相続案件 大きな土地価格の算出方法
この条件を見た瞬間に、この土地は戸建て用地だなと考えました。
まず、周辺が戸建てだらけということもありますが、都市計画や容積率から、集合住宅を作ろうとすると2階建(頑張っても3階建)です。また、絵からも解る様に、分譲戸建て住宅地にしても減分(※2)が殆ど無くて済みます。もっとも、この細長い土地を見て、マンションを建築しようとは、なかなか思わないと思います。
※2 減分:土地区画整理事業などで、宅地所有者の土地が減少することを言います。
土地が大きい場合、それを細かくして、販売しようとすると、接道してない敷地などが出来てしまいます。それでは接道してない敷地の人は困ってしまうので、宅地内に道路を作ります。当然に道路の部分は宅地として販売できませんから、その面積は減分になります。また、ある一定以上の大きさの土地を細かくする場合(開発行為)は、公園などの設置が義務付けられたりするので、それも減分対象になります。
さて、この案件の場所ですが、私のよく知っている場所でした。周辺の新築戸建て分譲の価格も良く知っています。
概ね、売れ筋は、土地120㎡~130㎡(約35坪~40坪)、建物約100㎡(約30坪)ぐらいで、価格は3800万~4200万(税別)ぐらいです。
この時点で、私はこの物件は今の段階では、まず買い手が付かないなと考え、営業をしないことにしました。しかし、謄本だけは見ておこうと考えました。この売主は、指値をしても絶対に売らないだろうと考えたからです。
理由はこうです。
まず、売れ筋の分譲住宅の価格帯から、購入希望者の土地の値段を割り出してみると・・・。
建物の販売価格は、外構・設備(インフラ)を入れて税別55万/坪ぐらいです。(都内の高級エリアだと仕様が良くなるので65万/坪ぐらいが売れ筋になりますが、都下ならばこれくらいが売れ筋)
とすると土地の販売価格は
平均4000万円-(55万円/坪×30坪)=2750万円
販売坪単価は
2350万円÷37.5坪=62.6万円/坪
となります。
前述の様に分譲マンションの場合は土地の公示地価や路線価はあまり気にしませんが、戸建て分譲の場合は購入者の殆どが気にしています。
景気の良い時には、公示地価に近い価格でも売れるのでしょうが、昨今の状況ではこの程度になってしまいます。(これは、地価の上昇下落のトレンドを購入者が感じているからです。)
ところが、この土地を一括で購入し、分筆して、販売する業者は、土地の取得経費、営業経費や広告宣伝費なんかも掛かります。戸建て分譲をやる会社の粗利益は18%~22%ぐらいは必要になりますから
62.6万円/坪÷1.2=52.1万円/坪
で、購入しないと割があわないと言うことになる訳です。
不動産の売却なら、リデベにご相談下さい。
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その為、他の仲介業者、デベロッパー、買取業者からの営業など査定をされた方にご迷惑を掛けることはございません。
相続案件 土地の資産価値
相続税と聞くと、
「相続税って高いなぁ。何か良い節税対策はないかなぁ・・・」
「宅建の試験の時に、めんどくさい分野だったなぁ・・・」
と思う人も多いと思います。
しかし、相続案件というのは、不動産の売買に於いて非常に多いものです。
また、不動産売買の原点ですから、ちゃんと理解できていないと、商売になりません。
では本題に・・・
(長いので4話に分けます。本日から4日連続でアップします。)
分譲マンションを買う方と言うのは、新築であっても中古であっても、周辺の分譲マンションの価格との比較はします。しかし、土地の資産価値と建物の資産価値を比較することはあまりありません。
分譲マンションの場合、土地に関しては共有(※1)が殆どです。
※1 共有:持分割合が決まっている。例えば、マンションが全部で200戸(面積・価格は同じとする)の場合、マンションの敷地全体に対して、1戸の土地の持分は1/200とする。これに対し、昔は土地も区分所有にしていたものもあった。
土地は共有所有ですから、土地の資産価値を気にしてもあまり意味が無いからです。
ところが、分譲戸建ては違います。分譲戸建ての場合、家の価値も当然に考えますが、かならず、1戸に対して1筆以上の土地がついてきます。当然に、土地の価値を考える方が多くなります。その時に購入者が参考にしているのが、公示地価と路線価です。
公示地価は日本全国に27000箇所以上のポイントがありますが、実際に戸建てを買おうとすると、検討物件から随分と離れた場所にあって、比較が難しい場合があります。
しかし、路線価は概ね、殆どの道路にあります。
場所によっては、当てはまりませんが路線価は公示地価の概ね80%と考えていいでしょう。
ということは、路線価の1.25倍ぐらいが、この土地の評価であろうと購入検討者は考えているわけです。
さて、先日、別の仲介業者から、こんな物件が持ち込まれました。
実はこの物件、詳しい情報は入手できなかったのですが1ヶ月前にも売却に出ているという話がありました。価格も一緒なので間違いありません。
住所 東京都下(23区外)の私鉄沿線、最寄り駅まで徒歩8分
面積 約2000坪
容積率 80%
建蔽率 40%
都市計画 一種低層住宅専用地域
日影規制 1.5m 2.5h-4h
希望販売価格 70万円/坪
路線価 約68万円/坪
備考 相続案件
敷地内及び道路との高低差はほぼ無し
一見すると、路線価に毛の生えた様な価格なので、お買い得の様な感じもしますが・・・。
次回に続きます。
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木村拓也コーチ死去
くも膜下出血のため広島市内の病院に入院していたプロ野球巨人の木村拓也(きむら・たくや)内野守備走塁コーチが7日午前3時22分、死去した。37歳だった。宮崎県出身。葬儀などは未定。
同コーチは2日、広島市のマツダスタジアムで行われた対広島1回戦の試合前、グラウンドでノックをしている最中に倒れて救急車で搬送され、危険な状態が続いていた。
宮崎南高から1991年、捕手としてドラフト外で日本ハムに入団し、翌年外野手に転向。95年広島、2006年巨人に移籍した。投手以外の全ポジションを守れる貴重なユーティリティープレーヤーで、俊足のスイッチヒッターとしても活躍した。
昨季限りで引退し、コーチに就任した。現役通算成績は1523試合で1049安打を記録し、打率2割6分2厘、53本塁打、280打点、103盗塁。04年アテネ五輪代表。
出典:時事通信
回復することを本当に願っていました。
木村拓也コーチが選手地代に、巨人に来たとき、当時、巨人に在籍していた小久保選手(現ソフトバンクホークス)が怪我で出れなくなくなり、当時の巨人の内野陣は、サード小久保、ショート二岡、セカンド仁志、ファーストイ・スンヨプ、その他に外国人のディロン、それに川中というような布陣でした。
ディロンは腰痛で、殆ど活躍できず、仁志もこの年から衰えが見え始めます。
それでも、新加入のイ・スンヨプが信じがたい活躍を見せ、二岡も額面通りの活躍をしていました。これで小久保さえ・・・というような時に小久保が怪我で外れます。
小久保の戦線離脱により、6月に8連敗、7月にも9連敗するなど、守備面、小技面で総崩れとなります。
そんな時に当時、広島の二軍にいた木村拓也選手がトレードでやってきます。
そのニュースを聞いたときにはびっくりしました。
木村拓也選手と言えば、広島時代に足も速く、スイッチヒッターで守備もうまい。そんな選手をよく広島が放出したな。と・・・
当時のニュースではブラウン監督(現楽天監督)のチーム方針である若返りなどから、ずっと二軍にいて、戦力構想外だった。というから驚きでした。
この年こそ、巨人は5位に終わりますが、2007年から、木村拓也選手が殆ど一軍に定着。ウィークポイントだったセカンドを木村拓也選手に任せ、さらには、どこでも守れる安心感もありました。出場していないときは、最後の最後に殆ど選手が出尽くしているときには
「まだ、キムタクがいるだろ!」
と、ライトスタンドで声が上がることもありました。
2008年も『困ったときのキムタク』は健在でした。
この年、小笠原が故障がちでキムタクがクリーンナップに入ってホームラン、さらには延長9回に大道の代打ホームランでツーアウトから追いついたと思ったら、今度はキムタクが延長12回にサヨナラ逆転タイムリー!
もはや、神がかり的な存在になっていました。
2009年は交流戦前ぐらいまでは、やはり木村拓也選手の存在が大きかったのですが、後半はベンチが多くなり、やや存在感が無くなり始めました。
しかし、加藤捕手がデッドボールで退場すると巨人のベンチにキャッチャーはいませんでした。
その時にキャッチャーを木村拓也選手がやったシーンは、今日、再三テレビに出ているとおりです。
2010年もエドガー・ゴンザレスがイマイチピリッとしない時には
『キムタクさえ現役ならばなぁ・・・・』
と思っていた矢先の出来事でした。
若い頃は玄人好みの選手でした。
しかし、選手としての晩年は決して、いぶし銀という様な輝きの無い存在ではなく、華やかな場面も多々ありました。
東京ドームで見た、木村拓也選手・・・忘れません。
合掌
不動産物件情報の枯渇
不思議なことに物件情報が枯渇しています。
と・・・書くと、全ての不動産情報が枯渇しているようですが、私が枯渇しているというのは
首都圏における・・・
1 ファミリー向け分譲マンション用地
2 戸建ての分譲住宅用地
3 収益が確定している利回りの良い物件
です。
逆に余っているのは
1 オフィスの空室情報・・・
2 新築で、まだ収益が確定していない利回り物件
3 ワンルーム向けの開発用地
4 商業系の開発用地
etc
赤い字の様な情報がございましたら、
情報を頂ければと思います。
株式会社リデベ
東京都新宿区西新宿8-12-1 6階
TEL 03-5389-6082
FAX 03-5389-6084
宜しくお願いします。
木村拓也コーチ倒れる
2日夕、広島市のマツダスタジアムで行われている広島-巨人戦の試合前の練習中に倒れ、病院に運ばれた巨人の木村拓也内野守備走塁コーチ(37)は診断の結果、くも膜下出血であることがわかった。巨人の球団広報が発表した。
木村コーチは午後5時40分ごろ、試合前の守備練習のため本塁近くでノックをしていたところ、突然、胸を押さえてその場に倒れた。選手や関係者が駆け寄り、その場でAEDによる蘇生措置が施されたが意識は戻らず、駆けつけた救急隊員によって病院に搬送された。
木村コーチは宮崎南高から91年ドラフト外で捕手として日本ハムに入団。95年に広島に移籍した後、スイッチヒッターに転向。06年途中に巨人へ移籍し、主に二塁手として活躍。今季から内野守備走塁コーチに就任していた。
出典:産経新聞
去年の引退だけでも、十分に驚いたのに・・・
巨人の選手の中で、万人に愛される数少ない選手。
野手なら、どこでも守れる。
困った時のキムタク。
とにかく、今は元気な姿でグラウンドに戻ってきてくれることだけを切に願っています。
中小企業にまだ停滞感=官房長官
こんなニュースがありました。
平野博文官房長官は1日午前の記者会見で、日銀が発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)について「かなり改善の状況は見られることは確かだ。ただ、中小(企業)はまだ少し停滞している感がある」と指摘した。
その上で「二番底にならないようにしなくてはならない。(大企業と中小で)二極化しているところは、しっかりと注視し、景気回復を優先した取り組みを今後も進めていかなくてはならない」と述べ、2010年度予算を着実に執行していく考えを強調した。
時事通信より
当たり前の話です。
景気の良くなる時は大手から、悪くなる時は中小から、これは普通の事です。
ただ、まだまだ続いている様な景気の悪さも
少しずつですが、春が近づいているような気はします。
実際の気候の様に桜が七分咲きという程、はっきりとした春は感じません。
寒の戻りもあると思います。
しかし、着実に芽吹いている・・・
そんな、気配は感じる今日この頃です。
不動産の公示価格と路線価の循環参照
まず、『循環参照』という言葉をご存知でしょうか?
循環参照とは、Excelなどの表計算ソフトで、数式が直接または間接的に、その数式自体が入力されているセルを参照している状態を言います。
と・・・解りにくいので簡単な説明を・・・
A | B | |
1 | 3 | |
2 | 5 | |
3 | 15 | |
4 |
とこんな表があったとします。
A1のセル(マス目)には『3』、A2のセルには『5』を入力し
A3のセルには『A1×A2の答え』の式である『=A1*A2』と入力します。
当然ですが、A3のセルには『15』と表記されます。
ところが・・・
ここでA1のセルに
『A3÷A2の答え』を意味する『=A3/A15』と入力すると
『循環参照』というエラーメッセージが出ます。
実際にExcelでやると、こんなダイアログが出ます。
なぜかと言うと、A3のセルは『A1×A2の答え』です。つまり、A3のセルはA1とA2の値によって決定されています。
それなのにA1のセルに『A3÷A2の答え』と入れると、A3がA1によって決定されるので、A1とA3はいつまでたっても答えが出ないという矛盾が発生するからです。
と、なぜ、こんな事を書いたかと言うと・・・
実は公示価格の決定方法にも、循環参照という矛盾が発生しているからなんです。
公示価格の決定方法は1つの地点に対して、2人の不動産鑑定士が
①比較法(取引事例比較法):周辺の実際にあった不動産取引の価格をベースに算定される。
②収益還元法:その不動産がどの程度収益を生むか(家賃収入、地代収入があるか)
③原価法:開発費用(建築費や造成費)がどれくらいかかるか
の3つの異なる手法を用いて、価格を割り出し、それを調整して決定します。
ここまでだと、矛盾していないようなのですが・・・
では、実際の土地取引を考えてみると・・・
土地の価格の決定自体は自由に決められます。私が私の土地をいくらで売ろうが自由です。ところが、公示価で20万円/㎡の土地を、50万円/㎡で売ろうとしても、なかなか買い手はつきません。
私が一般の人であれば、売却は不動産業者に頼むのが一般的です。買う方も、不動産業者などを介して買うのが一般的です。そうすると、他の類似物件等と比較して、『概ねこれくらいの価格』という指標が出てきます。それが公示価格だったりします。ただし、不動産価格が上昇している景気の良い時は、公示価格が上がるだろうということを想定して、売買されるし、逆の時は下がるだろうと想定して売買されることもあります。
つまり、比較法に於いて、周辺の不動産取引事例によって公示価格が出されるが、周辺の不動産取引自体も公示価格を参照しているという、矛盾が発生しています。
では、収益還元法や原価法を考えて見ましょう。
収益還元とは・・・
利回りの考え方
(家賃収入-管理費・税金)÷取得コスト=年間利回り
です。
利回りはキャップレート(期待利回り)に収束します。
そこで、これを逆算して不動産価格を割り出すのが収益還元法です。
では家賃が8万円/月で管理費が戸あたり5000円/月で100戸の賃貸マンションがあったとします。
そのマンションの取得コスト(建物代)が8億円だったとしましょう。税金はめんどくさいので無視します。(実際には無視しません。)
※建築費は収益還元法によって決定されません。
なぜなら、建築費というのは積み上げ方式で決定されます。
セメント代や鉄筋代・・・、それに人件費など、実際に掛かった価格と建築会社の利益によって決定されるからです。もちろん、建築会社の利益があるので景気が悪くなれば、建築会社も利益を減らさざる得ないし、人件費も多少は安くなります。また、セメントや鉄筋も需要によって価格は変動しますが、土地代ほど大きな影響は受けません。
そこでキャップレートが5%として、このマンションの利回りを5%にするための土地代は
(8万円/月-5000円/月)×100戸×12ヶ月÷(8億円+土地代)=5%
となりますから
土地代は10億円ということになります。
では、家賃はどうやって決定されるかと言うと・・・
もちろん、最終的には需給バランスによって価格は動きますが、一番最初は・・・
あるAというデベロッパーの担当者が、仲介業者Cからあるマンション用の不動産情報を入手しました。価格は12億5000万円です。12億5000万円は公示価格と比較しても、ほぼ同じぐらいです。
キャップレートは今は5%だけど、ここら辺だったら、1室辺りいくらぐらいで貸せるかな・・・近くの賃貸の不動産屋に聞いてみようっと・・・。100戸は作れるな。
↓
近くの不動産屋、
「あなたがここでマンションを作って貸す時にうちで任せて貰えるなら9万円ぐらいで貸せますよ!」
(内心・・・本当は8万ぐらいだろうけど・・・仕事欲しいからな・・・)
↓
そっか、そっか、9万円か~、管理費は5000円でいいよな。
↓
それじゃあ・・・建築費はいくらだろ?ゼネコンから見積もり取ってみよう・・・。
↓
8億3000万か・・・。ちょっと高いけど、あとでゼネコン叩けば8億円にはなるな・・・。
↓
とすると、
(9万円/月-5000円/月)×100戸×12ヶ月÷(8億円+土地代)=5%
だから、土地代は12億4000万円までいけるな!
↓
12億5000万円だけど、1000万円ほど安くする様に仲介業者Cに言ってみよう!
↓
仲介業者C
すいません・・・。別のデベロッパーBから、12億4500万円の申し込みが入っちゃいました。
↓
え~、困ったな。
(9.2万円/月-5000円/月)×100戸×12ヶ月÷(8億円+土地代)=5%
なら・・・土地代は12億8800万までいけるな!
よっし、近くの不動産屋に電話して、家賃を2000円ほど、高く貸せるか聞いてみよう。
↓
近くの不動産屋
「9万2000円で頑張ります!」
内心:(仕事欲しいからな・・・とろあえず言っちゃえ!)
↓
仲介業者Cに対して!
「よっし!うちは満額の12億5000万で買っちゃる!!!」
※景気が良い時は、別のデベロッパーBも上乗せしてきたりします。
↓
募集賃料:9万2000円決定
と、こんな調子です。
実際に不動産鑑定士も募集賃料は解っても、成約賃料までは正確には追いきれません。つまり、この土地の公示価格を割り出すのに、この価格を使います。
↓
公示価格12億5000万円
と、収益還元法でも、循環しているんです。
つまり、不動産の価格の上昇、下降は需給バランスによって、影響は受けるものの、需給バランスに於ける、本来の適正価格には、遠い状態であると考えられます。
この問題を解決する方法を考案中です。
紅の豚 『時には昔の話を』
1992年、もう、18年前になる宮崎駿監督の『紅の豚』というアニメ映画のエンディングの歌です。
加藤登紀子さんが歌った歌で私がとても好きな歌です。
歌詞は・・・
時には昔の話をしようか
通いなれた なじみのあの店
マロニエの並木が窓辺に見えてた
コーヒーを一杯で一日
見えない明日を むやみにさがして
誰もが希望をたくした
揺れていた時代の熱い風にふかれて
体中で瞬間を感じた そうだね
道端で眠ったこともあったね
どこにも行けない みんなで
お金はなくても なんとか生きてた
貧しさが明日を運んだ
小さな下宿屋にいく人もおしかけ
朝まで騒いで眠った
嵐のように毎日が燃えていた
息がきれるまで走った そうだね
一枚残った写真をごらんよ
ひげづらの男は君だね
どこにいるのか今ではわからない
友達もいく人かいるけど
あの日のすべてが空しいものだと
それは誰にも言えない
今でも同じように見果てぬ夢を描いて
走りつづけているよね どこかで
※著作権に触れていたら、記事ごと削除しますので教えて下さい。
映画はバブルが終った直後で、十分に余韻を味わえる時代で
この歌詞の意味が理解できる時代ではありませんでした。
しかし、今、私たちは極めて不景気な時代に生きています。
私の記事も含め、ニュースで出てくる話も、景気に関しては
いつも、暗い話ばかりです。
NHKでもありました、今週のダイヤモンドのタイトルは
『無縁社会』
でした。読んでいると、孤独死やそれの予備軍の話です。
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読んでいて、それが現実だとは解っていても非常に暗い気分になりました。
私も不動産をやっていて、孤独死に直面したことはあります。
豊な暮らしをできるはず・・・
日本は世界で実質GDP2位の国なのに・・・
孤独死をしなければならない人がいます。
孤独死をしない為の意見等もいくばか書いてありましたが
あまりに情けない話ばかりでした。
解決策を経済に求めるくと自体が私は無理だと思っています。
鳩山首相が
「いのちを守る」
「いのちを守りたい」
と連呼していましたが。政治やお金では絶対に守れない命があります。
殆どの命が、政治やお金では守れません。
もちろん、民主党にも鳩山首相にもできないことは
みんな、みんな解っているのに
一国の首相が言う事に期待を寄せてしまったかもしれません。
しかし、鳩山首相が実現できないことを責めることすら無意味です。
何故なら、それが政治で出来ないことを本当はわかっていたからです。
お隣の人に声を掛けることが・・・
毎日、同じ道で会う人に会釈をすることが・・・
そんな、当たり前のことで救える命の方が多いんです。
貧しくても希望を持てる時代は
政治や人に頼ることでは、無いと思います。
むしろ、間違っている事が横行している今だからこそ、
それを「なんとかしたい」という気持ちが
希望の持てる時代なのではないでしょうか?
お金が無いから希望を無くすのではなく、
希望を朝まで話して、それに向って全力疾走する。
規則に従うことに心を費やすことよりも
本当の正しい事はなにかを必死になって探す。
既得権者が絶対に正しい時代が終ったことは
みんな、解っていることです。
だから、明日も自分の脚で走っていようと思います。
リストラ ~第15話~
時々、サラリーマン(雇われ役員を含む)時代は
良かったなぁと思うことが多々あります。
サラリーマンは言われたことをやっていれば、
会社が存続する限り、給料が貰えます。
もちろん、上司の機嫌を伺わなきゃいけない場面もあるし、
出来の悪い部下の尻拭いをしなければならない時もあります。
しかし、今にして思えば、極めて楽だったと思います。
サラリーマンを辞めることがどういう事かを知っていたはずなのに・・・。
後悔こそしていませんが、懐かしくは思います。
さて本題です。
前回までの話はこちらから
私は少し、落ち着きが無くなっていました。
なぜか入社時の配属命令を聞いた時の話しだけで30分が経過しそうだったからです。他の社員から、聞いていた話によると、今の部署に於ける業務の改善策等についての話がメインだったそうです。その類の話になると思って、準備していた資料なんかもあったのですが、全く出す余地がありません。
そうこうしている内に、現在の会社の問題点についての話になりました。
「相澤君はうちの会社の問題点はどこにあると思うかね?」
「当社は、新築住宅の売上げが95%以上を占めていますが、リフォームなどの非新築事業の売上げを伸ばすべきだと考えています。」
「ふむ、その理由はなんでだね?」
「今はまだ、人口も増加していますが・・・」
等と、第9話に書いたような内容の持論を展開しました。R会長も、それそのものには理解を示してくれました。さらに・・・
「しかし、このことを当社が真面目に考えているとは思えません。」
「どうしてかね。相澤君の考えていることを会社も考えているから、耐震リフォーム部を作ったんだよ。」
「失礼ですが、到底、結果が出せる部署には見えません。」
「ビジネスの結果は、新しい部署を作ったから、すぐに出せるというものではないよ。」
「いえ、私が言っているのは将来に向かっても、今の耐震リフォーム部のメンバーでは難しいと言っているのです。」
「なるほど・・・。他の社員から見ても、そう思うのかな?」
「恐らく、そう感じていると思います。もっと、悪い言い方をすれば、耐震リフォーム部イコール窓際族ぐらいにみんな思っていると思います。」
「そうか、改善策はあるかな?」
「昨年できたばかりの部署のメンバーを大きく入れ替えるのは難しいかと思います。しかし、M部長を役員に昇格させるなどして、耐震リフォーム部は窓際ではないことを強調するなどして、モチベーションを上げるなどの策は必要かと存じます。」
「相澤君の言うとおりだね。相澤君、会社の経営をしていく為に2つの権力が必要だがそれは何か解るかね?」
「2つの権力ですか?・・・わかりません。」
「人事と金だよ。しかし、今の私にはそのどちらも無い。」
R会長は少し肩を落としたように見えました。
「しかし、M部長に関してはR会長が社長のうちに役員にするとおっしゃっていたかと・・・」
「そうか、それをMに話したときに相澤君もいたか・・・。昨年の取締役会で、Mの役員昇格を提案したよ。今まで、私が人事采配を行ってきたことに対し、それまで誰も反対しなかったから、反対されると思わなかったよ。」
「では、取締役会で反対者が出たと?」
「I常務がMの役員昇格に反対してな。それで多数決になったんだよ。残念ながら反対多数でな。」
「理由はなんだったんでしょうか?」
「二つある。一つは私が社長を退いた後の役員構成を他の役員が気にしたこと。もう一つは、私が考えていた以上にMが他の役員に嫌われていたということだろう。」
私は、R会長とのやり取りで耐震リフォーム部が、他の社員が噂している様に窓際部署であることを再確認したにすぎませんでした。面接時間は3時間におよび、昼休みのチャイムで開放されました。最後にR会長から1冊の本を手渡されました。その時の本がこれでした。
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次回は新規事業部の話です。