「中抜き」と「ビーカン」
- B行為
- 二流の会社がやることは二流
- 「中抜き」と「ビーカン」
「中抜き」については、過去にも、このブログで何回か書いたと思います。
「飛ばし」とも言います。
以前のブログ記事から、探すのも面倒だと思うので、再度、意味を書くと・・・
売買物件を探しているお客さんAが、不動産屋さんBから、物件を紹介してもらいました。そのお客さんAは、不動産屋Bに仲介手数料を支払うのが、もったいないと感じて、所有者に直接、交渉して売ってもらうことにしました。
不動産屋Bは、所有者から専属専任を貰ってなければ、所有者が直接、お客さんを見つけたことになるので、仲介手数料がもらえなくなってしまいます。これを、「中抜き」とか「飛ばし」などと言います。
応用編としては、
お客さんA→仲介業者B→仲介業者C→仲介業者D→所有者
となった場合、仲介手数料は最大で6%+12万円です。
それをB,C,Dで分けることになるので、各業者の取り分は2%+4万円になりますが、仲介業者Bが、仲介業者Cに紹介してもらう以前から仲介業者Dを知っていれば、仲介業者Cを介さなくても、取引そのものは成立します。仲介業者BとDは3%+6万円の報酬を手にして、仲介業者Cは0となります。
これも「中抜き」とか「飛ばし」と言います。
そのため、仲介業者は所有者がなかなか、解らない様に色々なことをします。その例がREINZやアットホームなど、物件情報サイトに物件の所在地を丁目までしか書かないことによって、物件を特定させない様にしている業者が多数います。
これは、少ない仲介手数料を如何に省こうかとか、独り占めにしようかという発想からきています。
さて、「ビーカン」ですが、これはまとも不動産業を営んでいる方には当然に関係の無い話です。もちろん、宅建の本や実務書にも出てきません。
「B勘定」の略です。「B勘定」とは簡単に言えば裏金工作のことです。
簡単な事例は・・・
あるマンションデベロッパーAの担当者Bは、ある程度の権限を社内で持っていますが、給与には不満を持っていたとします。
その時、担当者Bのところに、不動産仲介業者Cがマンション用地の紹介にやってきました。担当者Bは、その物件を買っても良いかなと判断しましたが、仲介業者Cに向かって、
「その物件を買ってやる。仲介手数料も会社からは満額支払うようにさせるから、『俺』に1%をバックしろ!」
もちろん、その物件がどこのマンションデベでも買うようなお買い得な物件なら、仲介業者は他のマンションデベにこの話を持っていきます。しかし、ちょっと辛い物件で、売るのに苦戦している様な物件なら、2%でも仲介手数料は欲しい仲介業者はこの話に乗ってしまいます。
もちろん、仲介業者も一度貰った仲介手数料を理由もなく、他の人に渡せば、会計上問題が起こります。大手の仲介業者になればなるほど、この問題は大きくなります。
今は業務委託手数料で支払ったなどという言い訳は大手では通用しません。税務署だってバカじゃないので、「業務委託の成果物を見せろ」という話になります。
そこで、架空の領収書を集めて支払う行為のことを、本来は「B勘定」と言います。
さて、この、「中抜き」と「B勘定」の併せ技を駆使することが、どうも業界で流行っている様です。
※ さすがに会社名と担当者名は伏せます。
昨年、私の会社があるビルオーナーから
「うちのビルの最上階が空いたから、テナントを付けてくれ」
という依頼がありました。
うちは、目ぼしいテナント数社に声を掛けました。もともと、そこはエステだったのですが、そこでの売上が問題ではなく、社内の粉飾等があって倒産したエステがあった場所でした。
うちの担当者は、この場所はやはりエステが良いと言う事でエステを中心に声を掛けました。
そこで、エステ会社Pの担当者は大変に興味を持ちました。うちの担当者は追客をしていたのですが、そのビルのオーナーから・・・
「○○商事(仲介業者)がエステPを連れてきたよ。相澤さんところには悪いけどそこで決めようと思う。」
うちは○○商事は知っていますが、今回の話に○○商事を介入させていません。
調査の結果、このエステ会社Pの担当者が○○商事から、バックしてもらうことで、うちの紹介した物件を○○商事に紹介してもらったことにして、会社に報告したのです。
また別の話では・・・
マンションデベロッパーのやはりPが、まったく同じ事を、私のよくしっている仲介業者の物件で同じ事をやりました。
うちも中抜きをされたことがあります。しかも、数十億の物件です。
このマンションデベロッパーPは、中抜きをするのは有名な話です。
当然に、うちではこのデベロッパーには物件を紹介するのは辞めていますし、仲間内(もちろん、財閥系や電鉄系の不動産仲介会社のほとんどを含む)では、有名な話なので、このマンションデベには、良い物件は、あまり紹介しないようにしようと言う事になっています。
しかも、この会社の酷いのは幹部社員まで平気な顔をしてやっていることにあります。
しかし、不動産業界って、すごく狭い社会ですから、そういう噂はあっと言う間に広がります。
この業界で長く続けたいならば、中抜きやビーカンはなるべくやらない方が良いです。特に自分から切り出すと将来に良いことはありません。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。