インターネットショップと実店舗
みなさんは、インターネットで買い物をしたことがありますか?
これを見ている方は必然的にインターネットを利用している方なので、かなりの方が利用していると思います。私も、趣味の熱帯魚関係の物は価格ベースで90%以上はネットで買っています。本も70%はamazonで買っています。また、日常雑貨や食料品も西友やイトーヨーカドーのネットスーパーで90%以上を調達しています。また、酒類もネットで注文します。(電話でもできますが・・・)家電も外で見てもネットで買うことが多いです。インターネットショッピングを利用しないで実際にお店に行って買うものは、洋服ぐらいでしょうか・・・。実際にはちょくちょく買うものではないですが、自動車もインターネットでは買わないかもしれません。
と・・・突然なんの話かというと・・・
今、大規模小売店舗立地法について書いていますが、
【可能性】
今後の商店街の空洞化や小売店の衰退は大規模店によって、拡大するのではなく、インターネットショップによって進むのではないか・・・。
という疑問にぶつかったからです。
そもそもの話ですが
【問題】
インターネットショップが進んで、実際の小売店が衰退したらどんな問題が起こるのか?
単純に考えれば、便利だから、ネットショッピングを利用していると思います。
なにが便利かと言えば・・・
・ 家から出る必要性がなく、重いものを持って帰る必要性がない。
・ 品揃えが豊富である。
・ 価格の比較が容易である。
・ 思いついた時に購入申込ができる。
・ 実店舗で買うよりも安い場合が多い。
などがあります。
不便な点を考えると・・・
・ 実物が見れない。
・ 受け取る時間が制限される。
ということでしょうか?自分が思いつくことだけなので、まだまだ、便利な点も不便な点もあるとは思います。
しかし、この様な不便な点が解消されれば、さらにネットショッピング利用者が増えることになります。
ネットショッピングと実店舗でのショッピングはすみ分けされているから、実店舗は減らないという人がいますが、実店舗の数が減るかどうかは別として、私見とすれば、実店舗の売上げは確実に減っていくと思います。
それは、時間と需要と所得に関係しています。
・ ネットショッピングに費やす時間によって、実店舗で買う時間が無くなる。
・ ネットショップでAという本を買えば、実店舗でAという本を買う必要性は無くなります。
・ 所得が増えなければ個人消費には限界があります。ネットで買い物をすれば、実店舗で買い物をする金銭がなくなります。
別に便利になれば、それで問題はありません。
イオンやヨーカードーが破綻しようと、地域商店街が破綻しようと、それが時代の流れなのかもしれません。
たしかに、短期間で見れば、そこに働く従業員などの問題も出てきます。
商業地域の不動産価格の大幅な下落も容易に想像できます。
地域コミニティの衰退が与える影響もあるかもしれません。
また、人が集まる場所が無くなるから、商店街にある外食産業なども衰退するかもしれません。
いろいろな可能性があると思います。
地域再生を掲げている人達も今起こっている問題ではなく、確実に来るであろう問題に目を向けないといけないと思います。
地域商店街は、大規模店が今までは敵だったかもしれませんが、その双方をまとめて蹂躙する強大な敵が目の前に迫っています。
行政も何十年も前に制定した、都市計画を見直す必要性に迫られるのは時間の問題のはずです。
我々、不動産業を行っている人達も将来の変化に如何に柔軟に対応できるかが迫られるかもしれません。
私も可能性には気がついているのですが、有効な解決策は思いつきません。
そもそも、小売店が無くなることの何が悪いのかすら、よく解りません。(自分の商売に影響が出るなぁ・・・ぐらいしか・・・)
しかし、私が思っている以上に速いスピードでそういう社会が待っている様な気がします。
よく解らないことを書いてるけど・・・
【趣味の話】引越し
最初に書いておきますが趣味の話で不動産でも建築でも時事ネタでもありませんん。
それと引越しが趣味なわけでもありません。
私の趣味は自己紹介にも書いていますが熱帯魚です。
今日は打合せが無くなって、オフとなってしまいました。
私のオフは・・・
水槽を洗っています。
現在は10個以上の水槽があります。(全水量は1000リットルぐらいです。)
通常のお風呂が160~200リットルですから全部の水を換えるととてつもない時間が掛かります。
が・・・、全部の水を換えることはありません。
熱帯魚などの水生生物というのは、非常に水質に敏感です。(種類にもよります。)
その為、全ての水を換えてしまうと、魚等に大変なストレスを与えるので
多くても半分程度の水しか交換しないんです。
また、一気に水を入れるとやはりストレスになるので少しずつ水を入れて
慣らしながら、水を換えます。これを水合わせと呼びます。
こんだけ、水槽があるから、さぞかし、色々な魚を飼っているかと思えば・・・
5本の水槽にグッピー、3本の水槽にビーシュリンプです。
残りの水槽は観賞用で色々な魚が入っていますが、それでも10種類ぐらいです。
簡単に言うと、熱帯魚が趣味というよりもグッピーとビーシュリンプのブリーダーです。
今日はそのビーシュリンプの引越しです。
ビーシュリンプを知らない知らない方のためにちょっと写真を・・・
こんな感じの淡水のエビです。
大きくなっても25ミリ程度です。
何が楽しいのか・・・自分でも既にわかりません。
私は犬猫はもちろん、リス、プレリードッグ、モルモットなどなどの哺乳類から
ヘビ、カメ、トカゲなどなどの爬虫類、カエル、イモリ、サンショウウオなどの両生類
他にもクワガタなどの昆虫類などなど
それに、魚は熱帯魚、海水魚を飼ってきました。
その意地がビーシュリンプを飼っているのかもしれません。
このビーシュリンプはそれだけ飼育が他の生き物と比べると難しいです。
上手くいきだすと、あっと言う間に増えます。
しかし、ある日、突然、死に始めると、ほぼ全滅するまで歯止めが利かなかったりします。
とにかく、水質に恐ろしくうるさく、ちょっとしたことで死んでしまいます。
それだけ、水質にうるさいにも関わらず、累代飼育を重ね、綺麗な模様に
血統を固定化していくのがビーシュリンプブリーダーです。
この辺はグッピーと共通しています。
時々、私がエビをいっぱい飼っているという話をすると
「食べられるんですか?」
と聞かれます。
「食べたことないし、小さいからねぇ」
と言うと・・・
「じゃあ、掻揚げにして・・・」
「安くても1匹500円以上するし、うちにいるのだと、安いのを掻き集めても、1杯30万円ぐらいの掻揚げ丼になるよ」
と答えると、その値段にみんなビックリします。
この、ビーシュリンプ・・・オークションなどでも取引されていますが、いずれにしても恐ろしく値段が高いです。高いものだと、1匹5万円ぐらいします。
今日はそのビーシュリンプの良い柄の子が大きな水槽に引越しさせているんです。
作業は昼から始めて、かれこれ6時間です。
作業中に携帯で撮った写真なのであまり写りがよくありませんが・・・
一度、水に慣れてしまうと、エサもあまり上げなくていいし、場所も取らないので
みなさんもご興味があったら、熱帯魚屋さんをのぞいてみてください。
けっこう、かわいいですよ。
まったくの趣味の話ですが・・・
住宅のセキュリティー事情
Googleのストリートビューが登場してから、随分と汗をかかなくなりました。
不動産屋というのは物件情報が入ったら、どこかのタイミングで物件を見に行かなければなりません。
しかし、ストリートビューが出てからはまずは、ストリートビューです。
ストリートビューについてはプライバシーだとか、犯罪に繋がるとか色々言われましたが、随分と便利になったなぁと思います。悪用されないことを考えるのであれば、会員制にするとか、有料にするとか・・・などと考えていたのですが・・・そのニュースを見て、ふっと思い出したことがありました。
私はあるハウスメーカーで商品開発の仕事をしていたことがあります。
商品開発の仕事というのは、新商品を発表する時は花形ですが、そこまでの作業はものすごく地道な作業の毎日です。とにかく、感覚的に言うと、データ収集の毎日です。新商品の建物の色を決めるときには、流行の色は、売れる色はと、毎日、住宅街を歩いて色の調査です。
そんな中で住宅のセキュリティーをあるセキュリティー会社と合同で調査したときのことを思い出しました。
泥棒は自分の慣れた町で仕事?をする。
そして、一つの家の中にいるのは平均で3分と言います。
たしかに、ストリートビューの様なものがあれば、慣れていない町でもじっくりストリートビューで勉強をすれば、歩いたことの無い町でもわかります。
しかし、泥棒の常習者は必ず町の下見をするそうです。
だから、ストリートビューは無くても足があれば済むことになります。ただ、作業が楽になるかどうか・・・の問題ですが、ストリートビューでは人の流れなどは解らないので結局は足に頼ることになります。
しかし、泥棒経験者へのアンケート調査でこれは便利になったと思うものが
住宅供給会社がインターネットで間取り図を出してくれることだそうです。
泥棒は、住宅の間取りは外から窓の配置で想像するそうですが、なかなか完璧にはいかないそうです。完璧な間取りさえあれば、家の中のどこら辺に金目のものがあるか、解るそうです。
それが事前にインターネットで解るのだから便利だということらしいのです。
しかし、提供する側も買う側(借りる側)も住宅の間取りを見て決めますから、それを隠すわけにはいきません。
結局のところ、セキュリティシステムに頼るしかないということになるのですが、なるべく、泥棒に入られにくい家にすることが大事です。
消費税 需要向上には全体の底上げが不可欠
麻生さんと鳩山さんの党首討論の様子がやっていたのですが・・・
鳩山さんは無駄遣いを無くせば・・・
麻生さんは経済は生き物だが2011年度には経済成長2%を、そして消費税アップを・・・
と言っていました。
噛みあわない討論だねぇ・・・と思って見ていたのですが、「ふっ」と思ったことを書きます。
日本の景気は平成14年~平成19年にかけて、戦後最も長い経済成長をしたと言われています。みなさんはそれを実感できたでしょうか?私は東京で不動産の仕事をしていたので実感することができました。なにせ、地価はどんどん上がっていきましたから・・・
しかし、一般の方がそれを実感できなかたのは当然のことです。
財務省が発表している国民所得から租税を引いた額は平成19年で約337兆円です。それは、平成3年まで遡らないとその額には到達しません。つまり、平成3年から、日本人の国民所得は実はずっと減り続け、そしてやっと平成19年に戻っただけなんです。
そして、平成19年と言えばリーマンショックの世界恐慌ですから、平成3年からの不景気な状態にまた戻りつつあるわけです。
実は国民の負担と言うのは税金だけではありません。
平成3年と今の生活を比較してみると、決定的に変わっているものがいくつかあります。
まずは、今、あなたが見ている画面です。
そう、パソコンとインターネットです。私はPC-8001(NECが昭和57年ごろ発売したパソコン)からのPCユーザーなので、平成3年にはすでにパソコンを持っていましたが、当時はまだパソコンは一家に1台の普及もしていませんでした。(と・・・思います。)
そして、携帯電話です。これも、今や社会で生きていく為に必要不可欠なものになりました。(私の戦前生まれの父でさえ持っています。繋がったことはありませんが・・・)
所得が変わっていないのに税金以外にも、生きていく為に必要なものが、実は多用に増えています。
しかし、その間に確実に経済成長をした様に言われていますが、格差が広がっただけとも言えます。格差が広がるのは競争社会、資本主義に於いては仕方がないことかもしれません。しかし、需要を作る為には、全体の底上げが必要で上層社会だけの所得が上がるだけでは、本当の意味の経済成長は生まれません。故に、デフレスパイラルが生まれたわけです。
不動産価格が上昇していく中で、一般消費材や工業製品などの価格が上昇しなかったのは不動産が上層社会のものだったからです。バブルの時には日本全国の地価が上昇しました。しかし、平成14年~19年に地価が上昇したのは都心の一部の地域です。それは実需の住宅用地ではなく、殆どが投資目的だったと言っても過言ではありません。
今の日本は短期と長期の二つの視点で経済対策を行わなければなりません。
他の先進諸国やBRICs各国が今回対処した景気対策と同じではダメです。他の国と比較した場合、日本は今、内需拡大が見込めません。それは人口が減り、減っていく労働人口が支えなければならない人達が増えているからです。内需拡大をする為に必要なことは、人口増加と教育の向上です。どこに重点を置くかということで、景気対策か少子高齢化かなどという問題ですが、実は表裏一体の話だから、どちらかを切り離すことなどできないはずなのにそこに議論をしていたりします。
いくら経済成長を2%したから消費税を上げると言っても、消費税を上げれば苦しむのは低所得者です。実際問題、資本主義、競争主義の観点からすれば、
「あなたの努力不足が招いた結果」
で済むのですが、実際に低所得者が苦しめば、その需要をあてにしている企業も苦しむことになります。もっとも、日本の企業はすぐに貧乏な日本人よりもお金持ちの外国人に視点を移しますが・・・。
かと言って、財源確保、これ以上の借金を後生に残さないという点からすれば、増税は仕方がありません。消費税がダメなら法人税です。しかし、法人税も経済に与える影響は大きく、共産党の様に金持ちの法人から税金を取れば良いというようなキチガイみたいな意見もあります。
私も経営者ですが、もし法人税が上がれば単純に従業員の給料を減らさなければなくなります。つまり、行き着くところは一緒なんです。
麻生さんは言っていました。
「国家公務員の天下りを廃絶する。それはやる。しかし、(国家公務員の)全員が65歳まで働ける環境を整備するのには時間が掛かるんだ!」
と・・・
時間も掛かるでしょう。それは解ります。しかし、もう、彼らに支払うお金はないんです。
私の同期や知人にも、国家公務員も地方公務員もいます。
彼らが公務員になるときに私に言った言葉は、一人を除いて全員同じです。
※一人はミリタリーおたくで防衛庁に行ったのですが、お出来が良すぎてキャリアになっちゃいました。
「公務員なら、安定しているから・・・」
です。
学生時代には私も思いました。
「公務員だったら大金持ちにはなれなくても、生活は安定するだろうなぁ・・・」
と・・・。生活の安定という意味では最悪の経営者になってしまいましたが・・・。
しかし、国家公務員の本当の役目はなんでしょうか?
今の国家公務員の全員とは言いませんが、殆どに65歳までの安定した雇用を政治家が守る必要性はないと思うのは私だけでしょうか・・・。
金貸し屋嫌い2
今日はまず地震で目が覚めました。
私の自宅付近では震度3程度だったので、我家に限っては被害はなかったのですが、我家は水槽がいっぱいあります。飛び起きて、水槽を押さえにいきます。
東名高速の路肩が崩壊して、さらにはけが人も大勢でていますし、また余震も続いています。ちょっと、不安になります。
銀行嫌いの続きです。
今回は抵当権解除で辛い目にあった話を書こうと思いましたが、その前にある会計事務所から聞いた話を書きます。
最近は大型の倒産件数がめっきり減っていますが中小の倒産は未だに止まっていない様子です。
政府は対策として、
政府保証による緊急融資制度を設けて、各金融機関に融資をする様に要請しています。
そんな中で、酷い話を聞きました。
政府保証の緊急融資制度を活用して会社の運転資金を調達した。しかし、金融機関はその緊急融資制度で融資してもらったお金を、以前の借金の返済に充てさせた。
という話です。
これでは、この会社は実質上、運転資金を得れたことにはなってない上に、銀行からしてみれば政府保証があるためにノンリスクの債権に変わったことになります。
緊急融資制度がなんの為にあるのかわからず、実質上、運転資金が手に入らないので、倒産する可能性が高くなります。
この融資を受けた企業が倒産すれば、紙くずとなる債権は政府に行き、その損失は政府が被る、つまり税金によって保証されるということです。
これでも、
「銀行が好きです。」
という人は、銀行関係者か物好きしかいないと思います。
もっとも、銀行がなければ、企業は成り立ちません。ただ、銀行に上手く扱われるのではなく、銀行を上手く活用しないといけません。
次回は本当に抵当権解除について書くから・・・
金貸し嫌い2
今日はまず地震で目が覚めました。
私の自宅付近では震度3程度だったので、我家に限っては被害はなかったのですが、我家は水槽がいっぱいあります。飛び起きて、水槽を押さえにいきます。
東名高速の路肩が崩壊して、さらにはけが人も大勢でていますし、また余震も続いています。ちょっと、不安になります。
銀行嫌いの続きです。
今回は抵当権解除で辛い目にあった話を書こうと思いましたが、その前にある会計事務所から聞いた話を書きます。
最近は大型の倒産件数がめっきり減っていますが中小の倒産は未だに止まっていない様子です。
政府は対策として、
政府保証による緊急融資制度を設けて、各金融機関に融資をする様に要請しています。
そんな中で、酷い話を聞きました。
政府保証の緊急融資制度を活用して会社の運転資金を調達した。しかし、金融機関はその緊急融資制度で融資してもらったお金を、以前の借金の返済に充てさせた。
という話です。
これでは、この会社は実質上、運転資金を得れたことにはなってない上に、銀行からしてみれば政府保証があるためにノンリスクの債権に変わったことになります。
緊急融資制度がなんの為にあるのかわからず、実質上、運転資金が手に入らないので、倒産する可能性が高くなります。
この融資を受けた企業が倒産すれば、紙くずとなる債権は政府に行き、その損失は政府が被る、つまり税金によって保証されるということです。
これでも、
「銀行が好きです。」
という人は、銀行関係者か物好きしかいないと思います。
もっとも、銀行がなければ、企業は成り立ちません。ただ、銀行に上手く扱われるのではなく、銀行を上手く活用しないといけません。
次回は本当に抵当権解除について書くから・・・
金貸し屋嫌い 最終回
平成16年頃になると、Jリートなどの話も有名になり、NHKなどで、不動産ファンドやノンリコースローンの特集が組まれるなどを始めます。また、SPCを作ってノンリコースローンさえ、曳ければ比較的容易に資金力の無い、不動産会社でも不動産投資が出来るようになりました。
それによって、この頃になると、今まで殆ど聞いたことも無かった様な新興不動産会社やアセットマネージメントを行う会社、また、今まで、謄本を見ても決して出てくることのなかった、外資系金融機関や不動産投資専門のノンバンクなどが出てきます。
※新興不動産
アーバンコーポレーション、プロパスト、アイ・ディー・ユー、CRE、ゼファー、ジョイントコーポレーション、ランド、原弘産、エスグランド・・・などなど、上げればキリが無いのですが、この頃までは聞いたこともない会社ばかりでした。この会社の中には10年で三井不動産を超えるなどと豪語していた会社もあります。また、この会社の担当者に至っては「他人の金で金儲けをするのは楽しい・・・」などと言い出す始末でした。
※アセットマネージメント会社
この頃になると、
「僕の仕事はアセットマネージャーなんだよ・・・」
という人が増えてきます。そのまま訳せば『資産管理をする会社』『資産管理をする人』なんですけど、基本的には不動産資産管理の専門家ですが、どうやってお金を用意するとか、物件の売買をして、手数料で儲ける人達です。従って、物件が動かなければ仕事にならないので無理矢理でも物件を動かそうとします。その為、過剰な地価上昇に一役、買った会社です。
※外資系金融機関
外資系金融機関で一番、荒っぽいことをしていたのは言わずとしれた『リーマン・ブラザーズ』ですが、個人的な感想としては『メリルリンチ』も大差ありませんでした。その他にもゴールドマンサックス、クレディ・スイス、ドイチェ、カリヨンなどなどが積極的に融資します。本当は自分達で直接投資したかったのか、中には休眠不動産会社を反社会的勢力に買収させて、その会社に融資して不動産を買わせるなどかなり、悪質なこともありました。
話がそれそうなので、本題に戻ります。
その頃、私の勤めていた会社(戸建の注文住宅や分譲住宅の会社)だったのですが、収益不動産に力を入れて行くようになります。私もその部署に移動になりました。
そして、ある会社の本社ビルが売却になっているという情報が手に入りました。
その会社は老舗の呉服屋A社です。もともとは東京の会社ではなかったのですが、バブルの頃に東京に本社ビルを作り移転してきたそうです。
実際に、A社の社長にお会いしました。
東京に移転してきた経緯は・・・
当時のメインバンクから、東京に本社を移転しないかという誘いがあった。たしかにお客さんも首都圏の方が多く、東京進出は憧れでもあった。土地代の融資を含め、土地はその銀行があてがい、ゼネコンもその銀行が用意してくれるということだったそうです。その話に乗って、東京に本社ビルを作ることになったそうです。
私は物件の調査を始めました。
その土地はバブルの時に転売を繰り返され、わずか、2年の間に4倍の値段になっていました。その銀行も抵当権融資をどんどん追加していきます。最後の出口として、実需の人を探したことが容易にうかがえます。
また、そのゼネコンも当時、その銀行に多額の負債を抱えている中規模のゼネコンでした。たしかに立派な本社ビルですが、当時の施行費(見積と領収書を見せてもらいました)が、なんと、施行床面積辺り450万円/坪です。どう高く見積もったとしても、普通の価格の3倍以上です。つまり、その銀行とゼネコンは組んで、その利益で負債の返済に充てさせたわけです。
しかし、呉服の需要が低迷するなか、その本社ビルの負債の金利がその会社に重く圧し掛かっていました。
そこで本社ビルを売却することになったわけです。
希望売却価格は5億5千万円でした。(抵当権は12億円付いていましたがいくらかは元本返済がされていたと思います。)
私がはじいた価格は4億6千万円、会社の稟議を取った価格は4億7千万円でした。
私はA社の社長と、その抵当権者である銀行の担当者と打合せを行いました。
その場で銀行の担当者は言いました。
「相澤さん、いい線ですね。実は当行としても4億6千万円なら抵当権解除の了解を取っています。正式な回答は決済が必要ですが、大丈夫だと思います。」
A社の社長も胸をなで降ろしていました。
契約は2週間後となりました。
そして、契約日、前日です。
こちらは、契約書のリーガルチェックも全て終わり、さぁ、明日は朝から契約だから、今日は早く帰ろうと思っていた矢先でした。
銀行の担当者から電話です。
「相澤さん・・・言いにくいのですが、契約を延期していただけませんか?」
「なんでよ!?」
「支店長がその価格では抵当権を解除できないと・・・言い出しまして・・・」
「何を今更、言ってるのよ!こっちはキャッシュも用意してるんだぞ!今更、上になんて言うんだ?それにそっちだって、稟議取ってるんじゃないの!?」
「口頭ベースでの了解は取っていました。最終稟議の段階で蹴飛ばされまして・・・スイマセン・・・僕の力では・・・」
契約日です。
私は上司に一応、その旨を伝え、その銀行の支店に向かうことになりました。
そして、担当者では話にならないので支店長と話すことになりました。
「どういうことなんですか?」
「いや、このアップトレンドのご時勢でしょ。なにも弊行がそこまで損切りしてまで売却することはない。という判断になりましてね・・・」
「じゃあ、あといくら出せば・・・」
「4億8千万なら・・・考えても良いんですが・・・」
「あのねぇ、うちだって、ちゃんと調査しているんですよ。
御行が、14年前にこの土地の最終出口でA社に売りつけ抵当権を回収している。
また、御行に対して債務超過にあったゼネコンに明らかに高い価格で本社ビルを建設させているじゃないですか!しかも、そのゼネコンはその後、倒産している。
しかも、今日は契約日ですよ?契約日になって、あと2千万上積みしろとは、とてもメガバンクと言われる御行のやり方とは思えません。」
「なんて言われても結構ですが、昔の話は弊行が合併する前の話ですから、私も解らないです。とにかく、あと2千万円上積みして、頂けませんかね?なんだったら、弊行が御社に対して融資しても構いませんよ。まぁ、御社だからなんですけどね。」
「あのなぁ、ウシジマくん、それがあんた達のやり方ですか?」
「私はウシジマではありませんが・・・」
「よく、社会勉強するんだな。うちはあと2千万円の上積みもしないし、この物件の購入の話は降ろさせてもらいますよ!」
※ウシジマくん・・・その頃から、スピリッツで連載の始まった「闇金ウシジマくん」という漫画の主人公。詳しくは・・・↓を・・・
- 闇金ウシジマくん 1 (ビッグコミックス)/真鍋 昌平
- ¥530
- Amazon.co.jp
「大丈夫なんですか?御上司に判断を仰がなくても・・・」
「ナメルナ・・・。うちはね、私が本件については全権を委ねられてるんだよ。私の言うことが会社の総意だと思ってもらえれば結構です。」
※その会社では、稟議内の金額であれば、全権委任をされた担当者はその場で判断してよいことになっていました。
と言って帰ってきました。
その銀行は私の勤める会社の準メインバンクでもありました。その話は私が話した支店長から本店経由でうちの会社が付き合っている支店に伝わり、私が会社に戻った時には私の会社の上層部にも伝わっていました。
帰ると同時に社長室呼び出しです。社長に謝らなければ・・・。
「申し訳有りませんでした。」
「いや、相手は足元を見たつもりなんだろう。その場で断った相澤の判断は正しい。」
「ありがとうございます。」
「しかしだ・・・。相澤は相手の支店長のことを『闇金』呼ばわりしたそうだな・・・。」
『げっ・・・、もう解っちゃったの・・・』
と言いたいのを押さえて・・・
「も・・・申し訳ありません。つい、頭にきちゃいまして・・・」
「始末書書いてね。自己記録更新だな。」
※創業50年以上の上場会社でしたが、始末書の枚数がトップでした。しかも、もう退社された2位の方にダブルスコアーをつけて・・・。
「はい・・・。」
「あと、相澤の始末書はいつも同じ文面だけど、フォーマットを使わないで、今回は手書きね!」
「は・・・い・・・」
と始末書を書くハメになりました。別に始末書は書いても特にそれ以上の罰則がないので、痛くは無いのですが社内に公表されるので、からかわれることになります。
しかし、その後、その銀行は抵当権解除の額をどんどん釣上げていくことになります。同じ物件が平成19年の初めに7億5千万円で情報が回っていました。買うつもりはなかったのですが登記情報を取り寄せると、所有者はA社のままでした。
そして、今でもA社が所有者のままです。
今でも、A社はその金利に苦しんでいます。
だから、私は金貸しが嫌いです。
長々と読んで頂いて、なんなんですが・・・ついでに
1993年と2009年の政局と不景気
今日は日本中、大雨です。
私も雨の音で目が覚めました。
兵庫県では死者も出ているようです。
しかし、今年の雰囲気は1993年によく似ています。
1993年もやはり、冷夏でタイ米という言葉が流行った年です。
政治も自民党が野に下った年でもありました。
すでにバブルは崩壊していましたが、
日本が本当の未曾有の不景気に陥るのはこの後です。
倒産は中小企業に留まらず、
絶対に潰れないと思われた様な大企業や銀行までもが破綻していきました。
失業者問題が世にあふれ、学生が何十社も応募しても
就職ができませんでした。
たった、16年前の話ですが、既に遥か過去のことになりつつあります。
今の社会にはバブル景気を実際に知らない人が沢山いて
バブルの過ちと同じ事を繰り返す会社も沢山ありました。
歴史は繰り返すと言いますが、
人間が同じ過ちを繰り返さない選択をする学習能力があることを信じています。
飲食業界の冷え込みと惨状
飲食業界の冷え込みというのは、結構な惨状です。
特に外食チェーンは、正に生き残りを掛けた必死の戦略・戦術を駆使しています。
低価格路線で勝者となった、マクドナルドですが、コーヒー無料(期間限定)にはさすがにびっくりしました。
最初は、他のものを買ったお客様にコーヒー無料かと思えば、無料コーヒーだけでもOKというのだから驚きです。
公正取引委員会が出てきても全くおかしくないかなり、あらっぽい戦略でした。
居酒屋も必死です。300円均一のお店も、既存チェーン店で、今までのブランド店を半分に切って、300円均一のお店を出すなど、なりふり構わずの戦術ですが・・・。
ただ、日本の外食産業はたしかに、すこし過剰気味かな・・・と思うところがあります。今の外食チェーンの居酒屋などは、お店の雰囲気も料理の味も、すでに居酒屋と呼ぶことが出来ないぐらい立派です。それでいて、一昔前と比べたら、既に半分以下の値段です。
大型外食チェーンが安売りでしのぎを削っていて大丈夫なのかな・・・と心配をしてしまいます。
どんどん、出店してくれるのは仕事的には嬉しいですが、そのお店が退居したり、倒産したりすることを想像すると少し、怖くなってしまいました。
今日はちょっと不動産・建築から離れたけど・・・
【開発】L字溝 第10話 最終回
前回から、この話題がだいぶ空いてしまいましたが、今回が最終回になります。
前回以前の話はこちらからどうぞ。
【開発】L字溝 第1話
【開発】L字溝 第2話
【開発】L字溝 第3話
【開発】L字溝 第4話
【開発】L字溝 第5話
【開発】L字溝 第6話
【開発】L字溝 第7話
【開発】L字溝 第8話
【開発】L字溝 第9話
さて、私は隣地の買収などできるわけが無いこともわかっていて、また、お店のオープンまでに間に合わせないといけないという、厳しい状況に追い込まれていました。
そこで、いろいろ考えて、前回の話の通り、電柱が必要で電柱は道路上に立てることができるのなら・・・
ということで擁壁をL字溝で押し通すことにしました。
さて、すぐに役所に行くと、隣地となにも交渉してないと思われるので、1週間空けてから、再びS区役所の道路課に行くことにしました。
S区役所のすぐそばの喫茶店で設計のM氏と現場監督のY氏と待ち合わせました。
緑字・・・M氏 赤字・・・Y氏
「相澤さん、いくらなんでも高さが1mの擁壁ですよ・・・。それをL字溝だって言うわけですよね。無理だと思いますよ・・・」
「僕も無理だと思います。」
「正直言えば、言おうとしていることが強引だということは解ってるけど、隣地が買収できなかった以上、何もしなければ、隣地の土はこちらの道路に流れてくる。我々も困るが、隣地も困る。これを放置することはS区としても難しい話だ。しかし、道路上に何かを置くということをS区としても認めるわけにはいかない。そこで、道路上に置いて良い物という大義名分をS区に与えてあげれば、S区も認めるのではないかと・・・」
「まぁ・・・他に代案もないので・・・とりあえず・・・」
「あっ、途中で口を挟むなよ。」
さて、S区の道路課に突入です。
「すいませ~ん。」
「あっ、また君たちか・・・。隣地との交渉は上手くいった?」
「いえ・・・それがまったくダメでして・・・」
「そりゃ、困ったな。」
「そこで、ご相談があるんですが・・・」
「なんだ?」
「今回の擁壁をL字溝ということで認めてもらえませんか?」
「はっ?きみ・・・L字溝ってどんなものか知ってる?」
「一般的なものは知っているつもりです。」
「一応、解らないといけないから教えてあげとこうか?こういうもんだよ!」
と写真を見せられました。一応、途中から読んでいる方の為に写真を載せると・・・
これがL字溝です。
「はい。存じております。しかし、S区としてはL字溝は道路幅員内にあることは認めますよね?」
「そりゃ、『L・字・溝』ならばね」
「では、お伺いします。L字溝の定義を教えて下さい。」
「あのなぁ・・・L字溝っていうのは道路上の雨水を排水溝に流す為のものだ。断面がL字になっているものだぞ」
「今回の我々の擁壁も下に排水溝は設けてますし、断面も一応、L字です。」
「大きさが全然違うだろ!」
「では、L字溝というのは、建築基準法で大きさが定められているわけですか?」
※JIS規格ではもちろん定められています。しかし、JIS規格の製品を使うことを建築基準法では定めていないはずです。
「それは屁理屈だろ!」
「もちろん、屁理屈なのは解っています。しかし、他に何か案がありますかね?もし、あればお知恵を拝借したいのですが・・・」
「ちょっと、待ってろ!」
と、担当官は上司と思われる人としばらく話していました。
待つこと15分ほどして・・・
「今回だけだぞ!!!!!!」
「あのぉ・・・。S区が承認したという書面をいただけませんか?」
「無理だよ!図々しいにも程があると思わないか!?」
「ですよね。わかりました。」
さすがにS区の立場を考えるとそれは無理だということはわかりました。
というわけで、作ったL字溝ならぬ擁壁は・・・
こちらです。
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写真右側の、ライトが埋め込まれている塀が私が『L字溝』と言ったものです。この塀の下にグレーチングが写っているのを見れば解るとおり、雨水の処理能力もちゃんとあります。(ゲリラ豪雨であふれたけど・・・)
奥のバイクを見れば解るとおり、高さも結構あります。ちなみに一番に奥に写っている階段もついでにL字溝ということにしてもらいました。断面が全然L字じゃないけど・・・。
その後、私はS区の道路課から
「もう、うちの敷居はまたがないでくれ!」
と、出入り禁止にされてしまいました。
長々と書いて、くだらないオチだったけど・・・