空き家問題を考える ~無造作にアイデアを実施するのはNG~

今、色々なところで取り上げられている空き家問題。既に2013年10月の調査で全国に約820万戸、全体の13.1%の空き家があるという状態である。

なぜ、空き家が増えているかというと、根本的な理由は簡単である。

人口減少が始まり(増加が止まり)、核家族化による世帯数の増加にも歯止めが掛かっているのに新築の供給が多いというのが最大の原因だ。新築の供給を抑制すれば簡単に問題が解決できそうだが、景気刺激策などの理由から、むしろ住宅エコポイントの復活など新築の供給を煽っているのが現状である。

さて、この空き家問題だが現在、早急な取組が必要な問題は、空き家となっていて、再利用不可能にも関わらず放置されていて危険な建物が問題となっている。人里離れた集落で既にその集落に誰も住んでいないで廃墟になっている空き家や、高度経済成長期に開発された別荘地などの空き家は人がそもそもいないので、放火や空き巣、また、そこで子供が遊んでけがをするという心配は少ないだろう。

しかし、このような廃墟となっている空き家はなにも人里離れた場所にあるとは限らない。東京23区の駅近の住宅地にもかなりの数が存在する。これは、『固定資産税の減税の問題が大きい』とか『解体費を相続人が負担しないから』など、様々な理由が上げられているが決定的な理由が存在する訳でもなく、複合的な要素が大きいのだろう。

そして、最近ではこの様な廃墟となった空き家を取り壊せる条例を定める特定行政庁が増えている。

しかし、ここで疑問に思うことだが、何故、わざわざ条例を作っているのだろうということだ。条例など作らずとも建築基準法第10条を適用して除去の命令を出してしまえばよいだろうと考えた。そこで、既に条例を定めている東京都墨田区に問合せをしてみたところ、建築基準法第10条では

前略~損傷、腐食その他の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となり、又は著しく衛生上有害となるおそれがあると認める場合においては、当該建築物又はその敷地の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用中止、使用制限その他保安上又は衛生上必要な措置をとることを勧告することができる。

となっている。この「そのまま放置すれば著しく保安上危険となり」の部分が「衛生上有害となるおそれがある」の「おそれ」に掛かっていないと受け取れるとの解釈があるらしい。文面からすれば、「そのまま放置すれば」とあるので未来を予測しているので「おそれ」に掛かっていなければ日本語として成立しなくなるはずだが、この部分の取り扱いがナーバスな問題ということである。

そこで、ここに一言付け加え、「そのまま放置すれば著しく保安上危険となる『おそれがある』、・・・」と条例にはしているとのことである。

実はこの建築基準法第10条にはもっと大きな欠点がある。

それは憲法第29条の財産権の問題で、他人に迷惑を掛けている状態にない個人の財産を国家がそれを侵してはならないとあり、憲法第98条で憲法は他の法律よりも優先するとあるので、その空き家が他人に迷惑を掛けているかの判定が難しい。建築基準法では他人に迷惑を掛ける様な状況を定めていない。

そこで、条例では、他人に迷惑を掛けると考えられるガイドラインを策定している。

では、このガイドラインに抵触したら、なんでも壊せるかというと、そうでもなく、出来うる限り、所有者に取り壊す許可を貰ってから壊しているとのことである。

ゆえに、条例を作ったからと言って速やかに廃墟となっている空き家を取り壊せるということではないらしい。

さて、廃墟となっている空き家に関しては権利関係を整理して、解体費を差し引いた価格で不動産市場に流通させれば良いと思う人もいるかもしれないが、実際には廃墟となっている空き家というのは、その権利関係が滅茶苦茶になっていることが多い。つまり、住んでいた人が亡くなり、相続が発生しているのにそこに相続人がいない訳である。私も何度か、この手の空き家を売却して貰えないか、相続人を探そうとしたが、登記情報を取り寄せてみると、相続人が10人ぐらいいて、さらにその10人のうち、2人が既に他界していて、さらなる相続が発生しているのに登記されていないということもあったし、登記情報に記載されている所有者は一人だけど既に昭和の時代に他界していたという事例もあった。一番、多いのは登記情報では所有者の住所が、当該物件つまり、廃墟になっていて、所有者と連絡が取れないということだ。

こんな権利関係が面倒な空き家を不動産市場で流通させるなど、現行法では不可能である。

しかし、この様な廃墟とまでは言えない、再利用可能な空き家の方が多数、存在しているのが事実である。しっかりした、統計データはないのだが、空き家の理由が明確で再利用可能が確実と考えられている住宅は、2008年の段階で65.5%あった。残りの34.5%の中にも長期不在や別荘などの空き家が含まれており再利用可能なものもあったと考えられる。とすると、少なくとも70%以上の空き家が再利用可能と考えられる。

もちろん、この空き家が手つかずの状態で、そのうち時間の経過とともに廃墟になっていく可能性は十分にある。それに目を付けたのが空き家ビジネスである。

一番、多く最近話題になっているのが、某不動会社が主催し、若手の建築家が、お洒落なリフォームを提案し、所有者を説得してリフォームをして賃貸にだしているという手法である。

しかし、この実態を調べてみるとかなり杜撰な実態が見えてくる。若い建築家は建築基準法のことなど度外視で、構造の安全なども床下や天井裏を懐中電灯でちょっと見て、

「これ、全然、使えますよ!」

などと言って、細かい検査など一切していない。それどころか、その物件を調べてみると完了検査が出されていない物件も多数ある。というよりも、殆どの物件が完了検査を受けていなかった。それにも関わらず、体裁だけを整えて賃貸に出しているのである。この不動産会社がそれを重要事項説明の時に説明していたかどうかは不明であるがかなりグレーな手法であることは間違いない。

空き家を安く借りて老人介護施設にしているケースも多数、見受けられる。それも無届け老人介護施設で建築基準法の用途変更どころか、なんの申請もしていないで勝手に使っているというケースもある。さらには、特定行政庁がこの様な無届け老人介護施設を斡旋しているという実態もある。

他にもつい最近まで問題になっていた脱法ハウスとして利用されている場合もある。これに関しても国土交通省から、新しいガイドラインが出ているにも関わらず、一切、お構いなしで使われているものもある。同様に用途変更を行わずに簡易宿泊施設として使われているものもある。

いずれの事例でも事故や事件が発生している。

この様な脱法に近い空き家利用に歯止めを掛けなければならないこともあり、誤った空き家利用をもう少し詳しく紹介し、本来、どの様な手続きを行い利用しなければならないかを今後、連載していきたいと考えている。

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借りた物件の用途変更が出来ないのは誰の責任?

連載シリーズ 【 借りた物件の用途変更が出来ないのは誰の責任? 】 第 18 話 / (全 18 話)

このお問合せが最近、非常に多くなっています。

誰の責任であっても、用途変更に向かって進捗して頂かないと当社の出番がないので、当社は無料相談で終わってしまうのですが、あまりにこの問合せが多いので、こちらに書いておきます。

まず、用途変更が出来ない理由は大別すると二つあります。

1.建物が完了検査を受けていないため用途変更の確認申請を受け付けてもらえなかった。

2.都市計画の用途制限※に抵触して、その場所で当初予定していた事業が出来なかった。

※第一種低層住宅地域では、「有床診療所」はできますが「病院」はできません。有床診療所とは、入院患者が20人未満です。

しかし、1のケースでの問合せは殆どありません。2のケースが99%以上を占めます。

そして、不動産の賃貸借契約に登場する関係者は・・・

A.賃貸人(大家さん)

B.賃借人(借りる人)

C.宅地建物取引業者(不動産屋・仲介業者)・・・(以下、「業者」といいます。)

AとCが兼ねている場合、AはCと同じ責任を負うことになります。

一番、多いのが、

「業者は悪くないのでしょうか?プロだから、業者は悪いですよね?」

というお問合せです。

実は、業者が責任を負わなければいけないケースは限られます。

例えば、完了検査を受けていない100㎡以上ある建物で、確認申請時に物販店として申請していた物件を飲食店にしようとした場合・・・

・ 業者が広告で飲食店可と広告を出していた。・・・宅地建物取引業法(以下、「業法」と言います)33条違反

・ 業者が重要事項説明で飲食店可能であると説明した。・・・・業法第35条及び第47条違反

・ 業者が契約書に飲食店として使って良い旨を記載した。・・・業法第37条及び第47条違反

となります。しかし、業法に違反しているからと言って、即座に業者が責任をとって、損害賠償をしてくれるという訳ではありません。業者は業法違反により、行政処分を受けるかもしれませんが、賃借人や賃貸人に迷惑を掛けたことによる損害賠償請求は、民法の「不法行為」によって、被害を被ったことを立証して、裁判を行う必要性があります。(示談になれば、裁判は行わなくて良いです。)

ここで、このブログを読んでいる業者の方は、気を付けなければいけない点に気が付いたと思われます。

『仲介する建物が完了検査を受けていない場合、もしくはそれの確認をしていない場合は、不用意に「飲食可」などとマイソクに書くと業法違反になる。』

ということです。

では、賃借人が取りうる対抗手段は何があるかというと・・・

契約の白紙解除となります。飲食店をする目的で建物を借りているのに、それが出来ないとなれば、当然に契約の目的を達することができないので、民法570条は賃貸借にも準用される判例があるので、隠れたる瑕疵にあたり、民法第566条が準用されるので、契約は白紙解除となります。白紙解除なので、敷金礼金などは全て返済されますし、業者は仲介手数料も返さなければなりません。

しかし、賃借人が既にお店のオープン日を広告宣伝していた、もしくは前のお店の賃貸借契約の解除予告などをして営業が出来なくなったことについてまでは、保証される訳ではありません。

この場合は状況に応じて、貸主に「債務不履行」、業者に「不法行為」で訴訟をするなどして損害賠償請求をするしかありません。

この様な事態になった場合、損害賠償の金額にもよりますが、ケースによっては『建築基準法適合調査』を行い、『建築基準法適合判定』で回避されるもしくは、被害を最小限に抑えることができる場合もあります。

『建築基準法適合判定』については、まずはリデベにお問合せ下さい。

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建築基準法適合状況調査の流れ(検査済証の無い建物を適法化する方法)

① 確認済証の副本と確認申請時の図面の有無を確認する。

副本と図面がある場合は②へ進む。無い場合は③へ進む

② 一般木造住宅2階建て100㎡未満の建物以外の場合は構造計算書の有無を確認する。

構造計算書が無い場合は④に進む。

一般木造住宅2階建て100㎡未満の建物、もしくは構造計算書がある場合は⑤に進む。

③ 建築士事務所(出来れば一級建築士事務所)に依頼して、現況図面の作成を依頼し、現況図面作成後に④に進む。

④ 現況図面をもとに構造計算を実施する。

⑤ ①の確認申請時の図面もしくは③で作成した現況図面が、建物が建てられた時点の建築基準法に適合しているかを一級建築士に確認してもらう。

この時点で、建築基準法に大きく違反しており、是正するのに建て直す方が、経済的に有利な場合には、建築基準法適合調査を中止する。

概ね建築基準法に適合している、もしくは軽度の違反(建て直すよりも是正する方が遥かに経済的に有利な違反)がある程度である場合には、⑥に進む。

⑥ 依頼した建築士に『建築基準法適合調査』を第三者機関に依頼してもらう。

この時点で依頼された建築は特定行政庁との協議を行い、第三者機関に議事録で報告を行う。⑦に進む。

⑦ 第三者機関が『建築基準法適合調査』を行い、『建築基準法適合調査報告書』のドラフトを作成する。

不適合箇所が無ければ、『建築基準法適合判定合格状況調査報告書』が発行されます。

不適合箇所がある場合は⑧に進みます。

⑧ 依頼した建築士に不適合箇所についての是正方法等を第三者機関と協議して貰い、不適合箇所を是正する工事を行う。その是正箇所を依頼した建築士に写真などを取って貰い、第三者機関に報告してもらう。是正完了を第三者機関が認めてもらえば『建築基準法適合判定状況調査報告書』が貰えます。

建築基準法適合判定状況調査報告書は、不適合でも貰えますが、報告書の中に『不適合』箇所の指摘が残ったままになると、その効力がありません。 この場合は違反建築物である証明書にしかなりませんので注意が必要です。

ただし、『建築基準法適合調査』が出来るようになったのは、平成26年7月2日の国土交通省発表のガイドラインからで、すべての建築士事務所が引き受けてくれる訳ではありません。

価格については、建物の規模、築年数、構造、確認済証の副本の有無、確認申請時の図面の有無、建築基準法の技術的指針への違反の程度によって大きく異なります。

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なお、ご相談に御来社する際には、必ずお電話で予約を取ってください。

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建築コスト(第3話) ~CM編~

カテゴリ:ブログ / 不動産開発
連載シリーズ 【 建築コスト(第3話) ~CM編~ 】 第 3 話 / (全 3 話)

前回に続き、その他の問題事例を書くこととします。

私の知っている他の事例でも・・・

建築主がインターネットで見つけた安いフロア材に変えようとして、建築主がいざ発注してみたら、必要な数量が納入されるのに半年以上掛かってしまうことが解り、結局、当初の床材に戻したけど、そっちも生産に1ヶ月かかるということで、結局、工期が1ヶ月延びてしまいました。
工期が1ヶ月延びれば、現場管理費がその分、増えてしまいます。(現場監督を余計に1ヶ月配置しなければならない。現場事務所も1ヶ月余計に借りなければならない等)

特に、最近ではインターネットでの通信販売等で、通常では素人がなかなか買えなかったようなものが簡単に手に入るようになりました。しかも、人件費が掛かってない分、そちらの方が安かったりすることが普通にあります。実際に私も、自宅の建具のラッチが壊れた時にネットで1個だけ取寄せて、自分で直したりできるので便利だと思います。
そして、素人がゼネコンの見積よりも安く買えることが簡単にわかってしまう時代です。

ただし、製品の値段だけの問題ならです。

問題はこのような、搬入の手順や数量だけのトラブルだけではありません。

アフターのトラブルもあとが絶えません。
製品は建築主が支給したものですから、製品に関する欠陥はメーカーの責任です。しかし、取付けたのはゼネコンですから、施工不良はゼネコンの責任です。

簡単な問題ですが、実際にはどちらも責任は取りたくありません。そもそも、建築主もどちらにアフターを頼んで良いか解らない場合もあります。

ある時、クッションフロアを支給した建築主さんがいました。それも、日本の有名メーカーのものではなく、韓国製のものでした。結果、2年後にそのクッションフロアが剥がれてきました。最初は施工不良だと思いゼネコンに修理を依頼しますが、調査の結果、そのクッションフロアの専用接着剤の耐熱性があまりに悪く(40度前後で劣化する)、窓際の日当たりの良い場所から剥がれてきているということが判明しました。

ところが、その韓国製のクッションフロアは、日本の小さな商社(ネット通販専門の商社)が韓国の会社にOEM生産を依頼したものでした。

その日本の小さな商社はすでに無くなっており、韓国のOEM生産を依頼した会社も解らず仕舞いでした。

結果的には建築主の負担で、全てのクッションフロアを貼り替えるということがありました。

また、これは建築時のトラブルではなく、マンションのリフォーム工事のときの話です。

リデベで、マンションのリフォームを依頼されました。依頼された範囲はキッチン等を含む水周りのリフォームがメインでした。

そこで、見積を出したのですが、キッチンだけで50万円+αぐらいの価格になってしまいました。
これは
1.既存のキッチンの解体廃棄費用
2.既存キッチンを取り外すのでタイルが使えなくなるのでキッチンパネルの材工費用
3.梁下にキッチンの換気扇がぶつかるので、その部分の特注費用
4.新しいキッチンの費用
5.新しいキッチンの運搬費用
6.キッチンの取付費用
7.ガス工事費用
8.給水給湯排水工事費用
の全てが入っている値段で、その明細もちゃんと書いて提出しました。
しかし、この依頼主は
「キッチンなんて、ニトリで12万円以下で手に入るだろ!Canny
と言って怒り始めました。
たしかに、ニトリで安いキッチンを買うと12万円以下ですが、これは上記でいう6の部分だけの値段です。しかも、ニトリで買うキッチンは梁型に合わせた特注などできません。この依頼主に、キッチンの解体廃棄やキッチンパネルの取付は大工、キッチンの取付はキッチンメーカーの専属業者、ガス工事はガス屋、給排水工事は設備業者と4つの業者が必要なことを説明しましたが、
「キッチンメーカーが全部やればいいだろう!Ahh!
と言い出す始末です。

私は、一生懸命説明しようとしたのですが、なかなか、ご理解を頂けませんでした。正直言えば、2回説明した時点で面倒だなとも感じていました。

当然ですが、この話は破談になりました。
結果、その物件がどうなったかと言うと、水周りは一切にいじらずに家賃を下げて募集していました。おそらく、その依頼主は修繕費という概念があまり無かったものと考えられます。しかし、周辺の新築物件も今の経済状況下の中で賃料は下落していますから、更に下げないと決まらないでしょう。
そして、一度下げた家賃はどんなにリフォームしても、元には戻らないということを知らなかったものと考えられます。

前回の洗面所の件もそうですし、今回のクッションフロアの件もそうですが、値段が安いことだけでは、全く話になりません。必ず考えておかなければいけないことは、

・ 着工前に設計事務所、施工会社と相談して、仕様を決定しておき、取付費用や搬入のタイミングなどで発生する運搬費用・保管費用などを検討しておく。

・ インターネットやホームセンターで見つけたものの場合は、必要な数量やどこまでの工事を行ってくれるかを確認しておく。価格.comで調べた値段が全てではないということです。

・ 分離発注や施主施工にする場合は、建築基準法や消防法などに抵触しないものか、製品性能が問題ないかを事前に設計事務所などの専門家の意見を仰ぐ。

・ 分離発注などを行う場合は、責任の範囲を起こりうる事態を想定して、責任所在を明確にしておく。

このようなことが、できなければ分離発注は不可能です。しかし、これができれば、建築費などのコストダウンも可能です。

コンストラクションマネージメント、建築費の削減などは、是非リデベにご相談下さい。

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既存不適格と違法建築【収益不動産】

連載シリーズ 【 既存不適格と違法建築【収益不動産】 】 第 1 話 / (全 18 話)

収益不動産を購入を考えている方や、収益不動産をこれから建築されようとお考えの方、また、すでに収益不動産をお持ちの方は是非、お読み下さい。

私の会社は設計事務所(一級建築士事務所)でもありますが、不動産屋(宅地建物取引業者)でもあります。

ブログの過去の記事を読んで頂いている方は、御存知の通り、私は、ハウスメーカーで設計、積算や商品開発などの技術系部署を経て、収益不動産のための用地取得や開発の部門に行き、その後、アレンジメントの会社の役員になり、今の会社を立ち上げました。

さて、今回は収益不動産を取得するときに注意しなければならない点として、タイトルの『既存不適格』と『違法建築』について書きます。

まず、『違法建築』については、読者のみなさんも御存知の通り、建築基準法や地方自治体が定める条例等に対して『故意』に違反している建物のことを指します。

『既存不適格』というのは、一般の方はあまり聞きなれない言葉かもしれません。『既存不適格』とは、その建物が建てられた時の建築基準法や条例に対して合法ではあったが、その後、建築基準法や条例が変ったことによって、その変更になった部分に対して適合してしなくなってしまった建物のことを言います。

簡単に言えば、建築主や施工業者もしくは設計者が『故意』に違法行為をしているものを『違法建築』で、合法だったのに法律の方が変ってしまったものを『既存不適格』と言いますが、結果的には、どちらも現在の建築基準法には適合していないということになります。

しかし、この二つには大きな違いがあります。

もちろん、故意に違法行為をしているのだから、その時点で犯罪行為になる訳ですが、実は日本の建物は違法建築物だらけだったりします。そして、この違法建築物は、是正処置命令や、あまりに酷い場合は行政処分として使用禁止命令、もっと酷い場合には建築主や設計者、施工業者に刑事罰が課せられる場合もあります。

しかし、実態は行政もほとんど放置しているのが実態です。これには財産権の問題や既にその建物が使用されている場合に、その使用者の権利の問題があって、一度、違法建築物が使用され始めると、それを是正するのは難しいからです。

では、違法建築でも一度、建って使い始めてしまえば、問題ないかというと、そうでもなかったりします。建物というのは何十年も使うことが殆どです。ところが、その間に建築基準法や条例、消防法などが時代の流れでどんどん変っていきます。そして、後述しますが、その法に適合するようにしなければならない状況が発生した場合に、『違法建築物』の場合、その是正に掛かる費用の全額を所有者が負担しなければならないというケースが殆どです。

では既存不適格はというと、殆どの場合が、現行の法律に是正しなくても犯罪行為にはなりません。一部の消防法などに抵触する場合は、何らかの手を加えないといけない場合がありますが、極めて軽微なものが多く、どうしても大規模な補修を必要とするような場合は行政から助成金等がでる場合が殆どです。最近で言うと、軽微なものは居室、台所や階段室に火災報知機を設置しなければならないというものです。これは居住者がホームセンターで1個、2000円~3000円のものを買ってきて自分で付けることも可能ですから軽微な事例です。

大規模なものでは、東日本大震災後、東京を中心として主要幹線道路沿いにある旧耐震の建物(昭和56年4月より前に建てられた建物)に耐震診断を実施して、現在の耐震基準を満たしていない場合は耐震補強工事を行わなければならないというものです。この場合は、規模にもよりますが何千万円もかかる場合もありますが、行政によっては、その殆どが助成金で賄えたり、少なくとも50%以上は助成金で賄うことができます。

さて、収益物件を取得する場合に注意しなければならないのが、この『違法建築物』です。前述のように、何らかの法改正でその建物を是正しなければならない時に自己負担になってしまえば、その場合は大きな出費となります。また、それを是正しないで問題が発生すれば所有者責任を免れることはできません。当然、そのことを理解している人が殆どなので、市場での流通性も低く、転売することも難しいのが現実です。

では、違法建築を見抜く手段として、一般的に行われている手法はというと、『完了検査済証』の有無です。この『完了検査済証』があって、完了検査に合格していることが確認できれば、その建物が建ったときに違法ではなかったということが確認できます。

この『完了検査済証』さえあれば、その後、その建物が規定の検査、例えば消防法の定める定期検査や、建築基準法施工令によるエレベーターの定期検査などを受けていなくても、これから、その検査を受けて問題がなければ、『検査済書』は発行されるので問題はありません。

ところが、これでは完全とは言えないケースもあるのですが、プロでもこの程度の確認していなくて後で往生するケースがあります。高額な物件の取引の際で、買い手がしっかりとした法人の場合には、その建物が違法建築物ではないかのレポート(エンジニアリングレポートと言います。)を一級建築士事務所に依頼します。高額な物件の場合、規模も大きいのでその調査費用も数十万~100万円以上になる場合もあります。

次回はなぜ私が収益不動産の取得に関わることになったのかを少し書いてみたいと思います。

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建築コスト(第2話) ~CM編~

カテゴリ:ブログ / 不動産開発
連載シリーズ 【 建築コスト(第2話) ~CM編~ 】 第 2 話 / (全 3 話)

さて、前回の続きです。
工事が開始して2ヶ月、順調に進み、1回目の中間検査を受けるました。
※1回目の中間検査:基礎の配筋をした時点で検査官が検査をします。

その報告をするために、桜田先生は、ゼネコンの現場監督である浅川所長(仮名)とともに、山岸さんのお宅に報告に行きました。

桜田先生と浅川所長が、概ね中間検査の報告を終わると、山岸さんが

「いやぁ、基礎の配筋の報告をされても細かいことは解らないから、そこはお任せしますよ。ところで、ちょっと、ご相談があるんですが、いいですか?」

と、その相談は桜田先生ではなく、浅川所長に向けられたものでした。

浅川所長が、言葉を発さず山岸さんの方を向くと、山岸さんは

「洗面台なんですけどね、ちょっと良い物を見つけたので、それに替えたいんですがいいですか?」

浅川所長は、その時は単なる仕様変更だと思いました。そこで、

「どちらのメーカーのものですか?品番がわかれば・・・」
と言いかけたところで山岸さんが

「えっと、どこのメーカーだったかな?なんか、台湾製か韓国製のものだったような・・・。」
浅川所長もさすがに唖然として

「あの、カタログとか、どちらで見られたとかが解れば、こちらで調べますが・・・」

山岸さんは、浅川所長に手で話を制止して、

「その必要はないですよ。実は、ホームセンターで見つけたんです。ですから、うちでホームセンターでまとめて買って、ホームセンターから直接、現場に入れてもらいます。」

その時点で、桜田先生が口を挟みました。

「いやいや、単純にものが現場に入るだけじゃダメなんですよ。その洗面台の給水や排水口の位置が、今の洗面台と位置が違ったりすれば、場合によっては取り付けられない場合もあります。それにその洗面台そのものの大きさが、現在、計画されているものと違えば、入らない場合もあります。ですから、発注する前にカタログなりを取り寄せて、確認しないといけません。」

山岸さんも、産業機械の技術屋さんだけあって、
このことはすぐに理解していただけたようでした。

程なくして、桜田先生のところにカタログが送られてきました。とりあえず、今のものから、山岸さんの希望するものに替えることは設計的には問題は無さそうでした。

そこで、再び、山岸さん、桜田先生、浅川所長で打合せをすることになりました。

まず、浅川所長が切り出しました。

「ところで、その洗面台の取付は、ホームセンターの方でやってくれるんですか?給排水と電気工事は、設備屋と電気屋がやるので同じなんですが、各戸への配置は今の計画では、洗面台のメーカーが行います。」

山岸さんは、どうやらその辺りのことは、まったく考えていなかったようで、

「ちょっと、ホームセンターに電話して聞いてみます。」

と言ってすぐにホームセンターに電話をしていました。

そして、すぐに電話を切ると
「いや、現場に搬入するところまでだそうです。ですから、取付は浅川所長の方でお願いします。」

浅川所長は困った顔をしました。
「大変、言い難いんですけど、取付費が見積もりよりも上がってしまいますが宜しいですか?」

山岸さんの顔が一瞬曇りました。
「どうしてですか?同じような洗面台なのに取付費が変わるんですか?」

「はい、当初の計画では洗面台メーカーの関連会社が取り付ける予定だったので、取付費用が安かったんですが、全く関係ない洗面台を入れるとなると、その会社は使えません。取付だけの手間賃ということになってしまうと、どうしても費用が上がってしまうんです。」

「そうですか・・・。とりあえず、いくら上がるかを教えてください。」

この件については、取付費が上がった分よりも、
洗面台が安くなった方が大きいことが後日わかります。

浅川所長はさらに1枚の紙を手渡しました。。
「それとですね、そのホームセンターに伝えて欲しいのですが、現場への搬入は、この計画でお願いします。」

その紙には、洗面台を何月何日に何個搬入するという計画が書かれていました。それは8回に分けて搬入するという計画でした。それを見た山岸さんは

「結構、細かく搬入するんですね。私はてっきりまとめて付けるものだと思っていました。しかし、解りました。ホームセンターには伝えておきます。」

しかし、後日、第1回目の搬入のときに、なんと52個の洗面台がまとめて現場に持ち込まれました。当然、現場監督と配送業者は大もめになりました。

浅川所長は、慌てて山岸さんにこのことを伝えると、山岸さんはあっさりと・・・
「いやぁ・・・、浅川所長の搬入計画はホームセンターにも伝えたんです。ところが8回に分けると思った以上に送料が掛かるので1回にまとめました。現場で保管してもらえませんか?」

浅川所長は、しばらく絶句して言葉が返せませんでした。それでも、少しずつ説明をします。
「申し訳ないですが、現場に置いておく場所はありません。もちろん、現場事務所にもさすがにこの量を保管する場所はありません。」

山岸さんも困ったらしく

「では、どうすれば良いですかね?」

浅川所長は咄嗟に
「倉庫を借りるか、ホームセンターに引き取らせて、計画通りに配送してもらうしか方法がありません。」

山岸さんはホームセンターに当初の計画通りに配送しなおすように依頼したのですが、一度、配送したものを引き取ってくれることはホームセンターはしませんでした。結局、倉庫を借りることになります。

最初に使う洗面台8個以外の44個分を収納できる倉庫を近くに借りることになりました。近くと言っても、車で20分ほど掛かる場所です。結局は倉庫と現場の往復の運搬費も掛かることになります。(これについてはゼネコンが負担したそうです。)
しかし、倉庫代がバカになりませんでした。

結果的には当初の計画のものの方が安かったということになります。
その後、倉庫代の負担や取付費の追加をゼネコンは山岸さんに請求することになるのですが、当然、最初からその見積を出していたのですが、山岸さんの計画が大きく狂ったこともあり、追加工事の費用について、ちょっと揉めることとなりました。

山岸さんは少しでも、安くしようと思って、自分でゼネコンの見積よりも安いものを探した結果なのですが、これは私に言わせれば、『素人の浅慮』としか言えません。

つまり、現場でどのように物が作られていくのかという手順を知らないから起こったことです。
ですから、CMというのは、それなりの知識を持った人でないと難しいわけです。

しかし、このような事はよくあることです。
他の事例については第3話で書くことにします。

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建築コスト(第1話) ~CM編~

カテゴリ:ブログ / 不動産開発
連載シリーズ 【 建築コスト(第1話) ~CM編~ 】 第 1 話 / (全 3 話)

大型の賃貸マンションなどを建築しようとする時に、
当然ながら、建築主は、『如何に安く作るか!』という命題に当ります。

これを考えずに、ゼネコンの言いなりの仕様、近隣の不動産会社の言いなりの仕様、もしくは設計を依頼した設計士の言いなりでマンションを建築すると高いコストについてしまいます。

そこで、一般的にはCM(コンストラクション マネージメント)を取り入れます。

これは、時々、分離発注と勘違いする人がいるのですが、狭義の意味に於いては分離発注もCMの一部と考えてよいでしょう。

さて、分離発注を簡単に説明をしておきます。

あるマンションの見積をゼネコンAとゼネコンBに依頼しました。

ゼネコンA:5億円
ゼネコンB:5億5千万円

各社は上記の見積を出してきました。この時点で、ここまでの価格差があるとゼネコンAに発注しようとします。

しかし、よく見積を比較してみると、各戸に入れる流し台(キッチン)の価格が、

ゼネコンA:10万円/台
ゼネコンB:9万5千円/台

同じ仕様にも関わらず、ゼネコンBの方が安い。だからと言って、ゼネコンBから流し台だけを発注する訳にはいきません。

そこで、キッチンメーカーなどと直接交渉をして、ゼネコンAに流し台を別途にしてもらい、流し台を建築主が支給する方法を分離発注方式といいます。

これを、流し台に限らず、多岐の分野に渡ってやれば、大幅なコストの削減になります。
ハウスメーカーなどでは、極々当然に行われています。

しかし、ハウスメーカーのような組織で、しかもプロ集団が、建築の流れ、物流、倉庫などのを完璧に押えてやるから出来るのであって、素人がやると大変なことになります。

そこで、登場するのがCM会社です。

CMを専門にやっている会社もありますが、別にCMを専門にやっている会社に頼む必要性もなく、普通の設計事務所でCMを得意とするところに依頼するというのでも、一定の効果はあげられます。

設計事務所の中には、過去にゼネコンで現場監督の経験があったり、ハウスメーカーの購買発注関係の仕事をしていた人が独立してやっている場合もあります。

普通の設計事務所、もしくは設計しかやったことのない建築士の見積のチェックというのは、粗雑なチェックになり勝ち(というか、良くわかっていない)が多いですが、現場監督、購買発注、積算の経験がある建築士がいる設計事務所であれば、充分にその効果をあげることができます。

もちろん、建築主にその能力があれば、建築主がそれを行うことも出来なくはないのですが、一戸建ての注文住宅レベルなら別として、3階建て以上で10戸以上あるような共同住宅などで、この能力が無い人がやると大変なことになります。

ある知人が設計した現場で、こんなことがありました。知人は桜田先生(仮名)という、私よりもちょっと早く一級建築士になって、まもなく一級建築士暦20年というベテランです。もともとゼネコンの設計部や工事管理部にいたキャリアもあります。

建築主は山岸さん(仮名)という方で、相続で一定の資産を得て、将来のことを考えて、相続した土地に賃貸マンションを作ることにしました。この建築主の方は、まだ、現役で働いている方です。仕事は、産業機械を開発する会社の技術系の方でした。

桜田先生が設計した、マンションは地上9階だての52戸のマンションです。

簡単な概要ですが、1階はエントランスと管理人室と駐車場。
2階~6階までがワンルーム(約25㎡)で各階8戸の計40戸
7階~9階までが2LDK(約50㎡)で各階4戸の12戸

このマンションで大変な問題が発生しました。

どのような問題が発生したかについては第2話で書くこととします。

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窓先空地

カテゴリ:ブログ / 不動産開発

うちの会社は、不動産の仕事もしていますが、設計事務所でもあります。
今年は、売上の半分、仕事の6~7割が設計系の仕事でした。
さて、タイトルの件です。
「窓先空地」という言葉をご存知でしょうか?
東京や神奈川で、マンションの設計や開発をやった方なら知っていると思います。
これは、東京都安全条例と横浜市建築条例に定められている共同住宅の計画の際に発生するルールです。
実は、この窓先空地のために、容積率が消化できないということが多々あります。
では、東京都の場合のルールを紹介します。
住戸の床面積の合計   窓先空地の幅員
100㎡以下        1.5m
100㎡を超え300㎡以下  2m
300㎡を超え500㎡以下  3m
500㎡を超え1000㎡以下  4m
耐火建築の場合は、床面積を2倍で計算する。

となっています。
例えば・・・
・ 耐火建築のマンション
・ 各住戸が70㎡
・ 各階に7戸
・ 全て南向きに面している
・ 5階建て
・ 道路は北側にある
という条件のマンションを計画すると・・・
70㎡×7戸×5層=2450㎡
となります。
つまり、南側に4m幅の空地を作らなければならなくなります。
これが、商業地などで、日影規制が無いような場所ならば、高層にして容積率を消化してしまえば良いのですが、これが住居系地域などで日影規制があったりすると、日影規制を避けるために北側はなるべく空けないとならないし、窓先空地のために南側も空けなければならないという事態が発生します。
当然に、マンションという住宅ですから、各住戸はなるべく南向きに配置したいですから、窓先空地は南側に発生しやすくなります。
南接道の敷地であれば、窓先空地は必要なくなりますが、これが東西もしくは北接道の土地の場合は、窓先空地が発生します。
上の条件になると二種中高層住居専用地域などで、容積率が300%あったとしても、日影と窓先空地で、容積率が150%ぐらいしか消化できないなどということは、多々あります。
東京都や横浜市でマンションを計画するときには、この窓先空地を考慮しなければなりません。

不動産業界には、よく「一種○○万円」という言い方があります。これは容積率100%辺りに換算した時の土地の坪単価を表す言葉です。
例えば、容積率300%で270万円/坪の場所があれば「一種90万円」ということになるのですが、上記の様に都市計画上の指定容積率が300%であっても、実際には150%しか容積が消化できないと、この「一種○○万円」という言葉は意味をなしません。
不動産業者は、よくこのことを度外視して、近所の土地が「一種○○万円」だから、この土地も「一種○○万円」で売れるなどと言う安直な評価をしたりします。
ところが、敷地の形状によって、大きく日影規制を受けたり、接道方向によっては窓先空地が取り難い形状だったりして、近所の土地は容積が消化できたのに、当該地は全く容積が消化できなかったりすると、近所の土地の評価が全く意味が無い場合がよくあります。
その事を忘れて(知らなくて)、土地を買った転売業者が、土地を転売できなくて困っているなんてケースもよく見かけます。
三○のリハ●スなんかの土地評価書なんかも、直近の近隣の土地の取引実績に道路状況や土地形状等を簡単に係数で評価することで、土地の価格を売主に提案したりしています。
大手でも、この有様です。
大きな土地を持っている方が、不動産屋に行き、いくらで売れるかを聞いたら
「4億で売れる。」
それを聞いて、大手の業者だしと安心していたら、実際には、2億にもならなかった、なんて話も実際にあった話です。
大地主さんの場合は、不動産業者の評価書をもって、建築士に聞いてみるのも良いかもしれません。(もっとも、建築士は不動産評価書を読めない人も沢山います。)
この様にローカルルールが多々あるので、その地域の条例等はよく調べてみないといけません。
次回のテーマ「開発」は、福岡市の「三室採光」について書きます。

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政令指定都市・中核市・特例市

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金正日氏のニュースが大半を占める中、橋下氏の大阪市長就任のニュースも傍らでやっています。
さて、その大阪市長が掲げる大阪都構想ですが、これは東京23区を目指すみたいな話です。東京23区は、「特別区」といい、政令指定都市とも違います。
23区を全部併せると、ほぼ政令指定都市と同じ権限があります。
結構、面倒なのが、例えば「開発許可」をどこに申請するか?などということが、解りにくかったりします。また、「国道」に面している土地で、歩道の切り下げの相談をどこに行けばよいか?などです。
狭い地域で仕事をしていると、そういう事に慣れてくるので、あまり気にしなくなるのですが、広い範囲で仕事をする場合は、「特別区」「政令指定都市」「中核市」「特例市」の違いを体系的に覚えていないと、無駄足が多くなるので注意が必要です。
過去に・・・
愛知県一宮市で分譲住宅の計画を行いました。土地の広さは、1000坪弱(3100㎡)ぐらいでした。当然に位置指定道路を通して、20戸程度の戸建を建てる計画をたてました。
※ 市街化区域の場合では1000㎡以上の土地で建築に伴う土地の区画形質変更を行おうとすると開発許可が必要となります。例えば、その土地に道路を作ることなどが該当します。
東京23区や政令指定都市の場合は開発許可が区や市に権限委譲されていることは知っていたのですが、それ以外は、都道府県がその権限を持っていると思っていました。
まず、現場を見たあとに、愛知県庁建築指導課へ行きました。
そこで建築指導課から・・・
「あ、一宮市の開発許可は一宮市でやってるんですよ!」
とぼとぼと、一宮市役所へ行くことになりました。
これは一宮市が「特例市」だからなんです。
では、ここに政令指定都市、中核市、特例市の違いは・・・
基本的には人口です。実際には細かい要件があるのですが、それは省略します。
政令指定都市 50万人以上
中核都市   30万人以上
特例市    20万人以上
ただし、藤沢市の様に40万人以上の人口を要しながら、中核市になっていなかったり、50万人以上の人口を要していながら政令指定都市どころか、中核市にもなっていない八王子市もあります。
当然に、それぞれが都道府県から権限委譲されているのですが、我々、建築、不動産業界の人間が関わる部分だけをピックアップすると・・・
特例市
・開発行為の許可(市街化区域・市街化調整区域内に限る)
・都市計画施設、市街地開発事業、市街地再開発事業、各々の区域内の建築の許可
・土地区画整理組合の設立許可
・土地区画整理事業区域内の建築許可
・宅地造成の許可
・住宅地区改良事業区域内の建築許可
・バリアフリー法にかかる、建築の認定
中核都市
特例市の権限プラス
・屋外広告物の条例の設定
政令指定都市
中核都市の権限プラス
・国道・都道府県道の管理
・市街地開発事業における都市計画の決定
その他にも、大規模小売店舗立地法などは通常は都道府県の管轄ですが、政令指定都市の場合はその市が行います。(岡山市が政令指定都市になる直前に岡山県庁に行ったら、岡山市に行けと言われたことがありました・・・。)
と、この程度のことは覚えておくと便利です。
その他にも・・・ワンルームマンション建築規制や駐車場条例などなどは各市に定められていたり、建築基準法の緩和や規制が、各行政区域によって定められていたりもします。
ときどき、びっくりする様な緩和があったりするので注意が必要です。
大阪都構想とは、あんまり関係ない話ですが・・・

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再開発コンサルティング案件 静岡県浜松市

カテゴリ:ブログ / 不動産開発

静岡県浜松市に行ってきました。

『Dr.相澤の住宅情報館』の館長のブログ

新幹線のホームから、携帯のムービーで撮った画像で、あまりきれいではありませんが、後方に見えるビル街が駅前のターミナルです。

さて、実は、浜松に着いたのが16時半ぐらい・・・。打ち合わせは17時半からです。

というわけで、東京で14時過ぎまで仕事をして、新幹線でダッシュでやってきました。

まだ、仕掛り中の案件で、なぜ、ここに居るのかは、書けないのですが、浜松市某所の再開発に関するコンサルタントでやってきています。

もともと7月○日に来る予定だった。

        ↓

7月○日前日の時点で、こちらの都合で準備できないものがありキャンセルのお願いをした。

        ↓

「それでも、良いから来てくれ」

ということで、急遽、やってきました。

最近、なぜか、案件がバタバタと入ってきています。

正直、利益が出るのは、先の話ですが(出るとすれば・・・汗)、ちょっと忙しくなってきました。特に、不動産業界の景気が上向いたという実感はありません。

上向いてきたとすれば、実需向けのファミリーマンションぐらいでしょうか・・・。戸建て分譲は一服感を感じます。オフィス市場や商業店舗市場は、まだまだ厳しい時代です。

ですから、忙しいだけで、空回りするのではないかと、ちょっと心配です。

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