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前回は、借家人への督促状の出し方を書きました。
これで反応が、ないといよいよ連帯保証人に連絡しなければならないのですが、その前に1つ、やってみることがあります。
3.督促状に対して1週間程度、反応が無かった場合は、勤め先に連絡する。(ただし、勤め先などに、借家人が家賃滞納をしていることを告知することは不可。)
職場に連絡をするというのは、気が引けるのですが、これは借家人に督促をするという意味合いよりも、3つのことを確認するためです。
・ 出勤している場合
ここで本人と話すことができれば、無理にその場で督促をしなくても、
「通知を出しておりますのでお読み下さい。」
という程度にしておきます。職場の他の人に家賃滞納をしているということが、知れ渡ると職場にいられなくなったりします。また、出勤しているが、離席中、外出中、接客中などで本人が電話に出られない場合も、決して他の社員に借家人が家賃滞納をしていることを伝えてはいけません。その場合は
「〇〇から、電話があった旨をお伝え下さい。」
(〇〇は貸主の名前です。)
程度にしておきます。
いずれにせよ、督促状を送っていて、支払いもなく、連絡も無い状況です。すでに他の借金があるなど、経済的に困窮している可能性があります。しかし、会社に在籍しているということは、給与は貰えているはずです。後々、その給与を差押える可能性もあることから、本人が会社にいられなくなるようなことをする必要はありません。
勤務先に電話をして、本人と話せずに2~3日待って連絡が無い、もしくは家賃の入金がなければ、連帯保証人に電話をします。
・ 在籍はしているが、「本日はお休みを頂いております。」と言われた場合
この場合は、自分が借家人に対する家主である旨を明かします。その上で家賃を滞納していると言わずに
「△△様と連絡が取れなくて心配しており、失礼かとは思いましたが職場にお電話させて頂きました。△△様は、ご入院されているなどではないでしょうか?」
(△△は借家人の名前です。)
と、聞きます。最近は個人情報の問題などもあるので、素直に教えてくれない可能性もありますが、その場合でも、ここは上司の方に電話を替わってもらうなどをして食い下がってでも事情をある程度、聞きます。この場合、私が使う嘘は
「実は消防の検査があるのですが、連絡がとれなくて・・・。」
と言います。(ここは嘘も方便です。)
ここで会社が休んでいる事情を把握していれば問題ありません。仮に急な入院をしている、海外旅行に行っているなどの場合も事情が把握できます。
会社が状況を把握していない場合もしくは、把握してないと受け取れる場合は、この時点で1度、物件を見に行った方が良いでしょう。事故で連絡ができない状況が考えられます。もし、この時点で会社が状況を把握してないとすれば、1週間以上無断欠勤をしていると考えられます。それを放置している会社ですから、その時点で信用がおけません。第1話でも書きましたが、自分で行けない場合には管理会社、賃貸借契約をした不動産会社などに行ってもらいます。異常を感じた場合にはすぐに合鍵等で開けてはダメです。警察に連絡して警察官立会いで合鍵を使います。本人が部屋にいて、助けを求めている場合は、警察に電話、消防署に電話(救急車の手配)をします。
・ すでに退職している、もしくはそもそも、その会社には在籍していなかった。
家賃滞納においてもっとも多いのがこのパターンです。そもそも、入居時の会社に勤めていて、その当時の所得(給与)を貰っていれば、家賃を滞納しなければならない状態に陥ることは少ないはずです。もっとも、博打(株やFXなども含む)や異性にお金をつぎ込んで借金をしてしまう場合もありますが、この時勢ですから、会社そのものが倒産していたり、リストラになっていたりと退職しているケースもあります。
また、家賃保証などに加入していないと、入居審査時にその会社に在籍している確認をしていないケースというのもよくあります。家賃保証に加入すると、家賃保証会社が入居審査でその会社に電話して在籍確認をすることが殆どです。
これは家賃滞納で発覚したのではないのですが、某大手賃貸専門不動産仲介会社が、入居させた借家人で、入居時の職業は「看護士」という女性がいました。夜勤が多いのは、看護士だからだと思っていたのですが、実際には飲食店(キャバクラ)に勤めている人でした。発覚したのは、借家人が勤める店のお客さんにストーカーに遭い、その部屋にストーカーが不法侵入した事件で発覚しました。
他にも知人に頼んで、入居審査の時だけ、その会社に在籍させてもらったことにしていた。という事例もあります。
このように入居時に虚偽の申請をしている場合も多くあります。
このような場合は、収入が少なかったり不安定だったりするので、家賃滞納が多くなります。
入居時の会社の在籍確認が取れなかった場合には、すぐに連帯保証人に電話をします。
次回は連帯保証人への電話催促の方法を書きます。
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