最低賃金引き上げ検討 厚労省と経産省が初会合
今日、こんなニュースが・・・
<最低賃金>引き上げ検討、厚労省と経産省が初会合
厚生労働省と経済産業省は28日、最低賃金引き上げを検討する「中小企業支援等の最低賃金引き上げ対策検討チーム」を設置、初会合を開いた。
チームは両省の副大臣と最低賃金の関係部局の局長らで構成。最低賃金を引き上げた際の課題を調査する。具体的には引き上げにより人件費が増す中小企業への支援のあり方や引き上げ方法、経済や雇用に与える影響などを検討する。
現行の最低賃金は、都道府県ごとに決められ、09年度の全国平均は713円。民主党は衆院選のマニフェストで全国平均1000円への引き上げや一律の「全国最低賃金」(800円)の新設などをうたっている。現行の最賃決定は、労働者、使用者、公益の3者構成の委員会が中央で引き上げの目安を示し、同じ構成の委員会が各地域の事情を考慮して決めている。
出典:毎日新聞
うちの会社では社員に対して、最低賃金とは全く縁の無い賃金を払っているから、直接的には関係がないのですが・・・
この話、よく考えてみると、資本主義の考え方から随分と掛離れた話です。
今の民主党は連合からの支持を大事にしないと行けない様な政党でどうしても社会主義に傾倒していくのはわかります。
しかし、最低賃金制度そのものが国際競争社会で日本が勝っていく為に弊害になっているのではないかと考えます。
企業経営をしている側から、考えれば企業を存続するためには、どうしても売上げと利益のバランスを考えなければなりません。もちろん、自分の会社の社員をいじめようと等、考えるわけもありません。
私自信は社員は家族だと思っています。ですから、家族に人並みの生活をしてもらいたいと思うのは当然のことです。しかし、それは利益が出て、社員に給与が払えればの話です。
賃金というのは仕事への対価です。
もし、私の会社が全く売上げが無く、利益も無くなれば私は、自分自身の給与はゼロになります。
実際にそういう時期もありました。しかし、経営者の給与がゼロになってもこの最低賃金の話はあてはまらないので関係ありません。
しかし、極論になりますが従業員がまったく働かず、さらには雇用を維持しなければならないとして、さらに最低賃金を企業に押し付ければ、単純にその会社は倒産します。
社員を家族として守ろうとしている以上、従業員も家族として、一律にその義務を背負うべきではないでしょうか?
最低賃金をアップさせることで経営がおかしくなるから、そういう中小企業に政府が支援する、即ち、税金を使う・・・。なんか本末転倒な話です。
もし、日本が中国に一人当たりGDPが抜かれたにも関わらず、最低賃金を企業が維持し、さらに中国の方が人件費が安い状態が維持すれば、日本の企業は国際競争力という観点から、中国には完全に敗退します。
また、雇用者側には職業選択の自由があるのですから賃金の安い会社で働かずに、賃金の高い会社に入れば良いだけの話しです。
全員の雇用を維持したまま、最低賃金を平均1000円にするという民主党のマニフェストを強制すれば、単純にやっていけなくなる中小企業、特に製造業は破綻する企業がでてきます。そうすれば、そこにいた従業員の多くが転職できずに路頭に迷います。失業率が増えるだけの話です。
もし、それを避けようとすれば・・・
私だったら、ワークシェアの徹底化を図り、トータル的な人件費を現状維持もしくは引き下げを行います。当然に従業員の時間当たりの労働力は変わらないので、会社そのものの生産量、売上げは伸びません。そこで、従業員の時間当たりの労働力をアップしてもらいます。それについて来れない従業員は解雇します。そういう、労務契約を締結せずる得ないでしょう。
今の日本に仕事が無いというのは嘘です。
特に一次産業では労働力不足が懸念されています。失業者が仕事を選り好みしているだけではないでしょうか?
ある仕事の無い方(失業者)から
「貴方は会社の経営者だから私のことは解らないでしょう」
と言われました。
その時、私は思いました。
『じゃあ、貴方も会社の経営者になればいいのでは?』
と・・・
会社の経営者になるのは簡単です。
1円の資本金を用意して、自分で会社登記をすれば、その際の登録免許税ぐらいしか費用は掛かりません。あとは、その人の実力次第です。
つまり、その人はその能力も無いのにそんな事を言うわけです。
最低賃金の制度など私は必要無いと考えています。
ただ、中には働きもせずに利益を独占しようとする経営者もいるので、利益を独占しよう利益の何%を給与として従業員に還元するという法律は必要かもしれません。
賃金を押し上げるのは経営者の責任だけではありません。
そこで働く人達の努力の賜物なのではないでしょうか?
私は民主党のマニフェストのこの部分は『亡国論』だと思っています。
生活できる最低賃金を定めるのではなく、経営者を含め、みんなが生活できる賃金をみんなが享受できる様にする努力を全員でしなければいけないのではないでしょうか・・・。
有楽町西武撤退
有楽町のマリオンにある西武百貨店が撤退する。
西武有楽町店、12月25日の閉鎖を発表
セブン&アイ・ホールディングスは27日、傘下のそごう・西武が運営する西武有楽町店(東京・千代田)を12月25日に閉鎖すると正式に発表した。
同店は1984年の開業で、売り場面積1万5700平方メートル。2009年2月期の売上高は前期比8.5%減の162億円だった。高額品などの不振から業績が低迷し、回復が困難と判断した。
出典:NKKEINET
有楽町のマリオンが出来たのは私が高校生の時でした。当時は独特の外観で近未来的な建物だったし、もともと映画館があった場所ですから当然ですが、映画館が併設されていたりして、すごく斬新に感じた記憶があります。
昭和60年頃のことですから、高度経済成長期の末期、もしくはバブルの始まる前夜だったこともありました。デパートとしては割りと新しいですが、出来てからバブル崩壊までの僅かな期間を除けば、苦しみ続けていたのかもしれません。
しかし、百貨店(デパート)事業には限界があるとは10年以上前から感じてはいました。
私が小さい頃、もう30年以上前の話ですが、デパートに行くのは子供ながらに楽しみにしていました。
デパートの最上階にあるレストランで新幹線の形をしたお皿に乗った、お子様ランチを食べて、屋上のミニ遊園地で遊ぶ・・・。そんな人達で混雑していました。
Wiiはもちろん、ファミコンも無ければ、ディズニーランドも無い時代です。当時の地方都市の遊園地と言えば、デパートの屋上でした。
私の父は就職した時に、伊勢丹でスーツを新調したそうです。
しかし、今、就職活動している子たちに、『伊勢丹でスーツ・・・』と言っても、そこに価値は見出せないと思います。私自身もデパートでスーツを買うことに価値は見出せません。
デパートで今でもお客さんが大勢いるのはデパ地下だけ・・・。しかも、大都市の地下鉄直結の様な利便性のあるところに限ります。
『業態としての社会的使命』
が終っているので仕方がないのかもしれません。
オリジナルの集客の努力を怠り、立地とブランドに物を言わせて、高い家賃を取って、ブランドショップを入れるだけ・・・。統一感の無い、大きなセレクトショップとして、存在し、それでも、それしかない時代は、それにファッション性を感じた時代もあったかもしれませんが、それも今、一つの時代が幕を閉じようとしています。高度経済成長期の虚像だったのかもしれません。
もちろん、今でもデパートが必要だと言う人は沢山います。昨年、松本空港からJALが撤退することに対して・・・
「お盆や正月に帰省する時に不便になる・・・。」
とインタビューに答えていた人がいました。僅かな人が1年に1回か2回、利用する路線が廃便になるのは当然だと感じたのですが、百貨店業態も同じです。
※もちろん、1年に30往復以上、ビジネスで使っているヘビーユーザーもいるのですが、その数が少なすぎるということです。
マリオンの西武百貨店跡地に何が入るのかはわかりませんが、これからの時代は本当の意味の実需に即した業態が入らないと辛いかもしれないと考えています。コンビニは無くなると生活が本当に不便になる人が多いかもしれませんが、百貨店は無くても困らない人の方が圧倒的です。
百貨店が生き残る為には、需要に併せて、どんどん数を減らすか、『無くなると困る!』と感じる人が圧倒的多くなる様にしないとダメです。『無くなると寂しい!』ではダメです。しかし、『無くなると困る!』と感じるお店は、既存客を喪失するリスクもあるし、それでいて、成功する可能性が低いだけに、今はどんどん数を減らすしか無いのかもしれません。
しかし、これは百貨店にだけ言えることではないと言う事を良く考えないと明日は我が身であると、自分に言い聞かせています。
さて、打合せに行ってきます。
今、住宅を買うべきか、借りるべきか
「住宅を買うべきか、借りるべきか?」
という質問を色々な人から聞かれます。実はプロの方からも聞かれます。
関東ローカルのアイダ設計のテレビCMで美川健一さんが
「いつまで、家賃払うつもり~」
と、言って、分譲住宅のCMをやっています。
ローンと家賃を比較したら、買った方がお得ですよ。と言うCMです。
たしかに、ローンは支払終えれば、不動産という資産は完全に自分のものですが、借地借家はいつまでたっても自分のものにはなりません。
同じ質問を10年ぐらい前によく受けました。
中短期的に見ると、この質問を多く聞かれるようになると、地価は下げ止まっていると感じます。完全に地価が上昇している時には、バブル時の『住宅すごろく』ではありませんが、買った方が絶対に得と全員が思っていますから、この質問をする人はいなくなります。また、土地の値段が右肩下がりの時には、もっと下がるだろうと皆が思っているので、これまた、この質問をする人はいません。
ところが、ある程度下がってきて、下げ幅が小さくなれば、「そろそろ買い時なのかな・・・」と思うのは自然の摂理です。そして、全く需要が無かったところにポツポツと需要が出てくれば下げ止まるという現象です。
株式や商品先物を投機で行う場合、完全な底値や上値を捉えることは難しいです。しかし、完全な底値や上値を捉えなくても利益は出せます。
例えば、大豆の値段が35000円から23000円まで下がったとします。
「そろそろ買い時かな?」
と思って、23000円で買いで参戦したが、まだ下がって21000円まで下がっていったとします。(その時点で追証きちゃうけど・・・)それでも、21000円から反転して、30000円まで回復すれば、底値を捉えてなくても十分に利益は出せます。つまり、23000円は完全な買い時とは言えないまでも、概ね買い時だったわけです。
特に、不動産の場合は
『一気に下がってさらにゆっくり下がって、一気に上がる』
という傾向が強いので余計にこれが当てはまります。
そういう意味では概ね買い時なのかもしれません。個人的にはエリア別でもう少し下がると考えていますが・・・。
ところが、これが中長期的に考えると全く、違った答えが出ます。
日本の経済は長期的にはすごく緩やかなデフレスパイラルに陥っているし、当面は超低金利が続くと考えられます。日本は1990年以降~今日まで、2006年~2008年ぐらいに掛けては一時、デフレスパイラルが止まりましたが大きな流れからみれば、止まってはいません。
この場合、資産変動のある不動産を買うべきかどうかという問題です。
家賃は、大きな流れからすれば不動産価値に合わせて上下します。
しかし、一度買ってしまった不動産は、その買った人から見れば、買った時点で価値が決定されてしまいます。つまり、買った時点でのローンを払い続けることになるのです。
人口減少や過剰供給を考えれば、長期的に不動産の価格は下がるエリアは多数あると考えています。そういうエリアでは買うよりも、借りた方が得というケースは十分に考えられます。
私に質問した方が、どの辺のことを聞きたいのかが解らないので回答に困ることが多々あったりします。
衣食住 生活の基本を構成するもの
最近、ある契約の件で激しく動き回っています。ビジネスとなれば良いのですが・・・。
そんな訳でブログの更新を怠ってしまいました。
今週は『JALの倒産(会社更生法)』や小沢献金問題などがニュースとして目立っていました。個人的には小林繁投手が亡くなったことが大きかったのですが、本ブログとは関係ないので、そのことは割愛します。
さて・・・そんな中である二つのニュースが目に付きました。
09年の首都圏マンション発売、17年ぶり4万戸割れ
不動産経済研究所(東京・新宿)は19日、2009年の首都圏のマンション新規発売戸数は前年比16.8%減の3万6376戸だったと発表した。4万戸割れは1992年以来17年ぶり。神奈川県や千葉県など郊外で供給が大幅に減り、平均価格も7年ぶりに前年を下回った。近畿圏の発売戸数も13.0%減少。ただ、開発業者が新規供給数を抑えて価格も下げたため、売れ行きは若干改善。在庫も減少した。市況回復の足取りは鈍いが、10年は供給戸数が増加するとみられる。
首都圏のマンションの平均価格は5.0%下落して4535万円だった。
新規発売の増減を地域別に見ると東京23区内が5.0%増だった。23区内のマンション価格は12.5%下がった。一方で23区以外の東京都の新規発売は24.0%減。神奈川県は34.9%減、埼玉県は14.6%減、千葉県は34.2%減った。資金余力のある大手開発業者による供給が多い都心部と、中堅・中小の開発業者が主戦場とする郊外部で差がついた。
出典:日経ネット
一建設、営業益182億円に上方修正=低価格住宅が好調-10年1月期予想
一建設は22日、2010年1月期の単独業績予想を上方修正した。売上高を1916億円から2005億円、営業利益を136億6900万円から182億2400万円、純利益を74億5500万円から100億5400万円にそれぞれ変更した。主力の低価格住宅の販売が好調な上、原価管理の徹底で粗利益が改善し、収益が上振れする。
出典:時事ドットコム
首都圏のマンション販売が4万戸割れするのは、すでに確実であったので別に驚きません。今までが2007年までが異常なだけであって、実際には4万戸台が、需給バランスの取れているラインではないかと考えています。
ですから、この数字は驚かないし、今年は4万戸台を回復すると考えられます。
そして、それに相反するニュースが一建設のニュースです。
この会社は西日本の方には馴染みが無いかもしれませんが、『飯田建設工業』と言えば、ご存知の方もいると思います。昨年の暮れに上場した会社ですが、低価格の分譲住宅などで有名な会社です。
見た目や仕様は確かに、三井不動産のファインコートなどと比べると
「・・・・」
な会社です。しかし、その値段は、圧倒的です。
施工現場も見たことがありますが、値段ほど、酷いという事はありません。(「すばらしい!」という程ではありませんが・・・)それよりも、これだけの物をこの値段で・・・と驚きます。
しかし、ここで重要なのは、こんな時代でも、多くの方に住宅を供給しつづけることが出来るというのは、立派なことです。
マンションの供給戸数が前月比でのマイナス幅が減ったのは、2008年10月のリーマンショック以降、一気に販売戸数が減り、その減ったところと比較しているからということが大きいと考えています。実際には最悪期と比較してもまだ、下がり続けているというのが実態です。
また、最近は契約率がほぼ7割に到達し、販売の好不調の指標となるラインまできていること、在庫が減ったことから不動産市場の景気回復を言う方がいますが、
「これだけ供給戸数を絞れば・・・」
と思ってしまいます。
ここで一建設の住宅を見て思ったことは『ユニクロ』でした。
ユニクロのジーパン(正確にはファーストリテーリングの『GA』のジーパン)も物凄く品質が良いとは言えません。しかし、あの値段なら、当然に多くの人が買うと思います。
しかし、これが「衣食住」ではないでしょうか?
「衣食住」とは生活の基本を構成するものという意味と認識しています。
生活の基本を構成する物にも関わらず、一般の方の多くが手に出来ないものを作ることは、それは「衣食住」ではないことを意味します。また、衣類であっても食事であっても住宅であっても生活上必要の無い物は、「衣食住」ではなく、不景気になったときには、一番最初に淘汰されます。
日本の住宅市場は正にここにあったと思います。
生活に必要の無い機能を『多機能』と称してきました。しかし、その需要がどこまであったかは微妙です。故に、不景気と同時に大幅に売れなくなりました。
外食産業が大幅に落ち込み、多店舗展開する飲食店は、業態変更をして必死にローコストの業態に変更し、外資系アパレルブランドも、ファストファッション以外は大幅に売上げが落ち込み、撤退が相次いでいます。住宅も同じだと思います。
日本人はブランド好きです。欧米の文化に憧れを抱き、それに近づきたいと思うところにあり、背伸びをしたがる傾向が強い人種でした。外資系のアパレルブランドが日本が売上げの50%などというが、それを示しています。セレブと言う言葉が流行ったのも頷けます。
また、すぐに無理矢理ブランドを作って、高額商品にしたがる傾向もあります。付加価値と言って、ブランドを作りたがります。
しかし、経済成長を大きくしている時代にはそれも良かったのかもしれませんが、時代の変化が上記のニュースだったのではないでしょうか?
いつか、必ず景気は上向きますが、バブル時代の様なことは私の目の黒いうちには来ないと思います。(来てはいけないと思います。)
地に足をつけた、業界を目指したいと思っています。
職人 知識と経験
仕事始めから2週間が経ち、やっている仕事は昨年からの継続している仕事がメインで『仕事ネタ』がなかなか見つかりません。
ただ、時折掛かってくる電話やあまりビジネスにならないことも対応していることで「ふっ」と思ったことがあります。
色々、相談を受ける中で、
「なんで、そんなことを自分に聞くんだろう・・・」
と思いました。
自分は建設業界、不動産業界に何年いるかと聞かれて、即答できません。
何故なら、忘れたからです。
しかし、逆に言えば忘れるぐらいの年数、この仕事一筋でやっています。
かつて、自分が専務だった時代に、その時の社長に
「この人は職人ですから・・・」と、取引先に紹介されたことがあります。
「職人」とは
『熟練した技術で手作業で物ができる人』
だと私は思っています。
不動産業とは何かを作り出す仕事ではないかもしれませんが、その仕事を全うする為には、本で学んだ知識だけでは太刀打ちできない、多くの経験が必要です。
建築の仕事は尚更です。
不動産の仕事も建築の仕事も小手先のアイデアや知識だけでは対応できない場面は多々あります。もちろん、アイデアや知識は重要ですが・・・。
私はかつて、入社希望者の面接で・・・
「なぜ、この世界に身を投じたいと思うのかな?」
「不動産業はダイナミックな仕事でロマンを感じるからです!」
悪い答えではないと思いましたが・・・。
「君が感じてるほどロマンのある仕事ではないよ。これからはもっときつい時代になるだろうし・・・」
「一つ、聞いてもいいですか?」
「なんでも聞いてくれ」
「では、なぜ、この仕事をしているんですか?」
さすがにこの質問には答えに困り、考えました。
そして、答えたことは・・・。
「僕は、これしかできないから・・・」と、答えました。
その子は、私の元で働くどころか、不動産業界に身を投じることはありませんでした。
建築の仕事は一級建築士を取ったら出来るものではありません。
私が当時の上司に教わったのは、
「資格を取ってから初めて修行が始まると思え!最低、5年は修行が必要だな。」
と、言われました。
その言葉の全てが正しいとは思っていません。センスがあればもっと短い時間で、センスが無ければもっと長い時間が掛かると思います。
しかし、その上司が言った言葉は
『お前だったら「5年」』という意味だった様な気がします。
今、自分はこの仕事でなんとか食べていけてます。
そして、手に職があると自負できる自分がいます。どんな仕事でもそうですが、多くの仕事はそれを身に着けるのに時間が掛かるということだと私は思っています。
阪神大震災の当事を考える
今日は阪神大震災から15年です。
その日、私は東京にいました。まだ、駆け出しで、会社まで歩いて10分のところに住んでいた(実家)私は、いつもの様に家を出る20分前に起きて、テレビをつけて、仕事に行く準備をダッシュでしていました。普段は、テレビはろくに見ている訳でもないのですが・・・
しかし、その時、テレビから流れる音を聞いて画面に目をやって、しばらく止まりました。
『ありゃ・・・。大変なことになってるねぇ・・・。』
その時の感想はこんなもんでした。
実際に東京では、朝の朝刊に震災の記事が出るわけも無く、朝、テレビを見てない人、ラジオを聴いてない人は、震災があったことを会社で知らない人も沢山いました。当時は携帯も殆どの人が持っていませんでしたし(持っていてもせいぜいポケベルだったかな・・・)、インターネットはまだありません。(Windows95が出るのはこの年の暮れです。)
私には神戸市東灘区に父の兄夫婦と従兄弟3人が住んでいました。震災の大きさが解らなかった私はとりあえず、テレビを見た直後に電話したのですが、繋がりませんでした。(回線パンクのためか・・・)何回か電話したのですが繋がりませんでした。すでに会社に行かなければならない時間は過ぎていたのですが、慌てて両親に電話しました。私の両親は当時、アメリカ合衆国のボストンに住んでいました。(今もですが・・・)私の母がボストンから神戸に電話すると何故か繋がりました。解ったことは、叔父と叔母、それに従兄弟3人のうち、2人は健在ということでした。従兄弟一人は港で夜勤で帰れなくなり、後に無事であることがわかりました。
私は震災から2ヶ月間で2度神戸に行きました。
まだ、高速道路が横たわっていました。
道路が隆起し、建物は被害のない建物を探すことが困難なぐらいでした。
私の従兄弟のうち、一人はその年の2月に結婚をする予定でしたが延期となりました。
結婚式場となるホテルは隣の建物に寄りかかっていました。式に参列するはずだった、友人や会社の同僚も何名か亡くなりました。
私の良く知っている、ある会社の社長(当時は専務)は家がめちゃくちゃになり、子供を助けようと思って眼鏡を探したけど、眼鏡がどこかにいってしまい、とんでもない苦労をしたそうです。明るくなって、スペアの眼鏡をなんとか見つけて部屋を見渡すと、テレビが置いてあった反対の壁に刺さっていたそうです。その方は近視では子供も助けられないと言って、その年にまだ、日本では珍しかったレーシック手術を受けました。
今、私たちは大きな災害に備えているでしょうか?
あなたの家には火災報知機はついていますか?
※東京では本年4月1日より住宅の各寝室は設置義務があります。
今日は、あちこちの番組等で震災のことを放送したりすると思います。
「そんなこともあったね。」
で終らせるのではなく、自分が震災に遭った時の備えがあるかを確認してみてはいかがでしょうか?
小沢幹事長 献金問題
世の中のニュースはJALと掲題の問題で一色です。
さて、小沢民主党幹事長の献金問題の所感ですが・・・
与党の幹事長級が絡んでいる事件でいうと、リクルート事件以来の大型疑獄になりそうです。
しかし、その割には民主党の支持率が下がってこないのは、国民が政治家のこういう問題に慣れたからでしょうか・・・?
しかし、この類の問題は発生しない人の方が珍しいのですが、小泉→阿倍→福田→麻生→鳩山のいずれの内閣も発生していません。鳩山さんの場合は献金といっても母親ですし、金銭感覚が一般人と違いすぎただけの話で悪意がある様に感じません。
これはいずれも二世、三世議員で金銭的なことに対する執着が無かったからではないかな?と感じます。
そういう意味に於いては小沢さんは、田中角栄と一緒なのかもしれません。(田中角栄と比較すると、随分と小物ですが・・・)
誰がどう考えても、怪しい状態なのに、任意聴取に応じなかった時点でかなり、怪しく、記者会見のまとめて答えると言っておきながら、何も質問には答えなかった時点で怪しさ100倍です。
現状、小沢さんは内閣ではないのですが、実質上の民主党の最高責任者であるとも言えます。故に、鳩山さんが今の状況でも小沢さんを更迭できないのでしょう。これは、今までの自民党政治でも異例で、記憶にある限りでは完全に事件発覚するまで更迭できなかったというと、金丸さんぐらいでしょうか・・・。
しかし、内閣ではないと言っても、各種の陳情などは予算編成に向かって、原則として小沢さんに集約されている感じです。とすれば予算編成前に小沢さんが逮捕なんてことになれば混乱は必至です。しかし、ここにきて、鹿島までが強制捜査を受けているところから見れば、検察も容赦なくやるでしょう。
このまま、小沢さんに固執すれば参院選敗退も十分に考えられるのに、なぜ小沢さんに固執するのでしょうか・・・。それだけ人材がいないことは間違いないのですが、それにしても酷すぎると思いました。
日本は経済もガタガタですが政治も酷いもんです。
カメラのさくらや 全店撤退
昨日のニュースで『さくらや』が全店撤退というニュースが流れました。
ついにか・・・
というのが感想です。
もともと、さくらやと言えば、1970年代前半までに生まれた方なら、1990年ごろまで流れていた
「カメラのさく~らや~♪」
というCMをよく覚えていると思います。
「新宿西口、えっきのまえ~♪」
のヨドバシカメラとどっちに行こうか?などと考えたものです。
最近では新宿西口店がユニクロに変わり、家電激戦区からの撤退などをしていたので、相当にシンドイんだろうなぁとは思っていました。
そもそも、さくらやは2004年に外資系の投資ファンドに、そして2006年にはベスト電気の子会社となっていたのですが、ついに経営再建を断念という形になりました。
過去には、家電といえば、ビッグカメラか、ヨドバシカメラか、さくらやか・・・だったのですが(私はヨドバシカメラ派だったのですが・・・)、ついに一角が崩れました。ベスト電気もビッグカメラが株式の15%を持っていますが、そのビックカメラも上州戦争で負けそうです・・・。
※上州戦争・・・一般的には福田赳夫Vs中曽根康弘のことを指しますが、この場合は群馬県高崎市創業のビッグカメラVS群馬県前橋市創業のヤマダ電気を指します。
業界の地図とは常に時代の流れとともに変わるものですが、さくらやの撤退は一つの時代が終った感じがして、少し寂しさを感じました。JALもそうですが、高コスト体質など時代の流れに考え方や企業体質がついていかない企業はどんどん淘汰されていくと思います。
本当は旧体質の方が人間味のある世界だった様な気もするのですが・・・人情では飯は食えないと言ったところでしょうか。
仕事初め
本日から仕事初めという訳で出勤しました。
年賀状が多数、宛先が間違っている?ということで戻ってきました。
戻ってきた年賀状と名刺を比較すると全て住所はあっていました。
中には知らぬ間に事務所が移転しているだけの会社もあるかもしれませんし、中には倒産している会社もあるかもしれません。
一つ一つ、明日ネットで調べてみようと思います。
切ない世の中だ・・・
【立退き交渉】10年ぶりの再会
現在、しがかり中の案件で立退きが絡んでいる案件があり、本日はその打合せを電話で午前中にしていました。
その会話の中で昔の立退き交渉のことを思い出しました。
平成17年ごろの話です。
私はあるマンションの立退きをやっていたのですが、そのマンションは8割の賃借人が法人です。場所も渋谷のど真ん中ですから、法人が多く入っているのは仕方がないのですが、それにしても間取りが普通の居住用だったので、事務所としての使い勝手はそんなに良くなかったと思います。
さて、そのある法人との交渉です。
法人は、自称IT系の事業を行っているということです。商業謄本も『ITの○○を行う。』等のことが書いてありました。帝国データを取り寄せようとしたのですが、会社が小さすぎてデータが無いとのことでした。
私は立ち退き交渉に原則的には弁護士に出ていただくことはありません。同業者の方なら解ると思いますが、弁護士を入れると時間が掛かるからです。基本的に弁護士は成功報酬の他に実働した労働単価を請求してきます。裁判になれば、その裁判1回につき、いくらと言うような請求をしてくる弁護士がいます。弁護士が入って裁判になれば時間も掛かり、得をするのは弁護士だけということが多々あります。
しかし、3年前のスルガコーポレーションの一件以来、立退き交渉を弁護士以外がやると、弁護士法72条違反になるという懸念が発生しました。それ以来、立退きに関しては弁護士に依頼すると言う法人が多くなり、立退き交渉に時間が掛かるようになりました。
しかし、訴訟に至れば、権利事件ですから必然に弁護士が必要となりますが、双方が合意出来る様な内容であれば事件性があるとは言い切れませんから、 弁護士法72条に抵触するとはいえません。スルガコーポレーションの場合は反社会的勢力との絡みがあって、別件逮捕的なことがありました。
ところが、その立退きの時に、私は弁護士を入れざる得ない状況が発生しました。
相手が弁護士を介してでないと話さないと言ってきたのです。私が直接、その弁護士と話すこともできたのですが、相手が弁護士を出してくる場合はこちらも弁護士を用意した方がいいことが多いです。ただし、私は弁護士を用意したとしても、私も一緒に行くことが多いです。
その時、私は交渉先の弁護士の事務所に私が依頼した弁護士とともに行きました。
そして、その弁護士事務所に行くなりお互いの弁護士が・・・
「あっ・・・」
と言うと、相手の弁護士が
「お久しぶりです。」
私は、相手の弁護士に会うのは2週間ぶりだったのですが、
『ついこないだ、会ったばかりのような・・・』
と思いつつも
「お久しぶりです。」
と答えると・・・私の依頼した弁護士が・・・
「よお、久しぶり!何年ぶりかなぁ・・・。10年ぐらい経つか? 」
どうも私ではなかったようです。(心の中では「Roots飲んでGo」みたいな気まずさでした。)
弁護士同士が随分前に同じ弁護士事務所の先輩後輩だったようです。
立退き交渉は駆け引きも何も無く、1週間で万事終りました。
こういう偶然があると、立退き交渉はあっと言う間に終ります。
今回もこういう風に済めばいいなぁと思いました。
立退き・地上げ交渉のコンサルを承っております。まずはご連絡ください。