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更新料・敷金・礼金について考える1

連載シリーズ 【 更新料・敷金・礼金について考える1 】 第 5 話 / (全 7 話)
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今日も東京は暑いです。Newsでは福岡や山口の大雨の様子が沢山流れています。被災地の方は大変かと思います。がんばってください。


さて・・・


更新料が合法ではないという判決が出たことは一昨日のブログ
で書きましたが、これは支払う側(借主)と受け取る側(貸主)の双方に言い分があると思うのでそれを整理して考えてみたいと思います。


その前に日本の借地借家法が極めて借主に有利に出来ていることを書いておきます。


昨日のブログ
でアメリカの賃貸住宅の場合は、日本の定期建物賃貸借(以下、「定借」という)に近いものであることは書きました。しかし、日本には普通の建物賃貸借(以下、「普通借家」という)と共存する形になっています。


日本の定借の場合、200㎡未満の住宅は中途解約が可能なので、安定した賃料収入を得たいという貸主からすれば意味がありません。契約期間後に自己使用したいとか建物を取り壊したいという場合にしか意味が無いわけです。また、200㎡以上の借家というのも全体からしてみれば圧倒的に少ないので、実質的に有効なのは事務所や店舗ということになります。


では、事務所や店舗ですが、定借と普通借家の場合、定借が借主にとって不利であることは一目瞭然です。物件に希少性があり、その物件に競合物件が無いような場合は定借にしても、賃料に与える影響は殆ど無いと言っていいでしょう。しかし、同じような条件の物件が2つあって、片方が定借でもう片方が普通借家ならば賃借人は普通借家を選びます。そこで、定借が対抗する手段は賃料を下げるとか、礼金(敷引き)」や更新料を無くすという手段を取らないといけません。全てが定借になれば、あとは通常の競争原理と市場性で評価が出来ることになります。


しかし、ファンド物件などを除けば、「少しでも高く貸したい」「礼金や敷引きや更新料」も欲しいという目先の収入を貸主も追いかけてしまいますから、一般のオーナーは普通借家を選ぶことが多い様です。ファンド物件の場合は目先の収入よりも、「利回りの安定」「物件の流動性」の観点から、多少、目先の収入を安くしても(敷金ゼロ、礼金ゼロなど)良いと考えます。


では、更新料と礼金について、本来の趣旨と何に使われているのかを書きます。

これは、どのエリアも一緒かというと、私も日本全国の商習慣を知っているわけではありませんから、『うちは違う!』という方もいるかもしれません。

まず、更新料ですが、通常の賃貸借契約(普通借家)であっても、契約期間が定められているのが一般的です。普通借家契約の場合、もし、契約満期までに何の通知もしなければ、『契約期間を除く』全ての条件が自動的に継続し、そのままの賃貸借契約が続行します。

しかし、前述の通り、もし、契約期間満了時に何の通知もしなければ、最初の契約期間満了後の契約はどうなるかというと、期間の定めの無い契約となってしまいます。(借地借家法26条)

※実際に普通借家契約の場合の契約期間というのは、あまり有効なものではないのですが、それでも細かい部分で契約内容を変更したい場合や賃料の改定などは、この契約期間満了時に交渉することが多い様です。


そこで契約期間の定めが無い契約にしない為にも、貸主は借主に「契約の意思の確認等」をするなどをして、同内容の契約をすることで再契約をして、契約期間に定めのある契約を続行しようとするわけです。ところが、一部屋、二部屋を貸している貸主であればこの管理をすることも出来るかもしれません。もし、貸主が100戸のマンションを賃貸していたら、これの契約更新は大変な作業です。そこで、不動産会社の登場です。


最初に賃貸の客付けをした不動産会社は契約更新となれば再契約ですから、仲介手数料を取ろうとします。もし、この手数料を貸主にも払えと言えば貸主は自分で契約更新を借主とするから、不動産会社は「やらなくていい」と言われてしまします。そこで、その仲介手数料を借主から全額とろうとします。

※仲介手数料は宅地建物取引業法(以下、「業法」という)では貸主50%と借主50%と定められています。

ところが、これでは貸主はメリットがありません。そこで、不動産会社は半分を貸主に渡します。これを『更新料の折半』等と業界では言います。

もし、これを借主に

「再契約になりますので仲介手数料を下さい。」

と不動産会社が言えば、借主は

「いや、もう仲介して貰ってる訳じゃないじゃないか」

と言います。(黙って払う人の方が多そうな気もしますが・・・)

これを避ける為に「更新手数料」という言葉を使っているとも考えられます。


では、礼金についてですが、礼金についても、今や商習慣で取っているだけです。今では賃料や原状回復費用への充当であって、そもそもの意味を失っています。礼金の始まりについては色々な説がありますが、私の祖父がアパート経営をしていて、子供の頃に礼金の意味を聞いたら、

「学生さんが田舎から上京してきた時に、親に代わって面倒を見てくださいと借主のご両親が大家さんに渡すお金が礼金だ」

と教えてもらったことがあります。ネットで調べてもこれに近い主旨のことが多く出てくるので昔はこれに近い意味で礼金が存在したのであろうと考えられます。しかし、今の貸主が親に代わって面倒を見ることは無いので、礼金の意味そのものが無くなっています。

では、『保証金の償却』制度についてですが、よく、事務所や店舗の賃貸借契約にある『保証金の償却』で年に○%を償却するというものは、これは単純に家賃への充当と考えて良いでしょう。また、『解約時に○ヶ月分を償却する』というものがありますが、契約書上に『解約時に償却』と書かれていても会計上は、保証金を預かって契約が成立した時点で償却して良い事になっています。これは契約が成立した以上、いつか解約が行われる訳だから償却しても良いということになっているそうです。とすれば、これは完全に礼金と同じ意味合いを持つことになります。つまり借主からしてみれば『礼金ゼロ 保証金8ヶ月(償却2ヶ月)』という物件を借りた場合は実質的には『礼金2ヶ月 保証金6ヶ月』という物件を借りたことと全く同じわけです。ただ、この会計処理で問題になる場合はこの物件が売買されるときです。賃借人が付いたまま、この物件を売買すると、原則論からすれば保証金の償却は解約時なわけなので、保証金は全て買主が引継ぐことになるはずなのですが、会計処理上、契約時に差引いて良い事になっているので、償却してしまっていることが多いです。つまり、買主には償却後の保証金しか入ってこないことになります。しかし、これは会計上の問題ですから、売買時にはよくトラブルになります。

※実質的には・・・例えば、家賃が100万円/月で保証金が10ヶ月(解約時償却2ヶ月)の物件でを1億円で売却しようとすると、実際に1億円を買主が売主に支払って、1000万円を保証金として売主が買主に渡すのは意味が無いので、9000万円を支払うことになるのですが、2ヶ月は契約時に会計上処理して良い事になっているので9200万円を買主は売主に支払います。

敷引きについてもそうですが、敷引きとは契約時に「必ず○ヶ月分は返しません」というものです。とすれば保証金の償却と近い意味があると考えられます。

いずれにしても、本来の意味は失っていて、家賃への充当、原状回復費用への充当、将来の修繕費への充当、貸主の利益のいずれかになっているのが原状です。これを貸主がどの様な名目で取ろうとしているかが問題なだけです。

次回は借主側、貸主側の双方の言い分を考えてみたいと思います。

日曜日なのでまったりと書いていますが・・・

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