既存不適格と違法建築 地名地番と家屋番号
- 既存不適格と違法建築【収益不動産】
- 既存不適格と違法建築 収益不動産を扱うまでの経緯
- 既存不適格と違法建築 検済のある建物
- 既存不適格と違法建築 検済と謄本の記載内容の違い
- 既存不適格と違法建築 違法建築のチェック
- 既存不適格と違法建築 完了検査の未受領
- 既存不適格と違法建築 用途変更と構造偽装
- 既存不適格と違法建築 品確法と中間検査
- 既存不適格と違法建築 旧耐震ビルの利用検討
- 既存不適格と違法建築 PCBとアスベストの調査
- 既存不適格と違法建築 隣のビルの高さが明かに違う
- 既存不適格と違法建築 建物の登記情報(謄本)
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- 既存不適格と違法建築 増築のための確認申請
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- 借りた物件の用途変更が出来ないのは誰の責任?
前回も書いた通り、私は〇〇区△△町一丁目200番1と建物Cを買いませんでしたが、別の会社がその物件を買い、容積率600%をほぼ消化している建物(以下、「建物F」と言います。)を作りました。
前述の通り、この時点で建物Dは完全に違法建築となりました。
もともと、建物Cと建物Dは同一の敷地にあり、建物Dは建物Cと合わせて、容積率を消化していたわけで、この時点では合法でした。しかし、土地を分けて、建物C側に新しい、しかも容積率600%を消化しきった建物Fを作った時点で、建物Dが違法建築になってしまったわけです。
この時点で極めて難しい問題にぶつかります。
本当に建物Dの方が違法建築なのかということです。
建物Cの土地に新しい建物を作れば、建物Dの方が先にある訳ですから、建物Fを作った方が法定容積率を消化すること自体が容積率オーバーにも感じます。しかし、前述の通り、財産権の問題等から、建物Cの土地の新所有者が法定容積率に規制を掛けることができません。
そこで、もともと建物Cと建物Dの所有者が同じなわけですから、その所有者であったAが、建築基準法8条を守らなかったということになります。
そして、その建物Dと建物Fは双方とも収益物件として売り出されました。
建物Dの物件概要書の特記欄に検査済証有りと明記されています。
この時点で、この経緯を調べなかった人は
「既存不適格?」
と思うかもしれません。何しろ、余裕で容積率をオーバーしているのに、ちゃんと検査済証がある訳ですから、違法建築と考える人は少ないかもしれません。
この時点でも、建物Dを違法建築物ではないかのごとく売りに出している時点で充分悪質だったのですが、ある仲介業者から、妙な話を聞きました。
「建物Dの所有者Aは、新興系不動産会社Eの関係者なんだよ。」
その仲介業者は関係者ということだけで、どういう関係かを詳しくは知りませんでした。
そこで、私は新興系不動産会社Eの帝国データの信用調査データを入手しましたが、Aの名前はどこにも出てきませんでした。
しかし、新興系不動産会社Eの閉鎖謄本を入手してみるとAの名前は出てきました。新興系不動産会社Eの創業時の取締役の中にAの名前があったのです。
つまり、Aも新興系不動産会社Eも、完全に確信犯だったのです。
この建物Dと建物Fは、どこの会社も買うことがありませんでした。当然ですが、私が気付いたことを別の誰かも気がつき、その噂が流れたからです。
その後、Aは自己破産、新興系不動産会社Eも倒産(民事再生)となりました。その後、建物DとFがどうなったかは、解りませんが、任意売却か競売になったことは容易に想像ができます。Aや新興系不動産会社Eが考えていた価格で処分されたことはないはずです。
今、考えると私も気付くのが遅かったと思います。建物Dの登記情報を取った時点で気付くべきだったのです。
所在:〇〇区△△町一丁目200番地2
家屋番号:200番地1の2
この情報で充分だったはずです。
1.建物の所在と家屋番号が違う。家屋番号が200番1の2で所在が200番地2ということ は、建物Dは200番地1という所在のときに建てられた建物ということです。そして、その後に200番1という土地が分筆されたということが読み取れます。
2.家屋番号が200番地1の2の時点で200番1の土地の2棟目の建物ということです。
ここまで情報があれば、この状況は想像できたはずでした。もちろん、今の私なら、この時点で気付いたでしょう。
これで、16回にわたって連載してきた「既存不適格と違法建築」を終わりにします。
・既存建物を買うときに違法建築物かどうかを判断するのは、なかなか難しいものです。ですから、既存建物を買う前に是非、リデベにご相談ください。
・違法建築物を既に買ってしまって、お困りの方もリデベにご相談ください。(場合によっては、違法建築を解消できます。)
・既存不適格建物に関して、不安をお持ちの方もリデベにご相談ください。
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