二流の会社がやることは二流

連載シリーズ 【 二流の会社がやることは二流 】 第 2 話 / (全 3 話)
B行為・B取引・中抜き

不動産業界の中の業者間同士でやると信用を失う行為があります。

ちょっと前に『B行為』について書きましたが、それと同じく信用を失う行為があります。

『飛ばし』

です。

『飛ばし』とは、仲介業者1が物件Aを売主Bから預かって、それを購入検討者Cに紹介したとします。購入検討者Cは初めて入手した情報です。しかし、価格が高い、立地が悪いなどと言って断っておいて、別の仲介業者2に売主Bの所に行って情報を入手してこさせます。そして、仲介業者1を介さずに物件Aを購入します。賃貸の場合でも同じです。

もちろん、これが専任物件であれば、成立はしません。

※専任・・・不動産仲介には専属専任、専任、一般の3種類の媒介契約があります。専属専任は依頼した仲介業者以外のルートで契約しても、その仲介業者に手数料を支払わなければなりません。専任は別の仲介業者を介した場合は専任契約の仲介業者に手数料を支払わなければなりませんが、自分でお客さんを見つけた場合は仲介業者に手数料を支払う必要性はありません。一般は別のどの仲介業者を介しても、仲介をしてくれた業者に手数料を支払えば良いことになります。

ところが、専任物件で無い場合は当然ですが、いくつかの仲介業者が同じ物件をいじっているので、同じ情報が購入(賃借)検討者に入る場合があります。この場合は、一番最初に物件情報を持ち込んだ仲介業者が優先されます。暗黙のルールという感じがするのですが、これを破ることで、訴えられて負けたというケースもあるので、暗黙のルールというよりも、公然のルールなわけです。

うちで預かっているビルの一室がありました。地方物件なので仲介することで、内覧やら、原状確認やら、契約やらで、何度かそこに足を運ぶと、賃料も安い為に、うちとしてはあまり利益にはならない物件です。(っていうか、赤字になりそうな物件です。)

しかし、そのビルオーナーにはかなりお世話になっているので、うちとしてもなんとかテナントを付けようと努力していました。

ある中堅のエステ会社Pにお声掛けをさせていただいていて、かなり検討して頂いたのですが・・・

「今回は、見送らさせてください。」

と言われてしまいました。

相手のあることですし、これはこれで仕方がないのですが・・・

本日、ビルオーナー会社の取締役から電話が掛かってきました。

「相澤さん、うちのビルに内覧の申込が入ったんですよ!」

「え、どちらのテナントですか?」

「中堅のエステ会社Pです。某仲介会社を介して内覧の申込がありました。」

『飛ばし』です。

「いやいや、そこはうちが数ヶ月前から紹介している先ですよ。」

「そうなんですか?うちとしては決まってくれれば・・・」

たしかに、うちに専任をだしている訳ではないので、オーナー側には問題がありません。ただ、オーナー側もしっかりしていて、業界ルールを良くご存知で、仁義を通される方の場合は、うちを通す様に言ってくれます。

このビルオーナー会社の社長はそういう方なのですが、この取締役はその社長の息子さんですから、この辺のルールはよく解っていません。

そこで中堅エステ会社Pの担当者M氏にどういうことかを尋ねると・・・

もう、言い訳の言葉が震えているのが解ります。

「あ、すいません。その件はよく解らないんですが、別の担当者が決めたのかな?あせる

「いや、御社の店舗開発はMさんだけだと言ってましたよね。それに上司と相談した上で出店を見合わせたと言っていましたよね。むかっ

「実は私、10月から異動になるんで、別の次の担当がいるんですよ・・・あせるあせる

かなり、苦しい言い訳です。

電話を切ったあとに・・・

「頭に来た。それこそ、契約が成立した時点で裁判してやろうか!メラメラ

と、うちの女性社員の前で愚痴ると、その女性社員が

「社長に事前に言いましたよね。『Pはエステ会社としては二流ですよ。』と・・・。二流の会社はやることも二流っていうことです。私はPが中堅だから二流と言った訳じゃないです。それに、仲介しても、うちは人件費と交通費で赤字になりますよ。まぁ、どうでもいいじゃないですか。ちょっと頭にきますけど・・・社長が怒っても疲れるだけで何の得もないですよ。」

この女性社員の言葉はちょっと、キツイですが、極めて正しく、極めて大人の意見です。(どちらが社員でどちらが経営者か解りません汗

そして、私はこの会社が最初から二流であることの忠告を受けていたのです。

『二流の会社はやることも二流』


『二流の人はやることも二流』

解っていたはずなのに、この『飛ばし』を警戒するの忘れていました。

私のミスです。

しかし、今後、この中堅エステ会社Pに物件を紹介することはないでしょう。そして、私がお付き合いしている不動産会社には、『中堅エステ会社Pは要注意』と教えることになると思います。

狭い社会ですから、あっと言う間にそういう情報は広がります。

リーシングに関して、今後、この女性社員に全てを任せようかと考えています。

そして、持つべきものは優秀な社員であり、信頼できる人間関係だと改めて思いました。

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