既存不適格と違法建築【収益不動産】

連載シリーズ 【 既存不適格と違法建築【収益不動産】 】 第 1 話 / (全 18 話)

収益不動産を購入を考えている方や、収益不動産をこれから建築されようとお考えの方、また、すでに収益不動産をお持ちの方は是非、お読み下さい。

私の会社は設計事務所(一級建築士事務所)でもありますが、不動産屋(宅地建物取引業者)でもあります。

ブログの過去の記事を読んで頂いている方は、御存知の通り、私は、ハウスメーカーで設計、積算や商品開発などの技術系部署を経て、収益不動産のための用地取得や開発の部門に行き、その後、アレンジメントの会社の役員になり、今の会社を立ち上げました。

さて、今回は収益不動産を取得するときに注意しなければならない点として、タイトルの『既存不適格』と『違法建築』について書きます。

まず、『違法建築』については、読者のみなさんも御存知の通り、建築基準法や地方自治体が定める条例等に対して『故意』に違反している建物のことを指します。

『既存不適格』というのは、一般の方はあまり聞きなれない言葉かもしれません。『既存不適格』とは、その建物が建てられた時の建築基準法や条例に対して合法ではあったが、その後、建築基準法や条例が変ったことによって、その変更になった部分に対して適合してしなくなってしまった建物のことを言います。

簡単に言えば、建築主や施工業者もしくは設計者が『故意』に違法行為をしているものを『違法建築』で、合法だったのに法律の方が変ってしまったものを『既存不適格』と言いますが、結果的には、どちらも現在の建築基準法には適合していないということになります。

しかし、この二つには大きな違いがあります。

もちろん、故意に違法行為をしているのだから、その時点で犯罪行為になる訳ですが、実は日本の建物は違法建築物だらけだったりします。そして、この違法建築物は、是正処置命令や、あまりに酷い場合は行政処分として使用禁止命令、もっと酷い場合には建築主や設計者、施工業者に刑事罰が課せられる場合もあります。

しかし、実態は行政もほとんど放置しているのが実態です。これには財産権の問題や既にその建物が使用されている場合に、その使用者の権利の問題があって、一度、違法建築物が使用され始めると、それを是正するのは難しいからです。

では、違法建築でも一度、建って使い始めてしまえば、問題ないかというと、そうでもなかったりします。建物というのは何十年も使うことが殆どです。ところが、その間に建築基準法や条例、消防法などが時代の流れでどんどん変っていきます。そして、後述しますが、その法に適合するようにしなければならない状況が発生した場合に、『違法建築物』の場合、その是正に掛かる費用の全額を所有者が負担しなければならないというケースが殆どです。

では既存不適格はというと、殆どの場合が、現行の法律に是正しなくても犯罪行為にはなりません。一部の消防法などに抵触する場合は、何らかの手を加えないといけない場合がありますが、極めて軽微なものが多く、どうしても大規模な補修を必要とするような場合は行政から助成金等がでる場合が殆どです。最近で言うと、軽微なものは居室、台所や階段室に火災報知機を設置しなければならないというものです。これは居住者がホームセンターで1個、2000円~3000円のものを買ってきて自分で付けることも可能ですから軽微な事例です。

大規模なものでは、東日本大震災後、東京を中心として主要幹線道路沿いにある旧耐震の建物(昭和56年4月より前に建てられた建物)に耐震診断を実施して、現在の耐震基準を満たしていない場合は耐震補強工事を行わなければならないというものです。この場合は、規模にもよりますが何千万円もかかる場合もありますが、行政によっては、その殆どが助成金で賄えたり、少なくとも50%以上は助成金で賄うことができます。

さて、収益物件を取得する場合に注意しなければならないのが、この『違法建築物』です。前述のように、何らかの法改正でその建物を是正しなければならない時に自己負担になってしまえば、その場合は大きな出費となります。また、それを是正しないで問題が発生すれば所有者責任を免れることはできません。当然、そのことを理解している人が殆どなので、市場での流通性も低く、転売することも難しいのが現実です。

では、違法建築を見抜く手段として、一般的に行われている手法はというと、『完了検査済証』の有無です。この『完了検査済証』があって、完了検査に合格していることが確認できれば、その建物が建ったときに違法ではなかったということが確認できます。

この『完了検査済証』さえあれば、その後、その建物が規定の検査、例えば消防法の定める定期検査や、建築基準法施工令によるエレベーターの定期検査などを受けていなくても、これから、その検査を受けて問題がなければ、『検査済書』は発行されるので問題はありません。

ところが、これでは完全とは言えないケースもあるのですが、プロでもこの程度の確認していなくて後で往生するケースがあります。高額な物件の取引の際で、買い手がしっかりとした法人の場合には、その建物が違法建築物ではないかのレポート(エンジニアリングレポートと言います。)を一級建築士事務所に依頼します。高額な物件の場合、規模も大きいのでその調査費用も数十万~100万円以上になる場合もあります。

次回はなぜ私が収益不動産の取得に関わることになったのかを少し書いてみたいと思います。

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【ラーメン店 経営】平凡な立地で成功した事例

連載シリーズ 【 【ラーメン店 経営】平凡な立地で成功した事例 】 第 6 話 / (全 6 話)

今回は、一見、立地が良くなさそうなのに、成功した事例を書いて最終回にします。

まずは、飲食店として最大の魅力である『味』が整っていた事です。
ただし、テレビが取材に来るとか、食べログで3点台後半を叩きだせるほどではありません。しかし、ラーメン激戦区に行っても充分にやっていける程度の味はあります。ただ、流行の創作ラーメンという感じではなく、普通の豚骨系(チャッチャ系)のラーメンです。お店はカウンターで10席です。ここはもともと金物屋さんだったので居抜きではありません。

このお店の場所は、JRの駅から1.5km。さらに私鉄の駅は2つの駅の真ん中で、やはり、どちらの駅も1.5km近くあります。余程のラーメン好きでない限り、わざわざ来ようと思う場所ではありません。
幹線道路には面しているものの、車道の幅員はさほど広くなく、路駐もできなくはないですが、お店から見えるところに止めておかないと、取締が怖い場所です。つまり、お店の前になんとか止めて、慌てて食べてすぐに立ち去るぐらいでしょう。それもお店から見える位置に止められる車は一台です。

ではコインパーキングがあるのかと言えば、最寄りのコインパーキングまで400mありました。つまり、コインパーキングに止めても、歩いて5分は掛かるのです。
歩道もさほど広くないのですが、なんとか自転車は止められるという程度です。
しかし、派手な看板もなく、街路樹もしっかり立っているので視認性も悪く、最初は近所に住んでいる私でさえ気がつきませんでした。

午前11時にお店がオープンするのですが、土日は11時ちょっと前に行ったら、すでに2~3人が待っている状態。午前11時30分に行ったら満席で待ち客が2人いました。行列ができる店ではありませんが、常に満席であれば、行列なんかできる必要性はありませんから、繁盛店であることは間違いありません。

では、何故にこのお店は大した好立地でもなく、視認性も悪い場所で繁盛しているのでしょうか?

これは、立地があまり良くないが故に、他のお店が出店して来ない為、周辺人口を独占していることが最大の原因です。

たしかに最寄のJRの駅まで行けば、このお店よりも評価の高いお店はあります。それが、ラーメン好きな人(マニアのような人)が超有名店に行くというのであれば別ですが、わざわざラーメンを食べるのにバスに乗ったり、歩いて20分以上掛けるのは面倒です。
しかし、味は、そこそこ良いですから、周辺住民を完全にリピーターとして取り込んでいるわけです。

また、家賃が安いというのも経営を楽にしている要因の一つと考えられます。このようなお店の場合、固定客を掴むまでの間、少々時間がかかります。今でこそ、スマートフォンや携帯電話で自分のいる場所から評価の高いお店を検索できたりもするので、その時間は短縮されています。

それでも、駅前好立地店と比較すれば、固定客を掴むのに時間が掛かることは間違いありません。それでも家賃さえ安ければ、仕入れや人件費で失敗しない限り、短期間で失敗する可能性は低くなります。その耐えられる時間の間に固定客を掴めばいいわけです。

また、固定客を掴みやすかった理由は、味が無理に個性的なわけではなく、普通の豚骨に磨きをかけて、一般の人が食べやすい味にしていることも、幅広い顧客層をターゲットにできていると考えられます。

このように立地が一見悪いようでも、周囲の客を独占できる環境があり、家賃などの支出と商品設定を間違えなければ、充分に繁盛できるわけです。

ただ、この店主がそれを狙っていたかどうかは微妙です。おそらく、偶然だったのだと思います。少なくとも出している商品(メニュー)に関しては別の店で修行していたことから、立地に合わせて商品設定をしたわけではありませんが、商品に合わせて立地を選んだ可能性はあります。機会があったら、この場所に出店した理由を聞いてみたいと思います。

前回も書きましたが安易に居抜き店舗に頼ると失敗することが多々あります。
居抜き店舗でなくても、しっかりしたマーケティングと予算に見合った計画(設計)さえ出来れば、セルフビルドなどで、出店費用を抑えることはできます。

ブランド力のある大手居酒屋チェーン店でさえ、既存店の売上が落ちたときに単純に値段を下げたりするのではなく、業態変更をしたり、内装を大きく変えたりして、その店舗の売上をアップさせようと努力します。それがマーケティングパワーで劣る個人経営者がその調査をすることは非常に難しいことです。

居抜き店舗を狙って出店展開する企業の話を最初に書きましたが、その企業はこの辺のマーケティング能力が優れているから成功するのであって、単純に出店コストが安いから居抜き店舗を狙っているわけではないことを良く考えなければなりません。

形で残らないものでも、失敗しないためにも必要なものもあります。

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【店舗居抜き】 業態を変えて失敗する事例

連載シリーズ 【 【店舗居抜き】 業態を変えて失敗する事例 】 第 5 話 / (全 6 話)

前回は、不動産的立地よりもその物件の歴史的問題を考察を書きました。

前回
第4話 ラーメン屋のあとにまたラーメン屋 第4話

前回は、タイトル通り、ラーメン屋→ラーメン屋→ラーメン屋のパターンを書きましたが、今回は飲食店が業態を替えながら、開店閉店を繰り返すパターンを見てみます。

同様に不動産的問題よりも歴史的問題が立地にダメージを与えている事例です。

第2話で書きましたが、とんかつ屋(4年経営)→カレー屋(2年経営)→タイ料理(現在)という物件があり、そのタイ料理屋も長くはないであろうと書きました。この理由について書いてみたいと思います。

ここはJRの乗降者数9万人の駅から、1Kmほど離れた場所にあります。この時点で、駅周辺のお客さんを拾うというよりも、近隣住民をリピーターにしていくという経営展開をしなければなりません。

店舗の大きさは厨房、バックヤードを入れて20坪ぐらいで、家賃は1万5千円/坪程度ですから、しっかりとリピーターが付けばやれない場所ではありません。この場所から、徒歩1分以内の場所の焼肉屋、ラーメン屋、蕎麦屋などはそれなりにお客さんも入っていて、経営は成り立っています。それどころか、隣地の豆腐屋(所有者が30年以上経営後、高齢の為に賃貸店舗とする)→ベーグル屋(現在)は、かなり繁盛しています。

では、この場所だけピンポイントでダメな理由はなんでしょうか。

この店舗、とんかつ屋がオープンするまでの間、随分と長いこと、あまりに長くて記憶が曖昧なのですが7年以上、空き店舗でした。特に事故物件というわけでもありません。ただ、この空き店舗になる前に何があったかを近隣に長く住んでいる人は知っていました。

熱帯魚屋さんです。私が熱帯魚が趣味になったのもこのお店があったからでした。昔の熱帯魚屋というのは、現在のような水草を綺麗に並べたアクアリウムを作るというよりも、単純にどかどかと熱帯魚を売り、現代のように飼育道具も安くなかったので熱帯魚だけでは商売にならず、夏になればクワガタやカブトムシ、シーズンを通して、亀やトカゲなどの爬虫類、イモリやカエルと言った両生類も販売していました。これは、その時代はこの周辺は一軒屋が多く、子供相手の商売として成立していたからです。

この熱帯魚屋は、熱帯魚の他に前述のような生き物を販売しているわけですから、当然、その餌も売っています。つまり、トカゲやカエルが食べる餌(餌となる昆虫)を売っているわけです。それが、お店の至る所にいたわけです。

その熱帯魚屋さんは随分と長いことありました。私の生まれる前からあったとのことで、実際にどれほど経営していたのかは解りませんが、少なくとも私の知る限りで20年以上経営していたことは、間違いありません。小学生が学校帰りに随分と屯っていたのを覚えています。

さて、随分と空き店舗だったのですが、どう考えても気持ちの悪い虫が沢山いたというイメージが近隣に昔から住んでいる人を寄せ付けなかったことは間違いありません。私以外の近隣に住んでいた人も同じことを口を揃えて言います。

では、まったくお客さんが入らなかったのかと言うとそうでもなく、近くにできた賃貸マンションの人などは来ていましたが、この時点で周辺人口の半分を失っているわけですから、厳しいのは当然となります。また、昔から住んでいる人の多くは家を所有権で持っているは、賃貸物件に住んでいる人よりも、平均的に経済的に余力もあるし、ファミリー世帯が多いのが特徴です。ここが顧客ターゲットから外れると苦戦必至になります。

とんかつ屋の経営者は地元の人ではなく、この立地の特性を知らなかったのでしょう。カレー屋もタイ料理店も外国人がやっていますから、もっと知らなかったと思います。
周辺の料理店が上手くやれるのに、ピンポイントでダメな理由はやはりその場所の歴史を充分に調べないといけないということになります。

いずれにせよ、居抜き店舗の最大の欠点は、一度以上、別の経営者が失敗して退店しているということです。その失敗の理由をよくよく検討しなければ、安直に『自分ならば成功できる。』と考えるのは極めて甘いと言えるでしょう。

しかし、不動産的立地にしても歴史的立地にしても、そのマーケティングというのは、そんな簡単にできるものではありません。

不動産屋というのはオーナーから預った物件に借家人を入れた時の仲介手数料で商売してますから、どんな物件でも否定的に言う不動産屋はいません。

大手チェーン店系の飲食店や小売業には必ず、店舗開発部門があり、そのマーケティング能力というのは相当なものです。しかし、その彼らでも確率は少ないですから失敗します。

ということは、個人経営の飲食業や小売業の方が立地的に失敗する確率はもっと高くなります。
立地に関するマーケティングを浅慮してはいけません。

次回は、さほど好立地とも言えない場所でも長続きもしくは、成功しているお店を紹介します。

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土地の歴史を知らずに居抜き店舗で失敗

連載シリーズ 【 土地の歴史を知らずに居抜き店舗で失敗 】 第 4 話 / (全 6 話)

前回は一見、好立地に見えても僅かな問題が致命傷になるケースの事例を書きました。

前回 第3話 ラーメン屋のあとにまたラーメン屋 第3話

今回は、不動産的立地にはまったく問題がなかったが、歴史的に問題があった立地の失敗事例を考察してみます。

個人経営系ラーメン屋(22年経営・後述、後に多店舗経営)→個人経営ラーメン屋(3年経営)→個人経営ラーメン屋(2年経営)→たこ焼き屋(現在)という場所があります。商店街の入り口で人通りも多く、買い物客だけではなく、通勤客も多くの人が通る場所で飲食店を営業するのには、大変良い場所です。

では、何故、最初のラーメン屋のあとのラーメン屋2店は短期間しかもたなかったのでしょうか?
実のところ、ラーメン屋で3年頑張ったのは立派です。これは立地の良さがギリギリの経営を支えたけど、3年目でついに力尽きたというのが本当のところです。

これは、最初のラーメン屋が凄すぎたからです。

最初のラーメン屋さんが潰れた理由はそのラーメン屋さん単店には問題はありませんでした。
私も何度も食べたことのあるラーメン屋さんでしたが、そのエリアでは間違いなく一番美味しかったし、もしかすると私の食べたことのあるラーメンの中では今でも「一番、美味しかったラーメンの一つ」と言えるお店でした。今ではデートでラーメン屋さんに行っても全く不思議ではない時代ですが、時はバブル時代です。その時代にラーメン屋さんに女の子を連れて行っても喜んでもらえるお店でした。

その結果、そのラーメン屋さんは、2店舗、3店舗とお店を増やしていきます。ラーメン屋さんの場合、安さを売りにするチェーン店以外は、基本的にのれん分けで増えるケースですが、このラーメン屋さんは直営のまま、ついには都心の繁華街にも出店をして行き、横濱ラーメン博物館にも出店をしました。(ここまで書くと、どこのお店か解ってしまうかもしれません。)
ラーメンを自分で出汁から取って作ってみると解るのですが、同じ味を出すのに苦労します。ですから、同じ味で複数店舗を経営するのは非常に困難なことだったりもします。

その為に必要となってくるのが、自社の製麺ラインだったり、大量にスープの素を作れる工場を用意したりすることとなります。所謂、セントラルキッチン方式に近い形です。しかし、こうなってくると、その経営は一気に難しくなってきます。もう、ラーメンの味だけではなく、本当の経営センスが問われることとなります。しかし、それでもそのラーメン屋さんは頑張っていました。味と固定客が支えていたからです。しかし、それでも最期は別業態(ラーメン屋以外)に手を出して倒産してしまいました。

さて、その場所に居抜きで次のラーメン屋さんが入りました。
最初のラーメン屋さんが凄すぎたが故に、さほど不味くは無かったのですが、「普通の味」となってしまったラーメン屋さんには、お客さんは興味を示しません。況してや、このラーメン屋ブームです。そのエリアにもそれなりの味のラーメン屋さんはいくつも出来ています。同じエリア内に安さを売りにしているチェーン店もあります。ほどなくして、このお店は無くなりました。

次は、独特の味のラーメン屋さんが居抜きで入りました。あまりに個性が強すぎて、私にはお世辞にも美味しいとは言えませんでした。僅かな固定客が出来てはいたようですが、やはり2年と保てず潰れてしまいました。

不動産屋さんは言うでしょう。

「場所は最高にいいですよ。」「居抜き店舗だから、出店費用も安いですよ。」と・・・。

間違いなく、不動産的立地は良かったと思います。出店費用も安くすんだかもしれません。しかし、このようにその土地の歴史を知らないと失敗する場所もあります。このケースの場合、『別れた彼女は可愛かった。』パターンで、最初のラーメン屋さんは、既に無いだけにお客さんの中には、さらに妄想で味が勝手に昔のラーメン屋さんの味を美化してしまっている場合もあります。どんな美人でも、逢えなくなってしまった彼女に勝つのは至難の技と言う事例です。

次回はラーメン屋さんではありませんが、やはり歴史的問題を見逃したケースを掲載します。

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好立地で失敗した居抜店舗の事例

連載シリーズ 【 好立地で失敗した居抜店舗の事例 】 第 3 話 / (全 6 話)

第2話 ラーメン屋のあとにまたラーメン屋 第2話

前回は、マーケティングと立地について書きました。

今回は、その立地で失敗した事例の一つを書いてみます。

一見、好立地に見えるけど僅かな問題点が失敗になるケースです。
大手チェーン系ステーキ屋(10年以上経営)→個人系ラーメン屋(2年経営・半居抜き)→グループ系ラーメン屋(現在・居抜き)。という場所があります。この場所はJRの乗降者9万人の駅から徒歩3分、東京メトロの乗降者4万人の駅から徒歩3分の大通り沿いにあります。その他の条件も悪くはなく、強いて言うならば、街路樹による視認性が悪いとか、この乗降者数の2つの駅から徒歩3分では当然ですが車を止める場所が少ないなど、ネガティブなことを言い出せばいくつかの条件はありますが、私は、2軒目の個人系ラーメン店は長くないなと考えていました。

ここでその個人系ラーメン屋の味について意見を言うならば、都心のラーメン激戦区で出店しても条件さえ揃えば生き残れる程度の味だったと思います。否定的な意見を言えばいくらでも書けますが、ちょっと油が強いという個性はありました。コストパフォーマンスも良いとは言えないまでも悪いというほどでは無かったと思います。

では、なぜ長続きしなかったのでしょうか。

まずは大手チェーン系ステーキ屋が撤退した理由です。
その大手チェーン系ステーキ屋は、当時、不祥事が重なり企業全体で不採算店の撤退を余儀なくされていました。詳細は解りませんが、相当苦しかったのは事実で、その店が不採算だったとは考え難いのですが、その企業を支える価値が無い程度の利益しか生んでいなかったのは事実だと考えられます。

では、立地です。乗降者数の多い駅ですが、よく考えれば解るとおり、駅と駅の中間点にあります。どんなに駅に近くても、中間点というのは人が集まり難い場所だったりもします。中間点の場合、むしろ駅に遠い中間点の方が良いことの方が多いです。例えばA駅まで徒歩20分、B駅まで徒歩20分の中間点で駐車場が望めない場所にあるならば、A駅とB駅の同業者と競合することはありません。
しかし、3分という距離は完全に駅周辺同業店と競合しているし、駅からの人を拾うにあたって、この飲食店が目的店舗、つまり、際立って美味しいとか、それなりのブランド力が最初からあるなどしない限り、厳しい展開になると考えられます。また、これだけの駅距離などの条件が揃えば、家賃もそれなりに高額になることも容易に想像ができます。不祥事があったにせよ、大手チェーン系ステーキ屋が撤退せざる得なかった立地であることを考えておかなければなりません。
さらに不祥事が続いた大手チェーン系ステーキ屋の跡地というイメージが地域住民にもあります。ネガティブイメージというのは、ターミナル駅や繁華街などリピーターよりも新規で支えられる立地ならばともかく、一般的な場所では余程のブランド力かパワー(『味』か『コストパフォーマンス』)がない限り払拭できるものではありません。

結果的には予想通りになりました。それでも「2年も」営業できたのは、ある程度の好立地が経営資金を支えたということでしょう。

現在のグループ系ラーメン屋は、それなりに頑張ると考えています。まずは、全国展開が出来ているブランド系ラーメン店であることからパワーが違いますし、固定客、認知度なども桁違いです。細かいサービスの批評はあるようですが、ある程度はやっていけるだろうと考えています。
しかし、ここである程度と書いたのには、理由があります。やはり、実際には微妙な立地だからです。この物件の前に横断歩道があるのですが、道路の反対側のお店も、大手チェーン店系ファミレス(10年以上経営)→個人経営系100円ショップ(4年経営)→個人経営系安売りスーパー(2年経営・居抜き)→個人経営系食品スーパー(現在・居抜き)と頻繁に経営母体が変っています。飲食店とはまったく違い、物件の広さもあるのですが、JRの周りに大手スーパーがあり、東京メトロと当該物件の間にもスーパーが何軒かあります。どちらの駅からもたったの徒歩3分ですが、余程のブランド力か特色がない限り難しい物件だと言えます。

つまり、この立地は、個人が新規で開業するのには、かなり難易度の高い立地だったと言えるわけです。

次回も立地によって失敗したケースを書いてみます。

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出店する場所の立地とマーケティング

連載シリーズ 【 出店する場所の立地とマーケティング 】 第 2 話 / (全 6 話)

ラーメン屋のあとにまたラーメン屋 第1話
前回は、スケルトンの物件と居抜き店舗のメリットとデメリットに触れました。
今回は出店する場所の立地とマーケティングについての考察を書きます。

「ラーメン屋のあとにまたラーメン屋」の最大の原因は・・・
『立地』の一言につきます。

この『立地』には色々な意味が込められています。
『立地』とは、単純に周辺人口、駅力、駅距離、視認性、さらにはライバル店という問題だけでは無い場合も多々あります。もちろん、この辺のことは当然に押えていなければならない話です。

実際に大手のチェーン店やうちの会社で行うマーケティングでは当然として、この程度のことは行います。さらに行うマーケティング手法は企業秘密的なところも多いので、細かくは書けませんが大雑把に書くと、狭域で、道路幅員(車道、歩道ともに)、信号の位置、道路の勾配、街路樹の種類。中域では、計画道路の有無、路線価の変化、近隣本屋での売れ筋の本、駅の売店に置いてある新聞や雑誌の種類なども調べます。もちろん、調べた結果によって解ることが当然にあるからです。

もちろん、こんなことを調べなくても『好立地』というのはあります。

東京23区内のJRの乗降者数が8万人以上の駅でロータリーがある程度整備されていて、ペデストリアンデッキ(駅の出口が2階にあって、歩行者がロータリーの反対側に行けてしまう歩道橋の様なもの)が無くて、そのロータリーに面していて、駅舎を出て、バス停、交番や公衆トイレなどの遮蔽物の影にならず、そのお店が見えていて、さらに信号のある横断歩道などを渡らずに行ける1階となればその物件は間違いないでしょう。

しかし、はっきり言って、借りるのは至難です。
物件がまず出ないということもありますが、家賃も高く、、大手チェーン店系のファーストフード、カフェや牛丼店なども狙っていますし、もっとも物件情報が入りやすいチェーン店系の不動産屋も狙っています。チェーン店系のファーストフード店、牛丼店、カフェなどは、物件情報が広まる前に直接、情報を掴めます。簡単に言えば、彼らが自分たちで探さなくても、まずは不動産屋さんがチェーン店の店舗開発部にすぐに情報を入れるからです。

そして、その中で一番高い家賃を出すとことろに貸します。うちの会社にも皆さんが知っている、大手チェーン店系の牛丼屋系やカフェ系などが、
「空き物権が出たら紹介してください。」
と、半年に1度は必ず営業に来ます。

ですから、家賃はとんでもなく高くなります。前述のような条件を満たすと、ターミナル駅でもなんでもない場所でも7万円/坪という場所もあり、個人が飲食店を新規でやるというのは到底無理な話となりますし、私もフランチャイズに加盟する以外の個人の方が新規で飲食店を始めようとした場合には勧めません。

それは『立地』を狭い時間でしか見ていなかったり、もしくは自分の力(飲食店なら『味』)ならなんとか出来ると、考えているからです。
では、良いと思った立地で失敗する要因は何でしょうか?

まず、最初に書いておきますが失敗にも成功にも必ず理由があります。どんなに美味しくてもダメな場合もあるし、多少、味が落ちても成功する場合もあります。大抵の失敗の理由は、二つ考えられます。

1. 自分の味だったらお客さんは満足するから多少の立地は無視。実際には立地を考えているのですがプロの視点からすれば、無視しているようにしか見えないという意味です。
2.コストパフォーマンスで勝負すればなんとかなるという勘違い。

実は圧倒的に多いのは1のケースです。稀に2のケースもあります。

2のケースの場合は、客単価が下がった上に集客できずに、さらにジリ貧になっていきます

次回は、実際に『ラーメン屋のあとにまたラーメン屋』の事例を紹介します。

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【居抜き店舗】ラーメン屋のあとにまたラーメン屋

連載シリーズ 【 【居抜き店舗】ラーメン屋のあとにまたラーメン屋 】 第 1 話 / (全 6 話)

新たにお店を出店しようとしている方は是非、読んでください。

うちの会社は設計事務所であり、不動産業ですが飲食関係からの依頼も多数あります。
あまり、オーナーさんを積極的に探していないので、うちが物元として案内できる物件は少ないのですが、設計事務所ということもあり、賃借人の方からの依頼は多数あります。

実際のところは、大手チェーン店系の飲食店が多いのですが、稀に個人で新規に開業したいというお客さんも来ます。

大手チェーン店系のマーケティング能力は、その会社の力の入れ方にもより差もあるし、手法も違います。しかし、いずれにせよマーケティングを全くしていない大手チェーン店というのは少ない様に感じられます。

10店舗ぐらいのチェーン店までなら、社長の勘で、そこそこ頑張っている会社もありますが、それはその社長の特殊能力で誰もが真似をできるわけでもなく、それ以上に店舗が増えていけば限界点もやってきます。また、この手法を真似ようものなら失敗するのは必至です。なにせ真似しようとしている相手は特殊な勘を持っている人です。

個人で新規に開業されたいという方が、とにかく気にするのが開業資金です。これは当然のことです。そこで、まず考えられることが「居抜き店舗」です。一昔前は「居抜き店舗」という言葉は、不動産業界の人ぐらいしか言わなかったのですが、今や当たり前の様に言われます。

「居抜き店舗」を狙って出店する手法を取り上げた経営者をマスメディアが取り上げたこともあり、「居抜き店舗」が流行したこともあります。しかし、この経営者はその他のエッセンスを自分なりに、上手く混ぜていたのであって、「居抜き店舗」だけで成功したわけではありません。
たしかに、居抜き店舗はメリットがあります。

まずは、一般論で言われるのが、『開業コストが安く済む』ということです。
その他にも・・・
・ 開業までの時間が速い。
・ もともと営業していたお店なので、保健所や消防署への許可が取りやすい。
・ 場合によっては、前のお客さんを引継ぐこともできる。(後述しますが実はデメリットの方が大きい)
ということもあります。

開業までの時間が速ければ、開業までに支払う家賃も少なくて済みます。

しかし、このパターンが
「ラーメン屋のあとに、また別のラーメン屋」というパターンに陥る最大の要因だったりします。
読者の皆さんも、自分の知っているところで、あるラーメン屋さんが無くなった跡に、違う名前のラーメン屋さんができて、まもなくして、また違うラーメン屋さんになったというのを見たことがありませんか?これは「美容室」のあとに「美容室」でも同じような話です。

似ていて違うのが「コンビニ」のあとに「コンビニ」、「食品スーパー」のあとに「食品スーパー」、「ドラッグストア」のあとに「ドラッグストア」などです。

では、居抜き店舗について考えてみます。

居抜き店舗の場合、ラーメン屋から焼肉屋というのは難しいです。
私の知っている限りでは、とんかつ屋(4年経営)→カレー屋(2年経営)→タイ料理(現在)というパターンは知っていますがこれは、厨房と客席が分かれているからできる業態変更です。後述しますが、このタイ料理屋さんも時間の問題だろうと思っています。

さて、この最大の原因は何でしょうか?
その前に居抜き店舗のデメリットも考えておかなければなりません。

まず、開業コストやその後のランニングコストの部分で見ても
・ スケルトンから新築するよりも安く済むが、最近は余程、使い込んだ店で無い限り造作譲渡費用が結構かかる。(新築の半分~7割ぐらいかかる場合も多い)
・ 中古なので、特に機械系(給湯器、食洗器、空調)のメンテナンス費用が掛かる。
ここについては、ある程度、覚悟していることですし、新規に開業する方も大体のところは把握しています。ここら辺のことから、解ってなかったとすると、そのお店の将来は相当に暗いのが実態です。

次回はその原因を書きます。

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アベノミクスによる投機熱 今こそ堅実な経営を

カテゴリ:ブログ / 政治経済

今日は株価が大幅に下がりましたが、とは言うものの、
自民党政権が復活してからの株価は異常と言って良いような状況です。

たしかに、円安に振れたことなどで輸出関連株を中心とした株価が上昇したのは事実です。
そして、それによってもたらされた、企業の株式含み益の増加も事実です。

しかし、この株価の上昇は、今のところまだ、
実態の無いアベノミクスによる投機熱に過ぎないと私は感じています。

今年に入ってから、金融機関、特に不動産融資が専門のノンバンクから、やたらと融資の話が来ます。週に2~3回は営業の電話が掛かっていきます。

また、都心の1億円を超えるような高額マンションが飛ぶように売れています。
1億円を超える物件って、年収1000万の人が3000万の頭金を支払って35年ローンを組んでも厳しい価格です。

つまり、明らかな不動産投機熱によるものと見ています。
その証拠にJ-REITも、価格が相当上がりました。

東京での実需レベルの4000万~6000万円クラスの物件が
活況を見せているかというとさほどでもありません。

ここで注意しなければならないのは、投機熱で景気が良くなったと見て下手な動き方をすると、実需景気が良くなる前に消費税や金利の上昇により、実需レベルの不動産(住宅)が伸び悩む可能性が高いと考えています。

経営的には、下手な不動産に手を出さずに今こそ堅実に行うべきだと考えています。

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【趣味ネタ】今年のプロ野球~セ・リーグ~

カテゴリ:ブログ / 趣味・雑学

久々の更新なのに趣味ネタですいません。
WBCは惜しくも準決勝敗退となり、3連覇はなりませんでしたが、個人的には良くやったと思います。
過去のWBCでも奇跡的に決勝まで辿り着いたこともありました。
今回、内川選手のダブルスチールの件が敗因として取り上げられることが多いですが、実際にあのダブルスチールに至らなければならなかった状況を作ってしまったことが敗因で、あのシーンの戦術論を語る前に投手起用などの戦略を論じなければならないと個人的には思っています。
さて、今年のセ・リーグですが・・・
まず、余程のことがなければ読売ジャイアンツの優勝でしょう。
戦力が違いすぎます。
去年と比較しても、菅野の加入、香月という中継ぎの加入、脇谷の復活、アコスタというクローザーにも使えそうな(ちょっと抜ける球が多いので中継ぎか?)新外国人の加入、ロペスもそこそこやれそうです。また、一昨年のドラ1の松本竜、高木京なども期待できます。むしろ、選手枠28人に誰を入れるかが悩みです。失った戦力は東野とゴンザレス(投手の方)ですが、むしろ、不安要素がなくなったと見るべきです。
最大の不安は捕手です。
阿部に頼りすぎている感じがあり、実松、加藤といった二番手争いのキャッチャーがどこまでやれるかです。阿部が長期離脱するようなことがあると不安はあります。
もう一つの不安は代打です。
一見すると、どこの球団よりも選手が豊富なので代打にも困らないだろうと感じますが、去年、代打として石井義人が神憑り的な活躍、谷と矢野の二枚の右がありました。しかし、石井義人に去年と同じ活躍を期待するのは難しいですし、谷も年齢的には落ち気味です。矢野はそこそこやると思います。
最終的には一塁をロペスにしてボーカーを代打とする可能性が高いですから、左の代打がボーカーとすると、細かい展開になった時に不安が残りますが、まぁ、贅沢な悩みなのかもしれません。
リリーフ(クローザー)も不安と言われますが、他球団と比較しても遜色はないので、あまり不安視する必要性はないでしょう。
先発投手陣は、むしろ余っているような状況です。菅野の加入でさらに厚みを増していることからも不安はないでしょう。ホールトン、澤村あたりは、不安定だとローテーションから外される可能性もあります。
小笠原の復活に期待をするのは酷ですが、亀井、越智、久保あたりの復活。ロペス、アコスタあたりが活躍すると手が付けられないかもしれません。
2位もヤクルトで概ね合っているのではないでしょうか・・・
まずは、昨年と比較しても決定的な戦力ダウンはありません。宮本あたりがそろそろ限界に近づいている点はありますが、岩村あたりが復活すると怖い打線になります。
投手陣は林昌勇が退団したのが痛いですが去年もろくな活躍はしてないので、大きな戦力ダウンとは言えません。
むしろ、バレンティン、ミレッジが去年以上の活躍が期待されること、先発、中継ぎの投手陣の安定、相川という安定した捕手がいることから、相対的にみて去年以上の順位となると考えています。
監督の野球の上手さに関しては、個人的には12球団で最高の監督だと考えています。
やはり、巨人と同じく捕手の相川に負担がかかりますが、川本、西田といった二番手捕手も安定していることから、この辺りは巨人より有利とみます。
3位以下が大変難しいのが今年です。
大変難しいですが、広島と考えています。
東出がオープン戦で長期離脱したこと、栗原が開幕絶望が痛いです。また、サファテの退団も戦力的にはマイナスです。
大きな戦力アップはありませんが、この球団は、まず外国人にはずれが少ない。
堂林が去年以上の活躍をするであろう。
先発投手陣の3本柱(マエケン、大竹、野村)が安定している。
セットアッパーの今村、クローザーのミコライオが健在。
去年のあの貧打以上の成績は残すでしょうから、永井あたりが復活してくると、ややこしいチームになると想定されます。
4位 中日
大前提は谷繁が1年を通して出れることが条件です。
中日は今年、戦力ダウンがもっとも大きいチームです。
まず、このチームは野手投手を含め、ベテランが多いことです。
浅尾が当面の間、出られないのも痛い上に岩瀬も一昨年後半あたりからピリッとしません。岩瀬は去年33セーブでセーブ王でしたが、実際には巨人が西村とマシソンをダブルストッパー(時には山口が最後)ということをしたのでセーブ王になれただけで(もっとも岩瀬も二軍落ちしてた期間がありますが)、過去の岩瀬と比較すると絶対的な存在ではなく勝てる試合を何度も引分けにしてしまいました。今年から3時間半制度が撤廃されることから、岩瀬が打たれると後がなくなります。
ブランコ放出も大きな戦力ダウンです。和田も陰りが見えています。
ソーサとソトの外国人両投手の放出も意味がわかりません。
WBCで活躍した井端と二遊間コンビの荒木は健在です。大島の成長もあります。森野が復活。平田の大化け。田島がフル回転して、三瀬、川上の両投手が復活すれば、広島とAクラス争いをすると考えられます。
5位 阪神
西岡、福留、ルーキー藤浪と話題にはことかきません。
しかし!、藤川の穴は絶対に埋められないとみます。金本が居なくなったことで、外野の守備は良くなると考えられます。
しかし、能見、スタンリッジとメッセンジャーしか頼れる(というか使える)先発はいません。久保は後ろに回すしかないでしょうから、先発が不足している上に中継ぎも不足しています。
藤川の替わりのクローザーが日替わりになるような気がします。
西岡がそこそこ、福留が・・・、藤浪はせいぜい5~7勝と考えられます。
西岡、大和、鳥谷で初回に点数を取って逃げ切れなければ・・・というチームになると思われます。
鳥谷が大爆発して首位打者を獲るぐらいの活躍、鶴、榎田、渡邊がフル回転、安藤、久保田あたりが復活するようだとAクラスも狙えるかもしれません。
6位 横浜
長打力だけなら、このチームかもしれません。
1年間でチームで200本以上のホームランを打てばAクラスも夢ではありません。(ちなみに2004年の巨人の254本が最多)
ラミレス35本、ブランコ40本、中村30本、多村30本、筒香25本、モーガン10本、他の選手で60本!
まぁ、無理です。(というか、どういう守備位置になるの?)
ただ、モーガンの加入で塁に出られることを前提に機動力はある程度増すでしょう。(というか、乱闘とか退場が増えそう・・・)
ソーサとソトの加入で投手力もそこそこ安定するような感じはしますが、それでも、いかにも投手力が足りません。
そして、機動力もないですが、外野の守備はほぼ壊滅と言っていいでしょうし、捕手も鶴岡頼みじゃあ、走られ放題・・・。ただ、他球団と比較するとクローザーが確定しているのが強みです。(と言っても絶対的な存在ではないですが・・・)
ただ、去年より戦力アップしているのは事実だと思われます。相対的に見れば、最下位脱出もあると考えています。
久々なのに長々とプロ野球の話を書いてしまいました。

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2013年 明けましておめでとうございます。

新年、明けましておめでとうございます。

最近、facebookを中心に、しかも、友人限定で書き込みをしており、ブログの更新が怠りがちになっていました。

さて、今回は、2013年最初のブログということもあり、今年の予測(不動産業界・建築業界)をしておこうと思います。

私の基本的な、将来的な不動産の動向は過去のブログを読んで頂ければわかると思います。
基本的には、不動産業界、建設業界が下方していくというスタンスは変りありませんが、経済と言うのは直線的に下がることはありません。もちろん、直線的に上がることもありません。

そういう意味に於いての今年の予測をしておきたいと思います。

今日の大発会は予想通りの大幅高で始まりました。私の所有している株も軒並み、購入した時以上になりました。ここまでは想定の範囲です。

民主党政権から自民党政権に変り、ましてや安倍さんが首相になれば、小泉さんの時の様な規制緩和や構造改革、さらには金融緩和を大きく期待することとなります。

安倍政権になり、参議院選挙で敗北するわけにはいかない、自民党は確実に金融緩和だけはやるでしょう。「三本の矢」という政策をあげていますが、もっとも簡潔明瞭にできるのは金融緩和だからです。

さて、金融緩和をすると国民の懐が潤い、デフレが克服できるかと言えば、それが違うことは、そこらの経済新聞や経済誌にいくらでも書かれていることなので、今更書くことではありません。
では、経済界に目を向けてみます。

今回、日銀が金融緩和を行うことは、まず間違いないと考えられます。
しかし、金融機関の投資先が製造業、特に中小製造業にその資金が向かうかと言えば否です。
簡単な話です。

今まで、お金が無いから(本当はあったけど)、貸せなかった金融機関がお金がある様になったからと言って、返せる見込みが無い借り手に貸すでしょうか?

金融機関が貴方で、借り手が貴方の御子息だったり愛人だったりすれば貸すかもしれませんが、赤の他人に貸したら、バカですね。

当然に借りる方も、借りる必要性があるから借りる訳です。
明日、従業員に給与を支払えない企業は、なんでもいいから融資を受けたいでしょう。でも、この状況に陥ってる企業に金融機関はまず融資はしてくれないでしょう。

借りる方は、借りたお金で設備投資、雇用や研究資金にその資金を振り向けて回収できる見込みがあるから金融機関から融資を受けたいというのが本来あるべき姿です。しかし、その為にもっとも必用なのは需要です。

では、需要を喚起する為に必要なことは何でしょうか?
1.人口です。人間は生きていく以上、食べること、着ること、住むこと・・・などが必要になります。極論ですが、日本に人間が一人もいなくなれば、需要はゼロになります。
2.(1)個人所得です。所得が増えて、生活に余裕が出来れば余剰資産を消費に向かわせることができます。
2.(2)しかし、所得はあるけれども将来に対するビジョンが見えなければ、それを蓄財に回そうとします。ましてやデフレ化にある日本に於いては、使わないでお金を持っていれば、お金の価値はどんどん上がっていきます。つまり、金利0で持っているよりも、投資や消費に向けることの方が得であるという状況を作らなければなりません。

さて、この様な需要喚起が本質的な意味、もしくは構造的に可能かと言えば私には些か困難であろうと思います。もちろん、一定の思い切った改革を行えば不可能ではありませんが、人間には感情もあり、既得権者がその既得権を離すことがないことから、それは不可能と考えて差し支えないでしょう。

少し、抽象的な書き方をしたので、需要喚起について具体的な事例で物を考えてみましょう。
昨年の暮に極めて痛ましい事故がありました。中央高速笹子トンネルの天井落下事故です。私も良く通る場所なので、事故の映像を見たときにはゾッとしました。

しかし、日本の高速道路というインフラを考えた時に、その状況が限界にきているのは、この事故を見なくても明白です。1960年代の高度経済成長期に突貫工事で作られた、インフラが限界にくるのは当然のことです。中国の高速鉄道の事故を見て笑う日本人は多いと思いますが、微妙に丈夫に作ったのが日本のインフラであり、大差はありません。

では、このインフラをどうやって維持するかを考えなければなりません。
新しい高速道路を作れば、渋滞解消、輸送速度向上など経済的な二次波及効果が当然に考えられます。しかし、インフラの点検や補修というのは新たな経済効果を生むことはありません。

不動産的に言えば、新しい賃貸マンションを建てれば賃料収入は増えますが、既存の賃貸マンションが老朽化してきて住民からクレームが来たので大規模修繕をしたところで、家賃収入が上がることは殆どありません。

もちろん、大規模修繕をした会社(インフラの点検補修をした会社)にはお金が入りますから、少なからず経済効果はあるにせよ、二次的な経済効果は生まれません。

では、どうすれば、この状況を打破できるかと言うと・・・、実は簡単な方法があります。
『点検補修をやらない』
ということです。いやいや、そんな事をしたら、第二の笹子トンネル事故を生むことになりかねないから、安直にそんなことを言うべきではありません。しかし、事故を起こさずに『点検補修をやらない』方法があります。

それは中央高速そのものを廃止してしまえば良い訳です。勿論、大動脈の中央高速を廃止することはできません。しかし、例えば、人口1万人未満の町村への交通設備インフラ投資を辞めたらどうなるでしょう?その人達が目茶苦茶困ることになります。

という訳で、その人達に都市部に移住してもらいます。もちろん、人の感情を無視はしていません。自分が育った故郷をそんな簡単に捨てることなどできません。しかし、良く考えて見て下さい。自分の子供や孫に自分のノスタルジアの為に苦労を掛ける事を・・・

夕張メロンは美味しいと思います。しかし、夕張市を維持するのにどれだけのインフラ投資が必要でしょうか?炭鉱の町であったからこその町であり、夕張市がその使命を終えたことは、事実だと私は考えています。もちろん、この様な市町村は日本各地に点在しています。

都市計画を学んだ人であれば、『財政と都市化率』というのは常識な話です。しかし、日本に於いてこれが浸透しないのは、日本が明治維新以前、藩という小国家が多くあり、それぞれが独自的な思想概念を持っているにも関わらず、日本国家が明治維新以降に先進列強国に追いつくために廃藩を行い、中央集権化に進んだからと言えます。中央集権化が間違っているかと言えば、今の日本に於いて言えば大きくは間違っていません。最近、威勢のいい政治家?が道州制や地方分権化を唱えていますが、前述した都市化率向上の為には、一定の中央集権化も必要であったりします。これが平成の大合併であったことも忘れてはなりません。

では、不動産業界の話に戻します。
前述の通り、金融機関は金融緩和によって得た余剰資金を投資する場所を製造業に見出せません。(多少はあると思いますが・・・)そこで、担保の取れる不動産に投資を始めることは明白です。つまり、不動産に投資を始めることにより地価が上昇すると考えられます。

しかし、ここに大きな問題があります。

今の日本の少子化高学歴化という問題に直面します。昨日の日経新聞にも書かれていた通り、建設土木業界の求人倍率は2倍を超えています。しかし、大学を卒業して、型枠大工や鉄筋工になりたくないという気持ちも良く解ります。

ということは、建設土木費は増加していき、不動産価格の上昇に伴い、建築費も増加するとなれば新築物件の利回りは必然的に下がっていきます。

さらに、新築物件を更に作る必要性の有無です。日本は少子化傾向に歯止めが掛からず、労働人口も減っていきます。新しいオフィスや住宅を作る必要性の問題に直面します。

このことから既存物件の価格は上昇するものの、新築への投資はリスクが大きいことは当然となります。つまり、優良な既存マンションや既存ビルの価格は上昇するが、更地、もしくはスクラップアンドビルドという不動産は動かなくなると考えます。

大きなニュースになる様な物件を除けば、既存不動産とリフォームというのが本流になると私は考えています。

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