YKTK GKTK TMK

先日、NHKスペシャルにて

『金融危機1年 世界はどう変わったか』

をやっていました。

ヘッジファンドが再び不良債権化した不動産を買い漁っているという内容だったのですが・・・

日本でファンドによる不動産の売買が盛んだったのは平成19年9月ごろまでがピークで、金融商品取引法の改正により、収縮を始め、リーマンショックで壊滅的な打撃を受けていました。

その頃、私はアセットマネージメントやアレンジメントの仕事をやっていたのですが、この頃の会話です。

相手は某銀行を辞めて、不動産ファンドの役員をやってるIMさんと、デベロッパーを辞めて、同じ不動産ファンドのS課長(女性)です。

「相澤さん、今回の物件は受益権のまんま取得しようと思うんですよ。」

「それは良いけど、あの建物、違法増築があるから、新たに受託してもらえるかね?」

「そこでご相談なんですが、それを治癒できませんかね?」

「大々的に工事すればできないことは無いかもしれねいけど・・・」

「じゃあ、現物で取得するしかないですか・・・。じゃあ、YKTKは使えませんか・・・」

「IMさん、今はYKTKじゃなくて、GKTKですよね。」

「そ・・・そうだな・・・。YKに慣れてたからなぁ・・・」

「どうします?」

「じゃあ、現物で本物件だけ、TMKでいきますか・・・」

この、会話についてこれた、貴方は金融不動産業界の人です。

意味の解らない、アルファベットの略語を見て、業界って難しいなぁと思われる方もいるかもしれませんが・・・

このアルファベットの略ごは女子高生の使っているような略語

KY=空気読めない

JK=女子高生

MMK=モテモテ困る

程度のレベルです。

この頃の私はさすがに意味は解っていたのですが、恥ずかしくて使えませんでした。自分が原宿や渋谷にいる子供達と同じレベルの略語を使うことに耐えられなかったからです。

もちろん、私も最初に聞いた時には全く、意味がわかりませんでした。

また、違法建築部分を直し、合法の建築物にすることを『治癒』と表現していますが、『治癒』は生きているものの病気を治す時に使う言葉で、建物の場合は『直す』ですから、日本語としてもデタラメです。

さて、ここで使われている略語は・・・

YKTK:有限会社匿名組合

GKTK:合同会社匿名組合

TMK:特定目的会社

なんで二文字熟語の頭文字のイニシャルを取って無理矢理、略そうとしたのかはわかりません。

しかし、この難しい不動産略語を使っていた連中の給料は物凄い高かったのですが・・・不動産や建築の本当のリスクは何もわかっていなかったのが滑稽でした。

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