日本の将来を占う(不動産業界篇2)

カテゴリ:ブログ 不動産投資

以前のブログで、
住宅着工戸数が10年後に50万戸、20年後には15万戸になると書きました。

今回は、次回の予告通り、その根拠を書こうと思います。

実は私がダラダラと書く前に、この記事を読んで頂ければと思います。この記事は富士通総研が、統計的に見た日本の空き家率の記事です。そこに、日本の将来の住宅着工戸数のヒントがあります。

空き家率の将来展望 ―現状のままでは20年後に25%近くに―

この記事を読んでみると、日本の住宅着工戸数を半減させても、空家率が上昇していくことがわかります。ここまでは、極めて論理的な予測であり、信頼の置ける予測です。

さて、現在の住宅着工戸数は約80万戸ですから、約40万戸にしても、空家率が増えていくということになります。つまり、半分にしたとしても実質的には供給過多な状態が続くということです。

ここで、前回の私の記事で予測した10年後の労働者平均手取所得ですが、現在の約80%になっています。当然に、これは平均です。現在の住宅を購入できる層の所得が80%に減っているという訳ではありません。

高所得者の社会保障還元率は増えるにしても、所得格差が拡大していることが想像されます。しかし、それにしても、3000万~4000万の新築マンションや戸建を30年前後のローンで買うことのできる層(30歳代前半で年収500万円前後)は、大幅に減っていると考えられます。

しかし、人が家に住まないということはありません。貸家にしろ、持ち家にしろ、ホームレスにでもならない限り、家に住むことになります。

そこで、この中古住宅市場の登場です。当然に耐震化の遅れなどから、全ての中古住宅が使えるとは限りませんが、コストとのバランスで新築の需要の相当数が中古に流れることは容易に想像がつきます。

ただ、10年後となれば、まだまだ旧耐震の建物が多かったりします。例えば、私の住んでいる場所の近くには昭和30年代に建てられた公営住宅の建替えの計画もあります。

恐らく、公営住宅をはじめとして、この10年前後で旧耐震の建物が建替えられたり耐震補強が行われるでしょう。また、10年後に長期金利はやや上昇しているものの、不動産価格が所得以上に下落していると考えられます。

為替次第では材料費の下落も考えられますし、この日本の経済動向で人件費が下がっていれば、建築コストそのものが下がります。

そういう意味においては、この10年の間も確実に新築の着工戸数は減るものの半分になるとは思えません。

ところが、この旧耐震の工事が一巡すると・・・。今から20年後というのは、2032年です。この頃になると昭和に建てられた住宅も相当、減っていると思います。とすると、住宅の寿命もかなり延びていることから、それこそ新築の需要が殆どなくなっている筈です。

さらに、前回の私の予想で、この頃になると日本の長期金利は大幅に上昇しています。景気が好転していないにも関わらずです。

とすれば、新築住宅の購入層はもっと大幅に減ることになります。
すでに大手不動産会社(マンションデベロッパー)の再編が始まっているように、今後はハウスメーカーやゼネコンの再編もあり、業界の大幅な縮小が予想されます。

逆に大手や新鋭の会社が中古住宅をリフォームに算入することになり、現在の様なリフォーム詐欺業者などは駆逐されると予想されます。

ただ、ここで中古住宅や貸家の取引が活発になるからと言って、不動産業界が明るくなるわけではありません。これは新築と中古・貸家を併せた総数は減るからです。人口が減るのに住宅の総数の需要が増える訳はありません。

中古住宅や貸家の取引に向けて、なにか特徴の無い不動産業者は淘汰されていくことは必至です。ましてや、地上げをして、マンション業者に土地を卸したり、転売を中心にしている業者などは、時間の問題で淘汰されるでしょう。

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