかりません。
午後、昼食後・・・まだ、雨は激しく降っていたのですが、やはり、子猫の鳴き声が聞こえました。今度は大人の猫の声も聞こえます。
さすがに私も気になり始めました。
自称美人社員と、自分の会社の建物のあるブロックを探し始めました。
うちの会社のブロックはこんな感じです。
ピンク色の建物が家の会社のビルです。(以下、「うちの会社」)
紫色のビルは飲食店などが入っているビルです。(以下、「紫色のビル」)
水色のビルは6階建てのマンションです。(以下、「水色のマンション」)
緑色は建設予定地で現在は空き地で、雑草が1.2mぐらいの高さで生えています。
グレーの部分はうちの会社のビルの駐車場です。
空き地と駐車場の北側は4m道路です。
青梅街道から、ぐるっと1周回ってみたのですが、猫らしき姿は見えませんでした。
あきらめて、6階に戻ったのですが、エレベーターを降りたとき、ふっと外階段に出てみました。
すると、紫色のビルと水色のマンションの間(約50cmぐらいの幅)を猫が歩いています。その猫を目で追いかけていくと、うちの会社と水色のマンションの間にその猫は入っていきます。
よく見てみると、うちの会社と水色のマンションの隙間の中間点に直径20センチぐらいの穴(直径はあとでわかります。)があり、その穴を猫が覗き込んでいます。
その時点で私には大体の事態が解りました。
その穴に子猫が落ちて、出られないのを親猫が見ているのです。
道路から、私の会社と水色のマンションの間には行けません。(水色のマンションと紫のビルの間には露出の配管があり、猫は通れても人間は通れません。)
うちの会社と、水色のマンションの間には2m20センチぐらいのフェンスがあります。
そのフェンスの上に、紫色のビルの非常階段から出られました。
そのフェンスの上を両側のビルを手で押さえながら、綱渡りの様にして行くことができました。私の目線から、地上までは4mぐらいの高さです。
その穴に着いたときには既に私は全身、ずぶ濡れでした。(スーツどろどろです。)
フェンスをゆっくり降りてみると、その穴は水色のマンションの汚水枡(トイレの水が流れる配管の点検口)でした。
そこから、確かに子猫の鳴き声は聞こえますが姿は見えません。
その時、うちの会社のビルの2階から、
「子猫ちゃん、助けに来てくれた人がいるよ!」
という声が聞こえました。うちの会社のビルの2階には保育所があります。その保母さんの声でした。
「助けたいけど、姿が見えないんですよ」
私は、とりあえず、道具もないので撤収しました。そして、保育所に行き、いつから鳴いているかなどを聞きました。保母さんは午前7時半には来ているそうなのですが、その時には既に鳴いていた。とのことでした。
そして、うちの会社のビルの管理人さんもそのことを知っているとのことでした。
実は、このフェンスは管理人室の窓の目の前にあります。
自分たちだけでは助けられない・・・
そう、思った私は、119番通報をしました。以前、崖の上に取り残された野良犬を消防隊のレスキューが助けたニュースを思い出したからです。しかし、来てくれるかは電話をするまでは半信半疑でした。
しかし、新宿消防署の分隊が程なくしてやってきました。
見るからにプロという人たちです。
状況を説明して、消防隊をその汚水枡まで案内しました。消防隊の一人が
「相澤さんは、危ないので戻ってください。」
と言われ、私が自分の会社のビルに戻ろうとしたとき、私はフェンスから転落し、腰と左の脇を強打しました。その痛みが未だに残っています。
消防隊は他の汚水枡も蓋を開けて、ライトを照らしたり、ホースを突っ込んだり、色々したのですが結局、子猫の姿どころか、鳴き声も確認できませんでした。
うちの自称美人社員が、ネットで調べて、自力で出られる様にタオルをぶら下げることを提案しました。
結局、2時間ぐらい、格闘して撤収することになりました。ただ、タオルはぶら下げておきました。それと、私の経験から、子猫が何も食べないで生きられるのは僅かな時間だから、せめてと思い、缶詰のえさをコンビにで買ってきて、紐でつるしておきました。
「助けられなくて悔しいです。でも、鳴き声が聞こえたらまた、すぐに呼んでください。」
と言って消防隊の隊長は私に名刺を残していきました。
金曜日も気にはなっていたのですが、子猫の鳴き声は聞こえません。自力で出られたのかな・・・と思っていたら、保母さんから、電話で
「鳴き声は聞こえないけど、親猫が来ています。」
との、報告。しかし、子猫の鳴き声がしないのでは位置が確認できません。結局、金曜日はなにもできませんでした。
土曜日、日曜日は休みなので会社には行きませんが、当然気にはなります。しかし、この暑さです。自力で出られなければ、無理だろうな・・・と思っていました。
月曜日・・・
保母さんから、電話です。
「また、鳴き声がします!親猫はいませんが・・・」
私は、痛い腰でビッコを引く様な状態ですが、再び、フェンスの上を伝い、汚水枡のところまで行きました。たしかに鳴いています。しかし、親猫の姿はもう、ありません。
しかも、木曜日よりも、その声は近くに聞こえました。
すぐに、消防隊に連絡すると、別の分隊ですがすぐにやってきてくれました。
再び、枡からホースを突っ込むと、今度は猫の姿が確認できました。
隊長は20センチないぐらいの子猫です。しかし、消防隊が手を突っ込むと、水色のマンション側(つまり、マンションのトイレに向かって)に入ってしまいました。
こうなると、押し出すことはできないので、待つしかありません。
すると、待つこと1時間、子猫が顔を出しました。
今度は私が手を突っ込むと、頭は触れましたが、あと少しですが指が掛かりません。子猫はそのまま、配管の奥に入ってしまいました。
位置を確認するために汚水枡に携帯のカメラで内部を撮影しようとしました。
(綺麗なものではないですが、その時の写真です。)
子猫の姿を捕らえる事はできませんでえした。
そして、子猫を配管に向かって呼び続けました。
待つこと3時間、子猫の鳴き声は聞こえなくなりました。
さらに待ったのですが、姿は見えない。声も聞こえない。猛暑と激しい悪臭の漂う中、また、私などは素手で汚水の中に手を入れている状況(手は汚物でどろどろです。)ですから、その衛生状態を考えて、消防隊の隊長は撤収を言いました。
あと少し、あと少しで助けられたのに・・・
悔しくて、辛くて、子猫の声が耳について、殆ど寝ることができませんでした。
「自分が諦めたら、助からない・・・」
私は、その夜、インターネットで、同じ様に汚水枡に落っこちて助け出された事例が無いかを調べました。
ありました。
2002年に富山市、昨年は徳島市で助け出されたとあります。
火曜日・・・
私は家を出るときに保育所に電話をしました。
「鳴き声、聞こえますよ!」
会社に向かいながら、私は富山市と徳島市にどうやって助け出したかを聞きました。
富山市はファイバースコープ(CCDカメラ)を使って、徳島市は動物捕獲機?なるものを使って助け出したと言います。
電車に乗りながら、新宿消防署にファイバースコープはあるかもしれないが・・・動物捕獲機はないだろうなど考えながら行きました。
この日は、前日の反省から、ビニール手袋を用意しました。
保育所の窓から、穴を見ると、確かに鳴き声は聞こえます。
ただ、位置が確認できないと、前日と同じことになると思い、一人で汚水枡の位置に行きました。
意外に声が近くに感じます。
ビニール手袋をして手を突っ込んでみました。
ちなみに、手を突っ込むことはできますが、手を入れると、自分の手が邪魔で中が見えません。
すると、手首のあたりに何かが動きました。
な・・・なんと、私の洋服を伝って、子猫が出てきたのです。
子猫はよちよち歩きながら、北側の空き地に逃げていきました。
私は汚水枡から手を抜いて、再び、フェンスの上に登り、北側の空き地で、子猫を捕獲しました。
汚物まみれで、物凄く汚いですが、目はしっかり開いています。
私はその汚物まみれの子猫を胸に抱きかかえ、自分の会社につれて行きました。
自称美人社員にペットショップでシャンプー等を買ってきてもらい、何度も何度も子猫を洗いました。
ノミや耳ダニの心配はなさそうですが、なにがあるかわかりません。
会社の近くの動物病院に連れて行きました。
体重は350グラム、おそらく生後6週間。特に病気も無さそうとのことでした。
それがこの子です。
うちの自称美人社員が鳴き声に気がついたから助かった子です。
保育所の保母さん、管理人さん、本当にご協力、ありがとうございました。
富山市消防本部の方、徳島市役所の方、徳島消防本部の方、色々、教えていただき、本当に感謝しております。
そして、何よりも、あの猛暑と悪臭の中、この子を助けるために来てくださった、新宿消防隊西新宿出張所の皆さん、本当に本当にありがとうございました。
長々と駄文・・・すいません。
『買付』と『取纏』と『売承』の実例
さて、買付と売承の続きですが、先日、こんなことがありました。
(※ 法人名、個人名は全て仮名です。)
物件は、都内某所にある土地です。1000㎡以上ある土地で、住居専用地域の低容積率のエリアのため、紹介は、建売業者に絞って行いました。
その物件の最大の問題は・・・
地権者が大勢いることです。しかも、全て相続による共有の所有者です。現在、その土地を地上げ屋がまとめていて、目処が立ったので、売り先を探して欲しいという依頼でした。とは、言うものの、全ての地権者と契約を交わしているわけではありません。
もちろん、そのことを前提に青山ハウジングという建売業者に紹介をしました。もともと、よく知っている建売業者で、担当者の神山課長もよく知っている人でした。
神山課長曰く、
「その物件は、こちらの提示価格でも十分に採算が合うから、是非、買いたい!それに、うちの取締役の本木も是非と言っている!」
とのことでした。
「では、取纏依頼書出してもらえませんか?」
と、私が言うと・・・
「取纏を出すのは、売主(地上げ屋)と全ての地権者との契約が終わってからだな。それと売承と交換で・・・」
とこんな調子でした。
取纏や買付の意味がよく理解できていないと、こうなります。
「売承と交換で・・・」
というのは意味は理解できます。
これは、自分たちの、価格を叩き台にされたくないからです。
よく、売主が買付や取纏を集める理由に、出てきた価格を叩き台に、他の買いそうな客に、その買付を持って行き、価格を吊り上げるために使います。それを避けるために、売承を即、貰いたいわけです。
また、私が持ってきた取纏を叩き台にされて、よその仲介業者が話を纏めたのでは私も商売にならないので、売承はできるだけ速く貰います。
しかし・・・
地上げ屋と、現況の地権者との契約が締結できなければ、これは物件にはならなくなるので、当然ですが、青山ハウジングに売却することはできなくなります。(というか、誰にも売却なんてできません。)
つまり、地上げ屋と現況地権者の契約が纏まれば、売り物になるので、先に取纏か買付を出して欲しいという意味で、もし、纏まらなくても、青山ハウジングには、原則的にはリスクはありません。
むしろ、今の纏まってない状態だから、この価格なわけであって、完全に話が纏まっていたら、欲しいと言い出す人は大勢いることになるかもしれません。
また、纏まる前に他の買主が同じ価格で、取纏や買付を入れたら、青山ハウジングは極めて不利な状況になります。
また、私も仲介業者である以上、他の仲介業者ではなく、うちで纏めたいと思うのは当然のことです。契約が纏まるのを待って、青山ハウジングから取纏を貰ったのでは、他の仲介業者に出し抜かれてしまうかもしれません。
私が取った行動は、説明するまでもないと思います。
財政と給与&経費削減の順序
さきの選挙では、野党が勝利するという結果に終わりました。
当然と言えば、当然の結果です。
敗因は・・・
1人区の選挙区での敗退
1人区の選挙区というのは、人口の少ない県です。人口が少ない県というのは、地方都市ということになります。2人区以上の選挙区では、民主党の方が自民党に勝っている選挙区が多かったはずです。また、比例第一党も民主党だったから、国民全体の支持はまだ、(微かに)民主党だったということになります。
では、なぜ1人区で負けたのでしょうか?
それは、民主党が小沢氏の考える組織票戦略にあったからと私は考えています。
民主党を支持する大きな団体は・・・
連合
日教組
です。
完全に左側の人たちが支持母体の政党です。
地方都市でも、都市部では民主党善戦、郊外農村部で敗退という情報が入っていました。
菅首相の消費税も比較的、余裕のある都市部の人には受け入れられても、非都市部では否定されるのは当然です。
企業でもそうですが社員の給与をいじらなければ、会社が立ち行かないときには・・・
経営陣の給与削減&会社の経費削減
↓
社員の給与削減
↓
リストラ
とならなければ、社員は付いてきません。
国家において
経営陣の給与削減とは・・・
国会議員の給与削減
官僚の給与削減&リストラ
公務員の給与削減&リストラ
天下り団体の削減&廃止
かと思います。
その次が
社会保障費の削減
公共事業費の削減
そして、さらに
増税
となるのに、どうも順番が逆です。
国会議員のリストラは、みんなの党が言っていますが、定数削減は少数政党が無くなる可能性を秘めいているので慎重にやらなければなりませんが、給与カットは当然のことです。
公務員は現在(平成16年度末)、日本に404万人います。
その内、自衛隊24万人、警察官27万人、消防士15万人(計66万人)は減らしにくい公務員かもしれません。
しかし、公務員の平均給与は、実際にはサラリーマンの平均年収より多いですが、国家公務員と地方公務員との差もあるので500万と想定します。
としても20兆円は、人件費ということになります。
20%削減すれば8兆円です。
公共事業が5兆円そこそこ・・・
昨日の日経新聞に出ていましたが、雇用助成金の額の削減ですが、1467億円の助成金を5分の1にすると言っても1200億円そこそこの、経費削減・・・
公共事業や雇用助成金は地方都市や中小企業にとっては死活問題です。
公共事業や雇用助成金のあり方が正しいとは思いませんが、いじる順番を間違えれば、当然にこういう結果になると感じました。