放課後等デイサービスの開設については建築士に相談を
放課後デイサービスの設計について、最近、事業者の認識が間違っているケースが見受けられます。放課後デイサービスは下記の点は厳守しなければなりません。
・児童福祉法
・建築基準法
・消防法
・高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)
この、法律にはそれぞれ国の定める法律の他に都道府県、さらには市区町村の定める条例や規則があるので注意しなければなりません。
事業者は、児童福祉法に関する法令については、営業許可や補助金の関係から、行政の担当窓口と相談されているケースが殆どで、ここについては殆どの事業者が守っています。
また、消防法に関しては、消防検査の定期検査に義務などから、多くの事業者が事前相談をしっかりされています。
しかし、建築基準法の用途変更に関して、特に用途変更の必要性が法改正により200㎡以上になってから、多くの事業者が、建築基準法の確認を怠り、また、それに付随して発生するバリアフリー法を守ってないケースが見受けられます。また、勘違いをされている事業者が多くいることが、確認されています。
まず、大前提として、「200㎡以下であっても法律は遵守しなければならない。」ということです。
では、遵守されていないかの事例を紹介します。
・そもそも、放課後デイサービス等の事業をやってはいけない場所でやっている。
・採光や換気が十分に足りていない建物を使用している。
・排煙設備がない建物を使っている。
・防火区画などが守られていない。
・耐火性能などが守られていない。
・バリアフリー法に関する、地域で定められている条例を守っていない。
・200㎡以上あるにも関わらず、申請する部分を200㎡未満にしている。
一部の行政では、建物の設計などについて建築士に確認しないと、そもそも事業の申請そのものを受け付けていない行政もありますが、多くの行政では、法令を遵守していることを前提に事業許可を出しています。
そのことから、建築士に相談しないで事業所を開設されたり、また、確認申請が不要なため、なるべくコストを押さえるために、法令を遵守しないことにより、前記したような、建築基準法を違反しているケースが散見されています。
しかし、法改正により用途変更の確認申請が200㎡以上になっても、200㎡未満の事業所も開設後3年を目処に後日、調査が入り、違反している場合には是正を求められることがあります。(令和3年11月現在、コロナ禍もあり、遅れている様です。)
※小規模建築物を対象とした医療・福祉施設、宿泊施設、集客施設等を所管する関係部局との連携について(https://www.mlit.go.jp/common/001294996.pdf)
開設後に是正となると、費用も開業時よりも多くのコストを要しますし、何よりも是正工事をしている期間は休業を余儀なくされます。また、悪質な場合には罰則規定があることも注意が必要です。
当社で相談を受けたケースの中では、そもそも是正が出来なくて閉設を余儀なくされたものもあります。
このことから、まず、開設する場所を決定(物件の賃貸借契約の締結や購入)前に、その場所で開設することが出来るか、出来るとして費用が予算内に収まっているかなどを事前に建築士、できれば、福祉施設の設計の経験のある一級建築士事務所に相談してください。
当社では、放課後デイサービスをはじめ、有料老人ホーム、老人デイサービスセンター、認可保育所、企業主導型認可外保育所などの多くの福祉施設の設計を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
業務エリアは基本的に日本全国です。(電話及びメールでの相談は全国一律無料)
検査済証が無くてお困りの方へ(融資実行・用途変更や増築も出来る場合あり!)
まずは、建物のあるエリアの所轄の行政庁に問い合わせて「建築確認台帳」で検査済証が発行されているかの有無を確認してください。
「検査済証がなくてもあきらめないでください!」
検査済証がなくても融資を受ける方法はあります。
検査済証がなくても増築・用途変更を行う方法はあります。
1.検査済証とは?
検査済証とは、まず、建物を建てる前に、建築基準法やその他の関連法令に合致しているかどうかを図面にします。そして、その図面通りに建てられているということを、行政や国土交通省指定の民間確認検査機関が検査して、合格したものに発行されます。
2.検査済証はいつ発行されるのか?
検査済証は、建物が出来てから4日以内に検査の申請をして、申請到達後7日以内に検査を受けなければなりません。また、この間、建物の使用もできません。(引越しなどで家具を入れるのも使用とみなされます。)したがって、建物を利用して、しばらくしてから、検査済証が無いからと言って、検査を依頼することはできません。
3.検査済証がなくて金融機関から融資が受けられない場合
平成30年4月1日より、不動産売買の際、重要事項説明書に検査済証の有無の記載が義務付けとなりました。それ以前から、各金融機関とも検査済証の無い建物に対しての融資が大変、厳しくなり、場合によっては融資が実行されないことが増えてきました。
そこで、平成26年7月2日に発表された「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」(国土交通省)というものがありますが、これはハードルが高く、特に建物を利用している状況では、なかなか検査ができなかったりします。また、このガイドラインはそもそも、検査済証のない建物の増築や用途変更を可能にするために策定されたもののため、かなり厳しい検査をするので、かなりの費用が掛かります。しかし、金融機関はそこまでのものを求めていないことが多く、当社から、遵法性を明らかにした証明書でも、融資実行がされたことは多数あります。この証明書については金融機関の求めてくる内容によって異なるので、一概にいくらで出来るとは言えませんが、木造1戸建てであれば、税別50万円~(平均税別100万円前後)で出来ます。
4.検査済証がなくて用途変更や増築ができない場合
前述の通り、検査済証が無いとガイドラインを利用して調査をするか、建築基準法第12条5項による調査を必要とします。ただし、法第12条5項の調査は、行政が提出を求めないと行うことができません。したがって、基本的にはガイドラインになる場合が多くなります。(当社では、ガイドラインの検査も法第12条5項の検査もどちらも経験があります。)
このガイドラインに従った構造の調査の場合、破壊検査(建物の一部を壊して、鉄骨や鉄筋の接合部を露出させる)や非破壊検査(建物の構造をレントゲンで撮る)などの調査をするので、建物の規模によりますが、最低でも税別200万円~となります。
5.検査によって違反箇所が発見された場合
検査済証のない建物の多くは、当社の経験によると、検査を受けない何らかの理由が存在することが多く、その殆どが建築基準法に違反していることが多いです。違反箇所は是正するしかありません。しかし、場合によっては、物理的に是正ができない、もしくは是正をすることが経済的に困難なケースもあります。
6.新築時の図面があるかどうかが鍵
当社に依頼される場合で新築時の図面が全くないというケースがあります。後日、不動産会社が作った様な間取り図は、建築図面ではないので殆ど役には立ちません。この場合、図面の復元が必要になりますが、地中杭など再現が、かなり困難な図面もあります。建築図面が全くない状態からでも、用途変更や増築を行った実績はありますが、費用も時間も図面がある場合よりも掛かります。
7.まずはお手元にある資料を揃えてお電話ください。
前述の通り、実際の調査となると、かなりの費用が掛かります。そこで、お手元にある資料を揃えて、お電話でご相談ください。お電話での相談は無料で行っております。
そこで、可能性がある場合には予備調査(現地調査・行政調査・約10万円~)を行い、実際に調査に掛かる費用などのお見積り及び工程表を作成させて頂きます。
200㎡未満の用途変更について
令和元年6月25日より、建築基準法の改正により、200㎡未満の用途を変更する場合「確認申請の手続き」が不要となりました。
1.手続き不要でも法律遵守は義務
手続が不要になっただけで、建築基準法及び関連法令を守らなくて良いという訳ではありません。これは、改正前の100㎡未満の用途を変更する場合「確認申請の手続き」が不要だった時と何も変わってはいません。
もともと、用途変更をする場合には、用途変更をする建物に対して、現行法に合わせなければいけないのは、用途を変更する部分の「室内の環境」「バリアフリー」「防火」「耐火」「消火」「避難経路」などのことが大部分でした。ところが、これが建築士でないとなかなか理解が難しいところだったのですが、用途変更の手続きが200㎡以上になったことで、200㎡未満であれば、好き勝手にやっても良いと勘違いされるだろうというのは、法改正前から予想がされていたことでした。
用途変更の際に法律を守らなければならない部分で特に「防火」「耐火」「消火」「避難経路」は、火災や天災の際に即座に命に関わることです。
2.手続不要の建物に対するチェック体制
前述のため法改正前後から、特に消防署の検査(※1)等が厳しくなりました。
また、変更した用途によっては、国土交通省住宅局から各行政に対して法改正時に、消防署や保健所などに用途の変更が行われた建物の存在を建築当局(※2)報告する通達があり、建築当局は用途の変更が行われた建物に対して、用途によっては、3年後を目途に建築基準法が守られているかの報告(※3)を建築主に求めるように通達がでています。(※4)
東京都の様に用途変更の工事着手前に「防火対象物の工事計画の届出等」(※5)を出さなければならない行政区の場合には、工事着手前に違反状態にあれば、消防署や消防署の指導で建築当局に指示を仰ぎに行くこともできますが、そうでないと事前にチェックする機関がどこにもないことになる(※6)ので、用途変更の工事完了後に消防検査の時点で違反を指摘されて、違反箇所を是正したり、使用を開始してから違反を指摘され是正するようなことになると施工者も大きな費用負担が発生したり、建築主も営業開始を延期したり、営業をしていれば営業を停止しなければならない場合も発生します。場合によっては、使用そのものが出来ないというようなことすら発生します。(「違反を指摘された事例」を参照してください。)
3.手続き不要の建物に対する建築主の対策
当社では、どんな面積であっても、建築基準法及び関連法令などが自分で判断できない場合には、用途変更に詳しい建築士などに事前に相談をして、必要であれば、その建築士に図面や書類を作って貰うことを推奨しています。
消防検査の時点で違反が発覚したり、使用開始後に違反が発覚したりすると、使用開始が遅れたり、違反が改善されるまで建物が使用できなくなったり、場合によっては違反の是正そのものが出来ないなど、経済的損失は計り知れないものになります。
4.手続きが不要になったことで変わったこと
そもそも、用途変更の確認申請手続きが200㎡以上になったことは、不動産(特に空き家)の流動性を高めるためです。用途変更の確認申請手続きで問題だったのは
① 確認済証が発行されるまで工事が着手できない。
② 新築時の建築図面が無いと、その復元が必要。
③ 検査済証(建築基準法第7条第5項)が無いと、手続きが煩雑になるか、場合によっては用途変更ができない。
この3点が緩和されたことでこれにより、確認済証が無くても、出来るところから工事を始められ、用途を変更する部分以外のフロアの図面などが不要(立面図や断面図は必要)となり、検査済証がなくても、その建物の遵法性や安全性を確認できれば、用途の変更が出来る様になりました。
しかし、その建物の遵法性や安全性の確認、用途を変更した場合に守らなくてはいけない法律を怠ってよいという訳ではありません。
5.手続不要の用途変更の設計依頼を受けた建築士の方
建築士の方は委任状、確認申請書の1面~6面と新築時の図面、工事完了届以外の書類は用意しておかなければならないことを注意してください。(法第12条5項報告を求められた時に後から用意するのは至難の業です。)
また、手続が不要なだけに確認してくれる機関がありません。(※6)したがって、建築基準法に抵触した場合、建築士がすべての責任を担うということを十分に心掛ける必要性があります。
※1:各行政の火災予防条例に定める「防火対象物使用開始届」に対する検査。
※2:その用途の変更を行おうとする建物を所管する特定行政庁における「建築指導課」等
※3:「建築基準法第12条5項報告」違反建築もしくはその可能性があるものに対して行政は建築主等に報告を求めることができます。その際には、その部分の遵法性等を証明する書類が必要となってくるため、用途変更の確認申請とほぼ同様な書類や図面を報告書に添付する必要が発生します。
※4:国土交通省住宅局建築指導課長発、令和元年6月24日国住指第661号(http://www.mlit.go.jp/common/001294996.pdf)
※5:東京都の火災予防条例第56条第1項に基づく届出で、建築基準法の確認申請に必要な図面以上の図面などが求められます。
※6:用途変更の確認申請の手続きが無い場合、細部の規定を質問すれば、その規定は教えてくれますが、行政も民間確認検査機関も図面をまるごとチェックはしてくれません。
用途変更が200㎡からになります。
令和元年5月23現在、まだ法律が施行されていませんが、令和元年6月中には、法律が施行されることが確定している建築基準法改正があります。それは
「用途変更の確認申請義務が100㎡以上だったものが200㎡以上になる。」
ということです。
これは、現在の日本の空き家が物凄く増えていることに対してストック住宅をより活用しやすくしようとしている為のものですが、用途変更の多くはビルの一部だったり、していて空き家の戸建てをすることは少ないのですが、実はこの法律改正には大きな罠があります。
用途変更の確認申請手続きは確かに200㎡未満の建物について行わなくてよくなりますが、建築基準法を守らなくて良いということではありません。
当社にお問い合わせがあるときに
「自転車は免許不要で乗れますが、もちろん法定速度は守らなくちゃいけないし、飲酒運転をすれば、道路交通法違反で、捕まって処分されるのと同じで、確認申請が不要でも、違反建築が、ばれれば、是正処置を求められます。」
これは100㎡以下の時も同じだったのですが、当社には用途変更の手続きが不要だからということで、建築士等に確認をしないで、自分で適当にデザインを考案して、内装工事業者に施工して貰ったけど、違反建築を指摘されて是正を求められているという相談が月に数件はやってきます。
違反建築をしていると、こんな手紙が突然おくられてきます。もう、この手紙が来たら、元通りに戻すか、建築士に依頼して是正してもらうしか方法がありません。
ここで大変なのは違反建築を是正するのが、意外に大変ということです。
例えば1時間準耐火構造で作らなければならないところを、普通の壁で作っちゃいました・・・。みたいなことになると、内装工事で作った間仕切り壁から全部やり直し、みたいなことになって、作り直すためには、営業を何週間もとめてやり直さなければならないし、解体が発生するので、当初の工事費を上回ることになることも平気であります。
また、そもそも、その場所でやってはいけない事業をやっていたりすると、是正というより、辞めるか移転を余儀なくされるというケースも多々あります。
そして、これを放置すると、突然、次のような看板を建物の前に貼られてしまうことになります。
こうなって、しまうと、少なくとも是正しないで使用すると本当に逮捕されたりします。
違反建築は以外とばれます。ばれるケースは
・ 建築指導課監察係(行政によって呼び方が違います。)のパトロール
・ 消防署の検査で、消防署員が気が付いて、行政に通報
・ 一般の方からの通報
これは、自分の感じていることですが、最近は消防署の検査で消防署員が行政に通報するケースが増えています。最近の消防署の方は、かなり、建築基準法を勉強していて、完了検査で国土交通省指定民間確認検査機関(通称「民間」)が見落としって行ったことを指摘されたりということもあります。
ここまでのことを整理すると、今回の法改正での
メリット
・ 完了検査を受けていない(検査済証が発行されていない)物件でも200㎡なら容易に用途変更ができる。
・ 確認申請の手続きが無いので、確認申請から確認済証が発行されるまでの期間が短縮できる。
デメリット
・ 建築士等の建築基準法を解っている人を介さないで作ってしまって、違反建築になって、発覚すると、思わぬ出費や事業停止がある。
しかし、本当に危惧しなければならないことは、
これは私が、本改正の前に国土交通省住宅局建築指導課長にと話し合ったことですが、その課長さんは
「200㎡未満の小さな建物ならば、違反があっても是正しやすいし、仮に事故があっても被害は少ないから・・・」
と説明されましたが、私は
「200㎡の保育所って想像したことがあります?40人からの児童が預けられる保育所ができてしまうんですよ。それなのに建築基準法が守られてない建物が乱立する可能性があるんですよ。消防法や児童福祉法に定める施設基準は建築基準法が守られていることが前提なんですよ。
火事になっても建築基準法が守られてないために避難できない児童がでるかもしれないんですよ。40人の児童の命は、あなたにとって小さな被害なんですか?」
その課長さんはそれっきり黙ってしまいました。
用途変更の確認申請の手続きが200㎡未満になったことで、今まで使えなかった検査済証のない建物で100㎡から200㎡未満までが用途変更ができるようになったということだけでも、ありがたいということで、建物利用者の安全を守るという意味からも、用途を変更する場合には、必ず建築士に相談することをお勧めします。
用途変更の価格比較について
用途変更の確認申請の難しいところは、建築基準法上、現在の法律のどこまでを守らなければならないかの判断をするところにあります。おそらく、用途変更を請負った建築士の方の多くがここで悩んだと思います。そして、国土交通省指定確認機関(役所や民間機関)に聞いても、多くのミスリードを見かけます。
先日、ある建築主から、
「事務所の2階部分を飲食店に用途変更したいから、建築士に用途変更を依頼したら、エレベーター全ての扉に遮煙という機能を付けなければならず、何百万という費用とそれだけで3ヶ月ぐらいの工期が必要だと言われたんだけどなんとかならないでしょうか?もう、物件も借りて家賃も発生しているのに用途変更の申請期間や内装工事期間だけでも辛いのにとてもじゃないけど・・・」
という悲鳴に近い問い合わせがありました。
もちろん、用途変更時にこのエレベーターの扉に遮煙の性能を附加する必要性はありません。現行法ではエレベーターの扉には、遮煙の性能が付いているのですが、平成12年より前の建物だと、その性能はありません。これは、既存不適格として建てられた当時の法律が守られていれば、そのままで良いのです。
話を聞いてみると、指定確認機関の民間機関の担当者が設計者にその様に伝えたとのことでした。その設計者が、「エレベーターの遮煙」=「防火区画」については既存不適格で良いということを理解していない故に発生してしまった話です。
しかし、この建築主、私と話をするのは2回目でした。よくよく、当社の問合せ履歴を調べてみると数カ月前に同じ物件の用途変更の問合せが来て、当社の概算金額(約140万(税別))を伝えてありました。その後、音沙汰が無かったので当社も別の方に頼んだのか、用途変更をしなかったのか・・・。正直、問合せだけなら1日に何件もくるので、全ての問合せ内容を覚えている訳ではないので、そのままにしてありました。
そこで経緯を聞いてみると、当社に概算金額を聞いた後、数件に電話をすると、やはり、200万円前後~300万円近い金額を提示されたが、1社だけ100万円税別でやってくれるところがあったので飛びついたとのことでした。
結果的には用途変更の経験の浅い建築士が値段だけで引き受け、指定確認機関に言われるままに用途変更をするから、設計費は安くても工事費や期間がとんでもないことになってしまったという事例です。
当社は豊富な経験から指定確認機関言われるままになどと言うことは絶対になく、不要な工事により建築主の負担を増やすようなことは絶対にありません。
当社の場合、基本的に設計業務しか受託しませんが、必要とあれば工事業者もご紹介します。当社のご紹介する業者は、用途変更の確認申請が必要な工事ばかりをやっているので、工事のスピードも格段に速いですから、一度、設計費と合わせて見積を取って頂くと良いかもしれません。
消防検査と用途変更
最近、問い合わせの多くで
「消防検査を受けようとしたら、消防士に「この建物は用途変更が必要ですね。」と言われました。」
という、問い合わせを多く頂きます。
以前は、消防士は消防法のことだけを考えていたので、建築基準法に伴う、用途変更のことについては、あまり口を出さなかったのですが、このところで突然の様にその問い合わせが増えてきました。当社が東京にあることから、問い合わせが関東圏からが多いにしても、実際には日本全国からの問い合わせが来るのに、「消防から言われた」というのは、ほぼ関東に集中します。
というわけで、ある消防署予防課で、その辺りの事情を聞いてみたところ・・・
「2015年5月17日に神奈川県川崎市で起こった簡易宿所の火災で、消防署は消防設備の立ち入り検査などで、建築基準法違反の実態を把握していたが、消防法に基づく検査しかしていなくて、さらにその建築基準法違反について特定行政庁に報告もしていなかったということが、世間で問題視されたことから、消防署で把握できる明らかな建築基準法違反については、特定行政庁に報告するなどの対応を取っている。」
とのことでした。つまりに、今までは、
・ 用途変更の確認申請を出さずに消防の検査だけ受けちゃえばいいや
・ 保健所の営業許可さえ貰えればいいや
というのが通用しなくなってきています。
ここで問題なのは、消防検査の段階で消防士に用途変更が必要だと言われているということは、工事が概ね終わっていたりすると考えられます。
ここから、用途変更の申請を建築士に依頼すると、そもそも建築基準法のことを考えずに内装を行ってしまっているでしょうから、建築基準法に抵触する箇所がいくつも出てくることになります。そして、当然ですがそれを全て是正しなくてはならなくなるので、二度手間が発生します。
そして、何よりも面倒なのは、「消防検査が終われば営業開始が出来る!」と思っていたものが、用途変更の確認申請から工事完了届を出すまでの間は営業ができないということにあります。
用途変更の確認申請は設計事務所への依頼から工事完了届出まで、最低でも9週間程度は掛かります。
さらにもっと酷い場合においては、「そもそも、その建物では用途変更は不可能だった」「その建物ではその業態を営業することは不可能だった」ということも、多々あります。
貸主や不動産会社が
「その場所で営業していいよ!」
と言っても、貸主や不動産会社は、建築のプロではありません。
できれば、その物件を借りる前に、そして遅くとも工事に入る前に、用途変更のことを詳しく解る建築士にお問合せください。
用途変更の設計費用について~旅館・ホテルなど~(価格変更のお知らせ)
当社では用途変更業務について、当社ホームページから簡単に概算金額のお見積りを作成できる様にいたしました。
こちらから、ご利用頂けるようお願い致します。
平成28年1月18日より、簡易宿泊所・旅館・ホテルなどの用途変更の設計費用を下記の通りとさせて頂きます。
(消費税及び国土交通省指定確認機関に支払う確認申請料は別途となります。)
関東以外のエリアでも対応しています。(出張費下記参照)
飲食店・物販店・遊技場等への用途変更は『用途変更の設計費用について~飲食店・物販店・遊技場など~(平成28年より)』を参照して下さい。
老人介護施設・児童福祉施設等への用途変更は『用途変更の設計費用について~老人介護施設・児童福祉施設など~(平成28年より)』を参照して下さい。
民泊につきましては『民泊について考える。~合法的に民泊はできるのか?~』に当社の基本的な考え方を記載していますので、こちらをお読みください。
その他の用途については、直接、当社にお問合せ下さい。
基本料金
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基本料金に含まれる内容
・変更後の用途が簡易宿泊所・旅館・ホテル・下宿等の場合になります。※2
・6階建て以下のビルで用途変更する部分が地上階であること。
・用途変更する部分が1フロアであること。
・確認済証(もしくは確認通知証)・完了検査済証があること。※3
・確認申請の副本及び確認申請時の図面・構造計算書があること。
・用途変更後の各種法適合している平面プランがあること。
・平成13年以降に建てられた建物であること。
・新築時以降に建築基準法・消防法等の各種法令に違反していない建物であること。※4
・防火対象物使用開始届については、基本料金内に含まれますが、各種消防機器類の届出は含まれません。
上記、基本料金に含まれる内容以外の場合、オプション対応となりますので、下記オプション設定を参照して下さい。
各種オプション
オプション1
用途変更が2フロア以上になる場合、2フロア以上の各フロアの面積ごとに
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例:各階200㎡の3階建ての事務所の建物の各階を定員10人の旅館に変更する場合
1フロア基本料金+オプション料金600,000円×2フロア
オプション2
法令適合している平面プランをご用意できない場合
ご自分で間取りを描いてみたが法令適合しているか解らない、内装業者(インテリアコーディネーター等)に間取りを描いて貰ったが法令適合しているか解らない場合等※5
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例:各階130㎡の3階建ての事務所の建物の各階を定員6人の旅館に変更する場合で、法令適合している平面図をご用意できない場合
1フロア基本料金+320 ,000円+250,000円/フロア×2フロア
オプション3
プランの案が全くなく、基本プランから依頼される場合
用途変更の工事費用が坪100万円を超えるようなデザインをご希望の場合は別途料金が発生します。オプション2の料金は、本料金に含まれます。
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例:各階130㎡の3階建ての事務所の建物の各階を定員6人の旅館に変更する場合で、法令適合している平面図をご用意できない場合
1フロア基本料金+550 ,000円+400,000円/フロア×2フロア
オプション4
確認済証(もしくは確認通知書)・完了検査済証の紛失
各5,000円
オプション5
確認申請副本の紛失
新築後に増築・用途変更等の確認申請が必要な変更をしている場合には、その確認申請副本も含みます。
100,000円
オプション6
確認申請時の設計図書(構造計算書含む)の紛失
完全に紛失している場合の価格です。一部残っている、構造計算書だけ無くした、確認申請時のものでは無いが契約時もしくは竣工時の図面が残っているなどの場合は、残存状況などによって、料金が変わってきますので、その場合は当社に直接、お問合せ下さい。(ある一定の精度の図面が残っていれば、かなり安くなります。)
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オプション7
平成12年以前に建てられた建物の場合
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オプション8
その他
厨房以外で火器(調理用・炉等)を使用する場合
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地下が存在する場合もしくは、用途変更箇所が地下の場合
1フロアごとに基本料金+100,000円
機械排煙設備を使用している建物の場合
200,000円/箇所
現況建物の遵法性確認について、特定行政庁が建築基準法第12条5項による報告を求めてくる場合
200,000円~
東京都練馬区等が該当しますが、その他の行政区でも該当する場合がありますので個別にご相談下さい。また、求めてこない行政区であっても、用途変更する建物に何らかの法的瑕疵がある場合などは必要になる場合もあります。上記料金は、建築基準法に一切抵触していない場合の料金になります。
お支払い方法について
建物によっては完了検査済証が存在しても、図面が揃っていても用途変更ができない場合があります。
例えば階段が一つしかなく、避難場有効なバルコニーの無い建物の5階の事務所を飲食店にすることや、第一種住居地域の飲食店をカラオケ屋さんにすることや、2mしか接道していない路地状敷地の中にある戸建てを保育施設にするなど、建築基準法の別の規制によって不可能な場合があります。
また、用途変更をしようと思っている以外の部分に重大な建築基準法違反がある場合なども用途変更の確認申請が出せない場合があります。
その為、当社では、まず用途変更が可能であるかどうかの調査を行います。・・・調査段階
そして用途変更が可能であることが解った段階で用途変更の申請作業着手となります。・・・用途変更の申請着手
そして、用途変更の工事が終了し、特定行政庁に工事完了届を出して業務終了となります。
まず、頂いた基本情報にて、概算見積りを作成します。
調査料(調査段階)
概算見積金額が100万円未満の場合・・・調査料 10万円+消費税
概算見積金額が100~200万円未満の場合・・・調査料 概算見積の10%+消費税
概算見積金額が200万円万円以上の場合・・・200万円までの部分が10%+200万円を超える部分につき5%+消費税
(別途出張料:下記出張料の10%を調査段階で請求いたします。)
調査によって概算見積の段階で判明しなかった部分について、金額が変更される場合があります。
調査後、すぐに正式見積りを発行します。
正式見積り金額の50%-調査料=用途変更の申請着手時
正式見積+国土交通省指定民間確認機関に支払う確認申請料=工事完了時
となります。
確認申請(用途変更)・工事完了届・防火対象物使用開始届以外の届出が必要な場合
個別にお問合せ下さい。
用途変更を行う規模、行った後の建物の状態、その建物の所在する地域によって、変わってきます。
看板設置に関して
個別にお問合せ下さい。
看板は設置する規模によっては工作物の確認申請を行わなければならず、申請するための設計図書も必要になり、設置する場所によっては、構造計算が必要になります。また、地域によっては看板の規模や色彩などの制限がある場合や届出が必要になる場合があります。
出張費について(沖縄本島を除く島嶼部を除く)
東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県 | 基本料金に含みます。 |
北海道 | 400,000円 |
四国 | 335,000円 |
九州 | 370,000円 |
沖縄本島 | 400,000円 |
上記以外のエリアの場合東京駅から物件最寄りの駅までの鉄道距離が400kmまでの範囲 | 基本料金50,000円鉄道距離換算 50km毎に10,000円 |
上記以外のエリアの場合東京駅から物件最寄りの駅までの鉄道距離 | 基本100,000円鉄道距離換算100km毎に20,000円 |
基本料金内で完了できる業務範囲内の出張費です。オプションが発生する場合は、オプション内容によって出張回数が変わってきますので、個別にお問合せ下さい。
沖縄本島を除く島嶼部につきましては、当社に直接、お問合せ下さい。
2物件以上をまとめて依頼される場合などは、当社に直接、お問合せ下さい。
例:最寄りが名古屋駅の場合の出張費
基本料金50,000円+(366km(東京~名古屋)÷50km切り上げ)×10,000円=130,000円
例:最寄りが大阪駅の場合の出張費
基本料金100,000円+(556km(東京~大阪)÷100km切り上げ)×20,000円=220,000円
注意事項
※1 用途変更後に建物の中に違う用途が存在する場合は複合用途となります。例:1~5階が事務所だった建物の2階~5階を旅館にして1階を飲食店にした場合など
※2 ホテル、旅館、簡易宿所、下宿等の中に集会場(結婚式場・セレモニーホール等)・映画館・劇場・スポーツ施設(フィットネスクラブを含む)、寄宿舎(シェアハウスを含む)は含まれておりません。この場合は、当社に直接、お問合せ下さい。
※3 確認済証(もしくは確認通知証)・完了検査済証を紛失した場合は、オプション対応となりますので上記オプション設定を参照して下さい。確認申請もしくは完了検査を受領していない建物の場合は、建築基準法適合状況調査報告からの対応となりますので、当社に直接、お問合せ下さい。参考:『建築基準法適合状況調査を利用した増築、用途変更等の確認申請の方法』
※4 完了検査受領後に違法に増築・用途変更もしくは法令に抵触するような間取り変更をしている場合、違法状態の内容によって対応が変わってきますので、当社に直接、お問合せ下さい。また、建築基準法第12条1項及び3項の定期検査、消防法に関わる定期検査を受けていない場合、もしくは受けていても指摘事項の改善が行われていない場合、各種定期検査を受領し、指摘事項の是正をしてからでないと用途変更が出来ない場合があります。
※5 法令適合の確認については、必ず建築士にして貰い、その建築士に法令適合していることの書面を貰ってください。「保健所から了解を貰っている。」「消防署からの了解を貰っている。」等のお話をされる方がいますが、消防署は消防法、行政庁は建築基準法という様に管轄範囲外については見ていません。しかし、用途変更を行う場合には各々の法適合をしなければなりません。
※ 物件や地域によって、ご希望の用途に変更出来ない場合があります。可否については、当社に直接、お問合せ下さい。近隣の学校法人からの合意など旅館業法に関わる作業につきましても、当社に直接、お問合せ下さい。特に風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条6項4号のホテルもしくは旅館(通称ラブホテル)については、御請け出来ない場合もあります。
用途変更の設計費用について~老人介護施設・児童福祉施設など~(価格変更のお知らせ)
当社では用途変更業務について、当社ホームページから簡単に概算金額のお見積りを作成できる様にいたしました。
こちらから、ご利用頂けるようお願い致します。
平成28年1月18日より、老人介護施設・児童福祉施設などの用途変更の設計費用を下記の通りとさせて頂きます。
(消費税及び国土交通省指定確認機関に支払う確認申請料は別途となります。)
関東以外のエリアでも対応しています。(出張費下記参照)
飲食店・物販店・遊技場等への用途変更は『用途変更の設計費用について~飲食店・物販店・遊技場など~(平成28年度より)』を参照して下さい。
簡易宿泊所・旅館・ホテル等への用途変更は『用途変更の設計費用について~旅館・ホテルなど~(平成28年度より)』を参照して下さい。
その他の用途については、直接、当社にお問合せ下さい。
基本料金
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基本料金に含まれる内容
・変更後の用途が老人介護施設・児童福祉施設等の場合になります。※2
・宿泊施設の無い、通所事業所になります。
・6階建て以下のビルで用途変更する部分が地上階であること。
・用途変更する部分が1フロアであること。
・確認済証(もしくは確認通知証)・完了検査済証があること。※3
・確認申請の副本及び確認申請時の図面・構造計算書があること。
・用途変更後の各種法適合している平面プランがあること。
・平成13年以降に建てられた建物であること。
・新築時以降に建築基準法・消防法等の各種法令に違反していない建物であること。※4
・防火対象物使用開始届については、基本料金内に含まれますが、各種消防機器類の届出は含まれません。
・用途変更する地域が第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域以外の場所。※5
上記、基本料金に含まれる内容以外の場合、オプション対応となりますので、下記オプション設定を参照して下さい。
各種オプション
オプション1
用途変更が2フロア以上になる場合、2フロア以上の各フロアの面積ごとに
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例:各階130㎡の3階建ての事務所の建物の全てを介護施設に変更する場合
1フロア基本料金+オプション料金300,000円×2フロア
オプション2
法令適合している平面プランをご用意できない場合
ご自分で間取りを描いてみたが法令適合しているか解らない、内装業者(インテリアコーディネーター等)に間取りを描いて貰ったが法令適合しているか解らない場合等※6
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例:各階130㎡の3階建ての事務所の建物の全てを介護施設に変更する場合で、法令適合している平面図をご用意できない場合
1フロア基本料金+250,000円+(390㎡-150㎡)×1,650円/㎡+150,000円/フロア×2フロア
オプション3
プランの案が全くなく、基本プランから依頼される場合
用途変更の工事費用が坪100万円を超えるようなデザインをご希望の場合は別途料金が発生します。オプション2の料金は、本料金に含まれます。
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例:各階130㎡の3階建ての事務所の建物の全てを介護施設に変更する場合で、基本プランからご依頼される場合
1フロア基本料金+375,000円+(390㎡-150㎡)×2,300円/㎡+225,000円/フロア×2フロア
オプション4
確認済証(もしくは確認通知書)・完了検査済証の紛失
各5,000円
オプション5
確認申請副本の紛失
新築後に増築・用途変更等の確認申請が必要な変更をしている場合には、その確認申請副本も含みます。
100,000円
オプション6
確認申請時の設計図書(構造計算書含む)の紛失
完全に紛失している場合の価格です。一部残っている、構造計算書だけ無くした、確認申請時のものでは無いが契約時もしくは竣工時の図面が残っているなどの場合は、残存状況などによって、料金が変わってきますので、その場合は当社に直接、お問合せ下さい。(ある一定の精度の図面が残っていれば、かなり安くなります。)
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オプション7
平成12年以前に建てられた建物の場合
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オプション8
その他
宿泊施設を設ける場合
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地下が存在する場合もしくは、用途変更箇所が地下の場合
1フロアごとに基本料金+100,000円
機械排煙設備を使用している建物の場合
200,000円/箇所
現況建物の遵法性確認について、特定行政庁が建築基準法第12条5項による報告を求めてくる場合
200,000円~
東京都練馬区等が該当しますが、その他の行政区でも該当する場合がありますので個別にご相談下さい。また、求めてこない行政区であっても、用途変更する建物に何らかの法的瑕疵がある場合などは必要になる場合もあります。上記料金は、建築基準法に一切抵触していない場合の料金になります。
確認申請(用途変更)・工事完了届・防火対象物使用開始届以外の届出が必要な場合
個別にお問合せ下さい。
用途変更を行う規模、行った後の建物の状態、その建物の所在する地域によって、変わってきます。
看板設置に関して
個別にお問合せ下さい。
看板は設置する規模によっては工作物の確認申請を行わなければならず、申請するための設計図書も必要になり、設置する場所によっては、構造計算が必要になります。また、地域によっては看板の規模や色彩などの制限がある場合や届出が必要になる場合があります。
お支払い方法について
建物によっては完了検査済証が存在しても、図面が揃っていても用途変更ができない場合があります。
例えば階段が一つしかなく、避難場有効なバルコニーの無い建物の5階の事務所を飲食店にすることや、第一種住居地域の飲食店をカラオケ屋さんにすることや、2mしか接道していない路地状敷地の中にある戸建てを保育施設にするなど、建築基準法の別の規制によって不可能な場合があります。
また、用途変更をしようと思っている以外の部分に重大な建築基準法違反がある場合なども用途変更の確認申請が出せない場合があります。
その為、当社では、まず用途変更が可能であるかどうかの調査を行います。・・・調査段階
そして用途変更が可能であることが解った段階で用途変更の申請作業着手となります。・・・用途変更の申請着手
そして、用途変更の工事が終了し、特定行政庁に工事完了届を出して業務終了となります。
まず、頂いた基本情報にて、概算見積りを作成します。
調査料(調査段階)
概算見積金額が100万円未満の場合・・・調査料 10万円+消費税
概算見積金額が100~200万円未満の場合・・・調査料 概算見積の10%+消費税
概算見積金額が200万円万円以上の場合・・・200万円までの部分が10%+200万円を超える部分につき5%+消費税
(別途出張料:下記出張料の10%を調査段階で請求いたします。)
調査によって概算見積の段階で判明しなかった部分について、金額が変更される場合があります。
調査後、すぐに正式見積りを発行します。
正式見積り金額の50%-調査料=用途変更の申請着手時
正式見積+国土交通省指定民間確認機関に支払う確認申請料=工事完了時
となります。
出張費について
東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県 | 基本料金に含みます。 |
北海道 | 400,000円 |
四国 | 335,000円 |
九州 | 370,000円 |
沖縄本島 | 400,000円 |
上記以外のエリアの場合東京駅から物件最寄りの駅までの鉄道距離が400kmまでの範囲 | 基本料金50,000円鉄道距離換算 50km毎に10,000円 |
上記以外のエリアの場合東京駅から物件最寄りの駅までの鉄道距離 | 基本100,000円鉄道距離換算100km毎に20,000円 |
基本料金内で完了できる業務範囲内の出張費です。オプションが発生する場合は、オプション内容によって出張回数が変わってきますので、個別にお問合せ下さい。
沖縄本島を除く島嶼部につきましては、当社に直接、お問合せ下さい。
2物件以上をまとめて依頼される場合などは、当社に直接、お問合せ下さい。例:最寄りが名古屋駅の場合の出張費
基本料金50,000円+(366km(東京~名古屋)÷50km切り上げ)×10,000円=130,000円
例:最寄りが大阪駅の場合の出張費
基本料金100,000円+(556km(東京~大阪)÷100km切り上げ)×20,000円=220,000円
注意事項
※1 用途変更後に建物の中に違う用途が存在する場合は複合用途となります。例:1,2階が事務所だった建物の1階のみを飲食店にした場合など
※2 グループホームは、老人介護施設や児童福祉施設に該当せず、『寄宿舎』になります。ただし、グループホームの場合、適法に認められない場合もありますので、当社に直接、お問合せ下さい。
※3 確認済証(もしくは確認通知証)・完了検査済証を紛失した場合は、オプション対応となりますので上記オプション設定を参照して下さい。確認申請もしくは完了検査を受領していない建物の場合は、建築基準法適合状況調査報告からの対応となりますので、当社に直接、お問合せ下さい。参考:『建築基準法適合状況調査を利用した増築、用途変更等の確認申請の方法』
※4 完了検査受領後に違法に増築・用途変更もしくは法令に抵触するような間取り変更をしている場合、違法状態の内容によって対応が変わってきますので、当社に直接、お問合せ下さい。また、建築基準法第12条1項及び3項の定期検査、消防法に関わる定期検査を受けていない場合、もしくは受けていても指摘事項の改善が行われていない場合、各種定期検査を受領し、指摘事項の是正をしてからでないと用途変更が出来ない場合があります。
※5 工業専用地域では、保育所以外の社会福祉系施設に用途変更は出来ません。
※6 法令適合の確認については、必ず建築士にして貰い、その建築士に法令適合していることの書面を貰ってください。「保健所から了解を貰っている。」「消防署からの了解を貰っている。」等のお話をされる方がいますが、消防署は消防法、行政庁は建築基準法という様に管轄範囲外については見ていません。しかし、用途変更を行う場合には各々の法適合をしなければなりません。
※ 物件や地域によって、ご希望の用途に変更出来ない場合があります。可否については、当社に直接、お問合せ下さい。
用途変更の設計費用について~飲食店・物販店・遊技場など~(価格変更のお知らせ)
当社では用途変更業務について、当社ホームページから簡単に概算金額のお見積りを作成できる様にいたしました。
こちらから、ご利用頂けるようお願い致します。
平成28年1月18日より、飲食店、物販店、遊技場などの用途変更の設計費用を下記の通りとさせて頂きます。
(消費税及び国土交通省指定確認機関に支払う確認申請料は別途となります。)
関東以外のエリアでも対応しています。(出張費下記参照)
簡易宿泊所・旅館・ホテル等への用途変更は『用途変更の設計費用について~旅館・ホテルなど~(平成28年度より)』を参照して下さい。
老人介護施設・児童福祉施設等への用途変更は『用途変更の設計費用について~老人介護施設・児童福祉施設など~(平成28年度より)』を参照して下さい。
その他の用途については、直接、当社にお問合せ下さい。
基本料金
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基本料金に含まれる内容
・変更後の用途が飲食店・物販店・遊技場等の場合になります。※2
・6階建て以下のビルで用途変更する部分が地上階であること。
・用途変更する部分が1フロアであること。
・確認済証(もしくは確認通知証)・完了検査済証があること。※3
・確認申請の副本及び確認申請時の図面・構造計算書があること。
・用途変更後の各種法適合している平面プランがあること。
・平成13年以降に建てられた建物であること。
・新築時以降に建築基準法・消防法等の各種法令に違反していない建物であること。※4
・防火対象物使用開始届については、基本料金内に含まれますが、各種消防機器類の届出は含まれません。
上記、基本料金に含まれる内容以外の場合、オプション対応となりますので、下記オプション設定を参照して下さい。
各種オプション
オプション1
用途変更が2フロア以上になる場合、2フロア以上の各フロアの面積ごとに
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例:各階130㎡の3階建ての物販店の建物の全てを飲食店に変更する場合
1フロア基本料金+オプション料金250,000円×2フロア
オプション2
法令適合している平面プランをご用意できない場合
ご自分で間取りを描いてみたが法令適合しているか解らない、内装業者(インテリアコーディネーター等)に間取りを描いて貰ったが法令適合しているか解らない場合等※5
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例:各階130㎡の3階建ての物販店の建物の全てを飲食店に変更する場合で、法令適合している平面図をご用意できない場合
1フロア基本料金+250,000円+(390㎡-150㎡)×1,650円/㎡+150,000円/フロア×2フロア
オプション3
プランの案が全くなく、基本プランから依頼される場合
用途変更の工事費用が坪100万円を超えるようなデザインをご希望の場合は別途料金が発生します。オプション2の料金は、本料金に含まれます。
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例:各階130㎡の3階建ての物販店の建物の全てを飲食店に変更する場合で、基本プランからご依頼される場合
1フロア基本料金+375,000円+(390㎡-150㎡)×2,300円/㎡+225,000円/フロア×2フロア
オプション4
確認済証(もしくは確認通知書)・完了検査済証の紛失
各5,000円
オプション5
確認申請副本の紛失
新築後に増築・用途変更等の確認申請が必要な変更をしている場合には、その確認申請副本も含みます。
100,000円
オプション6
確認申請時の設計図書(構造計算書含む)の紛失
完全に紛失している場合の価格です。一部残っている、構造計算書だけ無くした、確認申請時のものでは無いが契約時もしくは竣工時の図面が残っているなどの場合は、残存状況などによって、料金が変わってきますので、その場合は当社に直接、お問合せ下さい。(ある一定の精度の図面が残っていれば、かなり安くなります。)
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オプション7
平成12年以前に建てられた建物の場合
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オプション8
その他
厨房以外で火器(調理用・炉等)を使用する場合
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地下が存在する場合もしくは、用途変更箇所が地下の場合
1フロアごとに基本料金+100,000円
機械排煙設備を使用している建物の場合
200,000円/箇所
現況建物の遵法性確認について、特定行政庁が建築基準法第12条5項による報告を求めてくる場合
200,000円~
東京都練馬区等が該当しますが、その他の行政区でも該当する場合がありますので個別にご相談下さい。また、求めてこない行政区であっても、用途変更する建物に何らかの法的瑕疵がある場合などは必要になる場合もあります。上記料金は、建築基準法に一切抵触していない場合の料金になります。
確認申請(用途変更)・工事完了届・防火対象物使用開始届以外の届出が必要な場合
個別にお問合せ下さい。
用途変更を行う規模、行った後の建物の状態、その建物の所在する地域によって、変わってきます。
看板設置に関して
個別にお問合せ下さい。
看板は設置する規模によっては工作物の確認申請を行わなければならず、申請するための設計図書も必要になり、設置する場所によっては、構造計算が必要になります。また、地域によっては看板の規模や色彩などの制限がある場合や届出が必要になる場合があります。
お支払い方法について
建物によっては完了検査済証が存在しても、図面が揃っていても用途変更ができない場合があります。
例えば階段が一つしかなく、避難場有効なバルコニーの無い建物の5階の事務所を飲食店にすることや、第一種住居地域の飲食店をカラオケ屋さんにすることや、2mしか接道していない路地状敷地の中にある戸建てを保育施設にするなど、建築基準法の別の規制によって不可能な場合があります。
また、用途変更をしようと思っている以外の部分に重大な建築基準法違反がある場合なども用途変更の確認申請が出せない場合があります。
その為、当社では、まず用途変更が可能であるかどうかの調査を行います。・・・調査段階
そして用途変更が可能であることが解った段階で用途変更の申請作業着手となります。・・・用途変更の申請着手
そして、用途変更の工事が終了し、特定行政庁に工事完了届を出して業務終了となります。
まず、頂いた基本情報にて、概算見積りを作成します。
調査料(調査段階)
概算見積金額が100万円未満の場合・・・調査料 10万円+消費税
概算見積金額が100~200万円未満の場合・・・調査料 概算見積の10%+消費税
概算見積金額が200万円万円以上の場合・・・200万円までの部分が10%+200万円を超える部分につき5%+消費税
(別途出張料:下記出張料の10%を調査段階で請求いたします。)
調査によって概算見積の段階で判明しなかった部分について、金額が変更される場合があります。
調査後、すぐに正式見積りを発行します。
正式見積り金額の50%-調査料=用途変更の申請着手時
正式見積+国土交通省指定民間確認機関に支払う確認申請料=工事完了時
となります。
出張費について
東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県 | 基本料金に含みます。 |
北海道 | 400,000円 |
四国 | 335,000円 |
九州 | 370,000円 |
沖縄本島 | 400,000円 |
上記以外のエリアの場合東京駅から物件最寄りの駅までの鉄道距離が400kmまでの範囲 | 基本料金50,000円鉄道距離換算 50km毎に10,000円 |
上記以外のエリアの場合東京駅から物件最寄りの駅までの鉄道距離 | 基本100,000円鉄道距離換算100km毎に20,000円 |
基本料金内で完了できる業務範囲内の出張費です。オプションが発生する場合は、オプション内容によって出張回数が変わってきますので、個別にお問合せ下さい。
沖縄本島を除く島嶼部につきましては、当社に直接、お問合せ下さい。
2物件以上をまとめて依頼される場合などは、当社に直接、お問合せ下さい。例:最寄りが名古屋駅の場合の出張費
基本料金50,000円+(366km(東京~名古屋)÷50km切り上げ)×10,000円=130,000円
例:最寄りが大阪駅の場合の出張費
基本料金100,000円+(556km(東京~大阪)÷100km切り上げ)×20,000円=220,000円
注意事項
※1 用途変更後に建物の中に違う用途が存在する場合は複合用途となります。例:1,2階が事務所だった建物の1階のみを飲食店にした場合など
※2 性風俗関連特殊営業に関してはお請けできない場合があります。飲食店、物販店、遊技場の中に、集会場(結婚式場・セレモニーホール等)・映画館・劇場・スポーツ施設(フィットネスクラブを含む)は含まれておりません。この場合は、当社に直接、お問合せ下さい。
※3 確認済証(もしくは確認通知証)・完了検査済証を紛失した場合は、オプション対応となりますので上記オプション設定を参照して下さい。確認申請もしくは完了検査を受領していない建物の場合は、建築基準法適合状況調査報告からの対応となりますので、当社に直接、お問合せ下さい。参考:『建築基準法適合状況調査を利用した増築、用途変更等の確認申請の方法』
※4 完了検査受領後に違法に増築・用途変更もしくは法令に抵触するような間取り変更をしている場合、違法状態の内容によって対応が変わってきますので、当社に直接、お問合せ下さい。また、建築基準法第12条1項及び3項の定期検査、消防法に関わる定期検査を受けていない場合、もしくは受けていても指摘事項の改善が行われていない場合、各種定期検査を受領し、指摘事項の是正をしてからでないと用途変更が出来ない場合があります。
※5 法令適合の確認については、必ず建築士にして貰い、その建築士に法令適合していることの書面を貰ってください。「保健所から了解を貰っている。」「消防署からの了解を貰っている。」等のお話をされる方がいますが、消防署は消防法、行政庁は建築基準法という様に管轄範囲外については見ていません。しかし、用途変更を行う場合には各々の法適合をしなければなりません。
※ 物件や地域によって、ご希望の用途に変更出来ない場合があります。可否については、当社に直接、お問合せ下さい。
民泊について考える。~合法的に民泊はできるのか?~
民泊について考えてみよう。最近の民泊は広義の意味で
「住宅をホテル、旅館ないし貸別荘の様な形態で貸す。」ものになってきているが、狭義の意味では
「共同住宅の空き家等の1戸ないし複数戸を貸す。」というものであろう。
もちろん、この行為を、何ら許可を得ずに反復継続的に繰り返せば、これは旅館業法に抵触するだろう。どの程度で抵触するかというかは微妙だが一つの事例がある。
2010年の話だが、佐賀市が空き家の市営住宅を利用して、田舎暮らし体験企画を行った。しかし、それに対し、佐賀県が、その業態は「旅館業法」の簡易宿所に該当すると指摘した。」
ポイントは男女個別のトイレが無かったことによるものらしい。
話が脱線する前に、現在、国家は規制緩和と称して行おうとしている民泊というものがどういうものなかを考えてみよう。そもそも、「民泊」を合法化するために法律が施行されている訳だが、その法律とは、(末尾の青字の部分。)国家戦略特別区域法の第13条になる。
現在、民泊条例を勇猛果敢に真っ先に条例化した行政区が2つ(正確には3つ)ある。東京都大田区と大阪府(大阪市)だ。
個人的な私見からすれば、色々な意味で東京都大田区はもう少し冷静に対応して欲しかった。
さて。国の定める民泊とはなんだろうか?今のところ、大阪府と東京都太田市しか条例を可決させてないので、他の条例がどうなるかはなんとも言えないので、この2区(といっても内容は同じだが)がどの様に民泊を活用していくのかを見守っていきたい。
では、旅館業法が国家戦略特別区域法によって緩和される部分(メリット)はどの様な部分であろうか?
大まかに考えると
1.学校法人などの施設から100m以内であっても、相手方の許可がいらない
2.宿帳などを管理する受付がいらない(宿帳を管理する必要がない)
とこの2点に限られる。逆にデメリットは
1.1室の大きさが25㎡以上無ければならない
2.1回の利用が6泊7日以上でなければならない
このメリットデメリットの比較だけでも、新築で民泊を作ることはしないと考えられる。この法律を読むと外国人の宿泊しか認めない可能性も否定できない。
さて、国家戦略特別区域法だが、旅館業法の緩和は認めているが、建築基準法や消防法まで緩和するとはどこにも書いていない。では、建築基準法や消防法の緩和が認められるのかを考えてみよう。
まずは建築基準法だが、建築基準法については、時々、旅館業法で定められているものが建築基準法でも旅館やホテルに該当するという国土交通省の指針が出ているという、建築士がいるのでこれについて確認してみると、たしかに、その様なものがあった。
建築基準法に於ける旅館の位置付け
(「旅館類似の寮又は保養所」昭和28年3月23日住指発第349号)
(照会) 当県下箱根、湯河原等の温泉地に官公庁または会社等が寮または保養所と称して特定の人を対象とした旅館類似の用途の建築物 が建築されているが、これらの建築物はその設備や利用度の点からも全く旅館と同一のもので、旅館業法からもその業として旅館と 同様の取扱いをしている状態ですので、建築基準法からもこれらに対して旅館と解して、名称如何拘らず旅館の関係規定を適用した いが、如何。
(回答) 貴見のとおりである。
これをよく読んでみると解るのだが、『社員寮や保養所が旅館の様に使われている上に、行政庁としても旅館業法を適用しているから、建築基準法も旅館で適用をしてよいか?』と建設省(現国土交通省)に神奈川県が訊ねているわけである。これをもって『旅館業法が適用されている建物は建築基準法でも旅館の用途になる』という、見解は正しいであろう。しかし、本来なら『旅館業法適用の建物』が、景気振興のために緩和されたとしても、安全面まで無視して良いと言うことには当然にならない。そう考えれば『旅館業法の緩和を受けた建物は建築基準法の用途まで旅館では無くなる』とは言いきれない。
一つの事例を挙げておくと、例えばマンションを旅館に用途変更するのだが、国家戦略特別区域法を適用させ、旅館じゃないから用途変更しないでマンションのままにすることが出来たとしても、国家戦略特別区域法を適用させて旅館業法に適用しない旅館を新築で建てた場合、この建物の用途は何になるのであろうか?と考えれば、実態が旅館なのだから、当然に旅館になる。
つまり、必然的に用途変更という確認申請行為は必要になってくる。
ここで、共同住宅からホテル・旅館に用途変更が出来ない決定的な事例があることを書いておこう。
それは、容積率である。平成9年9月1日の建築基準法改正に伴い、共同住宅の共用部分は容積率対象面積に参入しなくて良いことになった。しかし、これは共同住宅だからであって、もし、平成9年9月1日以降に確認申請を出した共同住宅をホテル・旅館に用途変更しようとすれば、共同住宅の共用部分として容積率対象面積に参入しなかった部分を算入しなければいけなくなる。共同住宅の多くは、専有面積を最大限に取ろうとするので、斜線規制や日影規制などで高さが取れない限り、容積率を最大に使っていることが多いので、もし、共用部分を容積参入する余裕のない建物の場合は、民泊には出来ないと考えて良いだろう。
容積率をクリアすると、建築基準法で共同住宅と旅館・ホテルで何が変わってくるかと言えば、1住戸をバラして貸すようなこと、例えば3LDKの3つの部屋をそれぞれ別の顧客に貸すようなことをしなければ、非常用照明の設置ぐらいで済む。つまり、非常用照明を付けるための専用回路を準備し、その配線を行い、非常用照明を設置すればことが足りる。ただし、関連法規の条例などがクリアできない可能性があるので注意が必要だ。1例を挙げておくとすれば、1000㎡東京都の福祉のまちづくり条例や東京都バリはフリー条例の対象にはなってくる。
もっと、厳しいのは消防法だろう。消防法には建築基準法の様に旅館業法との関連性をしめした事例がないのだが、安全性などのことを考えれば建築基準法で旅館・ホテルに該当するものが消防法で適用を免れるとは考えにくい。そこで共同住宅を旅館・ホテルに用途変更した場合に必要になるものをまとめておくと
500㎡未満でも | 火災報知器設置(500㎡以上は共通) |
500㎡以上で | 火災通報装置(1000㎡以上は共通) |
収容人員20人で | 非常警報装置(50人以上は共通) |
収容人員300人で | 放送設備(800人以上は共通) |
6000㎡を超えると | スプリンクラー設備 |
4階~10階部分が1500㎡以上で | スプリンクラー設備 |
11階建て以上だと | スプリンクラー設備(共同住宅は11階以上の階) |
11階建て未満でも | 誘導灯必要 |
※収容人員
ホテル・旅館
次により求めた数の合計
1、従業者の数
2、【宿泊室】
イ.洋式の宿泊室→ベッドの数
ロ.和式の宿泊室→6.0㎡ごとに1人
3、【集会・飲食・休憩用の部分】
イ.固定席のいす席→いす席の数(長いすの場合:幅0.5mごとに1人 端数切捨)
ロ.その他の部分→3.0㎡ごとに1人
※ダブルベッドは2人として算定する
共同住宅
居住者の数
なんだか、火災報知器やスプリンクラーを設置すれば簡単にできる様に感じるが、火災報知器、非常警報装置やスプリンクラーが設置されていない建物に後から、設置しようとすると、かなりのコストが掛かる。特にスプリンクラーは設置できない可能性もある。
このように、建築基準法や消防法がかなり難しいことを言ってくることになるわけだが、結論から言えば、
1. 学校法人などが100m以内にない
2. 宿帳などを管理するスペースがあり、受け付けを作れる。
3. 共有部分を容積率参入できるだけの余裕がる
以上の3点がクリアできるのであれば、25㎡以上ないとダメだとか、6泊7日以上じゃないとダメだとかという規制を受けないので用途変更してしまった方が良いだろう。
※3.については、いずれの場合ではも必要。
共同住宅や空き家を民泊で活用したい方は
リデベに相談ください。
03-5389-6082
国家戦略特別区域法(平成二十五年十二月十三日法律第百七号)
(旅館業法の特例)
第十三条 国家戦略特別区域会議が、第八条第二項第二号に規定する特定事業として、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(国家戦略特別区域において、外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき一定期間以上使用させるとともに当該施設の使用方法に関する外国語を用いた案内その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供する事業(その一部が旅館業法 (昭和二十三年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する旅館業に該当するものに限る。)として政令で定める要件に該当する事業をいう。以下この条及び別表の一の四の項において同じ。)を定めた区域計画について、第八条第七項の内閣総理大臣の認定(第九条第一項の変更の認定を含む。以下この項及び第九項第二号において「内閣総理大臣認定」という。)を申請し、その内閣総理大臣認定を受けたときは、当該内閣総理大臣認定の日以後は、当該国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、その行おうとする事業が当該政令で定める要件に該当している旨の都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長。以下この条において同じ。)の認定(以下この条において「特定認定」という。)を受けることができる。
2 特定認定を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書及び厚生労働省令で定める添付書類を都道府県知事に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 その行おうとする事業の内容
三 前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
3 都道府県知事は、特定認定の申請に係る事業が第一項の政令で定める要件に該当すると認めるときは、特定認定をするものとする。
4 特定認定(次項の変更の認定を含む。以下この項及び第九項において同じ。)を受けた者(以下この条において「認定事業者」という。)が行う当該特定認定を受けた事業(第八項及び第九項第三号において「認定事業」という。)については、旅館業法第三条第一項の規定は、適用しない。
5 認定事業者は、第二項第二号又は第三号に掲げる事項の変更をしようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の認定を受けなければならない。ただし、その変更が厚生労働省令で定める軽微な変更であるときは、この限りでない。
6 第三項の規定は、前項の変更の認定について準用する。
7 認定事業者は、第二項第一号に掲げる事項の変更又は第五項ただし書の厚生労働省令で定める軽微な変更をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
8 都道府県知事は、この条の規定の施行に必要な限度において、認定事業者に対し、認定事業の実施状況について報告を求めることができる。
9 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、特定認定を取り消すことができる。
一 第九条第一項の規定による認定区域計画の変更(第八条第二項第二号に規定する特定事業として国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を定めないこととするものに限る。)の認定があったとき。
二 第十一条第一項の規定により認定区域計画(第八条第二項第二号に規定する特定事業として国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を定めたものに限る。)の内閣総理大臣認定が取り消されたとき。
三 認定事業者が行う認定事業が第一項の政令で定める要件に該当しなくなったと認めるとき。
四 認定事業者が不正の手段により特定認定を受けたとき。
五 認定事業者が第五項又は第七項の規定に違反したとき。
六 認定事業者が前項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
国家戦略特別区域法 政令
(法第十三条第一項 の政令で定める要件)
第十二条 法第十三条第一項 の政令で定める要件は、次の各号のいずれにも該当するものであることとする。
一 当該事業の用に供する施設であって賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき使用させるもの(以下この条において単に「施設」という。)の所在地が国家戦略特別区域にあること。
二 施設を使用させる期間が七日から十日までの範囲内において施設の所在地を管轄する都道府県(その所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合にあっては、当該保健所を設置する市又は特別区)の条例で定める期間以上であること。
三 施設の各居室は、次のいずれにも該当するものであること。
イ 一居室の床面積は、二十五平方メートル以上であること。ただし、施設の所在地を管轄する都道府県知事(その所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合にあっては、当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長)が、外国人旅客の快適な滞在に支障がないと認めた場合においては、この限りでない。
ロ 出入口及び窓は、鍵をかけることができるものであること。
ハ 出入口及び窓を除き、居室と他の居室、廊下等との境は、壁造りであること。
ニ 適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有すること。
ホ 台所、浴室、便所及び洗面設備を有すること。
ヘ 寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具を有すること。
四 施設の使用の開始時に清潔な居室を提供すること。
五 施設の使用方法に関する外国語を用いた案内、緊急時における外国語を用いた情報提供その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供すること。