訂正 住宅のエコポイント
で住宅着工戸数について書きましたが訂正させて頂きます。
昨日のブログで今年度の住宅着工戸数は97万戸ぐらいと書きましたが、とてもじゃないけど、そこまで行きそうもないということが本日の国土交通省発表の10月の着工戸数で明らかになりました。
昨年の1月~10月までの着工戸数 927,011戸
今年の1月~10月までの着工戸数 650.914戸(前年比 -29.8%)
昨年の年間着工戸数 1,093,485戸(平成20年4月~平成21年3月の平成20年度は1,039,180戸)
この比率で行けば、今年の住宅着工戸数は
767,806戸
昨日の記事で書いた97万戸なんてとても到達できる数ではありません。
この数はこの業界にいない人にはわからないかもしれませんが、驚異的な数字です。
どこかの記事で弱気なエコノミストが80万戸を予想などとかいてありましたが、
「バカ言ってんじゃないよ。日本の住宅着工戸数が100万戸を切るだけでも大変なのに80万戸なんてあるわけないだろ!」
と思っていたのですが、いよいよ現実味を帯びてきました。
私が、この業界に入った頃の住宅着工戸数は150万戸ぐらいですから、約半分です。
去年の103万戸でも、十分に少ないと思ったのに・・・。
今回のこのデータをもう少し分析すると・・・
特に不動産的な要素が大きい分譲住宅(分譲マンション&戸建)の減少率が20年4月~10月と21年4月~10月の対比で-50.2%・・・これじゃ、不動産業界が苦しいわけです。
また、住宅以外のオフィスや店舗も-26%、-34%ですから、ゼネコンも瀕死だと思います。
このペースで行けば、ゼネコンの売上げだって40%減とかになってもおかしく無さそうですが、新興国の公共事業などでフォローしているのかもしれません、ドバイで大幅な赤字が出そうですが・・・。
ただ、個人的な感覚論で根拠はないのですが、住宅というのは一度、数が減って需要が落ち込むとそれを回復するのは容易なことではありません。
バブル崩壊後、平成2年から平成3年に166万戸から134万戸に大幅に減りました。平成8年の消費税特需(平成9年から消費税が5%になるということでの駆け込み需要)で一旦は回復しますが、その後もずるずると減り、平成17、18年に底打ち感から、120万戸台に回復しますが平成19年以降103万戸になります。
この様に一度、落ち込むと、住宅需要の大きな回復というのはなかなか難しく、またデフレスパイラル、人口減少などのファンダメンタル的な要因もあり、大きな回復は見込めなくなります。
私がハウスメーカーの商品開発にいた時(2001年ごろ)に、住宅業界は2030年までに70万戸、2050年までに50万戸になるというレポートを発表し、その為にリフォームなどの新築ではない業態を育てるべきだという持論を展開したことがありました。当時の役員から大いにバカにされたのですが、今となってはそれすら、甘い予測だったと反省しています。(この戸数をあと20年維持してくれれば予想は当るわけですが・・・)
また、私が、そのハウスメーカーで資材の調達等をしていた頃(平成7年ぐらいだったと記憶しています。当時は私もまだ20代の後半でした。)に、ある化成品会社の建材部長に石膏ボードの価格について
「もっと、工場の規模を大きくして大量生産すればコストが下がるのではないでしょうか?」
「日本は住宅着工戸数が100万戸の時代が来る。その時でも、安定した価格で供給しなければならない。戸数が減ることが分かっていて、戸数が減ったから建材が高くなりましたじゃ、ハウスメーカーも困るだろ。」
「100万戸の時代が私が目の黒いうちに来ますかね?」
「君は生きている年数が僕の半分しかないからね。そのうち、解るときがくるだろう。」
業界の収束が急激すぎて、ついて行けなくなる業態が不動産や建築だけではないところまで来年は影響を及ぼす時代が来るかもしれません。
この危機感が民主党に伝わることがあるのか疑問です。
まずは1本、お電話ください。些細な疑問にも答えます。プロ、アマ、一般の方、すべて歓迎。