原状回復工事 ~入居者視点からのリニューアル~
前話(「原状回復工事 ~不動産屋が高い理由~」)で、書いた部屋の施工前の部屋の写真を見せてもらうと、フローリングは部分補修をしてワックスを掛ければ問題ないような状態です。建具を替えた理由は、フローリングを替えるときに巾木を替えるため、造作材の色が変るから建具まで替えたという理由です。
さて、この部屋で当社が提案すると、どんな提案になっていたかというと・・・
項目 | 数量 | 単価 | 小計 |
キッチン換気扇フード交換 | 1式 | 38,000円 | |
キッチンシート貼り | 1式 | 24,000円 | |
キッチン水栓交換 | 1式 | 28,000円 | |
トイレペーパーホルダー交換 | 1式 | 7,500円 | |
トイレタオルリング交換 | 1式 | 5,000円 | |
フローリング補修 | 1式 | 15,000円 | |
火災報知機設置 | 2箇所 | 3,900円/箇所 | 7,800円 |
スイッチプレート交換 | 6箇所 | 3,000円/箇所 | 18,000円 |
クロス交換 | 88㎡ | 1200円/㎡ | 105,600円 |
クリーニング工事 | 1式 | 25,000円 | |
工事管理費 | 1式 | 30,000円 | |
合計 | 303,900円 |
と、こんな内容でした。建物の住み心地というのは、立地や周辺環境と間取りや日当たりなどによって決定されるものです。ですから、各住戸のリニューアル工事によって、「住み心地」を変化させることは極めて難しい問題です。住み心地を変化させるためのリニューアル工事は、各住戸の工事よりも共有部分の工事によってできます。
では、当社が水周りやスイッチプレートなどの細かいものを替えたかと言うと、こういう部分は、メーカーの商品の入れ替わり(デザイン変更)が頻繁に行われるため、新築物件と比較すると劣化が激しく感じられるからです。また、水周りやスイッチなど、前居住者が触ったものの中で新規入居者が嫌悪感を感じるものはなるべく交換してあげるという効果もあります。
ちなみに火災報知機は法律の変更に伴うものです。(E社は忘れていました。)
さて、この部屋はE社が前話で提案した内容で施工した後、2ヶ月で入居者が決まりました。決まったのは、3月中旬で、もっとも入居者の入れ替わりが多い時期ですから、決まって当然なのですが、113,000円で募集して、結果的には110,000円で決まりました。
その2ヵ月後、このマンションオーナーから、再び依頼がありました。E社が施工した部屋の下階の部屋が空いたので、リニューアルの提案をして欲しいとのことでした。
こちらの部屋も状況は殆ど変り無かったのですが、フローリングは補修の必要性もありませんでした。ただし、給湯器が壊れかかっていたので、給湯器を交換しました。他の内容は、上記の内容とまったく同じです。
工事が終わったのは、6月の中旬でした。私はマンションオーナーに115,000円で募集をするように提案をしました。結果は、7月1日からの入居希望者が、115,000円で成約しました。築年数が10年のマンションですが、1LDKの周辺の新築相場が120,000円弱だったこともあったので、新築に近い賃料で決まるという自信があったからでした。
賃貸専門不動産会社は、入居者がどんな視点でものを見ているかのマーケティングは、殆ど行っていません。強いて言うならば、マイソク(物件の広告)に書ける項目を増やしたいだけです。風呂・トイレ別、エアコン付、ウォシュレット付、光回線など、とにかく項目を増やしたいだけです。そして、それに食いついてきた入居希望者をなんとか営業力で説得します。家賃を下げるのも営業力と称しています。今回の物件では
『大規模リフォーム済み』
とマイソクに書かれていました。フローリングを交換したことを大規模リフォームと言いたかったのでしょう。
このように大手賃貸不動産会社は、客付けさえできれば良いと考えており、入居者目線でのリフォームの提案は出来ません。それによって、入居者は長期に渡って賃借してくれない物件になってしまいます。
たしかに、最近はインターネットの物件検索サイトなどでも設備の選択欄があります。ですから、マイソクに書ける項目を増やすことで、インターネットの物件検索サイトでも、選ばれる可能性は高くなります。
しかし、ある程度の設備が整っていれば、後は実際の物件勝負になります。
当社は設計事務所であることの強みを活かし、戸建分譲住宅や分譲マンションなどのマーケティングデータをもとに、人気の住空間を常に研究して、それを賃貸住宅にも反映させています。
そして、費用対効果の大きいリフォームの提案を行っております。
賃貸住宅の空室対策、原状回復工事は
リデベにご相談ください。
原状回復工事 ~不動産屋が高い理由~
当社のお客様である、マンションやアパートのオーナー様から、空室対策に関する相談を受けます。その多くの物件は、立地的にかなり厳しい物件であったり、かなり老朽化している物件だったりと、その理由は様々です。
立地的に厳しい物件は、なかなか手の施しようが無いというのが実態です。また、老朽化した物件であっても、そこまでの手入れの状況次第ですが、築40年以上の物件となると、やはり、かなり厳しいものがありますが、立地的条件と物件の状況によっては、何とかなる場合もあります。
今回は、物件も平成に入ってからのもので、立地的条件も整っているのに空室がどうしても出来てしまうという物件についての問題点について検証します。
マンションやアパートと言うのは立地的条件が整っていれば、新築から築5年目ぐらいまでは、事故でもない限り、周辺相場賃料とほぼ同等であれば、それなりの入居率は見込めるはずですが、築10年を超えてくると賃料の下落が始まります。これは、築年数による経年劣化よりも、細かい設備が新しい物件と比較して見劣っていたり、室内のデザインが流行から遅れていたりするのが主な原因です。
ある賃貸マンションオーナーが、客付けと家賃の回収、共有部の清掃、退去者が出たときの原状回復を大手の賃貸専門不動産会社E社に任せていました。大手の賃貸専門不動産だけあって、それなりに入居者を付けるのですが、平均入居年数が3年弱と入居者が安定しません。
入居者の出入りが激しいのは賃貸物件のオーナーにとっては、次の入居者が入るまでの間、賃料が得られないだけではなく、原状回復工事なども少なからず出費があるはずです。
そして、この賃貸マンションオーナーから当社に入居者が安定するにはどうすればいいかと言う依頼がありました。
入居者が安定することは、実はすごく簡単なことです。
『住み心地のよい住居を提供すること』
この一言につきます。
そこで、まずはそのマンションの空室を見させて貰いました。その部屋は前入居者が6年間住んだそうで、このマンションの中では長く住んでいた入居者でした。
間取りは1LDK(34㎡)です。
まず、中に入って気がついたことは、フローリングでした。新品のフローリングです。
オーナーに聞いてみると、この部屋の前入居者と前々入居者の併せて10年間フローリングを替えておらず、表面がかなり劣化していたので、E社から、
「そろそろ、原状回復工事と一緒にリニューアル工事をした方が良い」
と勧められて工事をしたそうです。
そこで、E社の提案した工事内容を見てみると・・・
建具の交換 | 3本 | 98,000円/本 | 294,000円 |
フローリング | 1式 | 350,000円 | |
造作工事 | 1式 | 158,000円 | |
クロス交換 | 88㎡ | 1,800円/㎡ | 158,400円 |
下駄箱補修 | 1式 | 15,000円 | |
クリーニング | 1式 | 37,500円 | |
工事管理費 | 1式 | 101,290円 | |
合計 | 1,114,190円 |
※建具3本 リビングと寝室の間のドア・洗面所のドア・トイレのドア
と、こんな内容でした・。
まず、気になったのは値段です。建具やフローリングは良く知っているメーカーのもので、仕入れ価格も概ねわかっていました。それだけに、あまりに高いと感じました。
しかし、高いのは当然です。
E社は、業者を手配する能力はありません。そこで、工事を別のH社に丸投げしています。H社自体もフランチャイズリフォーム会社です。H社は、通常の工務店と比較するとフランチャイズ手数料を工事費の20%取ります。さらにE社がH社の見積に25%乗せているので、大手賃貸専門不動産会社は通常の工務店に工事を依頼するよりも1.5倍も高いことになります。
これはE社に限ったことではありません。大手の賃貸専門不動産会社はどこも似たようなものです。
実際に大手の賃貸専門不動産会社にリニューアル工事を依頼して、「高い」と感じたマンションオーナーの方も多いと思います。
しかし、賃貸専門不動産会社の提案の問題点は高いだけではありません。次回は、その提案内容の問題点について考察します。
当社は設計事務所であることの強みを活かし、当社では、戸建分譲住宅や分譲マンションなどのマーケティングデータをもとに、人気の住空間を常に研究して、それを賃貸住宅にも反映させています。
そして、費用対効果の大きいリフォームの提案を行っております。
賃貸住宅の空室対策、原状回復工事、リフォームは
リデベにご相談ください。
マンションお買い得度判定ソフト
私は日経新聞を購読していますが、毎週、金曜日、土曜日になるとマンションや分譲住宅の広告が沢山入ってきます。多いときだと20枚ぐらいは入っています。
さて、その中には新築マンションもあれば中古マンションもあります。
そこに、ある大手不動産仲介会社の広告が入っていました。
西武新宿線「練馬駅」徒歩2分、都営大江戸線「練馬駅」徒歩4分、平成13年築、面積17坪弱(2LDK)、14階建ての4階の物件が出ていました。
価格は2980万円
ここで東京にあまり詳しくない人に解説を入れておくと、練馬駅ということは、新宿駅まで18分、池袋までなら7分です。
この価格を高いと思いますか?それとも安いと思いますか?
私は基本的には、都内で売られているマンションは全て『高い』と思うことにしています。
実際に計算してみると高いことが殆どです。これは『買得!』と思う物件に遭遇したのは、この5年で1物件だけでした。(当然に物凄い倍率になり抽選で外れました。)因みに、この物件の抽選の半分が不動産業者だったとも言われています。
住宅(マンションや戸建)の価格が高いか安いかというのには、その人の主観が入ります。
それは、子供がいる人だったら、いい小学校や中学校が近い場所が良いと思うし、介護の必要な老人と一緒に暮らしている人なら病院が近い物件が良いと思うでしょう。
それだけでは、ありません。育った場所の近くだったり、実家の近くというのには愛着のあるもので、それはなかなか価格に反映することができないものです。
また、その人の趣味にあった、デザインや間取りだったりすれば、それも価格にはなかなか反映されないのが実態です。
さて、この様な主観的要素を除いて冷静に考えてみましょう。
不動産業者や投資家の方なら、よく知っている『利回り』です。
知らないための為に簡単に説明すると、投資額に対して、どれだけの配当があるかです。
例えば10000円の投資をして、1年間で1000円戻ってくれば10%の利回りです。
銀行の普通預金の場合は1%にもなりません。
さて、不動産投資の一つの指標ですがJ-REITというものがあります。
現在のJ-REITの利回りは平均すると概ね6%弱です。
つまり、この基準に満たない高い物件を買うのであれば、借りた方が得ということになります。
不動産価格が上昇する経済局面にある場合には話は別です。しかし、大局的に見れば日本の不動産が上昇するというのは、余程の金融緩和をするなどの実体経済と乖離した超インフレでも起こらない限りありえません。
このJ-REITの利回りを上回ればお買得ということになるのですが、実際には殆どありません。(マンションを1棟ごと買うなどをすれば、沢山あります。)
そこで、誰でも簡単に買得物件かどうかを判定できるソフトを作ってみました。Excel2003で作っていますのでExcelが必要です。携帯、もしくはスマホで見ている方はパソコンでダウンロードして使ってください。
マクロやVBAは使っていませんのでウイルスの心配もありません。
↓をクリックしてダウンロードしてください。
マンション価格判定
薄い黄色の部分を入力してください。
中古物件の場合、その物件のある場所の容積率が難しいと思います。その場合は、その行政区の建築指導課に問い合わせるか、その行政区名と『用途地域』、『都市計画図』などの言葉をGoogleに入力するとだいたいあると思います。
解らない場合は、私にメールで問い合わせてください。
あとは、Excelの横にあるリンクを参照してください。
50㎡以上~200㎡までのRCないしSRCのマンションでの判定です。
50㎡未満のワンルームマンションや木造の戸建では判定できません。(そのうちバージョンアップします。)
月々のローンの返済額も判定できます。買得判定以外にも使ってみてください。
初期設定でローン金利は2012年2月現在の20年の固定を使っています。(自由に入力できます。)
三段階評価です。
「お買得物件です。」
「適正価格に近い物件です。」
「買わない方が得です。」
かなり、厳しい判定結果がでます。市場の広告に出ている物件は全て
「買わない方が得です。」と出る筈です。
適正価格がでるので、それに向かって交渉してください。
めやす賃料
最近、大きな案件が3つほど、重なっています。
その為、なかなかブログの更新ができないのですが・・・
こんなニュースが出ていました。
今秋、賃貸住宅に「めやす賃料表示」を導入 日本賃貸住宅管理協会
日本賃貸住宅管理協会は今年秋から、約1200会員を通じて賃貸住宅に「めやす賃料表示」制度を導入する。全国一律に同じ基準で計算された月額ベースの賃料などの金額を、募集広告をはじめ申し込み書や重要事項説明書などに実質賃料と共に併記する。地域の商習慣によって異なる更新料の有無やフリーレント物件など、従来の賃料表示ではわかりにくい費用も含めて、実質負担額を月額ベースの「めやす賃料」として消費者に示す。
めやす賃料に含まれるものは月額賃料をはじめ共益費・管理費、敷引金、礼金、更新料。賃料など条件の改定がないと仮定し、4年間賃借した場合(定期借家は契約期間)の月当たりの金額が「めやす賃料」となる。一方、めやす賃料に含まれない項目は、仲介手数料・更新事務手数料、町会費、カギの交換費用、原状回復特約費用、定額の設備使用料、賃貸保証会社への保証委託料、家財保険などの保険料。敷引金については、敷金・保証金の償却など預かった金銭から必ず差し引くものが対象となる。
同協会では既にインターネット、配布図面、情報誌などで不動産情報を取り扱う複数の大手関連企業とも、めやす賃料の記載についてほぼルールを決定しており、秋の導入開始と共に業界に一気に広まりそうだ。
個人的には、良い事だと思います。
アットホームやSUMOなどの運営会社も同じ様なことは考えていたと思います。
しかし、オーナーから、広告宣伝費を貰うことで成り立っているサイトが、オーナーのマイナスになる様なことをする訳がありません。
その点、公的な団体が、こういう指標を作るのは良い事だと思います。
私は、更新料だとか、礼金の全てを否定しません。民間同士が賃料をどういう形で取るかの問題だけです。ただ、それを、解り安くするというだけの話ですから、利用者に優しい制度になります。
また、オーナー側や不動産会社も、ごまかすのではなく、競争原理でよくなると思います。
ただ、町の小さな不動産屋さんや、賃貸住宅専門のチェーン店などで、更新料で生きてきたような会社は苦しいでしょう。
高級マンションと住居の消費税
六本木ヒルズのマンション棟の家賃が高いのは有名な話です。
かつては、ライブドアの堀江氏で有名になり、最近では押尾学氏が麻薬の使用などで話題になりました。
堀江氏が住んでいた部分の家賃は200万円/月と聞いていますが事実関係はわかりません。
しかし、家賃が200万円/月を超えるマンションというのは六本木ヒルズに限った話ではなく、東京都の主要3区の良い場所だと、よくあります。
最近、赤坂のマンションでこんな話がありました。
「築年数は古いんだが、100坪の床に100坪の専用庭、それにリムジンも入る駐車場2台分のマンションに客付けできないかな?家賃は相澤さんが適当に査定して決めちゃっていいから!」
実は、ちょっと前に350万円/月の部屋を紹介したお客さんが、諸事情あって決まらなかったので、そちらを紹介しました。築年数が古いこともあって、200万円/月(管理費込み)でご紹介しました。
紹介したお客さんは、内覧して、かなり、気に入られた様子でした。
その旨を私にこの話を紹介した不動産屋に連絡すると・・・
「オーナーに報告書出しました。相澤さんにもC.Cでメールしました。」
との電話が・・・
メールを見ると・・・
「月額家賃200万円(消費税込み210万円)でお客様と交渉中・・・」
と書かれています。
あわてて電話しました。
「あの!住居ですから、消費税かからないんですけど!?」
「え?そうなんですか・・・?今まで、私は消費税取ってきましたけど・・・」
「住宅は消費税かからないんですよ!事務所、店舗、駐車場は掛かります。それに住宅でも管理費は消費税が掛かりますが・・・」
「いや~、でも今まで消費税頂いてきたんで・・・」
「その消費税、納税してないですよね?」
「オーナーさんがしてなければ・・・」
この方、ちゃんと宅建主任者の免許を持っています。
しかし、実はこの類の話は多々あります。
不動産業者なんて、こんないい加減な連中だらけです。大手の賃貸不動産屋さんにもたくさんいます。
むしろ、大手の方が多いかもしれません。
ちょっと、話していて疲れた事態でした。
家賃の決定方法とは・・・
家賃の価格が何によって決定されるかを考えています。
供給者側の理論からすれば・・・利回りが、考えられます。
利回りは
(年間家賃収入-管理費-修繕費-税金)÷原価=利回り
と考えられます。
管理費、修繕費はほぼ固定費。
税金は建物は固定、土地は地価によります。
原価=建物代+土地代
になり、建物代は地域差を考慮に入れる必要性はありません。
つまり、賃料は土地価格によって決定されます。
しかし、本当にそれが正しいのでしょうか?
消費者側からの理論は原価は関係ありません。
※土地は消費されないけど・・・
それが、不動産以外の全ての製造物に言えます。
かつて、テレビの価格をメーカーが決定していましたが、
現在は、消費者が決定します。
これは競争原理が働いているからです。
同じものを生産すれば、競争原理が働くのは当然です。
しかし、不動産は同じものが無い為、想定比較が大変に難しいです。
故に競争原理が正確に働かないことが要因です。
これを数学的に解決出来ないかを模索しています。
夜中に訳の解らない話を書きました。
住宅エコポイント開始
以前にも、本ブログで書きましたが、住宅のエコポイント制度が始まりました。
以前の記事はこちらから・・・住宅のエコポイント
(2009年11月29日の記事)
さすがに、開始直後ということもあって、テレビ、新聞の各マスコミが取り上げています。
その、一部を紹介・・・
住宅版エコポイント、「特需」に期待集まる
住宅版エコポイントの申請受け付け開始を受け、住宅メーカーや小売店が特需取り込みに一斉に動き始めた。野村不動産は5月中旬にエコポイント対応の分譲住宅を売り出す。家電量販店のヨドバシカメラは2店で内窓の販売に乗り出した。
野村不動産は東京都小平市で開発中の大型分譲住宅「プラウドシーズン花小金井」(250戸)で断熱性の高い複層ガラスなど、住宅版エコポイントの省エネ仕様を全戸に標準採用。5月中旬に第1期販売を始める。同社が戸建てでエコポイント対応にしたのは初めて。
出典:NIKKEI NET
住宅版エコポイント:申請スタート 最大30万円分
省エネに対応した住宅の新築・改修を実施した場合、商品などと交換できるポイントがもらえる「住宅版エコポイント」の申請が8日始まった。1ポイント=1円相当で、最大30万円相当が与えられ、低迷する住宅市場の活性化や地球温暖化対策の進展につながることが期待されている。
ポイントは、新築の場合、1戸30万ポイント。改築の場合は、工事内容によって異なり、30万ポイントが上限となる。ポイントは、地域産品や商品券、電子マネーなどと交換できるほか、追加工事にも充当できる。
対象の住宅は、新築は昨年12月8日から今年末までに着工、改築は今年1月1日から今年末までに着手したなどの物件。発行申請は、国土交通省のホームページ(http://www.mlit.go.jp)などから申請書類を入手し、住宅エコポイント事務局に郵送するか、全国約3800カ所の受付窓口に持参する。申請の締め切りは新築一戸建てが11年6月末。
エコポイント商戦も活発化しており、大手住宅メーカー「ポラスグループ」(埼玉県越谷市)は6日、同県草加市でエコポイント対象の分譲住宅を32棟売り出し、7日までに29棟が契約に至った。同社は、「制度を説明することで、契約してもらいやすくなる」という。
出典:毎日jp
と、この様に各新聞等も新築分譲マンションや新築戸建分譲への経済的な効果の期待の程を書いています。しかし、個人的には全く無いとは言わないまでも、その効果の程は薄いと考えています。
この、制度、新築でエコポイントを利用するには、今までの仕様よりも、それなりに断熱性の高い仕様にしなければなりません。その仕様分の値段は、当然ですが価格に反映され、消費者の負担となります。(多少の企業努力はあるとは思います。)
そして、エコポイントは最大30万円分・・・
ということは・・・
21坪(約70㎡)、専有200万の新築マンションであれば、
僅かに0.7%のポイント還元
30坪(約100㎡)、建築費60万の新築戸建であれば、
僅かに1.6%のポイント還元
ということになります。
おそらく、初期には、得したという感じよりも、エコに協力したという満足感の人がいるかもしれませんが、この程度のポイント還元で経済的効果が窺える程、新築市場がよくなるとは、到底に思えません。これは、以前、ブログで書いた通りです。
しかし、テレビのニュースやトステムのCM等で話題になっている、内窓のリフォームなんかは効果的です。
4LDK30坪、築20年の木造家屋があったとします。
築20年となると、北海道、東北地方を除けば、二重サッシやペアガラス、断熱サッシを採用している家は殆どありません。
4LDKの家だと居室に平均12箇所ぐらいの窓があるはずです。(廊下、洗面、トイレ、浴室は除く)
とすれば、二重サッシにする、平均施工単価は60万円ぐらいで、エコポイントも15万円分ぐらいの還元になります。(窓の大きさにもよるので一概には言えませんが、これくらいにはなる筈です。)
ということは
なんと25%のポイント還元
そして、二重サッシにすることで、30坪の家で家族4人と考えれば、平均光熱費は3万円/年以上は安くなります。元を取るのには15年も掛かりますが、生活の質の向上(部屋がすぐに暖まる、外部の音が聞こえにくい、結露しにくい等)を考えれば、その効果は十分にあるでしょう。
総合的なリフォーム業者がやれば、そのポイントを利用した、他のリフォーム工事の受注も考えられます。また、ビッグカメラなどの家電量販店も二重サッシの販売を始めた様ですが、それにより、そのポイントで家電の販売促進などの相乗効果もあるでしょう。
リフォームに関しては、ある程度の成功を収めると思います。
しかし、とするならば、新築のエコポイントをリフォームに集中投下することを考えなかったのが不思議です。経営資源(財源)は限られている訳ですから、選択と集中は当然のことの様に考えられるのですが、そこら辺が政府の甘いところだと感じました。
車や家電と違って息切れが早いかも・・・
今、住宅を買うべきか、借りるべきか2
以前の記事で書いた内容では中期的~長期的にはデフレスパイラルを考えれば、現金の方が資産価値が下落する不動産よりも良い可能性があると言う事を書きました。
しかし、超長期的(10年以上)という単位で考えるとそうでも無いと、私は考えています。
最近、国会の予算編成に関して、国債発行額が問題になりました。今年の国債発行額を44兆円にするべきかどうかということが論点になっていました。
亀井氏の様に、国債発行額を増やしても財政出動して景気経済の建て直しを計るべきという意見もありました。個人的には全く反対という訳ではありません。経済論とは、掛離れますが、戦争戦術論から言えば、
『相手の戦力が分からない時は、全力を持って対処すべき』
という考えがあります。これは、小出しに戦力を出すことで、各個撃破されることを防ぐ為です。戦力を集中投下することの重要性から考えれば、一気に財政出動して、景気回復を図ることで、税収歳入を増やすことの方が財政の建て直しに繋がるという考え方は理解できます。しかし、問題は、そのタイミングです。グローバルな経済事情から考えれば、限りある財源を効果が薄い時に投入するのは効果的とは言い難い部分もあります。酷い考え方ですが、守る時はしっかり守って、攻める時に一気に財政出動するという方が効果的です。持ち堪えられれば・・・の話ですが。
さて、話がずれそうなので戻しますが・・・
国債発行が44兆円を超えるかどうかなどというのは、実はあまり重要ではないのかと考えています。大雑把に考えて、国債発行額は今後、40兆円~60兆円程度の幅の中で推移していくでしょう。現在の国民資産が1400兆円と言われています。実際にはその時点から見れば、不動産資産や株価の下落で1300兆円弱と考えるのが、適切だとは考えていますが、ここは1400兆円としましょう。
まず、日本は移民の受け入れ等をしなければ人口は絶対に減っていくでしょう。(これまた、亀井さんが頑張って外国人を阻止しそうなだけに!)これは即ち、労働人口の減少に向かいます。また、同時に高齢者が増えることによって、歳入が減っていき、歳出が増えるということになります。
つまり、税金歳入で賄えないから、国債発行で賄うことになります。当然ですが、民主党が行った、茶番劇でしたが、事業仕分けの様なことはこれからもやるでしょう。そして、多少なりとも消費税の増額などは行っていくとは思います。それでも、国債発行額を減らすまでには至らないでしょうし、それ以上のことをやれば、やった政党が選挙で負けるということを繰り返します。
私は小沢独裁政権や民主党一党独裁というのは非現実的だと考えています。現在の政治状況が続けば民主党の分離というのも将来的には十分考えられ、その場合には自民党他から賛同者が集まり、今の民主党でも自民党でもない形の二大政党もしくは、それに近い形に向かうと考えています。
特に政治家が国会議員であることに重きを置いている、もしくはそうせざる得ない状況である以上、志が薄い多くの議員が右往左往することになるでしょう。それにより、政党の分離併合が常套的(10年に一度もあれば十分に常套的と考えています。)になれば、日本の政治は経済とは掛離れて機能不全になることは必然です。
それによる、他の問題はさておき、前述の様な政治状況であれば、民主主義というよりも国民既得権の顔色を窺いながらでなければ、政治家であることが難しい以上、増税か国債発行かを迫られれば、多少の増税はあっても、多くは国債発行に傾向していくと考えられます。
もちろん、今回の予算審議の様に、ニュースステーションで古館一郎が・・・
「国債発行が44兆円、そして、それは将来の子供たちに借金を背負わせているのです!」
と、その瞬間だけ煽るものの、しばらくして、増税の話が出れば同じく古館一郎が
「国民無視の政治というわけですね!」
と吠えまくるでしょう。そして、その頃には、国債発行額も国債残高のことも、みんな忘れています。
こうして、次の一票の為に増税よりも国債を選ばざる得なくなります。
こうやって、国債発行額は60兆円に向かって増えていくと考えています。
もちろん、直線的には上がっていかないのですが、便宜上、直線的に上がると考えれば、国民総資産1400兆円に到達するのには、15~16年掛かります。しかし、人口減少や、デフレスパイラルを考えれば、余程、中国経済によって、日本市場が潤わない限り、資産の目減りも考慮しなくてはならず、総合的に考えれば、あと10年でそれを超えていくことになるでしょう。大きな戦争など、突発的なことが無ければの話ですが・・・。(あるから、怖いんですけど・・・)
国際的な日本の経済的立場を考慮すれば、日本の国債のデフォルトというのは殆ど考えられません。そこで考えられるのは、国債の日銀買取です。しかし、これは、貨幣増発を意味しています。
つまり、日本は不景気に面したまま、インフレを迎えることになります。
こうなると、前回、書いた、
『現金の方が資産価値が下落する不動産よりも良い』
という考え方は、無くなってきます。
必然的にインフレになれば、資産価値に変動のある資産のものの方が有効です。
10000円で牛丼一杯しか食べれない時代になれば、現金で持っているよりも、資産変動が追随してくる不動産で持っている方が良いでしょう。ましてや、不景気が続行していれば、金利上昇も見込めません。(この時点で金融破綻となると思いますが・・・)インフレとなればインフレ率よりも、利率が下回るのは、普通に起こる現象です。
この様に、超長期的視野で考えれば不動産は買っても損ではないと考えていますが、そういうスパンで考えると、もう1回、不動産価格が上昇して、それが下がってからでも全然、遅くはないとも考えています。
火災報知機の義務化
東京都(23区及び島部を除く市部)では、本年の4月1日より、既存住宅であっても火災報知機のが義務付けられます。
これがその火災報知機です。
我家は賃貸住宅(マンション)です。
しかし・・・、この火災報知機は私が本日、設置しました。
(通常は所有者が付けるか、所有者が管理会社に依頼して設置します。)
なぜかと言うと・・・・
今月になっても大家さんから火災報知機設置に関する連絡がありません。
心配になって、私の方から連絡してみました。
解ってはいた様ですが、どうすれば良いかわからないとのこと・・・。
不動産会社に聞いてみたら
「1個につき、材料費+取り付け費で5500円と言われた・・・」
とのことでした。
(実際に、電設業者に聞いてみると5000円前後が多かったです。)
そこで、私が全部屋(3LDK×48世帯=192個)に設置してあげることしました。
この火災報知機、1個2030円で買いました。
大家さんからは1世帯に付き、1500円を頂くことになりました。
(本当は頂くつもりは無かったのですが、「それでは悪いから・・・」と大家さんが言うので・・・)
1個につき、2405円ですから、大家さんも相当に得なはずです。
しかし、ずっと、上を向いて作業したら、肩がこりました。
今日はシップを貼って寝ます。
今、住宅を買うべきか、借りるべきか
「住宅を買うべきか、借りるべきか?」
という質問を色々な人から聞かれます。実はプロの方からも聞かれます。
関東ローカルのアイダ設計のテレビCMで美川健一さんが
「いつまで、家賃払うつもり~」
と、言って、分譲住宅のCMをやっています。
ローンと家賃を比較したら、買った方がお得ですよ。と言うCMです。
たしかに、ローンは支払終えれば、不動産という資産は完全に自分のものですが、借地借家はいつまでたっても自分のものにはなりません。
同じ質問を10年ぐらい前によく受けました。
中短期的に見ると、この質問を多く聞かれるようになると、地価は下げ止まっていると感じます。完全に地価が上昇している時には、バブル時の『住宅すごろく』ではありませんが、買った方が絶対に得と全員が思っていますから、この質問をする人はいなくなります。また、土地の値段が右肩下がりの時には、もっと下がるだろうと皆が思っているので、これまた、この質問をする人はいません。
ところが、ある程度下がってきて、下げ幅が小さくなれば、「そろそろ買い時なのかな・・・」と思うのは自然の摂理です。そして、全く需要が無かったところにポツポツと需要が出てくれば下げ止まるという現象です。
株式や商品先物を投機で行う場合、完全な底値や上値を捉えることは難しいです。しかし、完全な底値や上値を捉えなくても利益は出せます。
例えば、大豆の値段が35000円から23000円まで下がったとします。
「そろそろ買い時かな?」
と思って、23000円で買いで参戦したが、まだ下がって21000円まで下がっていったとします。(その時点で追証きちゃうけど・・・)それでも、21000円から反転して、30000円まで回復すれば、底値を捉えてなくても十分に利益は出せます。つまり、23000円は完全な買い時とは言えないまでも、概ね買い時だったわけです。
特に、不動産の場合は
『一気に下がってさらにゆっくり下がって、一気に上がる』
という傾向が強いので余計にこれが当てはまります。
そういう意味では概ね買い時なのかもしれません。個人的にはエリア別でもう少し下がると考えていますが・・・。
ところが、これが中長期的に考えると全く、違った答えが出ます。
日本の経済は長期的にはすごく緩やかなデフレスパイラルに陥っているし、当面は超低金利が続くと考えられます。日本は1990年以降~今日まで、2006年~2008年ぐらいに掛けては一時、デフレスパイラルが止まりましたが大きな流れからみれば、止まってはいません。
この場合、資産変動のある不動産を買うべきかどうかという問題です。
家賃は、大きな流れからすれば不動産価値に合わせて上下します。
しかし、一度買ってしまった不動産は、その買った人から見れば、買った時点で価値が決定されてしまいます。つまり、買った時点でのローンを払い続けることになるのです。
人口減少や過剰供給を考えれば、長期的に不動産の価格は下がるエリアは多数あると考えています。そういうエリアでは買うよりも、借りた方が得というケースは十分に考えられます。
私に質問した方が、どの辺のことを聞きたいのかが解らないので回答に困ることが多々あったりします。