B行為

連載シリーズ 【 B行為 】 第 1 話 / (全 3 話)

さて、今回はB行為について書いてみようと思います。

まず、不動産業界でないかたにB行為(もしくは「B取引」という場合もあります。)について、どんな取引なのかを簡単に書いておきます。

パターンA

買主の担当者が仲介業者に不動産を買う際に手数料の一部をバックしてもらう。

不動産の物件購入担当者が本来だったら、その担当者のいる会社の損得とは別にとりあえず、無理矢理にでも社内承認を取ります。仲介業者は売買を成立させなければ1円にもなりませんから、担当者に手数料のバックをすることで社内決済を取ってもらう行為です。

パターンB

買主の担当者が売主に本来よりも少し高い金額で買ってあげることにして、その売買代金の一部をバックしてもらう。

本来、2億円で売れれば良いと思っていた売主に2億2千万で買ってあげるから1000万を自分にくれという行為。売主も買主側の担当者も得します。

パターンC

買主の担当者が別の仲介業者から仕入れた情報、もしくは自分自身で得た情報を自分の仲の良い仲介業者から情報を得たことにして、仲介手数料をバックしてもらう。

パターンD

パターンCに近い話ですが、物販業や飲食業の店舗担当者が自分で見つけた物件情報を知り合いの仲介業者から得た情報の様に見せかけて、仲介業者から手数料をバックしてもらう。

他にもいくつかの手法がありますが、この様な不動産取引に於いての不正な裏取引、特に買主(売主、借主)の担当者が仲介業者を使って行う不正取引をB行為もしくはB取引と言います。

B行為の話はちょっと景気がよくなるとすぐに出てきます。

ですから、最近はすっかり忘れていたのですが・・・、前述の様に闇不動産屋さんのブログを読んで色々なことを思い出しました。

B行為の中でも私がエゲつないなぁと思った話です。

ある、衣料系物販の店舗開発の担当者から電話ありました。

「相澤さんのところでうちの店舗の仲介やってもらいませんかね?」

「ありがとうございます。で、どの様な物件をお探しですか?」

「いえいえ、もう希望の物件は見つけてあるんですよ」

「では、その物件の所有者に貸してくれるかを交渉すればいいんですね?」

「いえいえいえ、もう貸してもらえる話はついているんですよ。」

「では、うちは何をすれば宜しいんですか?」

「契約書と重説を・・・。それとご相談事がありまして・・・」

さすがに私もそこで解りました。

しかし、原則的に私はB行為に対してあまり賛成しませんが・・・受けたかどうかは皆さんのご想像にお任せします。

しかし、その衣料系物販というのが、皆さんの半分以上の方が知っていそうな全国に支店を展開している大手です。そんな、ところでもB行為が行われているのには少し悲しくなりました。

これを読んでいる不動産業界の若い方は絶対にB行為はしないことをお勧めします。

B行為を自分から提案すると、相手も自分に損がなければ乗ってくれることがあります。

しかし、B行為を一度でも行うと、あの人はそういうことを言う人だと常に思われます。つまり、同じ条件で買ってくれる買主がいるのであれば、仲介業者はみんな、別の買主に物件を紹介します。つまり、B行為をする人に物件情報を持ってくるのは最後になってしまいます。また、将来の業界での信用が常になくなってしまう訳です。

もちろん、私の仲のいい不動産業者の皆さんは上の衣料系物販の担当者がそういうことをする人であることを知っています。

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